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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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消化剤のススメ

ノロウィルスが流行ってますね。インフルエンザも。

それ以外の病気も体調が悪いとかいろいろあると思います。

 

病気になると、体も治すのに必死ですからね、口から入ってきた栄養が足りないとなると、胃腸に回す栄養は、真っ先に切られますね~(皮膚もね)。

「食べて消化吸収する」というのにも、栄養がいりますから、そこに栄養を使っている場合ではない。肝心のところを早く治したいのが体が考えているところ。

まして、胃腸に炎症がある時に、絶対に食べ物を入れて炎症をひどくしたくないと体は考えます。水飲んで寝る。これに限ります。動物と同じです。しんどい時は水も飲まずに、じっとして、体力を病気を治すことにだけ使う。

(人間の場合は、脱水が心配。動物ほどタフではないから。。)

ある程度食欲があれば、カロリー確保だけはしておいて

(おかゆやスープ、アイスクリームなど糖質の頼るのは仕方ないです。果物で糖質補給してエネルギーとするのも仕方ないです。だって、ガンガン食べたって、消化もしないし、かえって体に悪いから)、

卵や豆乳やお豆腐、白身の魚や鶏のささみなどの脂の少ないところなどが食べられそうだったら、タンパク質を摂ったほうがいいですが、こういう時は無理しないこと!

 

さて、こういう時にも、普段でも役に立つのが、「消化剤」をお勧めしていますが、Facebookで「胃薬」とどう違うんですか?と質問を受けました。

(ちょっとだけ、facebookの回答とかぶっています。)

 

「胃薬」とは?

 

「皮膚の薬」と言っても、保湿剤なのかステロイドなのか水虫なのか、抗菌剤なのか、いろいろな種類があります。「胃薬」=「胃に対して、なにかの働きがある薬」というただの総称です。

「ジュース」と言って、コーラや炭酸飲料、清涼飲料水(商品名は出しませんが)、などなどたくさんの種類があるのと同じで、なんの「ジュース」?って話です。「ジュース買ってきて」と言われても困るでしょ?

内科や薬局に行って、「胃薬ください」と言ったら、どんな症状が出て困っているのか、詳しく聞いてこられるはずです。でないと、薬選べませんから。

「胃薬ください」と言って、なにも聞かずに、「はい、これ」と渡して来たら、その医者と薬剤師はただのバカです。

(最悪なのが、全部混ぜてるとか? えげつないですね。。。頭、使え!頭を~!!)

 

市販されている胃薬(病院のも)は、今流行りの胃酸を抑える薬、消化を助ける消化剤、胃腸の動きを活発にするもの、胃粘膜を保護するもの、漢方薬でも細かくわかれたりもします。漢方も患者さんの症状で、種類は変わります。

私が勧めているのは、まずは「消化剤」です。

皆さん、私も含めて、消化がうまくいっていないから。

今まで糖質中心の食生活をしてきた方であればあるほど、消化できません。

だって、消化液は、タンパク質でできていますから、タンパク質をたくさん摂ってきていないのに、消化液が作れるわけがありません。

(脂質の分解には、タンパク質だけではなく、コレステロールがちゃんと作れてないと、胆汁酸という脂質の分解に必ず必要な消化液が作れません。ちなみに、コレステロールを作るのにも、タンパク質が必要です。あと、良質の油とね。)

自分で、消化液がちゃんと作れるようになるまで待てればいいですが、そんなの待っていたら、いつのことかわかりません。そこは、現代医学に助けてもらいましょう。(もちろん、漢方併用することもあります。消化に関しては、漢方だけ、ってのは、私はあまりしませんが)

なので、薬局に行って、「消化剤をください」と言えばいいです。

メーカーによって、ちょっとずつ入っているもの(酵素の種類や数)が違ったり、市販の薬は、病院のものほど効きませんから、その代わりに、他の働きを混ぜている場合もあるでしょうし、値段もピンキリでしょうし、自分に合うかどうかはまた別の話なので、試していくしかないでしょうね。

薬局では、いくつか種類がありますから、その相談した薬剤師さんの好みも結構反映されます(これは病院でも同じ)。

いくつか出して来て、1個ずつ説明してくれる場合もあれば、これがお勧めです、と指定されることもあるかもしれません。

いくつか出して来て、その方のおススメがあれば、「どう違うんですか?」ととりあえず聞いてみる。説明がわかることもあるし、わからないこともあるし、間違っている(!)かもしれませんが、とりあえず聞く!

