先日の美容皮膚科学会で、ほとんどがレーザーなどの機器を使った治療や注入剤を使った治療の話が大半でした。
まあ、美容皮膚科学会ですから、それはそうだと思います。
そういう意味では、美容医療で使う機器の話をこれほど聴ける学会もないのかもしれません。
私も美容医療の機器は好きですし、自分にもやりますが、栄養状態が悪いのに、特に強い治療をやるというのは、副作用が強く出るリスクが高いので、あまり興味がありません。
侵襲性はそれほどなく、あまり生体の恒常性を邪魔しすぎない美容医療が好きです。
取り返しがつきやすいものというか。
それでもちゃんと効果が出ますし、安全を最優先でやりたいです。
今年は、スキンケア関係の話が全然なくて。。
毎年こんなんだったかな。。というくらい。。
スポンサーの問題もあるのもかもしれませんが。
一番期待していたのが
教育講演の「化粧品から機能性化粧品へ -安全性と効能評価の為の倫理的課題」というものでした。
講演が始まってすぐに座長の先生から、
「本来、こういう講演は、美容皮膚科学会でやるものではないんですが、倫理審査委員会をずっとされている先生がいらっしゃって、こういう機会を借りてぜひ知ってもらいと思って、・・・」云々、おっしゃってまして。
私は逆にびっくりです!
美容皮膚科学会でやらなきゃ、どこでやる?! 皮膚科学会ってこと・・?
(基本、皮膚科学会で、美容の話は、スポンサードセミナーでなければされません。そのために美容皮膚科学会を作って分けられたので。
皮膚科学会で化粧品の話が出ても、保湿剤や日焼け止めで、あくまでも皮膚の健康のため、アトピーや敏感肌の方が使えるように、というための話だったり、レーザー治療に関しては保険が通るものだけの演題です。)
まあ、してくださってなにより。
とても嬉しくて楽しみにしていました。
でも、おそくら聴いているのは、ドクターはとても少ないかも。。。
各化粧品メーカーや企業の開発担当者のほうが多いのでは。。?と思ってしまうくらい。。
で、実際の講演ですが、化粧品が規制緩和の影響か、機能拡大して、いわゆる高機能化粧品がどんどん出てきて、皮膚トラブルがとても増えています。
皮膚トラブルに大して、ず~っとパッチテストを実施されて、多くの患者さんを診てこられている先生のご講演で、やはり、海外の化粧品、オーガニック化粧品の見直しをかなりおっしゃってました。
海外のものや国産でもオーガニック・自然派化粧品と言われるものに、かなりの確率で、食べ物や口にするもののエキスが入っています。
今や、というかかなり前から、皮膚科学、皮膚医学では、「食べ物は皮膚に塗らない」という常識(日本だけじゃないですよ。先進国では当たり前ですよ)が、そういうメーカーは知らないのか無視しているのかわかりませんが、今も作り続け、販売もされている。。
もちろん、海外のものは、添加物の問題があります。
日本では認可はされているけど、あまり日本のメーカーは使わないものだけど、海外のメーカーは当たり前に使っているとか。。
こういうのは山ほどあります。
まして、現地土産とか個人輸入となると、野放しです。
日本では認可されていない成分も平気で入っています。
欧米人は大丈夫でも、日本人はダメ、という成分もあります。
ちなみに、皆さんが使っているシャンプーで、
「イソチアゾリン」という成分が入っていたら、今すぐ止めましょう。
これは結構な確率でパッチテストで陽性(刺激が多いということ)になるそうです。
これが入っている有名なシャンプーがあって、ボディソープや石けんもそうですが、パッチテストをしなくても、これらのメーカーのをアトピーやアトピーの気がある方が使うと、てきめん、皮膚がかゆくなります。
ひどい場合は、湿疹皮膚炎が出ることも。
そのせいで出ているのか、掻いて出たのか、もう見分けがつかないくらいの時も。
商品名聴いただけで、即刻止めるように言っています。
これらの問題も成分が入っているのを止めてもらうだけで、ステロイドを使うこともなく、自然に、しかも短期間で治ることもあります。
だって、原因は、それだから。
(実際は。その添加物だけではないんでしょうけど。)
アトピーの方は、体に(基本、全身)石けんは使わないように言います。
特に、体で使う必要はありません。よほどの時以外。
どうしても使いたいなら、安全性が証明されているもので、部分洗いなら、です。許可するのは。
で、やはりアトピー素因のある方は、いろんなものに負けやすく、金属アレルギーも起こりやすいし、ヘアカラーとかそうですが、なんでもなりやすく、ひどくなりやすい。
エステで使われる化粧品も、海外のものやオーガニックのものが多い。
無知でしかないですね。
そういうのがいいと、何の根拠もなく、なんかイメージ、ってやつで思いこんでいる。
非常~に危ない。
そういうものを、下手したら、全身に塗られるわけです。
スクラブした後や、ゴシゴシ擦った後に塗られることもあるわけです。。。
ナノテクノロジー化粧品についても、安全性の保障はない、と言われてました。
そりゃあそうでしょう。
ナノの化粧品なんて、自然界に存在しないものですから、皮膚に塗ることの、浸透することへの本当の影響は?
それがバンバンと市場に出回り、今では、食器洗い洗剤としても当たり前のようにスーパーで売られていますよね。
あんなの、まず、皮膚につけていいの?! そもそも、下水に流していいの?!と思います。
下水に流す場合、生態系にどんな影響が出るのかってわかんないですよね。
すぐには影響が出なくても、何年、何十年、となると、安全性なんて、どうやって検査しているの?と素直な疑問です。
それを言いだすと、洗濯洗剤の50倍抗菌とかもそうですけど。
その抗菌剤まみれの衣類を、自分の肌に直接つくことに、なんの不安もないんだな、ということにびっくりです。
一体、何をもって「安全」とメーカーは言うんでしょう。
浸透性はいいのかもしれませんが、安全性はどうやって確かめのか?
→続く。長くなったので、わけます。