プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

カレンダー

2015年10月
« 9月   11月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

最近投稿した写真

ホーム > 医療 > 芸能人が流行らすロクでもないもの①



芸能人が流行らすロクでもないもの①

いや~、ホントに芸能人がテレビや雑誌で、「これがいい!」「これで、すっかり健康になった!元気になった!」「痩せた!」「キレイになった!」などと言っている商品や健康法に、ホントにロクなものはありません。。。

へ~っ?!とちょっとバカにしながら、そういうこともあるんやね、と見たり聴いたりしている分には害もないからいいんですが、早速私もやってみよう!と素人の方がマネをするから、ロクなことがない。

 

まず、第一に、芸能人が言っている場合、実はそれはヤラセというか、スポンサーがいて、そういうように言うことでお金をもらっている場合や、お世話になったら言わないといけないなどと、いわゆるステマであることがものすごく多いです。

で、ステマでない場合、人がいいのか、思い込んでいて、いわゆるプラセボ効果というヤツで、そのおかげと信じ切っている場合。

まあ、どちらもロクなことがない。

 

本当にいいモノ・ことをされている場合は、スポンサーのからみで言えなかったり、言ってもカットされたり使われなかったり、と、ホントにいいことって、反対勢力のほうが強いので、なかなか世の中にバーンっと!と出てくることはあまりないです。残念ながら。

知っている人は知っている世界と言いますか。。

 

芸能人がガンになったりすると、医者の知り合い(複数ね)がいないのかな?と思うこともしばしば。。

医者も100人いたら、100人とも考え方が違いますから、まず信頼できるホームドクターなり、とりあえず何でも相談できるドクターの知り合いを持っていると、確かに心強いと思うんですが、そのドクターの考えが、専門の世界では違っている・あるいは別の考えもある・別の考えのほうが多数派(多いから正しいわけでもないんですが)、ということもあるので、そういう意味では、複数のドクターと知り合いというか相談できる間柄というのがいいかなと思うんですが。。

 

例えば、経済界のエライさんが病気やガンになった場合、四方八方尽くして、なるほど、と思う病院にかかっていたりされていることが多いような。。

(それが、よかった選択だったかは、これまた別かもしれませんが、とりあえず、ハタから見てても、そりゃそうだ、と思うような病院だったり、選択だったりします。)

まさに情報格差ですね。

 

命に関わる問題は、もう時間がないので、もしここで間違った方向にいくと、死期を早めることにもなりかねないので、できるだけ自分が納得できる選択をしたいものですが、即座に命に関わらない場合、いあゆる健康法や美容法ってやつです。

ご本人はそれがいい!と思ってやっているわけで、止めないどころか、バンバンやり過ぎていたりすることもあるわけで。。。

あ”あ”== 

。。。本人が勝手にする分はもう勝手ですが、さも素晴らしいようにTVや雑誌で言うのは、影響力もあるから止めてほしいですね。。

 

先日、TVを観ていて、女性のタレントさんが、オフの日の1日の過ごした方を時間経過とともに説明されていたんですが。。。

 

この方が、今ワイドショーで騒がれていて、その健康法(?)が話の中で出てくるので、またマネする人がいるのかな~と思うことを山ほど実践されていて、あ”~あ”~、と思った次第です。

 

まず、

①酸素カプセル

まだ酸素カプセルやってる人、いたんだ!という驚きのほうが一番に来ましたね。

まあ、1回買っちゃうと、捨てるのも大変だし、なので、ずっとやっているのかな~と思っていたら!

うちの患者さんで、最近200万で新しく買った方がいて。。

デパートの外商だそうで。。

外商、何を売っとんっねんっ!!と驚愕です。

 

酸素カプセルは、10年、いやもっと前かな、一世風靡しましたかね。

私も昔勤めていた美容クリニックに、酸素カプセルが置いてあって、私も入ったことがありますが、こちらの代物、もちろん、医学的に効果がちゃんと実証された医学論文はありません。

酸素というのは、摂り過ぎは毒ですから、当時からも酸素カプセルは、活性酸素が増えるから、良くない、という意見は出ていたんですが、まだ今ほど活性酸素の害が大体的にも言われていたいた時代でもなく、抗加齢医学会は確かもうありましたが、参加している医師も少ない時代で(私もまだ参加していません)、どしても利益優先のクリニックだと、そういう声があったとしても、世の中、流行っているとなったら、なんでもノってしまう傾向にあり、メーカー側の言う通りに宣伝している時代というのがありました。

