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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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赤ら顔の治療⑤

さて、ビタミンKの続きですが。。。

「赤ら顔に効く!」と思って、ビタミンK、飲まないでくださいね。例え医療用のを飲んでも効かないです。副作用が出て、終わりです。

市販のは、何の目的で販売されているのかは、知りません。

一体、どういう方が、市販(医療用は、ビタミンKが必要な病気であったり、状態があるので)のモノを購入されるのかも、私には謎です。

で、その患者さんが、ネットで見つけられた、ビタミンK配合(?)クリームですが。。。

ちゃんとした製薬会社が出しているならともかく、医薬品でもないわけですよね。

ドラッグストアにすら、置いてなさそうですかね。ネット販売のみですか。。

私もちらっといくつかのサイトを見ました、「ビタミンKが赤ら顔に効く」と効能をうたっているサイトです。

赤ら顔で悩んでいる個人の方のブログのようになっていて、結局は、それを販売するところにリンクしているものばかりでした。

あるいは、話を引っ張っておいて、これまた別の何かを売っていて、そこに誘導していくモノでした。

見るからに、あやしいし、やらせというか、ただの宣伝ですよね。

こんなクリームに関わらず、なんでもそうですが、その会社なり、その人は、その商品が売りたいわけですから(自分の利益のために)、そりゃ、いいことばっかり書くでしょう。

医薬品でもないのに(効くわけがない、という意味で)、副作用のことばっかり言ったら、一体、誰が買ってくれるというんでしょう。

そりゃ、いいことしか、言わないんじゃないですか。

正しい営業姿勢と言えば、そりゃそうだ、ですが、そんなことは、どこのお店でも、何の業種でもあるでしょう。

服を見に行っても、自分で似合わないな~と思っていても、店員さんがベタ褒めにしていることって、今まで1度くらいはあったでしょう?

それを真に受けるかどうか、ですよね。

化粧品だから、薬だから、特別、というわけではありません。

世の中、そういう、誇大広告をしてでも売る人というのが必ずいて、本当にまっとうに商売している人があまりに少人数過ぎて、埋もれてしまって、わかる人にはわかるんですけどね、わからない人には、砂漠でダイヤモンド探すような感じ。。?

自分の売っている商品の悪口をいう、営業マンはいませんよ。

それをどこまで信じて買うのかは、消費者側の問題です。

全部信じて買っていたら、破産ですよ~。

こういうクリームを作って、一体、どこの誰が「効く」ことを確認したのかわかるはずもないサイトで売られているようですが、昔から、こういう、人の弱みにつけこむ商品は、売られています。

一番有名なのは、「アトピービジネス」と言われた頃でしょうか。

その後も、おかしなモノは後を絶ちません。

「顔が赤いからなんとかしてほしい。赤いのがイヤ。」と、アトピーでも、普通の湿疹皮膚炎でもかぶれであっても、多くのクリニックを受診すると、ステロイドのホルモン剤が処方されることが多いです。

ステロイドが悪いわけではなく、他の薬同様、効くものには必ず副作用があります。

診察もせずにバカバカと強いステロイドを出す医者がいて、塗ったら、すぐによくなるから、ステロイドが欲しい(しかも大量に、とか)とダダをこねる患者さんもいて、それを説得して、あの時は使ってよかったけど、今回がダメですよ、今回はそこまで強いのを使ったらダメですよ、と説明する時間もムダだと考える医者もいて、また説得したところで、話も聞かず、ステロイド欲しさにケンカを吹っ掛けてくる患者さんもいて、全てが悪循環なんでしょうけど、そのうち、多くの医師が、サッサと、(とりあえず)落ち着かせるために、ステロイド、しかも、本当は思っているよりも、ちょっと強めを、ちょっと多めに処方して、サッサと次の患者さんを診る、となってしまっているクリニックも結構あります。

かぶれとか、ホントい一時的なものであれば、少々強いのを、その部分だけに使うのは構わないんですけどね(診察の上で)、アトピーとか慢性湿疹皮膚炎などの長い付き合いをうまくしていかないといけない病気なのに、どううまくステロイドと付き合っていくか、が最も重要で、どんなに親身になってくれる皮膚科医と巡り会えたとしても、なかなか難しいこともあります。

