以前より、オーガニック風化粧品を使っている患者さんが増えましたね~。
オーガニック風と言うのは、一体何がオーガニック化粧品なのか、何をもって、「オーガニック」と呼んでいるのか(勝手に、メーカーが、自称「オーガニック」と言っているだけで、誰かが証明したわけでもなんでもないので)、私には全くわかりません。
オーガニックがいいとそういう商品を買う人は、一体、何がいいんですかね。
食べる場合は、わかります。
そりゃ、野菜でも農薬なんて少ないほうがいいし、肉や魚でも養殖よりも天然(野生)だったり、飼育養殖されていても、餌に薬品などが入っていないほうがいいです。
でないと、食べる側の人間も、その薬が口から入ってしまいますから。
それを言い出すと、化粧品の材料になっている植物エキスに、農薬が入っていないほうがいいという考え方なんですかね?
ていうか、そこまで考えて、そもそも購入を決めているんですかね?
そこまでこだわるってことは、野菜も無農薬を購入されていたり、肉や魚や卵なども、より天然に近い形で飼育されたものを買っていらっしゃると?
それは、大変ですね~。
さて、そうまでして、植物エキスって入れないとダメですか?
何がそんなにいいんですかね。データーを見せてほしいな。イメージではなくて。
普通のどこにでもある化粧品に、「オーガニックエキス配合」しかもご丁寧に、「オーガニック認定」のエキス配合だか、商品自体で認定取ったとかで売り出しています。
今のご時世、「オーガニック」と書きさえすれば、何も考えない、イメージ戦略にまんまと乗っかった人達がいくらもで買ってくれるから。他の商品との差別化ですね。ただの販売戦略ですね。
その中身は、すっごい安物の界面活性剤てんこ盛りの質が悪い化粧品であっても、オーガニック化粧品を称賛している人達のいうところの植物エキスがものすごい微量~入っていただけで、いいんですかね?
そのエキス、一体、なんの役に立つというんでしょう。
本当のオーガニック好きという方は、基本
あまり美容皮膚科には来られないと思いますし、実際、少ないです。
オーガニック好き=本物のべジタリアン、という方は、診たことないかな。あったかな。
オーガニックで、シミを取れ(レーザーはダメ。ようはスキンケアで。使うなら、オーガニックみたいない化粧品で)という方が、お一人来られたことがあって、無理です、と断りました。
オーガニックは好きだけで、ベジタリアンではない、という方は、まだ一番マシです。
で、こういう方が使っていらっしゃるオーガニック化粧品は、大体老舗のオーガニックを使っていらっしゃって、(老舗のオーガニックだからと、全商品使っていいわけではありません。皮膚科学とはかけ離れているので、もみ殻などのスクラブが商品として販売されていたりするので、老舗オーガニックでも、止めさせることも多いです。
一番最悪のパターンが、なんちゃってオーガニックで、しかもなんちゃってベジタリアン、という二重苦の方です。
オーガニック風のわけわからん化粧品で、肌はボロボロだわ、動物性たんぱく質(特に肉)を全然食べていないので、栄養は普通の女性でも栄養失調なのに、さらにひどい栄養失調で、したがって、脳に栄養が回っていないので、判断力・読解力・集中力などすべてが落ちていて、メーカーの広告戦略に見事にはまっていきますね。向こう側にとって、都合のいい情報のみにどっぷり漬かっていますから、抜け出すのが大変で、洗脳を解いてこれないというか、もう考え方がずれているので、どこからどこまでおかしな思い込みをされているのかが、皆目わかりません。
1たかが1時間ちょっとのカウンセくらいでは、同じ次元の世界に戻してこれないです。
そういう患者さんの中には、「すっごい勉強しています!」と張り切って言われる人がいますが、その勉強したと言われるベースの情報が、あちら側の誘導しようとしている情報から得ているので、いつまでたっても、こちら側にはたどり着けないわけです。
スキンケア相談の患者さんの場合、初診時に使っている化粧品の名前(メーカー・商品名)は全部お聴きしていますが、時間のある限り、受診されるまでに一応全商品ネットで調べます。
ほぼ100%と言っていいくらい、ベンチャーの新しい自称オーガニック風化粧品で、全然名前も知らないことも多くて、どうして、それを知ったのかもお聞きすることもありますが、ほんとにネットのSEO対策に素直~に乗っていて、それがお金をかけて誘導していることに全く気付いていない。
こりゃ、どこの会社もSEO対策にお金かけるわな。
もうほんとに全部、そこの商品名で検索して、そのサイトをあけた瞬間に、あ========、、ろくでもない、と思います。
なんの根拠もなく、大きい字・派手な字で、「とっても優しい」「敏感肌」「オーガニック」「無添加」と単語の羅列で、あと、値段ね。今がいかにお買い得かどうかの誇張。
こういうところの商品って、全成分表示を探すのも大変で、ほんとにひどいところはいくら探しても見つからない。
もっともらしく、地球の環境を考えているような文言が、みんなしてコピペしたん?それとも、同じ会社が作ってるん?というくらい、似たり寄ったり。
見る人が見ればすぐにわかるHPなんですが、こういう単純であからさまなものをそのまま信じてしまうんですね~。
企業は、今って、楽ですね~。中身がなくても、こうやって、消費者誘導して質の悪いのを作っても、誰かが調査するわけでなし、好き勝手「優しい」とかなんとか言っていたら売れるんですからね~。
もうそんなところのHPを開けてみているだけで、むかむかして気持ち悪くなりますが、一応商品のところを見るまでは見ないといけませんから見るんですけどね。
こういうところに共通して書いてある最悪の宣伝文句が2つあります。
①動物実験はしていません。
②口に入れるものだから安全。
はあ~っ?!
