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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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ふくらはぎボトックス

先日も問い合わせがありましたが、ふくらはぎボトックスに限らず、美容医療は、お金さえはらえば、誰でもなんでもかんでもやってもらえるのが当たり前と思っている方のなんと多いことか!

 

これは、格安チェーンクリ二ックとか、そういうところでなくても、美容クリニックのホームページなどに、すごく簡単に誰でもやっていいようなことが書いてあるからだと思います。

副作用合併症のことは全然書いていないし。。

 

なので、美容クリニックに行ったことのない方だと、検索かけてトップに出たクリニックなどの宣伝広告をそのまま鵜呑みにしてしまう方も割と多い。

 

 

今までスポーツなどをされてきたせいで、ふくらはぎの筋肥大が目立っていて、気にされている女性はわりとおられます。

 

細いとなおさら、ボコッと飛び出た筋肉が気になるようです。

 

今は、棒みたいな凹凸のない脚が流行っていますから。

 

昔はそういうメリハリのない脚を大根脚(足首がないのも含めて)、筋肉がしっかりした脚はカモシカのようなと脚と憧れの対象になったような時代があったと思います。

30年以上前でしょうか。。?

 

まあ確かに肥大しすぎていると、見た目気になるのはわからんでもないです。

 

脚全体の細さと肥大がアンバランスで、ブーツが履けない、ジーンズや細身のパンツが困る、と言ってこられる方もおられます。

学生の時にスポーツ(陸上やバレーなど脚を使う競技)されていた方が圧倒的に多いです。

 

筋肉がどうしてそこまで肥大したかというと、それだけ体を支えるのにその太さ(大きさ)が必要だったからです。

 

スポーツを止めてトレーニングも止めれが、筋肉は次第に落ちていきますが、ふくらはぎは毎日体を支えますから、多少は落ちても肥大はそこそこ残っておられます。

 

私はスポーツとは無縁の人生なんですが、ふくらはぎには筋肉がついていて、肥大と言われたら肥大です。ボコッと少し出てます。

 

スポーツもしていないのに何故か?と言われたら、やはりこの重い体を支えるのに毎日筋トレしているわけですから、この筋肉がないと体を支えきれません。歩けなくなるかも。

 

歩けなくなるところまでにはしませんが、階段降りる時に力が入らなかったり、脚がかくかくしたり、走る時にうまく走れなかったりするかもしれません。

 

私もふくらはぎボトックスをやって、脚を細く見せたい(というよりもボコッと出ているのをなめらかにしたい)という気持ちはありますが、今の体重でやったらダメだよな~と思ってやっていません。

 

医学的な適応をどこからなら、というのは、医者によって全然違うので、特に美容の場合、そういう意味での正解はないわけですが、やりたいからと言って、誰でもやっていいわけではありません。

 

そのための診察と説明(カウンセリング)が必要なわけです。

 

もちろん注射ですから腫れ内出血の可能性もあるし、思ってもみないような確率は低くても他の副作用合併症もあるでしょう。

あくまでも、確率の問題なので、頻繁に起こることではないですが、起こった人からしたら、100%の確率で起こったわけです。

 

ものすご~く軽く考えていた方が、副作用合併症の、脅すわけでもなく、普通の説明ですら、そんなのがあるって知らなかった、やるのを止める、ということもありますし、筋肉と患者さんが言っていたけど、診察したら脂肪だったとか、持病がある(ことを隠していた)ことでやらないこともありますし、ネットなどで思いこみをしていないか、勘違いしていないかの確認も必要なわけです。

 

うちのHPの初診時の注意書きにも書いていますが、今妊娠の可能性がまさにあるのに、平気で、レーザーや注射をやりたいやりたいという人もたまにいます。

 

まして、ボトックスは、注射後2回月経(約2か月)がくるまで絶対避妊です。

 

