先日栄養療法オーソモレキュラーご希望で来られた患者さんですが、ご自身でいろいろ調べられて、いろいろなクリニック(一般の内科などで、栄養療法オーソモレキュラーをしているところではありません)で、血液検査だけ定期的にされていました。
その結果を見て、ネットの、前回に書いた、なんかあやしそうなところのサプリを買って、飲んでおられました。
症状が改善しないため、うちに来られたわけですが。
いろいろとご自身で調べて、この方みたいに検査だけ、どこかで無理にやってもらって、市販のサプリを購入して飲む、という方は、結構いらっしゃるのかもしれませんね。
みなさんは、血液検査なんて、どこでやっても同じとおもっていらっしゃるかもしれませんが、医師によって検査の考え方は全く違うので、同じ内容で検査をされていることは、例え病気であっても、ちょっとずつ違うことがあります。
患者さんがよく言われるのが、「こないど血液検査したから、何も問題はないはずです」ということですが、一体何の病気で(目的ですね)、何を検査したのか、で話は全く変わってきますし、検査結果を見たら、最低限のことしか(最低限のこともないことも。。患者さんが、コピーを持ってくるのを忘れたのかな、と思うくらい、え、これだけ?ということもあります)。
ひどい方だと、1回の血液検査で、心臓腎臓肝臓脳、ガン、アレルギーに至るまで、全部検査されているとおもっていらっしゃる方もいて、そんなことをしてくれる病院はまずありません。
まあ、自費なら別でしょうけど。
自費で、これだけ全部やったらとしたら
(血液検査で、全てが問題ない、とわかるものではもちろんありません。血液検査上、問題がない、という程度です。検査をして、ある程度のことから、かなりのことまでわかることもありますが、CTやエコーやカメラ・レントゲンなどに替われるものではありません。それぞれの検査に、意味があります)
まあ、えげつないお金を、血液検査だけで取られると思いますよ。まあ、そら、金額聞いて、のけぞるくらい。。
自費でない場合、多分ほとんどがそうだと思いますが、まず病名や疑い病名に対して、保険で通そうと思ったら、通せる範囲というのがあります。
一般のクリニックや病院で、自費での血液検査に慣れているところもあれば、あまりしたくないところもあるでしょうし、様々です。
(自費の場合は、課税対象となりますから、ちょっとややこしいのです。)
保険でしてもらう場合、例えば、うちでやっている栄養解析の項目全部は通りません。どんな病気であったとしても。多分。。
通そうと思ったら、関係ない疑い病名を、たくさんつけないとダメで、やみくもに疑い病名をつけるのも、もちろんダメですし、どんな病気であっても保険すら通っていない項目も調べます。
普通の内科に行って、病気でもないのに、「血液検査をしてください」と健康診断の感覚でいっても、それが自費だとしても、たいていのところでは、最低限のことしか調べてくれないと思います。
たくさんの項目を調べることの必要性を感じていらっしゃらないから。
いわゆる、この項目に異常があったら、という代表的な分のみ、ちょっと調べて終わり、というパターンです。
まして、保険で検査してもらうとなると、病名をつけてやられるんだと思いますが、
だからと言って、なんでもかんでも検査して保険が通るわけではありません。
特に、大学病院とか公的な病院であれば、保険が通っていない検査も、病院が被ってでも調べる、ということが、病気によったらありますが、そうでなければ、保険請求というのは、昔に比べてすごく厳しくなっているので、たくさん検査して(しかも一度に)、保険切られたら、クリニックでその検査代を被ることになりますから、患者さんが病気でもないのに、「検査してくれ」と言われて検査して、被ることになったら、イヤですからね。最低限のちょっとしか調べていないと思います。
私は人間ドッグをほぼ毎年受けていますが、今年改めて見直したら、血液検査、
たったこれだけか?!とちょっとビックリしました。
こんな少ないんだ、と。
人間ドッグの基本(ガンのマーカーなどのオプションではなく)の血液検査は、まあ、異常かどうか(基準値からどれだけ逸脱するか)をひっかけるためのものですから、細かいことまで調べても大きく影響しない、ということもあるんでしょうけど、項目を増やせば増やすほど、クリニックの儲けが減りますからね、そりゃ、最低限しか調べませんよ。
会社の検診でもそうでしょう?たくさんの項目をやってくれる会社もあれば、最低限の(どこのラインが最低限なのかよくわかりませんが)項目しかやっていない会社も。実施すらしていない会社もありますよね。
だって、その費用は会社の持ちだしですから。
(ちなみにですが、栄養解析の料金は、うちのクリニック側には、ほとんど儲けはありません。採血する手技料すら多分ないかも。
自費の検査は、たくさん調べることもあって、患者さんの自己負担が高いので、ギリギリにしています。)
