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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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ろくでもない化粧品

初診の肌関係の相談の方の場合、今使っている化粧品を予約の段階であらかじめ聞いておいて調べるということをしています。

 

もう名前を聞いただけで、こりゃダメだというものもありますし、初めて聞く名前のものもあります。

あ~、またこれか、とか、またアイツが勧めた化粧品か、ゲ=っ!!というものまでさまざまです。

 

初めて聞く名前のものだと、化粧品の口コミおススメサイトの有名なところ第一位!とか、おススメランキングが上位とか、やらせに引っかかっちゃいましたね。。満載だったり、ものすご~くマイナーすぎて、よくこんなの見つけてきたな!と、どっから接点があるんだ?!と不思議に思って、患者さんに聞くと、ねずみ講まがいのいわゆるサロン系?会員制?のものも。。

しかも結構なお値段です。。

 

あやしければあやしいほど、患者さんの栄養欠損がひどいことが、来られる前から推測されます。

そして、肌の傷み具合も。

 

肌の傷み具合は、マイナーメジャーはあまり関係なかったりもします。

 

メジャーでも、いや、メジャーだからこそ、「あやしいはずがない。だって、デパートで買ったし、雑誌にも良いって載っているし、売れてるもの!!」と信じきってしまうがゆえ、余計にひどくなってから来られることも。。

 

メジャー系の中で、私の中で、ろくでもない大賞をあげたいくらいワースト1のメーカーがあります。

 

一時、ここの化粧品をシリーズで使っている方、かなりおられました。

なので、よくブログでも取り上げてました。

 

このメーカーのは、他のに浮気させないというか、併用しにくいようになっていて、よく考えられた戦略だなといつも感心します。

 

なので、このメーカーのを使っている方は、全部シリーズで買わされていることが多く、洗顔料・日焼止めやファンデーションは他のメーカーを使っていても、基礎化粧品全部これ!という方が特徴です。

 

ええ、そりゃあもう悲惨ですわ。。

 

ここのシリーズ、どれにもアルコールがたんまり入っている。

今の時代、珍しいです。

 

アルコールの権化とも言えるような代物が、「敏感肌にも」とわけわからん宣伝文句が使われてたりして、自分で敏感肌と思っている方がせっせと使うわけです。

 

その化粧品でますます肌がおかしくなことになっていても、「私が敏感肌だから、まだ足りないんだ、悪いのは私なんだ」と毎日毎日せっせと使うわけです。。

 

あまりのひどさにね、この創業者か経営者は、女性の恨みでもあるのか?!と思っちゃうくらい、お肌ひどくなってます。

 

どんなに栄養が足りていても、毎日毎日、毎朝毎晩、これだけアルコール三昧にされたら、さすがに栄養足りていても、いつか支障をきたすでしょう。

 

医療関係者というのは、仕事柄、手指の消毒をアルコールでしないといけない機会というのがとても多いです。

 

私も手術こそしませんが、患者さんの採血や点滴、顔などに注射する時は、手指にアルコール消毒をします。場合によったら、何度もします。

これが頻繁だと、やっぱりカピカピになるし、場合によったらひりひりすることもあります。

手掌側はまだ皮膚が分厚いからいいですが、手背側との境界(側面)はある程度影響を受けることも。

 

アルコールは殺菌ができるので、バイキンも殺せますが、常在菌と言って、皮膚にとって大事な殺してはいけない菌も殺します。

皆殺しです。

(だからなんでもかんでもむやみやたらと除菌してはいけない。

テーブルでもスポンジでも衣類の洗濯でも、一体どんな病原菌を殺しているんだ?!と思います。

ああいう商品を使っているおうちでは、そんなに危ない菌がうようよいるんですか?

どんなうちやねん、って話ですけど。

そんな家だったら、隔離しないとね~。保健所に通報しないとね。)

 

アルコールは皮脂膜も取っちゃうし、皮脂膜取られた生身の角質が果たしてアルコールから無事なんでしょうか。。

 

 

市販でもクリニック専売品の化粧品でも、医薬品であっても、塗るものの中には、アルコールが入っているものもわりとあります。

 

その目的は薬剤の浸透を高めるためだったり、どうしても入れたいけど相容れない成分同士が混ざり合うためだったりします。

 

その場合、その有効成分がすごく肌や体にとって有効であれば、メリットが、アルコールが入ることでのデメリットに勝つのであれば、それは仕方ないと思います。

メリット・デメリットは、人や状況によっても違うので、適切に使うのであれば、それは一つの選択です。

 

