できるできないではなく、やるのかやらないのか。
違いがわかりますか?
時々患者さんで、スキンケアにしろ、食事の改善にしろ、まあなんでもそうなんですが、
「できない」という方がいます。
でも、詳しく聞いていくと、「できない」と言っているだけで、やってもいないわけです。
やっていないんだったら、できるのかできないのか、やってみなければわからないんですが、最初から「できない」と自分で呪いをかけるから、「できない」となるんでしょうけど、これは、「やらない」「やる気がない」ということです。
やる前から、自分で呪いをかけちゃ~いけませんわね。
まあ、最初からやる気もないけど、ごちゃごちゃ言われるから、「できない」「できなかった」と言っておけばいいや、と思っているなら、つきあう必要はないわけですし、現状を変えたくないのなら、それがその方の希望することですから、わざわざ変える必要もないわけです。
でも、肌にしろ、体調の不調にしろ、現状をなんとかしたい!と思っているなら、変えないといけませんよね。
いきなりは無理でしょう。どれくらいの時間がかかるのかも、人それぞれですから、そりゃわかりません。
「自分ではやるつもりなんですけど。。。」
で、実態はと言うと、
例えば、お菓子ばっかり食べている方がいます。
食事はコンビニのパン(菓子パン含む)を1日3個。午後からは絶えずお菓子。チョコのこともあるし、スナック菓子のこともあるし、大量に食べているわけではないけど、ずっと何かを食べている。。。体がだるくて仕方ないし、食後眠くて意識がなくなるくらい。。。夜は寝られない、あるいは、夜中変な時間にいきなり起きてしまう。。朝は全然起きられない。横になっても、よくならない、あるいは、昔はマシだったのが、どんどんひどくなってきた、どこの病院に行っても、病気はない、異常はない、と言われる。挙句の果てに、心療内科や精神科に行くように言われた、ストレスを言われた。睡眠薬と安定剤をもらった、飲んだけど、全然良くならない。。どんどん薬が増える。などなど。
程度はいろいろですが、とりあえず、コンビニのパンの代わりに、ちゃんとした食事を摂るように、動物性たんぱく質をちゃんと摂って、摂っていい糖質の種類を言ったり、食べる順番を言ったり、消化剤を出したり、いきなりお菓子は止められないかもしれないから、代わりに食べる糖質制限のお菓子だったり、他に簡単に変えるつまめるものなど紹介しています。ここまでくると、自力だけで脱出は難しいでしょうから、サプリも勧めます。
じゃあ、どうするのかと言うと、まず、コンビニでパンやお菓子を買ったらダメですよね。
パンやお菓子がカバンの中にあって、しかも他のものは何も買っていない。
「やるつもりなんですけど~、できないんです~。」
って、おかずも何も買って用意していないんだから、しかも手元にパンとお菓子しかないんだから、おなか空いたら、どうせそれ食べますよね。ていうか、最初から、いつもと同じで、全く変える気がないわけですよね。
そりゃ、「できない」でしょう。だって、準備すらしていないから。
スキンケアでは、クレンジング類は一切使わないでください、(椿油と)純せっけん(無添加せっけん)で顔を洗ってください、と言って、わかりました、となります。
ところが、うちで買われません。
うちで買う必要は全くないですし、椿油と純せっけん(1個税込み160円)を「1個売ったところで、うちの儲けはほとんどありません。
純せっけんは、最初置かなくて、自分でドラッグストアやスーパーなど、どこでも売っているから、買ってくださいね、と当初言っていましたが、「近くで売っていない」「どれかわからない」はたまた、全く違う石鹸を買っていたりして、患者さんから、ここでおいてほしい、と言われて、取り扱いを始めたものです。卸からは、定価で売るように言われているので、卸値もたいして変わりませんから、ほんとに儲けは、在庫管理の手間賃にすらなっていないと思います。(送料や代引き手数料合わせると、赤字だったりして。。)
夜洗顔するまでに買えばいいわけで(家にあるならいいですが)、クリニックを出た後で、ドラッグストアやスーパーで買えば済む話です。
でも、そういう人は、買わないんだな~。
あるいは、1軒入ったところで売っていなかったから、そのまま帰ったとか。
うちは、京都の繁華街のど真ん中にありますから、ドラッグストアだけでも何軒もあります。
純せっけんを全く置いていないお店はないと思いますが、探し方が悪いのか(店員さんに聞くわけでもなく)、他のお店に行くわけでもなく、そのまま家に帰ったら、いつもの諸悪の根源のクレンジング一式があって、しかも他に顔を洗うものがないわけで、でもばっちりメイクはしているわけですから、水では落ちないし、そりゃ、またクレンジング使いますよね。
100歩引いて、何軒か回ったけど、わからなかった場合、アマゾンで頼めば(他のサイトでも)、うまくいけば、翌日には届けれくれますよね。
(いや、ほんとどこでも売っていますから)
1か月後、2か月後に来られたら、まだクレンジングを止めていない、ひどい場合は、さらに別のクレンジングを買っている。。
これは、「やる気がない」ですよね。「できない」んじゃなくて、「やらない」んです。
だから、いつまでたっても、肌は汚いし、赤いし、乾燥しているし、ひりひりしているし、調子はずっと悪い。何も変わらない。
そりゃ、そうだ。
準備もしていないのに、家の洗面所にいきなり純せっけんが、ポンっ!と沸いて出ませんわね。
まず、「やるのか、やらないのか」です。
「やらない」という人は、ここから先読まなくていいです。関係ない話ですから。
「やりたいけど、できないんです」というのは、ほんとは両立しないと私は思います。
まず、やってみました?
