妊娠性高血圧の切迫早産のようになっていると緊急入院さえた患者さん。
入院後大量出血したのに、主治医が診てくれないと泣きながらメールをしてこられて、「とにかく看護婦さんに言ってっ!!」とメールをしました。
糖質中心の食生活による情緒不安、赤ちゃんが栄養を奪うのでますますの栄養不足、そこに出血が続くことでの鉄の絶対的な不足、精神的な不安とストレス、とうつっぽく落ち込んでいく要素がこれでもかとオンパレードです。
この患者さんは、普段はとても明るくて、とても前向きな方なのですが、さすがにこの入院はショックが大きく、とりあえず栄養を上げるしかないので、残っているサプリをたくさん増やすようにメールは最初にしてました。
(ほとんど買っておられないので、大した量もないはずなんですが。。)
で、やっと上の先生が診てくれて、羊水がほとんどなくなっている状態というのは非常に赤ちゃんにも母体にも危ない。
緊急帝王切開をしないといけなくなったとメールが来ました。
赤ちゃんは、1000gまだなく、成長がかなり遅れいて、出産予定日よりも遅くなるようなことは聞いていたんですが、1000gないまま生まれてくると、普通はNICU(新生児集中治療室)行きです。
そして、状態が良くないから、最悪の事態もあり得るかもしれないような話が出たとか出なかったとかで、患者さんから泣きながらメールが来ました。ずっと泣いているって。。
患者さんのメールの内容が慌ててるのもあるんでしょうけど、詳細がわかんなくて、赤ちゃん、無事なんやんね。。?(とも聞けませんし。。いや、無事でしょう!!)
「赤ちゃん、まだ元気に頑張っているんですよね?!泣いている暇はないですよ!!おなかの中にいる間に、ありったけの栄養を上げてください!出ちゃったら、上げられないから!!残っているサプリ全部飲んでくださいっ!!母乳にもサプリの栄養がいくから、その分も今の間に上げておいてっ!!」
というようなメールを送りました。
赤ちゃんにサプリ飲ますわけにいきませんから、お母さんがサプリ飲んで、その栄養が母乳にいくので、栄養たっぷりの母乳を赤ちゃんが飲んで、といいサイクルに入ります。お母さんの栄養状態がそのまま赤ちゃんの栄養状態です。
さて、こういう場合の緊急手術ですが、まず手術するドクターの予定(このろくでもない主治医がするわけではありません。もっと上の先生が手術します)、それに合わせて手術場の空きがあるか、そして、主治医の予定などが合わないと手術日が決められません。
こんな主治医の予定なんか合わせなくてもいい、と思われるかもしれませんが、手術というのは、いろいろ準備があって、手術場への連絡や手配。病棟への指示、術前術後の指示や管理、家族への説明などなど、雑用と言えば雑用なんですが、これらのことは上の先生はまあやりませんから、全部主治医の仕事です。
もしこいつが当日いなかったら、当日の術前術後の管理などを誰がするのか、となり、病棟当番とか別の誰かに頼んで、という場合もありますが、やはりそこは主治医の予定に合わせて、となることが多いかと思います。
一番は手術する上の先生の予定ですが。
テレビドラマみたいに、今から緊急手術です!みたいなことは、ある時もありますが、今回はなかったようです。羊水がほぼからっぽというのが、一体どこまでの緊急性があるのかは、私にはわからないので、なんとも言えませんが、とりあえずこの日はなくて未定でした。
1週間以内のどこかで、ということだけが決まったようでした。
数日でもいいから、とにかく赤ちゃんに栄養をあるだけ上げてほしいし、母体にも栄養が行くので、うまく回り出すきっかけになることもあります。
ちなみに、これはかなり経ってから患者さんからお聞きした話ですが、
切迫早産のようになって出血はしていたわけですが、そこに大量出血で、主治医が診ないから、患者さんご自身も、その主治医に、「先生、診てください」とお願いしたそうです。
そしたら、その主治医、なんて言ったと思います?
「昨日診たから」(ちなみに、昨日というのは、大量出血する前の話です)
そこで患者さんも食い下がって、「でも、大量に出血して」と言ったら、「早産の気があるから、昨日と同じです。診なくてもいい」と言われたそうです。。。
おまえ、アホかっ?!
それでも医者か?!
状態、変わっとるやろ==っ?!!
そりゃあ患者さんからの一方的な話ですから、むこうの意見を聞かないと、実際はどうなのかというのはわかりません。
ただ、「症状が変わっているのに、しかも患者さんが診察を頼んでいるのに、診る必要はないと断って、診察をしていない」という事実は確かだと思います。
上の先生から、羊水がほぼ空っぽで、緊急帝王切開が必要という説明が患者さんとご家族にあったそうですが、もちろん主治医は同席です。
黙って座っていたそうです。。
そして、さっきのメールを送った後、患者さんからの返信は来ませんでした。。。
→続く