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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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市販のサプリメント

先日、栄養療法をご希望の方が来られたんですが、アメリカのあるサプリを飲まれていまして、初めて聞いたメーカーだったんですが、お友達から、「いいよ」と紹介されたそうです。

約半年、飲まれていたそうで、このまま続けていてもいいのか、と心配されて、途中から飲むのも止めて、うちに来られました。

 

初診の方は、どんなご相談であれ、飲んでいるモノは薬だけでなく、サプリメントも持ってきていただいて、確認するんですが、予約の時にお聞きしても言わない方には、持ってきてくださいと言わないので、持ってこられません。

治療内容によったら、市販のモノや薬も邪魔になることがあるので(あるいは、薬であれば、うちの治療や薬が邪魔になる)、確認するわけですが、確認ができないと、市販のサプリなら確認できるまで止めてくださいと一旦止めたり、医薬品の場合は、うちの治療が変更(薬のいらないモノとか)になったり、患者さんの希望する治療ができなかったりします。

 

それで、持ってきてくださったので、確認しましたら、アメリカのモノを、そのサイトで取り扱っている(個人輸入?)ので、成分表示や注意事項は、全て英語です。

サイトで、一応確認できるようになっているようですが、日本で販売されているサプリのように、全部載っているのかは、よくわかりません。

 

ところで、外国製のサプリや化粧品を購入される方って、この英語表記など、全部読んでるですかね?

私だったら、イヤだな~、たかがサプリや化粧品で英語読むの。

メンドクサイもの。。

仕事柄、どうしても取り扱わないといけないモノとか頑張って読みますが(仕方ないので)、できたら英語は勘弁~、って感じです。

 

さて、その持ってこられた中に、ビタミンDがありました。

多分、お電話でも聞いていましたが、単位まではこちらも電話では聞きません。

なので、現物で確認するわけですが。。

 

なんと!そのビタミンD!

5000IU!!

この会社、アホちゃうかっ!

誰でも買えるサプリで、5000IU!!

 

患者さんには、すぐに止めるように言いました。

これを半年も飲んでいた?!

ビタミンD過剰症やん、エライこっちゃ!!

 

栄養療法オーソモレキュラーでは、ビタミンDに関しては、必ず血液検査をして、患者さんのビタミンDを調べます。

その上で、どれくらい飲んでいただくか決めますし、しばらくしたら、また採血して、どれくらい上がったか確認します。

5000IUの単位のモノも、もちろん使いますが、ビフォーアフターで確認を必ずしているので、過剰症になることはないし、もちろん中身も安全だし、まして勝手に患者さんが買うこともできませんから、何重にも安全なわけです。

 

血液検査の結果が出るまで、かなりドキドキしてまして、結果によったら、消費者庁や厚労省に連絡せなあかんやん、こんなん、危ないやん、野放しかっ!と思いつつ、患者さんの症状から、あまり過剰症を疑うような所見はなく、う~ん?と思っていたら、血液検査が返ってきました。

 

。。。え? 。。 。。こんだけ?

 

表紙抜けするくらいの値でした。。

 

なんや、これ。ほんまに5000IU?

 

そこのサイトを見ると、「5000IU 480日分」となっていて、

480日って。。。

えーっと、16か月?1年と4か月分?

なんで、5000IUを、16か月も飲まなアカんねん。。

なんじゃ、そりゃ~!

16か月分が1瓶に入っていて、湿気ないのん? そもそもいいの、それ?

しかも、極め付けが、16か月分だと言うのに、すっごい安い!!

 

結論は、「5000IU」と表示があっても、全然入っていないわけです。

だから、480日分てかっ?!

お金と時間のムダ!!

 

そんなところのサプリだから、添加物にしたって、何が入っているのか、わかりません。

まして、海外からのは、日本とルールが違いますから、日本の厚労省は使用を禁止している成分や添加物が入っていることもありますから、ちゃんと確認していないなら、買わない・使わない、というのが、トラブルなく過ごすコツです。

 

欧米のサプリや食品には、ビタミンD強化のモノがあるそうで、緯度の問題などもあるんでしょうけど、サプリ自体も、特にアメリカと日本でサプリ事情は確かに全然違います。

用量とか特に。

日本のは、厚労省の推奨摂取量が、大体の目安になっていることが多いのと、お客さんが勝手に買うわけですから、バカスカ飲まれても困りますので、一度に大量に摂れるようなものは安全の観点から、市販では売られていません。普通のメーカーは、まず売りません。

栄養療法オーソモレキュラーのサプリは、医師の診察が必ず必要で、患者さんが勝手に買うこともできませんし、サプリと言えど、治療として使うわけですから、症状改善に耐えうる濃度になっているわけで、市販のものと全然違います。

表示のウソもないので、ちゃんと計算ができるわけです。

 

なにはともあれ、その患者さんが気付かれてよかったです。

効かないくらいだったら、お金の問題だけなので、社会勉強代で仕方ありませんが、肝臓は余分に働かないといけないし、その時にまた栄養素を使うし、下手したら添加物だらけで、肝臓は大変な目に遭うし、とふんだりけったりです。

お金だけの問題じゃない。。

 

ちなみに、アメリカなどのサプリ、化粧品の個人輸入もですが、サイトにも「自己責任でお願いします」と必ず書いてあります。

日本の企業のように、なにか責任を取ってくれるわけでも、電話対応してくれるわけでもありません。

わからないなら、とりあえず買わない、その分、食費にかける!というのが、一番安全です。しかもそのほうがよほど体のためです。

わけわからんサプリ(特に海外のもの)を飲んでいる方は、今一度見直しましょう。

 

カテゴリ:

サプリメント, 医療