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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖?

さっき、「ホンマでっか?!TV」を見ていたら、フレンチトーストをプロの方がスタジオで作って、出演者の方が召し上がる、というのをやってました。

その時に、どなたか出演者の、栄養の評論家?かなんか知りませんが、「脳の唯一の栄養源はブドウ糖です」と言っていました。

はあ~っ?!

この言った人の職業を存じ上げませんが、もし、食品や栄養関係のお仕事されている人なら、勉強不足にもほどがあります。

それとも、何かの陰謀。。。?

「ホンマでっか?!TV」、好きですけどね。時間があったら、毎週見てますけどね、評論家によったら、ウソっぱちをもっともらしく言うことがあるので、知らない視聴者からしたら、信じますよね。

大したことがなければ、まあ、それほど害はありませんが、医学的に完全に間違っていることは、さすがにテロップを画面いっぱいに流すとかしないといけないんじゃないですかね。

例えば、いろんな論文って、あるんですが、ひとつのデーターがあっても、その結果をどうとらえるのか、という考察が一番大事で、これは、その論文を書いている人の、どう話をもっていきたいのか、どう考えるのか、によって、結論が変わってきます。

捉え方は、人それぞれになりますから、同じデーターでも結論が違う、ということは、科学者同士であっても、あり得ると思います。

誰も反論ができないほどのデーターであったり、事実であれば、意見が分かれることもないですけど。

でも、医学的に絶対におかしいことを平気で流して、最後に、「あくまでひとつの意見ですから、」と流して終わりって、信じた人が悪いってこと。。?

それだったら、番組最初に、ちゃんと声に出して言うとか、ホント画面いっぱいにテロップ流してほしいです。

画面いっぱにテロップ流したら、結構おもしろいんじゃない?と思うんですけど。。

それぞれの評論家のコメントにツッコみ入れて、全部笑いにしてしまうとか。

番組としての姿勢とか話の持って行き方もあるんでしょうけど、視聴者が間違ったことを刷り込まれるのはイヤですね~。

そんな情報を流すから、「受験生にブドウ糖!」みたいな商品が出て、受験生は血糖値が上がって、すぐに眠くなります。

寝かしてくれてるってこと?緊張して眠れないといけないから?

以前にも、同じようなCMがTVで流れて、どっかからクレームがついて、放送停止かなっていたような気がしますが、ちょっと前にも、また懲りずに流れていました。

どうして、そういうことができるのか。。また、するのか。。

脳は、ケトン体が使えるので、ブドウ糖だけが「唯一」の栄養源ではありません。

今、ココナッツオイル、流行っているでしょ。

流行っているというか、アンチエイジングご高名な白澤卓二先生が、日本で広めた第一人者でしょうか。

雑誌の「クロワッサン」で特集も組まれ、私もその雑誌も買ったし、ココナッツオイルは買いました。

買ったものの、ずっと使っていなかったんですが、栄養解析をした結果、ココナッツオイルを勧められ先日からちょっと料理に取り入れたり、そのままちょっとだけ舐めたりしています。

ココナッツオイルがなぜいいのか、今、認知症にもいいと言われていますよね。

アメリカでしたっけ?そういう本が出て、注目されたの。

何が認知症にいいのか、ということですが、ココナッツオイルはケトン体が豊富に含まれていて、ケトン体が脳のエネルギー源になるし、ケトン体を脳に使わせるのがいいんじゃないか、など言われていますが、まだエビデンス(証拠)までは出ていなかったような。。

糖質制限をすれば、脳だけでなく、ケトン体が全身のエネルギー源としても使われるようになるので、糖質制限をしていたら、ココナッツオイルいらないんじゃない?となるかもしれませんが、糖質制限もどこまでの制限をするのかにもよりますし、みんながみんな、すぐにケトン体に切り替わるものでもありませんから、そういう場合に補助として、あるいは、自分で作ったケトン体にプラスして、という意味でもとてもいいようです。

食用油をココナッツオイルに変えるくらいであれば、害もないですしね。

(欠点は、わりと高いのと、どこも品薄なのと、料理によったら、甘い香りが邪魔になることもあるとか、気温が低いと固形で白くなってしまうことくらいですかね。)

もともと、子供の重度のてんかんに、治療の一環として、「低ケトン体食」として、糖質制限は昔からされていました。

脳の活動と、認知症同様、関係はあるんでしょうね。

(その辺は専門ではないので、詳細は省きます)

