facebookで書いたのが反響が大きかったので、こちらにも上げておきます。
初診の方で、マラセチア毛包炎がずっと胸と背中に出ているという話で(今日は、マラセチアとしてはまだ落ち着いていましたが)、10年以上出ているそうで。。
先日、とある形成外科を受診されたら、抗真菌剤(カビを殺す薬)に、抗生物質(結構きつい)を2週間(!)も処方されたという話。。
塗り薬(おそらく抗真菌剤とステロイド?抗生物質入り?)も出そうとされたのを患者さんがいらないと言ったから、内服のみ。
私はてっきり外用剤を断ったから、内服だされたのかと思っていたら、最初からセットで出す予定で、外用だけなくした、とのこと。。。
ま、そんだけきついのいろいろ出せば、どれか当たるし、きつい分、当たったのが一時的に押さえてはくれると思います。
。。でも、その後は。。? 副作用は?というお話です。
皮膚科医の禁じ手パート2!
(パート1というか、facebookに先に禁じ手を書いたので、ここではパート2ということで。この後にこぴぺしますね)
さて、パート2は、
ステロイドに抗生物質を混ぜるというもの。
抗アレルギー剤も結構プラスされます。
抗アレルギー剤は、アレルギーを抑えるためではなくても、かゆみを抑えるのに出したりします。
かゆくて掻いちゃって、どんどん悪化ということもありますから、特に寝ている間に無意識に掻かせないために出すことはあります。
で、ステロイドは普通は感染症に禁忌ですから、普通は抗生物質と一緒に処方することはありません。
普通は。
皮膚の病気というのは、大きく分けたら、
①炎症(=赤い)
②感染症(=赤いことが多い)
この2つです。(実際はもっと細かい分類がありますよ。)
①の炎症は、なにで炎症が起こっているのかで、原因が違うと治療法も変わりますから、その見極めが大事です。
ただ、たいがい、皮膚の炎症(赤み)は、ステロイドを処方されることが多いでしょう。
(いいか悪いかは別の問題として。現状の話です。)
②は、感染ですから、抗生物質や抗真菌剤です。
ばい菌をやっつけます。
ばい菌の炎症がひどくて、その場合、ステロイドも炎症を抑えるために使うこともあります。
一見相反するものでも、同時に起こることもあり、そこは診た医者しか必要性の有無は確かにわからない。。
いろいろ考えた末に、ステロイドと抗生剤両方出した(塗り薬でも飲み薬でも)、というのも、本当にいろいろ考えての上であれば、仕方ないと思います。
ばい菌もやっつけたいし、この炎症はステロイドで早く抑えてあげるほうがいいと判断したわけでしょう、ってことですが。
そこは、使うかどうかは、医師個人の考え方で違いますから、何が正解かと言われても困ることもあります。
でも、そういったことは考えずに、とにかく混ぜちゃえ!と出すバカ医者もいます。。。
こんだけ混ぜたから、どれか効くだろう、と。。
開業医の場合、評判が大事ですから、何を使おうが、見た目(特に皮膚は)早く落ち着けばいいわけです。
なので、ビックリするような強い薬が使われていることがあります。
しかもいろいろ混ぜて。。。
(塗り薬はできれば混ぜないほうがいい。不衛生なのと、混ぜることで効果が半減以下になります。でも、副作用はそのまま来る。油断していると、もっとひどいことになったりすることも。。。)
ステロイドは使っていません、と最強のステロイドしか入っていない薬を患者さんに渡していた、という事例は有名な話です。。
ばくちか?! なんか当たればいいのか?!
いいんです、こういう医者にとっては。
「効き」さえすれば。
患者さんがそりゃ嬉しいでしょう~。
あんだけ悩んでいたのが、すぐに落ち着くわけですから!
どれだけきつい薬が使われたのかも知らずに。。。
その分の副作用はもう出ているのかもしれません。知らない間に出ていることもあるでしょう。。
ゲームに勝てばなんでもいい、手段は選ばない、とかいうのとはわけが違う。
ゲームではないし、ヒトの体ですから。
「効く」のであれば、必ず副作用があります。
以下、コピペです。
皮膚の病気の種類に関わらず、慢性疾患(長く続いていて、全然治らない、もしくはすぐまた出てくる)は、保険診療の範囲内で、根本的に解決させることはできません。
保険診療にはルールがあり、病気が決まれば(診断が大事なわけですが)、出せる薬は決まってしまいます。
せいぜい、その中から組み合わせが多少変わるくらいで、それほど大きくは変わりません。
保険診療の中でも禁じ手は、必要以上のステロイドをずっと(診察もせずに)塗らせていたり(飲ませたり)、常在菌(皮膚に元々住んでいる菌)に対して抗生物質や抗真菌剤(カビの薬)を必要もないのにずっと飲ませたり塗らせたり…。
(水虫だけは治したければ、しばらく飲んだり塗ったりしないといけません。通常皮膚に住んでいる菌ではないので)
…
なんでずーっと出しとんねん!!
