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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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今日は、京都のウェスティン都ホテルで開催された、日本形成外科学会総会に行って来ました。

聞きたい内容のほぼ全てが、休診日である今日でよかったです~。

ホントは、明日のランチョンセミナーも行きたいし、豊胸術(乳ガン術後再建など)も何かあった時の、私と患者さんの今後のためにも聴いておきたかったんですが、ちょっと無理そうです。

さすがに、そのために休診にしてまで、とまでは、さすがに今豊胸術が必要なわけではないので、聴きにはいきません。残念です。別の学会で、またぜひ聴きたいですね。

レーザーの講演が今日の固まっていてホントによかったです~。

さて、今回の目玉は、というか、毎回形成外科学会での目玉(私にとっての)は、肝斑治療についてです。

美容医療の世界で、いわゆる「レーザー」などの手術以外を治療に使っているドクターで、しかも学会などで中心となって講演をよくされているドクターというのは、大半が形成外科医です。

皮膚科のドクターもいらっしゃいますが、圧倒的に形成外科の先生が多いです。

そのためなのか、形成外科学会や美容外科学会(形成外科主体の)では、肝斑治療についてのシンポジウムが必ずあります。

何年も前から、肝斑治療というと、「レーザートーニング」一色で、私はトーニングを肝斑にしないので、「ふーむ」と思って、聴いていました。

(今までも、トーニングのことは書いてきているので、よろしければブログ内を検索してみてください。)

徐々に、レーザートーニングの副作用の報告も上がってきて、学会でも、トーニングをやる場合の注意点などは必ず肝斑のセッションではどなたかがおっしゃっていますが、実際、そういうことを守らずに利益優先に走るクリニックが大勢あり、もちろんう、うちにもそういう被害者の肝斑が悪化した方がたくさん来られました。

やるなら、ちゃんとやれよなっ!!と(大体名前の挙がるところは決まっていて。。。)一体どこに言えばいいのか、なんでも安易に安かったから(高いところも、いわゆる「有名クリニック」「老舗(?)クリニック」もありました。。。一番最悪でしょうか。。)、とやってしまう患者さんにも責任もあるんでしょうけど、一番悪いのは、やる医者なので、「うまい話はない」ということを患者さんご自身で身を犠牲にして実感されてしまったわけで。。そういうことがわかるのに、他に方法もあったでしょうに。。。

トーニングの副作用が言われても、ホントにちゃんとやっていらっしゃるところでは、トラブルも少ないためか、そこまで学会で警鐘を鳴らすということはなかったんですが、いや~、世間では、結構、ひどい目に遭っている患者さんがいるけどな~、と思っていたところ、一昨年でしたか、大阪の葛西先生が、「否っ!!」と総会で発言され、それから一転と言いますか、流れが変わりました。

(その時のこともブログでアップしてますよ。)

それ以来、ず~っと葛西先生は、「やってはいけない」と(細かく言えば、全否定ではないんですが、厳しい条件があります)言い続けていらっしゃって、あまりにも商業的になり過ぎて、大勢の患者さんが被害に遭っておられる実体を、世間に知らしめる活動をされていらっしゃいます。

素晴らしいことです。

葛西先生が、ネットで、ブログ?に、トーニングの全否定について書いていらっしゃるというウワサを聞いていたんですが、どこに書いていらっしゃるのかわかりませんでした。

(私は、フェイスブックもラインもツイッターも一切のSNSをやっていないので、世間についていっていません。)

そして、今日、また肝斑治療のシンポジウムがあり、トーニング反対派(トーニングだけではないわけですが。葛西先生は、保存療法派でいらっしゃいます)の代表として(というか、こういう場で、反対をおっしゃるのは、葛西先生だけなので)、講演されました。

いや~、おもしろかった!

いえ、おもしろいというと語弊があるかもしれませんが、ますますパワーアップされ、素晴らしい!

微力ながら応援しております。

そして、トーニング反対の例のサイトをご紹介くださいました。

「レーザートーニングの真実」 http://anti-lasertoning.com/


ぜひ、ご覧ください!!

私も今日知ったところなので、まだ全部読めていませんが、素晴らしい内容だと私は思います。

医療関係者用のサイトで、一般の患者さん向けに書かれたものではないようですが、トーニングを考えてる方は、私はぜひこれを読んでから、もう一度よく考えたほうがいいと思います。あとで、泣かないためにも。

美STの取材のやりとり(結局、断られてましたが)が載せてあって、笑っちゃいました。まあ、そういう雑誌って、知っていましたが。

こちらのサイトでは、葛西先生が、(あまりにも被害者が多いので)厚労省や警察にまでも相談・報告をされている話も載っていて、いや~、ホントに大変ですね。ご苦労様です。お忙しいのに、どうぞご自愛ください。

JMEC社(レーザートーニングを最初に売って、広めた企業)が、「レーザートーニング」の日本公式サイトを閉めて、JMECのHPから、「トーニング」がなくなった(機械は載っていても、適応疾患から肝斑を消したというのは、ウワサで聞いていましたが、その経過がとてもよくわかりました。

美容医療は、今、情報がネット上でも氾濫しているんでしょうし、テレビや雑誌では、そりゃもうムチャクチャです。

最近は、一部の雑誌で、「こんな記事ばかり載せたらいけない、でも載せないとスポンサーから言われる、雑誌を売るためには仕方ない、その代わり、ちょっとでもいい記事も別のページに載せておこう」と思っているのかな?と編集者の人の苦悩が垣間見れることがあり(あくまでも、私の勝手な解釈です。)、でないと、雑誌も潰れちゃうしな~、こういう時代だから仕方ないんだろうな~、とも思いますが、何も知らない患者さんからしたら、困りますよね。

今、患者さん側の「知識格差」がすごくて、ちゃんとご自分の頭で、「なんかおかしくないか?」と考えられる方と、すぐにうまい話に何も考えずに乗る方と。。。

(いや、「知識」の格差ではなく、「考える力」の格差というほうが正しい?)

だからこそ、正しい知識が得られる環境に、自分を置いておかないと、ホント大変な目に遭いますね。。

ドクターによって、同じ事柄でも、捉え方は違います。物事をどの角度から見るかで、考え方は千差万別です。

それは患者さんももちろんそうで、肌質も目標もかける予算も時間も違うわけですから、ご自分に合ったクリニックやドクターを選べばいいわけです。

正解はひとつではなく、最後に(いつを最後と取るかにもよりますが)患者さんが「やって良かった(やらなくて良かった)」と思えたらそれが、正解です。

でも、その選択肢が、最初っから、全部が間違っていたら、それはもう、どんな悲惨な目に遭っても、仕方ありません。

間違えた、と思ったら、間違えたと思った時点で、引き返すなり、やり直せばいいわけですが、体にダメージが残ってしまってからでは、大変でしょう。

医療なので、「副作用ゼロ」のものは存在しません。

でも、「絶対にやってはダメなこと」をやっての、副作用(というか、当たり前の反応)は、避けられたことです。

葛西先生のご意見は、極論だし、誇張している、みたいに言う人もいるかもしれませんが、私は、どれも本当のことだと思っていますし、まさに、これが「真実」ですよ、と思います。

逆の「真実」もあるのかもしれませんが、実際お金を払って、体を提供する患者さん自身は、両方の話を聞いて、理解して納得した上でやらないと。

そういうことをやらない人は、美容医療はやってはいけないと思います。