ニキビやニキビ跡の相談って、わりと多いです。
だいたいは、いろんな皮膚科(保険診療)通ったけど、全然良くならない、すぐにできる、結局同じ、肌が赤くなった、ガサガサになった、などなど、結局は、ニキビもまた出るし、肌もどんどん荒れていくのをなんとかしてほしい、という訴えです。
ニキビ跡は、もちろん保険でなんとかできるようなものはありません。
ニキビ跡自体は病気でもないし、「キズ跡」ですから、根本的に完治させるようなものは、対症療法がメインの保険診療で、まして病気でもないのですからあるわけがない。
時々、電話で、「ピーリングの石けんを売ってほしい、売っているのか?」という問い合わせが入ります。
診察に入るわけではなく、ほんとにカウンターで買いたいだけ、というものです。
こういうことを聞くたびに、「アホやな~」と思います。
ネットなどのステマだか、広告宣伝に騙されてるんだか、ニキビ=ピーリング、みたいな。
まあそういう宣伝はとても多いので、ちょっと検索かけたくらいだったら、ニキビ=ピーリング、と出てきちゃうでしょうから、まあそこまでは仕方ないとして、診察も受けずに、ホームケアのピーリングでなんとかなると思っていること自体が、トホホなわけです。
そうやって、ネットで調べた、「この化粧品がいい」「あの化粧品がいい」「これがいい」「あれがいい」と散々やって、それでそのボロボロの肌になったわけなんですから、その考え方とは違う考え方を試してみようと、そこで少しでも思えばまた別の道が開けるんですが。。。
ピーリングをずーっとやってきて、「子供のころからアトピーですか?問診表に書いていませんけど。。」というくらい、顔は赤くガサガサに乾燥して、若いというのにツヤもなくなり。。下手したら苔癬化(皮膚が硬くゴワゴワになること。まるでコケが生えているかのうように、という意味です)の手前みたいな肌の中に、赤いニキビが散らばっています。
ひどいのは盛り上がって、硬いしこりまで形成しているので、いくらファンデを重ねても、隠せませんよね。
ファンデやコンシーラーを何度も重ねて塗るから、またそれが刺激になって、ニキビが悪化する。。
ニキビにピーリングをすることを否定しているわけではありませんし、私もしたらいいのにという状況があればやるつもりはあります。
(開業して、もうすぐ8年ですが、ニキビにピーリングをしたことは一度もありません。というか、適応症例がありませんでした。ピーリングができる肌ではなかったということです)
ピーリングはどういう肌ならしていいのかは、私の拙著「きれいな肌をつくるなら赤いお肉を食べなさい」に書いてあるので、どうぞお読みください。
ニキビができる原因は、
使っている化粧品が悪い、肌に合っていない、というのもあります。
人によったら、今使っている中で、おかしなものを全部止めてもらって、刺激の少ないものに変えただけで、ニキビが出なくなる方もいます。
そういう方は、まあそれでよかったわけです。
根本的に美肌になるかは別として、悪循環にはまってできていたニキビが出なくなるだけで、かなりマシになるし、そこまで悪影響を及ぼしていた化粧品を止めただけでも、だいぶ肌が綺麗になります。
それでもニキビが治まらない方は、もう皮膚がそういう皮膚なんです。
毛穴がすぐに詰まるし、新しい丈夫でキレイな皮膚が再生もできないし、傷んだ古い皮膚を捨てることもできない。。。
それは、そうする材料が口から入ってきていないからです。
丈夫でキレイな皮膚をつくる材料がないから、すぐに詰まるような毛穴になるし、代謝は悪いままです。
そんな皮膚で、ピーリングをやろうが、レーザーをやろうが(炎症を抑えるレーザーを、早く良くしたいから足す、というのはアリかと思いますが)、抗生物質を飲もうが、同じです。
ニキビを保険診療でしてほしいと予約が入れば、保険で診ますが、保険適応のある薬は決まっていますから、そう他院と違うことをやっているわけではありません。
抗生物質はよほどのことがないと出しませんが。。
塗り薬なんて、副作用の説明をした上で、選んでもらうというか、試してもらうしかないし、それが嫌と言われても、保険では選択肢はそれほどありません。
保険診療で、根治させるニキビの薬(丈夫でキレイな皮膚を作るための薬)はありません。
保険診療で全然治らないから、うちに来られるわけですが、美容医療を求めてこられるわけですが、早くなんとか少しでもマシにしたい、という方以外は、レーザー治療もほとんどしません。
おススメしているのは、オーソモレキュラー療法です。
ちゃんと栄養を摂って、食事を変えて(ろくなものを食べていない、もしくはちょっとしか食べていないたんぱく質ですら、消化吸収できていない可能性が高い)、サプリで足りない分を補って、消化吸収できていない原因を突き止めて、改善するようにさせて、ということが第一選択だと思います。
皮膚が悪い人は、胃腸も悪いです。
皮膚と消化管粘膜というのは、裏表の関係です。一枚で繋がっています。
同じ一枚ですから、皮膚が悪かったら、そりゃあ胃腸も悪いでしょう。
(皮膚が一見綺麗そうに見えるから(ほんとに綺麗かどうかは別として)、胃腸が元気、とは限りませんが)
レーザーをする場合も(患者さんが希望された場合)、オーソモレキュラー療法は必ず併用です。
(どこまでサプリを買うかは別としても、食事は変えないといけないし、胃腸はなんとか機能するようには努力してもらいます)
ニキビに限らず、皮膚のトラブルの根治療法は、オーソモレキュラー療法しかないと思いっています。
もっと認知度が広まって、食事くらいは変える人がもっと増えれば、被害は少ないのにな。。と思います。
保険診療で、もう何年も抗生物質を飲まされている方がとても多いです。
ほんとに飲ます必要があるのか?!とも思いますし、血液検査も一度もされず、ず~っと何年も飲まされている。。。
耐性菌のこととか何も考えていないんでしょうね。。。
こういうことをされると、ピロリがいても、一次除菌失敗するわけです。
一番悪いのは、そういう処方をやり続ける医者ですが、保険診療って、一体何なのかなと思います。。