いろんな薬局でそれをやっていると、そのうちなんとなくわかってきます。

あと、いろいろ試すことも大事です。

市販の薬は、私は飲まないので、細かい違いは知りません。

 

「消化剤」を欲しい方が絶対に買ってはいけないのが、「胃酸を抑える薬」です。

病院に行って、「胃がいたい」「胃が持たれる」などの胃の不快感を言うと、何も話しも聞かず、これを出す医者が多いので、患者さんに、消化器内科に行ってください、と言うのはあまりしていません。病院受診して、「消化剤ください」と言って、症状を聞いてもらえればいいですが、もらえないこともあります。

どんな薬が必要なのかは、その診てくれた医師が診断して決めることですから、消化剤以外をもらうかもしれません。。それは、わかりません。。

(薬を指定されて、腹が立って逆に意固地になって違う薬を出されることもあれば、本当のその医師が親切で(ここポイント!)、消化剤以外を検査もせずに、くれたりすることがあります。。。親切なので、しかもとても感じが良かったりすると、患者さんはまず疑いませんよね。ここが罠です。。親切で優しくしてもらったから、話をちゃんと聞いてくれたからって、正しい医療をされているのか、他では実はどうなのか、というのは、全く別の話で、これが医療の恐ろしいところです。。

私も、専門外でそういうことをされると、自分ではその場で判断つかないでしょう。それくらい、今は専門が特化してきているので、とりあえず持ち帰ってから調べたり、他の先生に聞いたりしないと、わからないでしょうね~。

また、考え方というのは、医者100人いたら、100人とも違いますから、正しい医療というか、正解はひとつ、というわけでもないんです。

要は、患者さんが良くなればいいんですが、それが正解ではあるんですが、短期間で答えをだすものもあれば、時間のかかることもあります。時間のかかる場合、患者さん側が理解をちゃんとしているということも大事なポイントです。

所詮、西洋医学のほとんどは対症療法なんですが、その対症療法でも、ごまかすだけのものなのか、根本的なことに迫っているものなのか、大きく分かれます。

もちろん、根本に迫る薬や治療がない場合もあります。

実際は、単純なものではありません。)

 

うちに通っている患者さんには、症状を聞いて、消化剤くらいは私が処方します。というか、もう、飲め~!!という世界です。だって、もう無理だから。見た目も今までの食生活も現状も検査結果も。

(神社さんが飲むかどうかは別の問題ですが)

 

私の手に負えない時(ピロリを疑う時、ピロリがいる!と判断した時、患者さんの症状から胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などを疑って、検査が必要と判断した時など)には、信頼している消化器内科の先生のとこ(すぐそばにあるので)に紹介しています。

検査の上、胃酸を抑える薬は必要です。

検査していなくても、患者さんの症状により、検査を待っていられず、処方する場合もあります。

 

薬剤師さんだと、検査できるわけでもないし、そこまでひどい患者さんが来て薬を欲しがったら、病院に行くことを勧めないとダメなわけですが、この胃酸を抑える薬は高いので(本当に高いっ!!)、ちょっとだけ話を聞いて、すぐに勧めるバカな薬剤師もいるかもしれません。

潰瘍の時は仕方ありませんし、検査して、潰瘍までいっていなくてもびらん(浅くただれている)の状態がひろいとかひどいとか、そういう場合は胃酸を抑える薬も使わないと、患者さんはかなり痛いので仕方ありません。

昔は、保険適応が、潰瘍だったんですが、今は胃炎でも保険が通るようになって(量は違いますが)、検査されていなくても、バカスカ使われています。

だって、胃酸で胃の粘膜が荒れていたわけで、それで胃の不快感が出ていてノを、これ飲むと、すぐに効きます。本当に嘘のように。

魔法みたいに効くから、医者も使いたがるし、患者さんも欲しがります。

 

ただ、そんなうまい話があるわけがない。

 

しばらくすると、根治どころか、薬がないと胃が痛い、しんどい、とどんどんひどくなっていくことに気付きます。でも、飲まないとそれはそれでしんどいから、飲まずにいられない。。だって、根本的な解決になるようなこと何もしていないから。

胃酸が出過ぎているわけではなくて、実は、胃の粘膜を守る胃粘液が足りない、そして、傷んだ胃の粘膜をすぐに直してくれる栄養が足りない、ということが実に多いそうです。

 

一番困るのが、これを使うと、胃酸を抑えますから、タンパク質の第一消化ができません。消化しにくくなります。ただでさえ、胃腸の悪い方、特にいままで炭水化物中心の食生活をしてきた方は、消化液が全然出ていないのに、ますます減らされて、消化ができるわけがない。そうなると、自然と糖質しか食べたくなくなる。だって、タンパク質が食べられないから。もたれて、もたれて、仕方ないので、糖質しか食べるものがなくなるわけです。

そうなると、ますます消化液が作れなくなるので(材料がないから)、ますます悪循環にはまっていって、体調はどんどん悪くなります。

こういう方は、胃だけではなく、腸も悪い。だって、繋がっていますしね。(他にもいろいろとありますが、長くなるので今回はカット)

 

ず~っと胃の調子が悪い方は、ピロリがいることも多いですから、そういう意味では、さっさと消化器内科を受診して、胃カメラしたほうがいいです。

調子が悪くなくても、タンパク質が子供のころから、あまり好きではない、たくさん食べられない、という方も、ピロリをチェックしたほうがいいです。

ピロリがいなかったら、とてもラッキーです。いたら、保険でできますから、ちゃんと除菌しましょう~!

すぐに内科にもいけそうもないと思いますので、とりあえず、薬局で、「消化剤」は買って飲んでみてください。試してください。

胃腸の負担を軽くしてくれるはずです。きっと。変な薬を買わされたのでなければ。

カテゴリ:

医療, 栄養・食事