その上で、できませんでしたか?
できなかったというのであれば、なにかがうまくいかなかったのなら、何かが間違っていたのか、自分でドロップアウトしたのか、他の方法があるのか、などなどですが、そこで、できなかった原因を考えるんです。
「やる」つもりなら、なんとしてもやる方法を考えるんです。
世界を平和にしろとか、核兵器を世界中からなくせ、とか、そんな難しいことを言っているんじゃないですよ。
顔を触るな、とか押すなとか凹ませるな、とかマッサージするな、とか、コットン使うな、とか、他の誰でもない自分が全部していることを止めましょうと言っているだけだったり、たかが160円のせっけんを買うだけです。
コンビニにいつものように立ち寄っても、パンやお菓子やじゃなくて、他のものを買うだけの話です。
「やる」環境をまず作る、作っておく、というのが、最初の一歩です。用意や準備ですね。必要最低限を揃える。
いつもと同じ食事メニューでは、やる気は微塵も感じません。
たんぱく質を増やそうと思っているなら、食べる食卓に、まず並べないといけませんよね。
糖質を減らそう、ごはんやパンを減らそうと思っているのに、食卓に普通に並べたら、もったいないから食べますよね。
ろくでもない化粧品がいつものように、洗面所やドレッサーに並んでいたら、「これ、高かったな~」とまた使いますよね。
(なので、使い道のない、ろくでもない化粧品は、もう捨てるように言っています。でないと、また使うし、まず止めないんですよね~。)
おかずを買って食べてみたけど、こんな不都合なことが起こった、石鹸や化粧品を止めたら、こんな不都合なことが起こった、だから、さっさとあきらめた(「できなかった」)という方も中にはいらっしゃいます。
今まで、何年も、下手すれば、何十年も、おかしなことをず~っとしてきたわけですから、180度真逆のことを始める場合もあるわけで、そりゃ、体も皮膚も慣れていないから、びっくりすることもあります。いきなり、ついていけないこともあります。
その場合は、もちろん自分で、どこがどうダメだったのか、まずは自力で考えてみる、ということはとても大切なんですが、今までの何十年という、間違ったスキンケアや食生活の刷り込みがありますから、考えても、なんのアイディアも浮かばないこともあります。
(浮かぶ方は、ここまで苦労せずに、すんなると乗り越えられるハードルで、とっくに乗り越えていらっしゃるので、そもそも、「できない」から、もうやらない、という話題が出ません)
自分のこととなると、やはり客観性がなくなってしまっていたり、悪循環にかなりはまっていることもあるので、そこは他人の力や医療の力が必要です。
やってみたけど、うまくいかなかった場合、詳しく聞いていくと、なんだ、そっちに行っちゃったのか、ということがほとんどで、
ちょっと道に迷っただけだったりします。
その場合、こっちですよとあかりをともしてあげたり、誘導したり、道から外れて、坂に落ちてしまって、上がってこれないという場合は、ロープを投げたり、場合によったら、階段を作ったりします。
あれこれ、一緒に工夫しながら、もとの道に戻ってもらうように、手助けするわけです。
猛ダッシュで、反対方向に、わざと自分から走って行く人を、連れ戻すのはできません。
ご本人が「やる」つもりであれば、で、それに対して、なにか行動をおこしているのなら、必ず変わります。いい方向に。
だって、もう行動しているんだから。絶対に変わります。
ダメだったら、また違う方法を考えればいいんです。違うやり方でいけばいいんです。
少々遠回りであっても、断崖絶壁を登れる方もいれば、杖を突いて、一歩ずつ行く方もいらっしゃいます。
ただ、その際、「これは間違っているけど、いきなり無理だから、仕方ないからやっている」という自覚は必ず必要です。
「間違っている」「よくない」「さっさと止めたほうがいい」とわかっていないと、それを止められるわけがないからです。
それでも、患者さんの中には、もう行動すら起こせないくらい、「やる気」がない方もいらっしゃいます。
ほんとはやりたいけど、ほんとに体が言うことを聞かない、気を付けているけど、無意識でやってしまって、いつも後悔ばかりしている、という方。
こういう方の場合は、真正面から突き進んでも無理です。
だって、脳がちゃんと働いていないから。
「やる気」や行動力のドーパミンというホルモンはじめ、他のいろいろなホルモンも出ていない可能性があります。
(肌荒れがひどければひどいほど、栄養が足りていません。無茶苦茶足りていません。
だから、肌がキレイじゃないんです。体からしたら、栄養が足りなさ過ぎて、もうそれどころじゃないんです。)
そういう方の場合は、スキンケアも食事も大事ですが、先に医療用のサプリ(時には医薬品)を摂って、まず脳がちゃんと本来の働きをしてくれるように、それこそ準備しないといけません。
何も改善せずに、サプリだけに頼るというのは、無茶苦茶お金がかかると思います。。。なので、本来は勧めていませんが。
「夢をかなえるゾウ」の1巻に(もちろん、2巻や3巻にも)、行動の起こし方などが書いてあります。多くの自己啓発本などにも、似たようなことが書いてあると思います。
「夢をかなえるゾウ」がとてもわかりやすく、日常生活にとても取り入れやすいので、自己啓発本っぽくなく、人間味があっていいですよね~。
(ちなみに、「夢をかなえるゾウ」は大好きな本で、時々読み返したりしますが、毎回違う発見があって、とても勉強になります。話としても、大好きです。)
行動を少し変えるだけでも、悪循環から脱出できて、いいサイクルに突入できることもとても多いです。呪いは決して自分でかけちゃあ、いけません。
まずは、第一歩を、できることからでいいので、始めてみませんか。