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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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昨日の女性と妊娠出産授乳と栄養です。

 

とある患者さんからお聞きした育児マンガなんですが、簡単に言うと、18歳のシングルマザーが一人で産んで、その後育てている約3か月くらいだったっけ?の育児マンガです。

なぜか、主人公がアニメキキャラみたいな絵になっているのに、赤ちゃんだけ、超~リアルという、マンガの中でギャップのある構図になっています。

出産して、退院して家に帰ったきたところから始まるんですが、一人暮らしで心配だからと妹に一緒にしばらく住んでもらう、というところから始まります。

うら覚えなので、一部原作とずれているところがあるかもしれません。

 

この赤ちゃんが、夜泣きがひどくて、2~3時間置きから、どんどん時間が短くなって、また主人公が完璧主義らしく、母乳も出ているから、絶対に母乳で育てたいという強い意志を持っていて、妹がミルクだったら、私でも夜中にあげられるし、手伝えるから、お姉ちゃんは少しでも寝たら?と言うんですが、ミルクを上げたら、「負け」になる、と頑なに母乳をあげているんです。

全然寝てないから、精神的にもどんどん追い詰められ来て、完璧主義だから余計に、自分が何か間違っているのか?というところから、次第に壊れていって、赤ちゃんに、「地獄へ帰れ」とかなんとか言うんですね~。

ネットは全く見ないで(ネットの情報はろくでもないから、と)、育児書をたくさん買って読みまくっていて、それはいいんですが、育児書って、書く人によって、多分書いてあることって全然違うと思うんですけど、経験がないけど、知識は本でたくさん仕入れているから、ぐるぐるとろくでもない考えばかりが浮かんできて、しまいには、自分の子供なのに、可愛いとは思えない、子供を産んだからって、母性本能がみんな出るわけじゃない、決めつけないで!と、これまた自分を追いつめていくんですね~。

 

誰かに相談したらいいのに、せめて、ネットも少しくらい見たら?と思って、フィクションだと思いますが、おそらく共感されているママさんが多いようで、よく聞く話と言えば話なので、フィクションだけど、ノンフィクション?という、育児の悪い面を誇張していると言えばそうなのかもしれませんが、つらい人にとってはまさにこう感じているのか?というマンガです。

 

やっと、同じようなママさんと交流できる教室に参加して、ちょっと安心するのかと思っていたら、「子供がかわいいと思えない」と思っているのは自分だけ!ということを知って、1回行っただけで、すぐに行かなくなって、また追いつめていくんですね~。

 

お姉ちゃんが壊れていくのを(赤ちゃんに、ろくでもないことを言っているのを)見ている妹が、育児を手伝うって言っても、自分しか信用していないので、なかなか頼まず。。。なので、余計に夜中は眠れず、ますます睡眠不足で狂気っぽくなっていって。。。

 

しかも、なんか「楽は止めようよ」と、何故か電気ポットすら買わなくて。。。妹がポットがあったら、すぐに夜中でもミルクを上げれるからと言っても、ダメ!

で、とうとうもうヤバい!と思った妹が、強行突破でミルクを上げるんですけど、赤ちゃんが結局気に入らなかったんだったかな。1回で止めて、ママは、やっぱり私でないと、と安堵するシーンがあったりしました。

 

ず~っとこのマンガ読んでて、ず~っと思っていたのは、「さっさとミルク上げろっ!!」とずっとツッコんんでました。

 

まあマンガなんですが、ごはん食べているシーンは、ドンブリものだったり、単品(炭水化物)中心だし、痩せている女の子の設定なので、栄養は足りていないでしょう。

そこに、妊娠出産と、ものすごく栄養を赤ちゃんに奪われていますから、産後の母体はさぞ大変だと思います。。

そこに、不眠不休で授乳が始まるわけで、待ったなし!ですから、赤ちゃんも大事ですが、自分がある程度元気で余裕がないと、自分以外の世話って、できませんよね。。

 

栄養が足りていない方の場合、母乳は出ても、その母乳が果たして栄養があるかどうか、というのは別の話です。。

母乳も、食べたものでできています。

肉・魚・卵などの動物性たんぱく質をしっかり摂っていないと、母乳に栄養は全然ありません。。

その点、人工の粉ミルクは、厚労省の定めた栄養成分が入っているわけですから、ラクトフェリンや免疫などの母乳ならではのものは入っていませんが、必要なビタミンミネラルは入っています。

母乳も出ているし、赤ちゃんにもあげているし、よく出ているし、よく飲んでいると思うけど、なんかおかしい、、足りないのかな?とちょっとでも思うんだったら、ミルクあげたらいいと私は思います。