でも、保湿の基礎化粧品に、ばんばん入っているって、一体、どんな有効成分が入っているんだ?!と思います。

 

アルコールたんまり入っている化粧品を使うと、スーッとしますよね。清涼感というか、アルコールが蒸発する時に、皮膚の熱も水分も奪うので、そう感じるわけですが、それを毛所品販売員から「浸透しているでしょう?」と洗脳されるわけです。

 

こういう化粧品を使っている患者さんに、アルコールの入っていない保湿化粧品を塗らせたら、「全然浸透しない! これ、本当に入っているんですか?!」と非科学的なことを言われます。

 

一体どうやって浸透しているかどうか、瞬時に判定しているねん、とツッコみどころ満載ですが、ひどい化粧品に洗脳されると、もう話は通じなくなるわけです。

 

恐ろしいですね。。。

アルコールが入っている化粧品じゃないと、もう満足できない体にされるという。。。

 

ちなみにこのメーカーの商品を使っている患者さん全員が言われるのが、肌がどんどん乾燥するから、化粧品カウンターに行って、それを言ったら、奥から別の化粧品を出して来られて、これで良くなる!と言われ、買って使っていても、全然乾燥が取れないどころかひどくなるから、またカウンター言って、さらに別のを足すように言われ、また買って、と無限地獄!!

 

だって、ほぼ全部にアルコールが入っているから。

 

バカ高いオイルまで買わされていた方がいて、これはオイル100%で混ぜ物なしなんですが、それでも乾燥がひどく、さらにこれまたバカ高いクリームまで追加して、と顔に一体何個化粧品塗るねんっ!!保湿のためだけに!!

(7種類くらい塗っている方もいました)

 

そこまでしても乾燥がひどいから、それでうちに相談に来られたわけですが。。。

 

もうそりゃあ、アトピー製造化粧品かってくらい。

 

バリア機能破壊しまくりです。

 

全部止めさせるだけです。

そこのメーカーのもの、全部。

 

さすがにそこまで破壊された皮膚に何も塗らない、というのは、酷なので、シンプルな保湿剤を塗ってもらいますが(ファンデというか、肌隠したいと言われたら、肌の状態に合わせて色のついたものを紹介ますが)、それだけでかなり回復します。

 

元は絶たないと。

 

ここのは使い道がないので、捨てるように言いますが、

(他のメーカーで、商品によったら、肌が落ち着いたら、また使えるかも、というのは、今だけ止めましょう、捨てなくていいから、と言います)

高いから捨てない人もいます。

 

誰かにプレゼントするか。

(相手が可哀想ですが。。)

アルコールたんまり化粧水は、鏡か窓を拭くのに使ってくださいと言います。

化粧水以外の乳液や美容液、クリームも捨ててほしいところですが、高かかったから未練があるような人には、かかとや肘、膝に使うくらいかなと言います。

(ほんとは体にも使ってほしくない。

他のメーカーのもので、捨てないなら、体に塗れば?(顔よりは皮膚が厚いから)と言います)

 

ドラッグストアの安っいハンドクリームでも、とりあえず塗ったらしっとりしますよね。

どうして顔に何個も何個も塗っても、保湿がされないって、おかしいでしょ。

 

おかしいんですよ~。

 

化粧品が。

 

あなたの肌が悪いんじゃなくて、使っている化粧品がおかしいんです。

 

確かに栄誉不足だし、肌にも栄養は足りてません。

でも、そんなこと言いだしたら、日本中の女性のほとんど全員栄養足りてません。

まだ私も足りてません、自分の目標まではいけてません。

 

み~んな栄養足りていないけど、み~んなそこまで顔の乾燥では困ってないんですよね。

 

昔よりは増えてると思います。

少なくとも、15年くらい前よりも。

15年くらい前は、ほんとの脂性肌の相談とかありましたが、今、めったにないですね。

自称脂症でも、実は混合肌で、化粧品とかの弊害のせいでなった混合肌だったりするのが大半。。

皆さん、そこまでも脂出てない。。

 

女性にとって化粧品は毎日塗るものですから、何を使っても必ずなにか入っています。

でないと、化粧品自体が作れないから。

だからこそ、少しでも負担のないものにしてほしいです。

栄養がある程度足りていたら、少しくらいのものならへっちゃらなんですけどね。

「少しくらいの」という化粧品が少ないのも問題なんでしょうけどね。。

 

 

 

 

 

カテゴリ:

スキンケア, 化粧品, 医療, 栄養・食事