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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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「やってはいけない美容医療」続きです。

 

 

ノビエール(ほんとは歯科用で、歯科用に歯茎だったか、歯根だったか、なんか忘れましたけど、歯科領域でFDAが承認したもので、皮膚や皮下に打つものではないです)は、もうかなり前から、共済会から外すと連絡が来てました。

 

そんなものを打つ医者がいるんだ!とこの時初めて知りましたよ。

 

PMMAも同様です。

 

皮膚皮下になにか異物を入れたら、回収できませんから、それこそ安全なものでないと。

 

 

例えばヒアルロン酸(100%のものですよ。FDAや厚労省承認のもの)とか。

 

 

 

今回、脂肪溶解注射とBNLSが外れたのもびっくりしました。

 

脂肪溶解注射は、うちではトゥルースカルプという部分痩身機を導入してから止めました。

副作用がね~。

 

注射の方法や注入部位を選ばないと、普通の副作用ではないトラブルもさらに起こります。

もともと皮下に注射する薬剤じゃないから。

 

 

BNLSは、日本で発売された時に、確か取り扱い代理店に、作用機序を聞いたら、「わかりません」と答えられたように記憶してます。。。

なんじゃそりゃと思って、導入しませんでした。

 

もうすっごい昔の話ですよ。

いまだにやっているクリニックがあったとは、それが驚きです。

 

そして、カバーから外れるくらい、トラブルが多かったというわけですかね。。。

 

 

 

そして、注入剤による豊胸。。。

 

これもトラブル多いですよね。。たとえ、承認のヒアルロン酸であったとしても入れる量がものすごく多いですから、トラブルは必須。

 

わかっているドクターがちゃんと入れる分には、それほど問題はないかもしれませんが、医者によって、やっぱりむちゃくちゃなのと(え~?!という入れ方を発表しているのを学会で何度か聞いたことがあります。。)、吸収のスピードが量や場所によってさまざまですから、おっぱい形が途中、おかしい。。

 

実際、おかしい方を診たことがあり、へこんだところだけ注射してほしい言われましたが、お断わりしました。

 

豊胸は、普通のぷち整形のヒアルロン酸と同じように簡単に考えていると、大変なことになります。

あれは、ほんとは、ちょっとした手術レベルです。

麻酔薬も結構使うし。

 

こちらもカバーから外れるくらい、トラブルが多いのでしょう。。

 

 

美容皮膚科も、勉強あまりしていないのに、経験もないけど、むちゃくちゃやる医者というのが増え、皮膚科形成外科医でもなく、そして勉強もしない。。。

恐ろしいですね。。

 

わからなかったら、手を出さなければ済む話ですが、それもわからない。自分の限界がわからない。

ほんとに恐ろしい。。

 

普通の医療事故じゃないから。

 

 

今から美容医療を考えてる方々、どこのクリニックに行こうかと悩んでいる方々。

今あげた項目をメニューに上げて、副作用も載せてないようなHPだったら、そのクリニックはまず外してみては?

 

ちなみに、まともなクリニックでノビエールは取り扱いしませんよ。

レディエッセ®という注入剤の、ジェネリックというか、類似品というか、レディエッセ®が高いからノビエール入れてるということが多いようなので、そういうものには近づかない。

うちはもうレディエッセ®取り扱い止めましたけどね。厚労省承認にヒアルロン酸でいいのが出たから。レディエッセ®よりももつし、まあ安全かな。いろんな意味で。

レディエッセ®のほうが優れている点もありますが、まあその点関係ないことも多いので。

レディエッセ®からそのヒアルロン酸に切り替えた時に、今までの患者さんで、同じことできますか?と不安がった方もおられましたが、皆さん、問題なく切り替わりました。

レディエッセ®に戻して、と言われたことはうちではないですね。

 

#やってはいけない美容医療 #ノビエール  #PMMA #レディエッセ

「やってはいけない美容医療」続きです。

 

 

