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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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資生堂ライフクオリティービューティーセンター

今日の学会(昨日も)も盛りだくさんの内容で、とても勉強になったんですが、その中で、感動したことを一番先に。

 

資生堂は、アザ用のファンデーションをいうのを出しておられます。

「パーフェクトカバー ファンデーション」という商品です。

http://www.shiseidogroup.jp/slqc/salon/situation.html

一般で売られている、いわゆるアザ用のカバー力があると言われているファンデーションや、コンシーラーとどこが違うかと言いますと、資生堂は、ちゃんと科学的に、どうやったら、目立たなくなるのか、光の技術を駆使して考えつくされた商品です。

http://www.shiseidogroup.jp/slqc/products/

 

この存在は、以前から知っていて、実は、うちにもテスターというか見本があります。

うちのクリニックに、アザに効く、健康保険が通るレーザーというのは置いていませんが、時々アザを診てほしいという方がいらっしゃって、うちに保険の通るレーザーがないから、そういうレーザーを置いているところの受診を、予約の段階でお勧めしています。

(健康保険の通るアザに関しては、私は、まず保険でするべき、と思っています。でないと、お金がかかりすぎるから。。保険でできなくなったら、自費も考慮、というスタンスです。保険の通っていないアザは、最初から自費しかありませんが)

 

でも、まず診てほしい、話を聞きたい、という方が、たまにいらっしゃいます。

受診されたら、診察の上、診断と、保険でこういうことがされていますよ、うちのレーザーは違いますよ、などの一般的な話をします。

うちで自費治療をされたいと言われても、まず保険治療を勧めていますので、お断りしていますが、普段のメイクとして、このパーフェクトカバーファンデーションを勧めていました。

 

このファンデーションは、かなり特殊なので、勝手に買って、自分で好きなように塗ってもOK、というものでは全くありません。

置いているお店も限られていて、前もって予約して、使い方も含めて、ファンデも選んでもらって、塗り方の練習などの講習のようなものがあります(全て無料で、してくださいます)。

ほとんど宣伝もされていないし、知る人ぞ知る化粧品なんですが、患者さんに、これを置いているお店とパンフレットで値段や種類をお見せして、ちょっと試しに、触感だけ確認してもらうのに、見本をお見せしています。

私では、使い方まで教えることができません、講習も受けたことがないですし、それくらい、これは特殊な化粧品になります。

 

カバー力は落ちても、もうちょっと簡単なものでよければ、と他のコンシーラー的なものも一緒に試してもらいます。

(今だったら、ビューティフルスキンもですね)

パーフェクトカバーまでいかなくても、コンシーラー的なものでとても満足されて購入される方もいらっしゃいますし、そこは患者さんのお好みです。

 

こういう商品(開発も含めて)と、その説明カウンセリングを無料で行っていることも含めて、資生堂の中で、採算が合う部門ではないと思いますし、それほどこの部門で儲かっているわけでも全然ないと思いますが、これこそが化粧品会社の本来の役割だと思って、してくださっているわけです。

これを初めて知った時に、資生堂の素晴らしを知ったわけですが。

 

企業ですから、利益は出さないといけませんから、資本主義社会の中で、他との競争もあり、いろんな商品も出さないといけません。

儲けるだけの商品もあるかもしれません。

その利益で、ただ自分たちだけが儲かればいいのか、なにか世の中に役立つことにお金を回すのかは、企業理念だと思いますが、化粧品というのは、本来、研究自体にものすごくお金がかかりますから、研究開発費というのは、まじめにやればやるほど莫大です。なので、実際は、そんなに純利益がバカスカ出るわけではありません。ヒット商品があれば、そこそこ以上に出るでしょうけど、また次の開発費に充てますから、大変です。楽して儲けているわけではないんです(まじめま企業ほど)。

(今日、初めて知りましたが、SPF1回測るのに、70万ほどかかるんですって。市販の安物やネットで売っている、わけわからん日焼け止めが、ほんとにちゃんと測定しているのか、私にははなはだ疑問です。実際、調べてみると、虚偽の表示というのは、よくある話ですから)

その利益の一部を、このパーフェクトカバーの部門に回しておられるわけで、儲けが他で出ているからこそ、こういう部門も作れるわけですが、しかもこれ、後から作った部門ではなく、最初の出発点が、アザや傷跡をなんとかキレイに隠してあげたい、という気持ちから立ち上げられたはずです。

最初の出発点は、女性をもっと綺麗に元気に!ということだったと記憶しています。

(国内初の日焼け止めを作ったのも、資生堂だったですって。今日初めて知りました。)

 

で、これも今日初めて知ったんですが、ガンの患者さんのメイクケアもされていたんですね!

http://www.shiseidogroup.jp/slqc/salon/appearance.html

これは、全然知りませんでした。

確かに、ガンの方で、いろいろな治療を受けている時、治療は一旦終わったり、今は休止しているけど、という方も、肌(特に顔)にもろに体の状態が出ますから、体中の細胞が今内臓を元気にするほうに,行っちゃってますから、なかなか皮膚(顔)に回ってきてもらえません。

 

病気の方も病気でない方も、私は、女性にとって、化粧品って、「必要悪」の「悪」だとは思っていませんが、必要なものだと思っています。

化粧品はいらないという方は、使う必要はありませんが、私は、日焼け止めも塗りたいし、なにより、出かける時に、ファンデーションなどの色物も塗りたいし、チークにしろ、口紅にしろ、やっぱり楽しいですよね。