耐性菌もできるし、腸内環境最悪になるだろうがッ!と憤満やるかたなしですが、そんな薬をくれと言われても、必要もないから出しません。
皮膚科でよくあるのが、「あそこはすぐに治る!あそこの薬は何でも効く!」と評判のところです。
かぶれはともかく、なんでアトピーや慢性湿疹に、こんな強いステロイドがいるわけ?!
(紅皮症みたいになったならともかく。その場合でも、普段は使わないようなきついのを使わないと危ないなどなど説明がありましたか?)
マラセチアに内服の抗菌剤っていつまで飲ますわけ?
内服飲まさないといけないほど、その時そんなにひどかったのなら、短期間にして、診察に来ささないと!と思うのは私だけでしょうか…。
(ちなみに皮膚科ではなく形成外科でされてたんですが…)
慢性疾患を保険診療で根本的に治すことはできません。
皮膚を治す栄養がないことがそもそもの原因です。
皮膚のバリアを破綻させるような、あるいは修復できないようなことが起こっているわけです。
そんなことは自費治療でないと無理だと思います。
保険診療は、ほとんどが対症療法です。
そこをわかっていない限り、どこに行っても似たような薬だし、たまに変わったと思ったら、普通では出さないような強いのが出されてたり、副作用のことも考えましょう。強い薬を欲しがっても、後で困るのは自分です。
出す医者が一番悪いけど、それなりの考え(保険診療の限界の中でできることを探したのかも)があってのことだと思いたいですが、それでも不要な薬は私は要らないと思います。
赤ら顔にミノマイシン、しかも長期出す医者がまだいたのかとも思いますし、赤ら顔に関わらず、抗生物質長期投与で改善したという論文が出ているものもあったりします。そのターゲットの細菌がドンピシャで死んでくれて、耐性菌も出ず、副作用が出る前に薬も止めていて、大したことも起こらずメリットだけ出て良かった、という方もいるとは思います。。でも、デメリットは・・?他の方法はないの?それしか本当にないの?ともなるわけで。。。保険のビタミン剤くらいで赤ら顔が効けばいいですが、まあだいたい効かない。。(ごくたまに劇的に効く人がいますが、それが誰かはわからない)保険診療で赤ら顔はものすごい限界があります。。基本は自費治療(光やレーザーなど)とスキンケアと食事栄養(+サプリ)ですね。。
水虫とか発熱炎症の激しい場合の感染症(常在菌であっても)の場合は、確かに仕方ないこともあります。
私の独断と偏見ですが、どちらかというと、年配の医者のほうが(昔堅気と言いますか)、昔のまま、抗生物質の長期乱用が多いような気がします。どちらかと言うと若い先生のほうが短くしか使わない。。?
(若いのにダラダラ使っていたら、ただのバカか?その根拠を言ってみろ!と思います。ろくなところで研修しとらんやろって感じです。ただ、ちゃんとした研修を受けても、同じ医局内であっても、ステロイドばかばか使うバカ皮膚科医もいたし、抗生物質1年も2年も飲ませている(やはりニキビでミノマイシン。。。)医者もいました。。
指導医から受けた影響って大きいとは思いますが、自分で考える余裕ができてくると、こんなにステロイドや抗生剤使っていいのか?と普通は気づくと思いますが、気づかない医者も多い。。
いまだに風邪に抗生剤山ほど出す医者もいますしね。。。私が医者になった頃、もう20年以上前ですが、その時でも(当時形成外科をしておりましたが)、抗生剤の長期投与はダメらしいと言われ出したところだったかな。上の先生が、いろいろ大人の事情で抗生剤を長くいくよう指示していて、最初はそれが当たり前と思っていましたけど、しばらくしてなんかおかしくないか?と別の先生に聞いたりしてて、おかしいですよね~、でもこうい時は仕方ないし、などなどいろいろ考えさせられる時代がありました。そうこうしているうちに、術後の抗生剤の長期投与が保険が通らなくなり(3日でしたっけ?最長5日まででしたっけ?)、保険もかなり厳しくなりました。(厚労省は、抗生剤のダラダラと長期投与されることをずっと懸念に思っていました。もっと厳しくされていくはずですが、抜け道というか病名をつければ、なんとでもなったりするのかな。。?その辺はどうでしょう。。自分がそんなに出さないから、どうしたら長期保険が通るのかなんて、考えたこともないのでわかりません。うちのクリニックには、院内に抗生剤がほぼないので(点滴も)、内服で出すとしたら院外処方箋かな。点滴で抗生剤がいるような人は、受けれないですね~。どこかに紹介しないと。自費でビタミン点滴ならできますけど。。、