じゃあ、みんながみんな、いきなり糖質制限をしていいのか、というと、これまたいろいろあって、今まで、結構な糖質を摂ってきた人は、いきなりかなりの糖質制限をすると、インスリンのコントロールも悪いし、下手すると糖新生もうまくいっていない場合もあるし、慣れるまで、結構しんどい人もいらっしゃいます(持病がなくても)。

持病のある方は、必ず主治医のドクターと相談してやってくださいね。

持病や健康に全く問題のない方は、ちゃんとした本を読んで、正しく理解した上でされないと、てきと=に自己流でしても、ダメだったりします。

(うちの患者さんでご興味のある方は、処置中、あるいはメールでご相談ください。資料などもお渡しして、説明させていただきますね。)

砂糖も炭水化物の米・小麦・イモ類など、絶対食べちゃいけないわけではありません。特に、糖尿病や特殊な病気のない人の場合。

問題は食べ方ですね。

血糖値が急に上がるような食べ方をするのと、急に上がったのが、今度はそのせいで急に下がる(これをグルコーススパイクと言います)、これがいけないんです。

ネットでもTVでも雑誌でもなんでも情報過多の時代で、しかも大半が無料でダダ漏れ状態で入って来たりしますよね。

それらにそのまま流されて、全部信じてたら、ホントに体がもちません。お金も時間もムダにして、挙句の果てに、体も皮膚もボロボロ、なんてことにならないように。

別に医療関係の仕事についていなくても、そういう情報に出くわした時に、そのままなんの疑いもなく信じる人と、ちゃんと自分の頭で考えて、なんかおかしくない?それって、ホントのこと?とちゃんと立ち止まる人と。

知識の格差というか、今の時代、かなりの差がありますね。。

答えはも出なくていいので、わからないなら、わからないなりでいいですから、もっと考えるクセをつけないと。

考えることに意味があるんですよ。

考えて疑問に思ったことは、それこそネットを使って、調べるとかね。

ネットの情報も怪しいのも多いですが、どっかに正解がちゃんと載っていたりもします。(全部ではないですけど)

たくさんの情報の中から、見つけてこないといけませんが。

(たくさん見てたら、そのうち、全部信じたらいけない、ということが見えてくるはずです。。

それがいつまでたっても、わからないのであれば、とりあえず、栄養療法をしましょうか。→どうしてかは、処置中に聞いてください。

でないと、もろに被害者になっちゃいますよ。

と書いていたら、さっき、ニュースで、「ズンズン運動」の理事が逮捕されたと報道されていました。

私は、小児科医でもないし、子供もうちにはいませんので、どこまで赤ちゃんを揺らしたりしていいのかわかりませんが、施術風景を見て、「あんなに揺らしていいの?首、あんなにぐらぐらさせていいの?」とすごく怖くなりましたけど。。

子供をお持ち方って、みなさん、あんなに揺らすんでしょうか。。。

私には、あんまり見ない光景でした。。

逮捕された人は、医師でもナースでも医療従事者ではないんですよね。。。?

なのに、なんで、その「ズンズン運動」で「免疫力が上がる」と言えるんでしょう。

誰が発見したの?どうやって、それ、データー取ったの?

「これで免疫力がアップするんですよ」、と言われたら、「ああそうですか」と納得したんですかね。なにか証拠でも見せてもらったんでしょうか。。

先日の赤ら顔のネット情報もそうですけどね、一体、どこの誰が言っているのか、最低、情報源の元くらい、確認しないと。

なにかあってからでは遅いですよ。

若い時は、若気の至りで済みますし、それが社会勉強ってヤツでしょうけど、いくつになっても、学習せずに、って、人生も体ももたないんじゃないですか?

人を疑うって、イヤな作業ですけどね、世の中悪い人も大勢いますから。

でも、いい人も大勢います。

そういう情報だけ取って来ないとね。

だから、疑うんじゃなくて、「確認」です。

「確認」ができたんだったら、それをやってみたいんだったら、仕方ないですよね、とりあえず、やらなきゃわからないこともあるでしょうし(やる前に、わかることもあるでしょうけど)、やってみて、ダメだったら、次からその経験を活かせばいいので、次はもっと確認しましょう。

確認ができない、わからない、という人のために、次回は、情報の見分け方を書きますね。あくまで予定ですが。

カテゴリ:

医療