私は、山の中で一人で自給自足で暮らしているわけでなし、やっぱり現代社会で暮らしていく以上、自分のためにも、「メイク」っていると思っています。

ただ、お肌の状況によって、どこまでの化粧品を使っていいのか、一旦全部止めないといけない方もいらっしゃるし、なんでもOKという方でも、長い目で見たら、少しでも質のいい、刺激の少ないほうがいいでしょうし、そういうところはこだわりたいところです。

 

ガンに話を戻しますね。

ガンに限らず、ほんとは入院中は、ファンデなどでメイクしたらダメなんですよ。顔色がわからないから、診察できないですよね。

(ポイントメイクはありかもしれませんが、口びるや頬の色も含めた顔色ですからね。)

これは、皮膚科形成外科の話だけではなく、内科外科であっても、患者さんの顔色というのは、健康のバロメーターですから、顔色の変化に主治医の先生が気づいて、早期発見ということもあります。それくらい、顔色の変化って大事なんです。

入院中に、主治医から許可があれば、それはいいと思いますし、もちろん退院したら、普段は全然OK(皮膚の病気の場合は、ちゃんと主治医の許可が必要)。

さすがにガンと闘った後になると、お肌も疲れていますから、今までと同じメイクでは、うまく隠せなくて、どんどん厚塗りになって、ますますうまく隠せなくなって、と悪循環にかなりはまると思います。

シミもアザもそうですが、厚塗りって、よほどのプロじゃないと、(化粧品にもよるかもしれませんが)余計に、汚く見せてしまいます。自己流の難しさですね。あらを目立たせてしまうというか、強調するというか、隠せないわ、余計にひどくなるわ。

 

実は、少々透けて見えても、薄付きのほうがキレイに見せるんです。

 

でも、アザやガン治療、キズ跡の場合は、薄付きでは困る方も多いですよね。

そこは、プロですから、綺麗に見せる技術を(商品も)お持ちですから、薄いけど、綺麗に見える、うまく隠している、逆に厚くても、厚く見えずに自然な感じで綺麗に見せてくれます。

 

顔だけではなく、もちろん体に塗っても大丈夫だそうです。

もちろん、女性だけではなく、男性もOKだそうです。

傷跡やアザ、ガン治療中、治療後で元気に見えないなど、女性が気になることは、男性も同じくらい気になります。女性も男性も同じです。

悩んでいらっしゃる方は、一度こちらでご相談されてみては?

(完全予約制で、もちろん無料です。)

ただし、皮膚に、今炎症などがあって、皮膚自体が治療中の場合は、必ず主治医の先生と相談して、許可をもらってから(ファンデなどのメイクをしてもいいかどうか、どこまでの化粧品を使っていいのかなど)、できれば紹介状を用意して、予約を取ってくださいね。

こちらのセンターや取り扱い店舗には、もちろん皮膚科医どころか医者はいません。化粧品屋さんですから。病院ではありません。

予約して、当日、肌に炎症があると、せっかく遠方から来られても、メイクできません。指導もできないでしょう(実際に塗る練習も必要でしょうし)。

こちらも、無料でされているわけで、その予約枠を押さえた以上、他の方を断って、その方のために時間を取っておられるので、メイクできる状態でないと、患者さんにとっても、資生堂にとっても、もったいないです。

今メイクできるのかどうか、していいのかどうか、悩む場合は、診てもらっているドクターがいるなら、まず主治医に相談です。

 

診てもらっているドクターがいない場合、炎症やただれやジュクジュクなど、肌に異常がなければ(もうこれ以上は変わらないと診断された落ち着いている傷跡や、生まれつきのアザや、治療の終了されたガンの方など)大丈夫かもしれませんが、異常があっても自覚のない方もいらっしゃるので、心配な方は、皮膚科を受診してメイクをしていいかどうか診てもらうしかないかな。。

ほんとに、炎症や(メイクできない)異常があれば、当日、ほんとにできないですよ。断られますよ。

 

ロドデノールの白斑で悩んでいらっしゃる方も来られて、とても喜ばれたそうです。

白斑をうまく隠す、綺麗に見せる、というのは、実はとても難しいんです。

 

女性(男性も)がもっと綺麗に元気になれるように応援している企業ですから、そういうお悩みで悩んでいらっしゃる方には、新しい道がメイクで開けると思っています。女性であれば、メイクの素晴らしさと必要性は、十二分に実感されていらっしゃるでしょう。

美容形成外科ではないですから、魔法みたいに、形状を変えるものではないですし、美容医療にも限界があるんですが、今日いろいろな症例を見せてくださって、、他人の目の視点を反らす方法など、ちょっとしたことだったりするんですが、プロからのアドバイスが素晴らしかったです。

銀座のセンターと他の店舗で、対応できる症状が違いますから、そこはHPもしっかり読まれて、主治医がいらっしゃる場合は主治医とよく相談して、お電話されてくださいね。

(一般のメイク指導ではないので、一般の方は、こちらではないですよ。)

アトピーやニキビ・ニキビ跡など、今まさに炎症がある場合は、主治医の判断がとても重要になりますから、(焦ったら、ダメな時も多いです。ケースバイケースです。)そういう方は、何度も言いますが、主治医とよく相談されて、ほんとに許可をもらってから、問い合わせしてくださいね。

 

 

 

 

 

カテゴリ:

化粧品, 医療, 学会で得た知識