多くは、皮膚科医以外から処方された適切じゃないステロイドを大量に、しかも強いのを塗っていたり、あるいは、皮膚科医なのに、そういうことをしていることも多々あって、その結果、ステロイドの副作用がバンバン出て、それがまた問題になって、ステロイドが悪いわけではありませんが、使う側。処方する側の問題なのに、「ステロイド全面拒否!」という患者さんが多数出ました。

今でもそういう方はいらっしゃると思います。

「ステロイド=悪」みたいな、新興宗教に洗脳されたかのように、「ステロイドは絶対使わないでください!!」という患者さんが出てしまいました。

その結果、皮膚科にいくと(皮膚科でなくても)、「ステロイドを処方される!」と行かない人も出てきて、その挙句、「ステロイドじゃない、アトピーに効く塗り薬」「漢方のアトピー用塗り薬」など、中身が何かも全くわからないものが、クリニック・薬局・ネット・会員制サロンのようなところで、様々なものが販売されました。

その中でも、「アトピーがウソのように治った!すぐに治った!すごいっ!!」となって注目されたものがいくつかあって、ネット販売のこともありますし、クリニックで医者が患者さんに処方していたこともあります。

あまに効くから、おかしい、と思って、調べてみると、これ以上強いものはない、というくらいの最強レベルのステロイドが入っていて、大問題となりました。

そんなもの、そりゃ塗ったら、すぐに症状は治まります。

ただ、ホントひと時で、そこまで強いのを使ったせいで、副作用がエライことになります。

患者さんも、中毒みたいに、なくなったら、また出てくるから!と絶えず塗り続けることにもなり、そりゃもうエライ騒ぎで。。。

止めたくても、患者さん側も副作用で止められない。。。

(不適切なステロイドの使用をしてしまった場合、それが長期であればあるほど、また強ければ強いほど、元に戻すのは、ムチャクチャ大変です。。。

その中でも、毛細血管拡張が全部自然消滅する、というのは、あまり期待しないほうがいいです。。)

「赤みを抑えるクリーム・薬」に、ステロイドが混じっているのは、ホントに今までにいくつも事例があって、ステロイドが入っているのに、「入っていないのに、効く」と言って売るわけですから、そりゃ、多くの人が買うでしょう。ボロ儲けってヤツですね。

(ちなみに、そんな業者には、必ず天罰が下ります)

昔から、こういう、人の隙をついて、付け入る商売というのは、山ほどあるでしょう。

ステロイドが入っていないのに、誰でもネットで買えて、誰でも効く、しかもすぐに、って、おかしいに決まっているでしょう。

なので、「赤ら顔に効くクリーム」と最初聞いた時に、「ステロイド混ぜて、売られてんのかな」と正直思いました。

赤ら顔でもアトピーでも、それ以外の方でも、わけわからんものだったら、顔に塗るのは止めましょう。

ホントにステロイド入っていたら、どうするんですか。副作用でもますます赤く、ひどく、しかもその後、黒ずんで、ホントに大変なことになります。

元に戻すのに、どれだけの莫大なお金と時間がいるか。。場合によったら、元には戻せないかもしれません。。。

・いらんことはしない

・でどころのわからないモノ、中身のわからないモノは使わない・飲まない

・あやしいモノには、近付かない。

・信頼して、なんでもとりあえず相談できるドクターを、かかりつけで見つけておく、というのがいいんですけどね。。

あやしいかどうか、自分で判断できない時に、なにか助言してくれると思います。

一人で、どの科でも見られるドクターというのは、まあいませんが、かかりつけの自分の患者さんから、いろいろ相談されて、自分の守備範囲じゃなかったら、あの先生がいいんじゃない?○○病院に行ってみる?こんな検査をしてみたら?などなど、どうしたらいいのかを教えてくれると思いますよ。

自分の家族同然、親身になってくれると思います。

(一般病院では、なかなか難しいですよ。1日に対応する患者さんの数も重症度も違ったりしますから。開業医のドクターでないと、なかなか、お一人に時間を取るのは、すごく難しいと思います)

そういう意味でも、かかりつけ医はあったほうがいいですよ。元気なうちに探しておきましょう。

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医療