昨日参加した形成外科学会。
私のメインに聴きたかったのは、抗加齢と手術ではない美容医療のこと、そして、症例副作用報告と一般演題で発表される葛西先生のレーザートーニングのトラブルについてのでした。
いろいろ聴きたい演題が時間が重なって、ひとつ聴いては、今度はあっちと、いつもながらこういう学会だと、何かが聴けなくなるので、いつも悩みどころです。
さて、今回も葛西先生のレーザートーニングのトラブル、一部(一部ではないのかもしれませんが)のクリニック・医師による、悪質な医療とも呼べないような、えげつない処置で生じた白斑、そしてそれを助長させた企業など、なんとかしないといけないということと、レーザートーニングを行うのであれば、一部のわかっている医師が治験的にやるべきというご講演でした。
葛西先生は、学会で、レーザートーニングのひどいトラブルをなんとかしようと発表されていらっしゃるのですが、残念ながら学会として正規にトラブル解決窓口が作られるわけでもなく、法的な権限はないとしても声明文を出すでもなく、悪く言えば、「放置」です。
しかも、いつも発表された後の質疑応答(質問コーナーみたいなものです)で、企業の姿勢や悪質なクリニックのせいで、ひどい被害者が出ているのをなんとかしようと話題なることもなく、いつもいつも、学会で有名な先生方が、「私はそんな白斑なんて副作用起こしたことがない。レーザートーニングは肝斑にちゃんと効くから、そんな極論(葛西先生ご自身は、どんなにちゃんと指導して、適切に照射したとしても、白斑という合併症が起こる可能性がゼロではない以上、やるべきではない、肝斑は保存的治療のみで、というお考えです)はおかしい」みたいな意見や、「肝斑の原因の究明がここまで進んだ、こういうことが原因のようです」などなど、話がいつも逸れていきます。
葛西先生ご自身がトーニングを否定していらっしゃっても、ちゃんとしたドクターがまず患者さんにスキンケアや内服・外用などの保存的治療をして、その治療の流れのひとつとして、レーザートーニングを選択してやること自体を否定されているわけではありません。
いつも、そう発表されていらっしゃいます。
問題は、患者さんに、合併症は副作用の話なども全くせず、キャンペーンで格安のお金でおびき寄せて(高めのところもあるかもしれませんが)、スキンケアの話も全くせず、内服・外用などの話も全くせず、しかも適当~に、ナース(あるいは、受付、というかなんの資格もない一般人)にあてさせている医師・クリニックが問題であって、そういうところの被害は、本当にえげつないです。
詳しくは、「レーザートーニングの真実」http://anti-lasertoning.com/
必ず、お読みください。
肝斑に、わかってか、わからずか、Qスイッチレーザーやフォト系を当てられて、一時的に濃くなりました、悪化しました、というレベルではありません。
悪化して、色素増強(シミが濃くなる)した中に、本当に、真っ白に水玉みたいに、レーザーの形にそって、ポン!とキレイ~に抜けるんです。
人工的なものがいきなり顔にいくつも出るわけで、しかも回りは、ものすごく黒いシミなわけですから、目立つなんてもんじゃないです。
美容医療のトラブルって、いろいろ出ますし、人間ですから、たまたま副作用が出た、ということもあります。避けられないトラブル、仕方なかったトラブルもあります。
でも、ちゃんとしたクリニックであれば、それが本当に処置したことでの合併症であれば(いいがかりはダメですよ)、それが落ち着くまで、ちゃんとケアしてくれるはずです。
中には、どうしようもなく戻せないこともありますが、そんなのは、手術ではないし、RFの火傷とは違うので、光・レーザーで、一時的にシミが濃くなっても、時間をかければ、ほとんど良くなります。
(患者さんも、ちゃんとスキンケアをしないといけませんよ)
ところが、このレーザートーニングでできた白斑、しかも、こういう悪質なクリニックが作った白斑というのは、最悪です。
ちゃんとしたクリニックであれば、白斑の可能性というのは、常に頭の中にありますから(ナースにさせているのは、問題外だと私は思います)、なにかあったら、すぐに気づいて、すぐに対処してくれますから、被害が最低限で済むし、また、対応が早ければ、見た目の回復も割と早かったりします。改善しにくいものもありますが。
悪質クリニックの場合は、そりゃもうひどいですから、まず発見しようが知っていようが、そんなことは知ったことではないわけで、ごまかして、コースを買わせることしか頭にありません。
白斑やシミが濃くなったところで、もう1コースやったら、消えるから、というわけわからんことを言って、お金をさらに巻き上げて、という、どんどん被害は大きくなります。
そうなると、さすがに、見た目をなんとかすると言っても、これはお金と時間をかけても、かなり無理があって、「戻る」「戻せる」とは言いがたいです。。不可逆性の副作用がひどすぎます。
だって、手術でもなく、たかがシミ用のレーザーですよ?シミのレーザーで、ここまでのことが起こるって、誰が考えます?皮膚を焼くようなレーザーでも、血が出るとか、1週間かさぶただらけになるとか、真っ赤に腫れあがるとか、皮膚をめくりまくるとかやないんですよ?テープも貼らない、すぐに化粧ができるレーザーでですよ?