先日来られた患者さんで、PRPにこれを混ぜたのを頬から下のほぼ顔中に注射されて、おかしくなった、心配というご相談でした。

確かに触ると、小さいしこりだらけです。

 

患者さんもご自身で触るとわかるので、ず~っと何年もの間、心配だったそうで、泣いておられました。

 

 

不幸中の幸い、見た目では全くわからないのが救われています。

 

このしこりを焼ききるような処置をするほどの大きさでもないし、多数ありますから、全部焼いていたら、顔中火傷だらけでになりますから、実際できません。

 

最後にされてから、4,5年経っているのと、診察してみて、今からこれ以上ひどくなることはまあないと判断しました。

 

今、気になっておられることに対して、状況を説明して、私ができること、やったほうがいいことを提案しました。

 

ず~っと10年近く悩んでおられたそうです。。不安な毎日を過ごされてました。。

やるせませんね。。

 

 

ちなみに、この患者さんに、PRPにFGFを混ぜてやったのは、大手チェーン店です(安売りではないほうなので、かなりの金額を払っておられます)。

 

内容を確認するのに、そこのHPをみたら、まだ大々的に再生医療として、FGF混ぜてます。今です、今もです!

 

いかに、自分のところのPRP+FGFが素晴らしいのか、副作用が少なのか、ということが延々と書いてあるんですが、そういう根拠はよくわからない。。もう少し調べたらわかるのかもしれませんが、とりあえずパッと見ました。

(ちなみに、HPには、副作用合併症については一切記載がなく、そう言うのは自分のところのやり方では出ないような表記になっています。この広告自体、厚労省のガイドラインに完全に引っかかっていると思うのですが。。。)

 

 

で、実際の患者さんも、しこりについて一切聞かされていなかったそうで、ほとんどの美容クリニックが実際そうだったりすることも多いんですが。。あとでしこりのことを言ったら、「ハリだから」と言われたそうです。。。

 

患者さんが気にされて言うと、そのしこりを緩和する薬をさらに注射されたとのことですが、これも説明はなく、余計にひどくなったそうです。当時。

。。。それはステロイド注射では。。?と思いましたが。。

 

 

再生医療のひとつのPRPは、ちゃんとした(ってなに?どこ?と思うこともしばしありますが。。)クリニックで、副作用合併症も含めて説明され納得の上されるのであればいいですが、今時FGF混ぜているクリニックではやらないほうが良いと思いますよ。

学会がもう何年も前に問題視しているようなものなので。

まして、副作用合併症の説明もしないというのは論外。

 

 

大手だから、老舗だから、有名だから、流行っているから、大丈夫、ということは一切ないです。ええ。。ほんとに。。

 

 

長所もあるけど欠点もある。

なんでもそうですけど、副作用合併症がそれほど問題にならない・いずれは消えるようなものであれば、欠点もありだと思うのですが。。。

このFGFのしこりは、そう消えない。。。

 

→続く

#やってはいけない美容医療 #PRP #FGF #しこり

日本美容医療責任共済会というところがありまして、美容医療に携わる医師のための賠償責任保険みたいなものです。

 

自動車を運転される方は、皆さん、自動車そのもの、同乗者のケガ、対物、そして対人のケガに対しての保険って入っておられるでしょう。

それの医療バージョンです。

 

一般的な保険診療は、各学会、日本医師会で保険が用意されており、日本医師会に加入している場合は、この医師倍賞責任保険は義務で強制加入です。

ただ、カバーされる範囲は、保険診療に限って、です。

 

美容医療(レーザーや注射などの美容医療、美容外科手術)については、保険金がおりません。

 

美容外科学会が運営している保険がありますが、死亡とか失明など身体障碍者1級とかそれ相応の後遺症のみ、保険金がおります。

(条件はあるはずですよ)

美容外科学会は、日本に2つありまして、形成外科認定医のみで成り立っているほうと、もともと何科の医者かわからない、誰でもお金を払えば入れるほうの、皮膚科形成外科でもなく、手術経験もないような、研修医終わったところですけど、美容外科で儲けたい、みたいなあやしい医者も混じっているでしょう。