栄養療法オーソモレキュラーを勉強したり、実践している医師でないと、これらの検査の必要性や判断する基準というのは、絶対にわかりません。
だって、全ての医師は、そういうことを習ってきていないし、一般の教科書のどこにも載っていないんです。
だから、実践していないクリニックで、検査してほしいと頼んだところで、全然意味がないんです。
基準値に対する考え方も違うし、検査されたところで、「何も異常はない」と言われて、終わりです。
(異常があったら、病気に対しての疑いが出てくるので、また話は変わりますが)
かなり以前の話ですが、「ためしてガッテン!」でフェリチンの話が出たそうですね。
でも、栄養解析では、フェリチンだけ診ても、意味がありません。他のデーターと合わせて評価するので、どれか1個の数値だけでは、判断ができません。
数値だけ満たせばいい、というものでは全然ないんです。それぞれの兼ね合いと意味があります。
血液検査をどう解釈するか、という詳細は、ネット検索では出てこないでしょうし、
(仮にあっても、ひとつふたつ、数値が書いてあるだけで、それではなにもわかりません)
そういう本も、売られていないと思いますよ。
なので、一般の患者さんが、自分で勉強して、ひとりで実践する、というのは、まず無理です。
一般の方ができるのは、「オーソモレキュラー.jp」http://www.orthomolecular.jp/
でも紹介されていますが、溝口先生始め、栄養療法されている先生方の本を読んで、食事を実践するとか、もっと勉強したい方は、このHPに、公開講座というか一般の方用の講演会(全て入場無料です)載っていると思いますが、そういうのを聴きに行かれるとか。
まずは、食事です。
とても重要です。食事ありき、ですよ~。
溝口先生の書かれた一般書を、ほとんど全部読みましたが(あまり昔のは読んでいませんが)、とても勉強になりました。
今でも、時々読み返したり、ああ、そうだったか!と治療のヒントになることも満載です。
こんな情報が、2000円もせずに得られるわけですから、本って、スゴイですね~。
実際の栄養療法オーソモレキュラーの勉強は、私はかなりのお金を時間を割いて、勉強しています。資料を取り寄せたり、セミナーに行ったり、結構大変です。
学生時代勉強した生化学がベースではありますが、ホントにそれを一から勉強する、しかも人間の病態というか、体に実際あてはめて、臨床に活かす、といいますか、生化学って、こんななっていたんだ!という、衝撃ですね。
生化学を勉強されている方であれば、医師でなくても、その辺のことは理解されると思いますが、それを実際の人間の体にあてはめていかないといけないので、病気を含めた医療も勉強していないと、ついていけません。
ものすごい大変と言えば大変で、私もまだまだです。
ネット検索って、便利ですし、私もやりますが、タダの情報には限界があります。
また、そのタダの情報が正しいのかどうかまで、判断する必要があり、それに振り回されると、結局お金と時間のムダになります。
一般の方が実践できる栄養療法は、普段の食事、これにつきます。
検診などは、体のために行かれたらいいと思いますが、栄養療法オーソモレキュラーは、専門のクリニックに行かれてください。
そこで栄養解析をして、食事も改善して、サプリメントも飲んだほうがいいとなると思いますが、サプリに関しては、何度も言いますが、市販のサプリメントで、栄養療法オーソモレキュラーできるものは、なにひとつありません。
治療として耐えうるレベルのものはありません。
なので、ネットで検索して探しても、時間のムダどころか、またステマかやらせかサクラか、アフィりティエ(でしたっけ?)か、わけわからんサイトにたどりついて、ロクでもないサプリを買うところに誘導されるだけです。
医薬品のビタミン剤ですら、無理ですから。
私も、最初は、医薬品のビタミン剤で代わりに使えるものがないかといろいろ探してみましたが、全然ダメなことがすぐにわかりました。
ごく一部に、う~ん、飲んでもいいけど。。。というものもありますが、栄養療法オーソモレキュラーのサプリにはかなりません。
まずは、食事です。
それと、自覚ですね。
本はいろんな本があるので、何冊か読んでみてください。
料理をされる方もされない方も、料理に関係した本もあるので、それも読むと、具体的な食材(NGも含めて)が載っています。
かなり細かく載っているので、とても役立ちます。
よくあるのが、NG食材をいいと思って、結構摂っていらっしゃったり。。。
せっかくするなら、効率よくやたほうが良くないですか?
NG食材を食べたら絶対にダメ!ということはないですが、NGという自覚がないと、止めるきっかけもないし、止めないのです。自覚があれば、いつか必ず止められます。ムダな努力ではなく、結果に結びつく努力にしたいですね。