 

でも、美容医療の世界では、すぐにこの酸素カプセルは廃れて、もうあまり宣伝もされず(腸内洗浄と同じですね)、やっているクリニックも激減し、その代わりに、酸素カプセルのサロンのようなエステみたいなのが出てきて、マッサージ店などでも置かれるようになり、家庭用の販売の広告をたまに見かけることがあり(ベッカムが持っているとか持っていないとか噂になったり、高校野球の大会の時に、持ち込む学校が出てきて、大会中は持ち込み禁止になったというウワサを聞いたり)、すっかりその後は、何もウワサすら聞かなくなったので、もう消えたんだと思っていました。

なにしろ、学会の商業展示で、この酸素カプセルが展示されている記憶は全くないですね。

(ブームまっただ中の時には、美容医療の学会には参加していないので、私が知らないだけかもしれませんが)

少なくとも、この10年くらいは見てないな。

 

それが、外商で一般の方に売ったり、芸能人がまたテレビで言うと、買う人、出てくるじゃないですか。

あ”==。

そんなに酸素吸いたいんだったら、せめて活性酸素対策もちゃんとやれよ!と思います。

その患者さんが買ったというカプセルは、活性酸素対策がされている(?)という代物だということですが、そこのHP見ましたが、よくわかりません。

どうしてそれで活性酸素対策になっていると言い切れるのか。

なんかデーターを出していましたが、それだけのデーターで、対策ができていると言われても。。。

私だったら、イヤだな。。

そこまで自信があるなら、ぜひとも医学論文に投稿するなり、医学会、

ぜひ抗加齢医学会で発表くらいはしてほしいものです。

 

こういうデーターって、何でもそうなんですが、実験(細胞とかでの)ではこう出た、動物ではこう出た、と言っても、人間では全然違うわけで、もっと複雑なことが起こっているわけです。そう単純な話ではないのです。

 

医学会でも、新しいことが次々と出てきます。

今だったら、水素関係でしょうか。

今、推奨されている側の人たちが言うように、本当に素晴らしいのかもしれないし、これから、実はそうでもなかった、あるいは、こんな害が出た、となるのかもしれないし、それは今後のことはわかりません。

実践している人数が増えれば増えるほど、時が経てば経つほど、効果も害もわかってくるので、最初に実践した方々が実験台なわけです。

そうまでして、最先端(?)のことをしたい方は、そこの医療機関の全責任でされるわけで、そのことも理解された上でされるのは、その方の自由ですが、うちの患者さんから相談された時は、まだ止めておいたら?と言っています。

私も、今はまだ自分にやるつもりはありません。

ホントに良いモノだったら、そのうち、ちゃんと出てきますから。

慌ててする必要はありません。

だって、他にやったほうがいいとはっきりわかっていることが山ほどあって、それですら、まだ追いついていないのに、そっちまでやっている時間がない、というのもあります。

 

活性酸素というのは、いろんな細胞を傷つけ、それを繰り返していくうちに、病気やガンを誘発する可能性があるわけです。

どういう形で、どれくらい摂ったら、そうなるのか、誰にもわかりません。

それでも、その代償となるくらいのメリットがそんなに大きいのであれば、やる価値はあるんでしょうけど、そこまでのメリットは医学的に実証すらされていなくて、そうなると、ただの怪しい健康法と同じで、しかもバカ高いとなると。。。

 

活性酸素対策をして、酸素を取り込むって、なんの意味があるんしょうね。。

しかも、対策ができているかも定かでなく。。

何でも適量(と適切な濃度)というのがありますから、摂ればいいというものではないです。

病気で酸素を吸う・ものすごく高い山で酸素を吸う、死にかけているとき・手術後(麻酔後)など特殊な場合は、メリットが勝つから、吸うんです。その場合でも、ものすごく厳密に酸素濃度や量が決まっています。

(それでも、活性酸素対策もできれば、そりゃもっといいんですが)

上にあげた病気でもないのに、一体何がしたくてするんでしょうね。。

わからないなら、流行りで、手を出すな!と言いたい。

誰も責任、取ってくれませんよ。

 

カテゴリ:

医療