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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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ホーム > 2015年03月11日



昨日の続きで今日は実名で情報を提供している場合の話でしたが、怖いモノを見てしまったので、その話を。。。

患者さんで、急性膵炎になられた方がいて、お酒はそれほどはその時はそんなに飲んではいらっしゃらなかったんですが(飲む時は、すごく飲むようです)、まあ、お酒とストレスですかね。

重症まではいかなかったそうですが、数日入院されました。

(普通、急性膵炎は、食事が一切摂れなくなるのと、点滴をかなりすることになるので、まあ、入院だと思います)

問題は、治って自宅に帰って来てからの食事ですね。

しばらくは、ちょっと大変です。

制限されているモノを食べるくらいなら、多分、食べないほうが体にはいいくらい、大変です。

当たり前の話ですが、私が普段ブログで書いている糖質制限食は、あくまで健康な方のためのものです。

何度も書いていますが、持病をお持ちの方、薬を飲んでいる方、検診で引っかかったなど何か異常が見つかった方など、個々の病状や状況や症状によって、その方にとっての「食事」というのは、全然違います。

主治医に相談なく、これこそ、ネットであれこれみて、勝手に食事内容を変えるのは、絶対におやめ下さい。


ちなみに、膵炎(急性も慢性も)の方は、糖質制限食は、禁忌です!絶対にやってはダメな食事方法です。

 

どこまで回復されたかにもよりますが、膵炎の場合、お肉、特に油っぽいモノは食べないほうがいいので、お肉を食べるにしもて、ささみが推奨で、たんぱく質は、できれば、魚介類・豆腐などの豆類・卵(食べすぎ注意)と言われるくらい。

豆腐類も揚げ出しやお揚げは、油っぽいので、できれば食べないほうがいい。。

消化の良いモノが良く、食物繊維は消化が悪いので、あまり食べないほうが。。

糖質中心の食事になり、お肉や油分を摂らない(摂れない)分のカロリーは端子化物で補う形となります。

かといって、たくさん一度に食べると調子も悪くなるので、1回量は少なく、回数を増やして、取り戻す、という感じで、かなり大変です。

はっきり言って、糖質制限と真逆か?!というくらい、逆の考え方をしないといけません。

 

回復の程度にもよりますが、たんぱく質制限というのは、なんでも回復を遅らせますが、かといって、たくさん食べて調子が悪くなることも容易に予想されるので、膵臓にも負担なく、しかも栄養はしっかり摂れて、と、なんかうまい方法はないかな~、とネットでちょっと検索してました。

 

準公的っぽい医療機関や医療関係のサイトなどで、食事について載っていたり、どこかの親切な内科の先生が、HPに載せて解説されていたり、個人の書き込みは、そういう記事がベースになっていたり、コピペされていたり、と、まあ似たり寄ったりでした。

 

ネットで、匿名で、質問して、これまた匿名の誰かが答えてくれるサイトがありますよね。

それが本当に役立つこともあるでしょうけど、聞いている人は、それがどうやって、正しいと判断されるんでしょうか。。。

そ専門的なことを聞いた場合、その業界の関係者しかわかりませんよね。

 

私が、膵炎の食事を調べていた時に、たまたまたどりついたサイトで(どれか忘れましたが)、どなかかが、私のように膵炎(後)の食事について、気を付けることを聞いておられました。

匿名のどなたかが、親切に答えていました。


最初のほうは、どこからか引っ張って来たのか、まあ、どこのサイトにも書いているようなことが、結構しっかり書いてあり、割と長めで、親切に書いてありました。

最後に、食事の例、みたいに具体的に、こんな食べモノがお勧めです、と親切にのせてくれていました。

ふん、ふん、と読み進めていると、一番最後に、しれっと、

「味付けの濃い漬物、コーヒー、カレー粉、わさび、濃いお茶」とか書いています。

(まだ他にもあったかも)


。。。。えっ?

 

もう一度見直しました。

食べちゃダメな食材の話かな、と思い、見返しましたが、あくまでお勧めの食事で。。。

 

この、今上げた、「味付けの濃い漬物、コーヒー、カレー粉、わさび、濃いお茶」というのは、そっくりそのまま、他のサイトでも、「食べてはいけない」あるいは、「食べないほうがいい」ところに書いてある文言で、「食べないほうがいい」という言葉を抜かしてしまいました、というよりは、書いた人の、「悪意」をひしひしと感じました。

読んだ瞬間、背筋が寒くなったのを覚えています。

 

一見、良い人そうに、親切丁寧に接しておきながら、信用を勝ち得ておきながら、最後の最後で、地獄に叩きのめす、というか。。。ものすごい悪意ですね、これがそうなら。。。

(「書き忘れてました、てへっ♡」で、済む話でもないです。。。

聞いた方は、「ありがとうございます。助かりました。」とお礼を言っておられ、そりゃ、わからないから、聞いているんですものね、見抜けませんよね。

(何年も前の書き込みでした)

 

これが実名だったら、こういうことはされないと思いますよ。

ナンバーディスプレイで、イタ電かけないのと同じですね。同レベルの話ですか。。

 

旅行に行くのに、現地の方に、「あの道は混んでいますか?」「この季節は寒いですか?」とか、欲しいモノがあって、「取扱い店をどなたか知りませんか?」とか、そういう類の話であれば、まあ、仮に騙されたとしても、それほどの被害はないと思います。

でも、医療に関することって、匿名の情報を信じるのは、ホントに止めほうがいいです。

まず、主治医に相談するか、同じネットで情報を得るなら、公的機関や準公的な医療機関のHP内で探すか。。。

大変なことになってからでは、恐ろしいですよ。

 

別の件で、患者さんからご質問の合ったことを調べていたら、とんでもないサイトにあたって、法律に触れるようなことが書いてあったので、ここでは触れませんが(患者さんが聞かれたことと、直接は何も関係ありません)、えげつなっ!と思いました。

調べものをしていたら、そこに出てきた単語が気になり、それをまた調べて、そこでもひっかかって、調べて、としていたら、たどり着いた情報です。

まあ、えげつなかったです。

医学的なことの話を、「自分は素人なので」と一応お断りはされていますが、専門用語を使って、ホントにもっともらしく書いてあり、これは、知らない人が読んだら、信じるのも無理ないことだわ、とこちらも怖くなりました。

立て続けでしたね。。調べることが続いたからでしょうか。。

→続く