なにより患者さん側がここまでの副作用が起こるとは思っていないから(説明も受けていないし)、びっくりどころではすみません。
そういう意味では、施術の程度と副作用のひどさが、確かにアンバランスで、それを悪徳クリニックが大勢の患者さんに使うもんだからえらいことになっています。
レーザーの機器自体が悪いのではなく、売れればいいと思って、注意事項などの説明もなく、t-ニングで肝斑が治せる!と大体的に宣伝して爆発的に売った業者と、またそれに乗った悪徳医者が悪いわけです。
文明や科学というのはどうしてもそういう面があるんでしょうけど、これが医療だっていうだから、大変なわけです。
一番問題なのは、悪徳クリニックを学会でも野放しで、いくら法的措置ができないと言っても、そういう被害者が増えると、きちんとチーニングをされているクリニックやドクターも迷惑でしょうし、結果、美容医療は怖いんでしょ?みたいなイメージを広がらせることにもなり、自分たちの首を絞めることになりかねないと思うんですが、学会としてなにか対策を設けたほうがいいと私は思うんですが、何も動きがありません。
また、学会の有名な先生方のクリニック(大学病院とか、超有名クリニックが多いです。お値段もそこそこお高いと思いますし、患者さんの理解度と言いますか、レベルも高いと想像します)に、そんなトーニング1階5980円とか1階9900円とかの格安クリニックに値段だけで良く調べもせずに言って、安直に何も考えずにお金を払って、えらいめにあったような患者さんは、あまり行かないと思います。
理解のある方は、やる前にもある程度調べていらっしゃるし、お金がある程度ある方は、そんな格安がおかしいことくらい、すぐにわかることですから、普通怖くて、なにをされるかわかりませんから、まあ、行きません。最初から、ちゃんとした(していると思っている)クリニックに行かれることが多いと思います。
(老舗で有名で、値段も高いから、ちゃんとしているわけでは、これまたないんですが。。)
うちにも、そういう被害の患者さんが来られますが、そりゃもう、ひどいです。あれを見たら、こんな被害は放置したらいけない!と思うと思うんですけど。。。
被害を出しているクリニックって、もう決まってますしね。
うちに来るのは、東大阪市だったかな、Sクリニックの被害が大半です。まあ、話聞いても、皮膚を診ても、やっていることは、むっちゃクチャです。
どうして、学会は動いてくれないんでしょう。。
葛西先生の一般演題の時の質疑応答も、悪徳クリニックの話からまたそれて、一般演題はあまり時間がありませんから、仕方ないのかなと思っていましたが、症例副作用報告の検討会みたいなセッションでも、また話は逸れて。。。
。。。なんで。。?
そのあとで、葛西先生をお見かけして、たまたま移動されるところかでお一人だったので、ご挨拶させていただきました。
ずっとご挨拶をしたかったんですが、なかなか機会がなく、やっと夢が叶いました!
こういう被害者が出た場合に、学会が何もしてくれないなら、どうしたらいいのお聞きしたら、「Pmda」というのを教えてくださいました。
http://www.pmda.go.jp/safety/reports/hcp/pmd-act/0003.html
こういう被害者をなんとかしないと思っている良心的な医師のみなさん、こちらかにどんどん報告すれば、症例が多く溜まって来れば、国のほうで動いてくれるかもしれません。
厚労省と消費者庁で管轄が違うので、縦割り行政なんでしょうけど、消費者庁にもそういう報告窓口があります。
http://www.kokusen.go.jp/jiko_uketuke/index.html
患者さんは、http://www.kokusen.go.jp/t_box/t_box.html こちらに。
葛西先生とお話しましたら、なんと!私のことを知ってくださっていたそうで、感激でした!!
私で少しでもお役に立てることがありましたら幸いです。
先生のご活躍を応援しておりますし、先生の姿勢(患者さんを助けたい!という思い)に感動しております。
先生が学会で、そういう意見をおっしゃったところで、どこからかお金がもらえるわけでもなく、もちろん無料でそいう活動をされていらっしゃるわけで、損することはあっても、得することは何もありません。
それでも、誰かがなんとかしないといけない!という思いで、活動されていらっしゃるわけです。
こんな素晴らしい先生は、他にはなかなかいらっしゃいません。