母乳が全然出ていない方も、そりゃそれで仕方ないです。ああしておけばよかったと思うなら、次の時に後悔しなければそれでいいので、今できること=ミルクを上げる、をすればいいんです。

日本の粉ミルクは、爆買いされるほど優秀なんですから、せっかく日本にいるんだから、使えばいいんです。

 

赤ちゃんは、2~3時間ごとに泣くもの、おしっこしたり、ウンチしたり、おっぱいあげたり、って、そういうもんだと思っていました。

でも、うちでも妊娠後期から栄養療法を始めた患者さん方にお聴きすると、一人目より、全然楽~!と言われます。

赤ちゃんが、ほんとによく寝ているんですって!

しかも自分も元気で(産後の肥立ちがいいってやつです)、余裕があるし、今泣かれたら困る!っていうときは、あんまり赤ちゃん泣かないんですって! 今なら、大丈夫!という時に、うまく泣いてくれるらしく、ほんとに赤ちゃんとお母さんとで、言葉ではない、以心伝心みたいなことがよく起こるそうです。

 

母乳じゃなくて、ミルクにすると、ほんとに赤ちゃんはよく寝るらしいですね。

このマンガにも出てきますが、夜にミルク上げたら、朝まで起きないですという赤ちゃんが出てきて、主人公が、「うちの子は、はずれなのか?」みたいに思うシーンが出てきます。。

(で、また自己嫌悪に陥るんですが。。)

 

もう、なんでもいいから、ミルクやれっ!!  って、これまたツッコんでました。

そしたら、寝れるから!

 

赤ちゃんって、「栄養が足らん~っ!!栄養くれ~っ!!」って、泣くんだと思います。おっぱいの催促の時は。

 

母乳に栄養がなければ、下手したら赤ちゃんからすれば、水みたいなもんですから、「栄養くれ~っ!!」と赤ちゃんも必死だと思います。

赤ちゃんは、いくら泣くのが仕事って言っても、1時間や2時間おきに、泣いて起きるのは、赤ちゃんも大変だと思います。

赤ちゃんも、できれば、夜はぐっすりと、ほんとは寝たいんじゃないですかね。。。?

だから、ミルクだったら、栄養が足りているから、ぐっすり寝ているし、おしっこ・ウンチ以外は起きない。

お母さんも、ゆっくり眠れて、疲れがたまりにくい。翌日の育児にも備えられます。

 

私は、産婦人科ではないから、ほんとはわかりませんが、うちの患者さん方やセミナーで聞いた話と勉強したことで、こういう可能性もあるんじゃない?と思いました。

 

以前に、ネットで、偽物の母乳(お風呂に入れる用、という目的のわけのわからないもの)が売られていて、それを買って、赤ちゃんに飲ませた母親が割といて、調べたら、大腸菌かなにかダメな菌がたくさんいたんですよね。(最初から、飲用としては売られていないんですが)。

そこまでして、母乳を飲ませないと!と追いつめられる母親たち。。。

 

。。。どして。。?

ミルクでいいでしょ?ダメなんですか?

そんなに、周りから言われるんでしょうか?(わざと言う人っているんでしょうけど) 妊娠育児雑誌などに、「ミルクは負け!」って書いてあるんですかね?

一体何と戦って、勝ち負けを決めているんでしょうね。。。

赤ちゃんも自分も元気であれば、どっちでもいいと思うんですけど。。。

赤ちゃんも自分も元気でいられることが、なにか戦いがあるとしたら、一番の「勝ち」です。

でも、育児に勝ち負けってないんじゃないかな。私には子供がいないので、想像でしかありませんが。

完璧主義っていいことだと思いますけど、しんどいですよね。とても。。

誰か相談できる人がいたり、ちょっと手伝ってもらえる人がいたり、甘えられる人がいるだけで、全然違いますよね。

いない場合は、作るしかないですか。

 

周りのことが気になりすぎる・どんどん気になる・追いつめて思ってしまう・・

これも、栄養欠損の症状の一部だと思います。

嘘だと思ったら、食生活を変えたり、ほんとに栄養療法やると、こういうのが気にならなくなりますよ。余裕ができるというか。これだけは、実際にやった人にしかわからないんですよね~。

 

みんな幸せになれる方法です。

育児は大変でしょうから、ちょっとした差で、体が休まるなら、休ませてほしいです。ほんとにちょっとした差だと思います。

まあ、マンガなんですが、食事シーンになると、「肉食えっ!肉っ!!レバー食えっ!!」とツッコんでました。