この美容外科の保険は、こちらの形成外科医ではないほう。

 

あやしい医者も混ざって手術するわけですから、そりゃいろいろな重篤な後遺症が出ることもあります。

重篤な後遺症は、ちゃんとしたドクターでももちろん起こります。事故と同じ。

 

ただ、確率が違いすぎることと、正しい医学知識(と経験ですが、知識すらない医者もいる)があれば、そんなことにはならなかっただろうということも多々あるかと思います。。

 

なので、こちらは驚くほど保険料が高い!

 

そりゃあそうだ。

 

私は手術はしないので、入っておりません。この美容外科学会も止めたし。関係ないなと思ったので。

 

私が入っているのは、この表題の「日本美容医療責任共済会」です。

こちらは、日本美容皮膚科学会も絡んでいるし、もともと抗加齢美容医療学会が、こういう保険がいるでしょう、と共済会を作ってくださったわけです。

 

手術じゃない美容医療で、重篤な副作用や後遺症というのは、ほとんどないですが(ゼロではないです。麻酔薬も扱うし、ヒアルロン酸注入による塞栓事故が日本でも起こっています)、ちょっとしたことはあって、そう言う時にカバーしてくれる保険です。

 

美容医療だったらなんでも保険金がおりるのではなく、条件があり、もちろん違法行為は一切ダメです。

(医師がいなくて、ナースやエステティシャンでやったとかの医師法違反など)

学会が認めていること以外を勝手になんでもかんでも、個人輸入してやっているとかもいろいろ規定があります。

 

厚労省承認の美容医療というのは、ものすごく少ないので、アメリカのFDA承認をいうのは、まず必須です。

FDAの承認が取れていないようなものは、まずカバーされないと思ったほうがいいです。

 

ということは、FDA承認じゃない、美容医療機器、医薬品は、安全性に関して、かなりリスキーということです。

 

絶対ではないですし、機器も薬も、ようは使う医者次第ですから、ちゃんと副作用を説明の上、患者さんも納得していれば、そして、その医者がどうしてもそれでないとダメだ、他のFDA承認のではダメなんだ~!というのであれば(そんなものはそうないと思いますが。。。)、選択肢の一つかもしれません。

 

でも、これだけいろいろな美容医療がある中で、わざわざ、それを選ばなくても。。。と私は思います。

 

ほんとに他ではダメなの?って。

 

こちらの共済会で、定期的に、日本国内での美容医療が安全に行われ、患者さんが被害に遭わないように、日夜会議を開いて検討してくださっているわけですが、その会議で、「この治療はカバーから外す」と改めて表明されることが時々あります。

 

ようは、それだけ、トラブルが多いということです。

 

この程度のトラブルは仕方ない、あるかもしれない、というレベルではなく、

それはイカンだろうとか、そんな風に適応外使用すんな!とか、やり方がむちゃくちゃにする医者が多くて、その結果被害も多くて困っている(一番困っているのは患者さん)という代物です。

 

今回、と言っても少し前ですが、通達が来てました。

 

<カバー範囲から除外する項目>

(1)ノビエール

(2)PMMA含有注入物 ノビエール等 ★PMMA: PolyMethyMethacrylate

(3)FGFの適用外使用(注入・注射・PRPとの混注)

(4)フォスファチジルコリン等を含有する脂肪溶解注射・BNLS

(5)注入剤による豊胸術

 

 

FGFを注射・注入・PRPに混ぜない!というのは、かなり前から学会でも危険視され、絶対にやらないようにと言われていたと思いますが。。

いまだにやっているクリニックが結構あるんですね。。。

検索かけたら出てきましたわ。。。

 

→続く

 

#やってはいけない美容医療 #PRP  #FGF  #ノビエール #フォスファチジルコリン #脂肪溶解注射 #BNLS #注入剤による豊胸