まず、①ですが、そりゃ、動物実験しなくて済んだらいいですよ。
でも、料理作っているわけではないですからね。
いろんなものを一体どういう根拠のもとに混ぜて作っているのかしれませんが、配合を変えるだけで、化学反応というのは全然変わってきます。
天然のもの同士でも起こす時は起こします。
動物実験せずに、「刺激がない」なんて、どうやって確認しているんですかね?
老舗が作っているもので、大昔からわかっているような配合であれば(作り方も含めて)、歴史が物語るように、あまり問題にならなかった=売っていられる、のかもしれません。
でも、ベンチャー企業は違うでしょう。
動物実験をしてないということは、人間がいきなり実験台です。
大手(例えば資生堂や大島椿など、ちゃんとデーターを取っているところ。動物実験をどこまでされているのかまでは知りませんが、必要な場合はしているでしょうし、アトピコやドゥーエなどのシリーズは、ボランティアで敏感肌などの方を集めて、本当に刺激がないかというのを調べておられます。もちろん、敏感肌などの方の前に、いわゆる健康な人で大丈夫なことは確認済みの上での、敏感肌の実験があるわけです。)
は、そういうことをする場合、皮膚科医の協力のもとにされていますし、万が一、ボランティアの方がただれたり、かぶれたりしたら大変ですから。
資生堂のほどの大手でも、そういう実験をする時に、ボランティアの方の人数を集めるのは、とても大変ですよ。
ポッと出のベンチャー企業が、それほどの数で、安全性を確認してから、売り出しているとは、とても思えません。物理的に。
ということは、買っている消費者が、実験台そのものです。
それでかぶれたとか文句言われても、ネット販売が中心ですからね。もうアクセスできないようにHPたたんでしまえばいいわけで、あのカネボウや茶のしずくの時みたいに、えげつなく大勢が使っているわけではないので、少人数がかぶれたといったところで、社会的に問題視もされません。よくある話だし。皮膚科行って、化粧品かぶれですね、と言われて終わりです。
そんな堂々と、「動物実験していません!」と言っている化粧品、使いたくないな~、私。
水にグリセリン混ぜただけのとはわけが違うんですから。どうやって、安全性を確保しているんだか。。。
人間っていうのは、非常に傲慢で、他の生物を犠牲にしないと生きていけない動物です。
そこが、他の生物と違うところで、他の生物も自分が生きていくために、違う動植物を餌として食べて、その命を奪いますが、おなかが空いている分だけ食べますよね。残すってこともないし、必要最低限ですよね。人間だけが、必要以上に犠牲にしてしまうわけです。
かといって、ここまで文明にどっぷり漬かってしまうと、山奥で自給自足するわけにもいかないので、日々、犠牲になってくれた生物に感謝して大事に生きていくしかないと思います。
そんないかにもの言葉に乗っかるんではなく。
動物実験もしていない、マスカラやアイシャドウ・アイライン・目薬なんか、目に入る場合、絶対に怖くて使えませんけどね。下手したら、失明ですよね。
②口に入れていいものしか使いません、なんて、最悪です。
うちの患者さんで化粧品のことを相談された場合、食べ物は絶対に皮膚に塗るな!と言っています。
アレルゲンの分析までされた化粧品は別ですが。
(ちなみに、椿油は食用がありますが、大島椿に関しては、ちゃんと調査されているので大丈夫です。今日は時間がないから詳しくは書きませんが。なので、皮膚にオ天然オイルを使う場合、大島椿の椿油以外、私は勧めていません。
先に触れておきますが、茶のしずくで、重篤な小麦アレルギーを引き起こしたのを、みなさんお忘れでしょうか。
今日は遅いので、続きはまた次回に。