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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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やってはいけない美容医療①

日本美容医療責任共済会というところがありまして、美容医療に携わる医師のための賠償責任保険みたいなものです。

 

自動車を運転される方は、皆さん、自動車そのもの、同乗者のケガ、対物、そして対人のケガに対しての保険って入っておられるでしょう。

それの医療バージョンです。

 

一般的な保険診療は、各学会、日本医師会で保険が用意されており、日本医師会に加入している場合は、この医師倍賞責任保険は義務で強制加入です。

ただ、カバーされる範囲は、保険診療に限って、です。

 

美容医療(レーザーや注射などの美容医療、美容外科手術)については、保険金がおりません。

 

美容外科学会が運営している保険がありますが、死亡とか失明など身体障碍者1級とかそれ相応の後遺症のみ、保険金がおります。

(条件はあるはずですよ)

美容外科学会は、日本に2つありまして、形成外科認定医のみで成り立っているほうと、もともと何科の医者かわからない、誰でもお金を払えば入れるほうの、皮膚科形成外科でもなく、手術経験もないような、研修医終わったところですけど、美容外科で儲けたい、みたいなあやしい医者も混じっているでしょう。

この美容外科の保険は、こちらの形成外科医ではないほう。

 

あやしい医者も混ざって手術するわけですから、そりゃいろいろな重篤な後遺症が出ることもあります。

重篤な後遺症は、ちゃんとしたドクターでももちろん起こります。事故と同じ。

 

ただ、確率が違いすぎることと、正しい医学知識(と経験ですが、知識すらない医者もいる)があれば、そんなことにはならなかっただろうということも多々あるかと思います。。

 

なので、こちらは驚くほど保険料が高い!

 

そりゃあそうだ。

 

私は手術はしないので、入っておりません。この美容外科学会も止めたし。関係ないなと思ったので。

 

私が入っているのは、この表題の「日本美容医療責任共済会」です。

こちらは、日本美容皮膚科学会も絡んでいるし、もともと抗加齢美容医療学会が、こういう保険がいるでしょう、と共済会を作ってくださったわけです。

 

手術じゃない美容医療で、重篤な副作用や後遺症というのは、ほとんどないですが(ゼロではないです。麻酔薬も扱うし、ヒアルロン酸注入による塞栓事故が日本でも起こっています)、ちょっとしたことはあって、そう言う時にカバーしてくれる保険です。

 

美容医療だったらなんでも保険金がおりるのではなく、条件があり、もちろん違法行為は一切ダメです。

(医師がいなくて、ナースやエステティシャンでやったとかの医師法違反など)

学会が認めていること以外を勝手になんでもかんでも、個人輸入してやっているとかもいろいろ規定があります。

 

厚労省承認の美容医療というのは、ものすごく少ないので、アメリカのFDA承認をいうのは、まず必須です。

FDAの承認が取れていないようなものは、まずカバーされないと思ったほうがいいです。

 

ということは、FDA承認じゃない、美容医療機器、医薬品は、安全性に関して、かなりリスキーということです。

 

絶対ではないですし、機器も薬も、ようは使う医者次第ですから、ちゃんと副作用を説明の上、患者さんも納得していれば、そして、その医者がどうしてもそれでないとダメだ、他のFDA承認のではダメなんだ~!というのであれば(そんなものはそうないと思いますが。。。)、選択肢の一つかもしれません。

 

でも、これだけいろいろな美容医療がある中で、わざわざ、それを選ばなくても。。。と私は思います。

 

ほんとに他ではダメなの?って。

 

こちらの共済会で、定期的に、日本国内での美容医療が安全に行われ、患者さんが被害に遭わないように、日夜会議を開いて検討してくださっているわけですが、その会議で、「この治療はカバーから外す」と改めて表明されることが時々あります。

 

ようは、それだけ、トラブルが多いということです。

 

この程度のトラブルは仕方ない、あるかもしれない、というレベルではなく、

それはイカンだろうとか、そんな風に適応外使用すんな!とか、やり方がむちゃくちゃにする医者が多くて、その結果被害も多くて困っている(一番困っているのは患者さん)という代物です。

 

今回、と言っても少し前ですが、通達が来てました。

 

<カバー範囲から除外する項目>

(1)ノビエール

(2)PMMA含有注入物 ノビエール等 ★PMMA: PolyMethyMethacrylate

(3)FGFの適用外使用(注入・注射・PRPとの混注)

(4)フォスファチジルコリン等を含有する脂肪溶解注射・BNLS

(5)注入剤による豊胸術

 

 

FGFを注射・注入・PRPに混ぜない!というのは、かなり前から学会でも危険視され、絶対にやらないようにと言われていたと思いますが。。

いまだにやっているクリニックが結構あるんですね。。。

検索かけたら出てきましたわ。。。

 

→続く

 

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カテゴリ:

医療