可能性があるならやらない、やれないと説明すると、ただの注射じゃないですか?!レーザーあてるだけなんでしょう?!という人もいて、赤ちゃんと自分の美容とどっちが大事なんですか?赤ちゃんになにかあってもいいんですか?!と医者に言わせるひどい人もごくたまにいます。

 

人の思い込みっていうのは恐ろしいです。

 

それも含めた診察です。

 

うちでは、電話カウンセリングという、よく美容クリニックがやっているようなことはしません。

あれは、「カウンセリング」という名の、営業です。

ちょっと聞いてみようと思って電話してきた人に、良いことたくさん言って、その気ににさせて、副作用合併症の話はせずにとりあえずクリニックに来させるためのものです。

クリニックに来たら、もう離しません、やるまでは。副作用合併症の話が出ても、ものすごく軽い。

まあ、確率の低~い副作用合併症を言いだしたら、もうキリもないので、そんなことまでは言わないのが普通かと思いますが、腫れ内出血や避妊すら言っていないところもあります。

 

以前に、二十歳の女性が、とあるクリニックにふくらはぎボトックスで相談にいったら、電気で神経を焼ききる手術(ちなみに1回30万円)をやろう!いますぐやろう!と5分も診察していないのに、医者が立ち上がってせかされたそうです。

値段もそうですが、ろくに診てもいないのに、こんなのおかしい!と思って、そこを出て(うまく帰れてよかったです。囲まれるところがありますから。。)、うちに来てくださいました。

 

二十歳なんて、私からしたら高校生と同じくらい子供です。

でも、そんな若い子でも、ろくな診察もなく、いきなりやろう!っておかしいと気づくわけです。

 

「効く」ものには必ずなにかしら副作用合併症があります。

程度の差はいろいろですが、診察することと患者さんの理解度と心構えで、副作用合併症を最大限減らしていくわけです。

 

うちのふくらはぎボトックスは、厚労省承認のアラガン社のボトックスビスタ®を使っています。

承認薬ですが、かなり安くしています。

ほとんどの方が、顔のレーザーなどに一緒につけられるので、ボトックスは定期的にだいたい打つことになりますから、レーザーもして注射もとなるとお金がかかります。

で、患者さんサービスとして安くしました。

 

そしたら、安いからという理由で、レーザーをしない初診の人が増え、そういう値段で安くできるクリニックを回っている人というのは、無断キャンセル、遅刻、ドタキャンなどがとても多い。

結果、多かったです。

それで、レーザーしている人としないで注射だけくる人とで値段を変えました。

 

ふくらはぎボトックスは、最初の値段設定のままです。

アラガン社なのに、かなりお得にしています。

(ボトックス®はアラガン社の商標登録です。韓国製や他国のものは、ボトックス®ではないです。アラガン社のは検査などがちゃんとしていますから、一番高い。それでも、できればボツリヌストキシン製剤は、アラガンのを注射したほうがいいです。切れ味がいいのと耐性ができにくいのと。耐性ができたら、おそらく一生ボツリヌストキシン製剤は使えませんよ。)

 

ふくらはぎボトックス®だけしに来られる方も多いですが、顔のボトックスの時ようなマナーを守らない方がいまだかって出なかったのと、ふくらはぎボトックス®は回数がいりますからね。

早く良くしたいから、倍量注射して!とたま~に言う方おられますが、毎日体を支えていますから、一度にガッ!と効かせるのは非常~に危ないと私は思います。

極端すぎることは体がついていかない。

普通にやっていても、注射後効いてきたら、慣れるのに少し時間が必要です。

何度かやっているとさらに慣れますが、初回なんて慎重に考えておかないと。

 

話を聴く前から、やりたい!やりたい!となっちゃっている人は、実はとても危険です。

自分には合わないこともあるかもしれない、他の治療が向いていることもあるかもしれない、など冷静に考えられる状態に戻れる、ということが美容医療には必要です。

 

 

 

 

 

カテゴリ:

医療