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    柴 亜伊子
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FDAの承認

昨日の続きです。

ドイツのMERZ社が製造メーカーになった、エセリス(新:ベロテロ)ですが、中身は同じそうです。

安全性が高く、均質で滑らかな仕上がり、というのが、エセリスに持っている印象です。

小じわや目の周り、目の下などには、うちでは、エセリスソフト(時に、ベーシック)を使います。

痛みをさらに軽くするために、麻酔入りのモノを使っています。

このMERZ社ですが、レディエッセを作っている会社なので、FDA取ってほしいな~と思っていたので、とても嬉しいです。

これで、うちで取り扱う注入剤全て、FDA承認となりました。

(エセリス、ジュビダームウルトラ、ジュビダームウルトラプラス、レディエッセ、ボトックス、全部です。

ちなみに、ジュビダームとボトックスは、日本の厚労省認可です。)

さて、このFDA(米国食品医薬品局)ですが、患者さんからしたら、直接はあまり関係ないのかもしれません。

薬や施術・機械自体の問題も大事ですが、それを取り扱う医師・クリニックのやり方・考え方が同じくらい大事で、いや、それ以上かもしれません。

お金儲けで、てきと~にやっているクリニックもあれば、FDAの承認のものでなくても、自分なりに調べて、責任を持って、使っておられるクリニックもあり、ピンキリです。

そもそも、今日本で、FDA承認のモノが、美容医療でどれくらいあるのか、という話にもなるわけですが、日本の厚生労働省の認可のモノは、ムチャクチャ少ないので、それよりはFDA承認のモノは多いですが、有名な薬・治療など全部がFDAの承認を取っているものではありません。

FDAの承認を取るつもりがあるのかないのか、企業の姿勢にもよりますし、申請したからと言って、絶対取れるものでもないようですし。。。

韓国は、美容医療の機器のメーカー・薬のメーカーなどいろいろたくさんあって、もちろん日本よりも圧倒的に多いんでしょうが、韓国のモノで、FDA承認のモノって、何があるんでしょうか。

うちで導入している薬・化粧品・医療機器など、韓国製のモノは何もないので、その辺の詳細は知りません。

特に、レーザー機器は、ジェネリックというのか、よくわかりませんが、他企業の作ったレーザーをマネして作って、もっと安い金額で販売するということが多いです。

(パクって作ってますから、研究費があまりかからないから、販売単価も安くできるわけです)

昔、日本の電気製品って、車とかもでしたっけ?

欧米で発明された商品が、日本人がマネして作って、しかもさらに良いモノに昇華させて、似ているようで別物、みたいな商品をたくさん作って、オリジナルよりもいいから、オリジナルを抜いてしまって、それだけ、「メイドインジャパン」は素晴らしい、と着築いてきたんでしたよね。

そのまんまパクリではなく、もっと良いモノに変わっているから、文句も言えない、というわけですかね。

韓国製のものでも、まんまパクリだったら、オリジナルのメーカーは快くもちろん思っていないでしょうが、オリジナルよりもより良いモノに変わっていれば、ユーザーは、そっちを買ったりしますよね。だって、安いわ、質がいいわ、となると、そりゃそうでしょ、となりますよね。

購入金額が安かったら、患者さんからいただく料金も、安くすることができると思いますから、患者さんからしても嬉しいでしょうし、クリニックもそれで集客できれば、お互いウィンウィンでいい関係ですね。

ただし、施術の安全性が確認されていたり、また機器自体の問題ではなく、使う側の問題も多いわけで、「機械」の前に、「人」ですね。

韓国製のモノって、良いモノもあるし、う~ん、怪しい、と思うのもあるし、実際怪しかったものもあるし、内容はどうあれ、貴女が信頼しているクリニックで、導入されているのであれば、それほどおかしなことにならず、それはそれでいい結果になることも多いです。

ジェネリックみたいなモノが多いですから、本物と比べると、不便だったり、パワーも弱かったりと、本物並みのことはできなくても、値段から言えば、そこそこいい、といいうことはあるようです。

(もちろん、やり方によりますよ)

やり方によるので、患者さんからしたら、お手軽にしたい時には、ちょっといい選択肢となりますよね。

さあ、ここからは、医療関係者へのお話しです。

学会の共済会があるんですが、そこに、医師賠償責任保険があります。

保険の病気の時などで、万が一のことが起こった場合に使う保険があるんですが、

美容医療では、そういった保険を保険会社が作ってくれなくて、でも必要なわけで、それで共済会で作ってくださった、という有難い保険です。

美容医療をやっているのに、まだ入っておられないドクターがいれば、即刻明日にでも連絡されて、入ったほうがいいです、いや、絶対に!

で、万が一何かあった時の、保険の対象施術ですが、去年ちょっと気になることがあって、共済会にお電話した時に、ついでにお聞きしたんですが、対象の施術は、厚労省認可、もしくはFDA認可の施術(薬など含む)であって、CE(ヨーロッパ)や他国のは、対象外だそうです。

私は、FDAの承認を取っていなくても、学会発表などされていて、施術しているドクターもとても多ければ、(モノにもよるでしょうけど)、対象、と思っていました。

事務局の方がおっしゃるには、どんどん新しいモノも出るし、安全面で追いついていないこともあるから、日本の厚労省認可とまではいかなくても、FDA承認は取っていないと、対象になりません、とのことでした。

まあ、何かあった時は、共済会に頼らず、自分ひとりで責任を取ればいいわけですが、やはり心細かったり、いろいろあったりしますから、自分ひとりでなんとかするのは大変なので、認可されているモノを使ったほうが、回りまわっては患者さんのためにもいいことになります。

でも、全部が全部、FDAの承認が得られているわけではないですから、多くのクリニックが、承認前でも、入れていらっしゃることも多いです。

企業の言うがままに、「安全」「大丈夫」「みんな使っているから」「安い」などなど、そのまま営業トークを信じて、導入しちゃっても、どんなにメーカーがウソを言ったとしても、最後の責任は、やった医師の全責任です。

(ここが、保険診療と違うところです。)

そういうことをご存知なかったドクターがもしいらっしゃれば、その施術、ちょっと考えなおされたほうがいいかと思います。。なにかあっても、誰も責任取ってくれませんよ。

(FDAの承認取っていなくても、相談には共済会で載ってもらえると思いますが。。。どうなんでしょう。。)

FDA承認でない場合、そういうことも考えながらやったほうがいいので、どこまでするかは、クリニックの考え方次第です。。。

患者さんの中には、とにかく安いのがいい、と価格にだけ飛びつく方が多いですが、よく考えてから、にしましょうね。

カテゴリ:

医療