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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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法令線が気になる

法令線が気になる方、シミほどではないですが、結構おられます。

 

あまり美容医療をご存知ない方は、勘違いされておられることが多い部位ですが、法令線は、「シワ」ではなく、「たるみ」です。

 

なので、シワ治療では、法令線治療としては、不十分ということになります。

シワ治療とたるみ治療では、値段が全然変わってきます。

もちろんやることも、似ているようで全然違う。

 

法令線に沿って、ナイフで削ったみたいな小さい溝は、シワです。

 

痩せている方で、皮膚もペラペラ、皮下脂肪もあまりついていないような顔の方で、口を動かした時に折りたたみジワがもろに法令線に出る方がいます。

 

栄養状態が悪いと、皮膚のコラーゲンもスカスカだし、コラーゲンすかすかということは、弾力性のエラスチンも補充もされていないし、減る一方です。

 

そこまでひどいと、栄養欠損の皮膚というのは、概ね乾燥していますから、折りたたみジワはとてもつきやすくなります。

 

つきたてのお餅を曲げても、すぐに戻りますけど、干からびてきた鏡餅曲げたら(そう曲げればませんが)バキっと割れ目ができるでしょう。

極端に言えば、ああいう感じ。

 

保湿がもうちょっとしっかりしていれば、そこまでひび割れは出なかったかもしれません。

(鏡餅に毎日オイルを塗っていたら、干からびるのがちょっと遅くなるの、わかります?それと同じです)

 

この法令線のひび割れの場合は、確かにシワ治療になると思いますが、ほとんどの方は、法令線の重さ、段差のことを言われます。

 

だから、指で頬っぺた引っ張って、これくらいになればいいのに、ってするでしょう?

 

ようは、頬全体が重力で下に下がってきて、ブルドッグみたいになっているわけです。

 

そのせいの段差です。

 

なので、たるみ治療が必要となります。

 

タイトニングやリフトアップ系の光治療やRF、あるいは超音波などいろいろあります。

効果や回数、副作用や合併症も、もちろん値段もピンキリです。

どれがいいとか悪いとかではなく、自分の好みの問題が大事かもしれません。

 

私は、痛いのも嫌だし、日常生活に支障が来る、影響が出るのも嫌で、治療の後にすぐに人と会っても困らない治療が基本好きです。

 

侵襲性があまりなくて、生体の恒常性をそこまでは損なわないもの。

 

全く損なわないものはないですが、侵襲性の強いことをするなら、それに耐えられる皮膚=栄養状態にしておかないと、副作用合併症がひどく出ます。

 

強い治療ばかり、重ねてやったり、連続してやったりとされているクリニックもありますが、いつもほんとに大丈夫なのかなと思います。

 

明らかな副作用や合併症が増えているわけではないようですが。

 

たるみ治療の光・RF・超音波、すべて43℃以上の熱を加え、皮膚を43℃以上にします。

 

43℃を超えると、活性酸素が出ます。

 

侵襲性の少ない治療であれば、43℃を超えて活性酸素が出ても、処理できる範囲なのかなと思います。

(それすらも処理できない方も稀におられます。こういう方は、設定を強くはしていってはいけない。)

 

侵襲性が大きいと、コラーゲンはその分増えるかもしれませんが(ダメージが大きい分)、活性酸素もたくさん出るでしょう。(だからこそ、ダメージが大きいわけですが。。)

 

どこまでの人なら、それが処理できるんでしょう。

 

腫れが引いたら、活性酸素の害は果たして終わりなんでしょうか?

 

体の仕組みというのはなんでもそうですが、軽い刺激を回数受ける分には対応できても、大きな刺激を一度にドーン!というのは、あまりの急激な変化というのを体は嫌います。

対応するのに、てんやわんやで、細胞も総動員で働きまくりでしょう。

 

患者さんの中には、結構きつい治療を何度もやってきているのに(長年)、なんか肌そんなに若々しく見えないし、なんかちょっとずつひどくなっている気がする。。という方がたまに来られます。

 

考えられるのは、きつり治療でも設定がゆるゆるで効かないような設定でずっとされてた(危ないから、トラブル回避のため。その分、回数でコースを買わされたりしてる)、あるいは、副作用合併症のほうが効果よりも勝ってしまった、活性酸素を処理できなかった、と可能性があります。

 

どちらなのかは、そのこのカルテなど診ない限りわかりません。

 

どこのクリニックなのか、照射後どういう変化があったのか、すべての経過と検診結果などあれば持ってきていただいて、推測していくわけですが、活性酸素を処理できなかったほうとなると、そのダメージは一体いつまであるの?というのは、はっきり言ってわかりません。

 

なので、そういう方の場合は、侵襲性の低いものから始めてもらって様子を診て(と言っても、うちのはほぼ侵襲性はあまりないのですが、治療温度で差があるので)、栄養もしっかり摂ってもらって活性酸素に負けない肌にしていく。

 

もちろん、当たり前の話ですが、スキンケアがむちゃくちゃだったら、活性酸素や照射の設定云々の話ではないです。

 

何度言っても、顔をひっぱり続ける方、美顔器でぐいぐい押して引っ張るのを止めない方、(つい引っ張っちゃった! 気を付けているのに、ではなく、止める気がない方)は、たるみ治療はお断りしています。

効くわけがないから。

 

光・RF・超音波などで侵襲性がどうこう心配というのであれば、あとは、ヒアルロン酸注入によるプチ整形です。

 

法令線にたくさん入れるのは、危ないし、変な顔になるので、たくさんは勧めません。

 

どこにどれだけ入れるかですが、少量であったり、ちょっとずつ増やしていくなら、侵襲性はそこまでないかも。

活性酸素がどこまで増えているのかはわかりませんが、少なくとも皮膚温は上がらないから。

 

ただ、これも一度にたくさんとなると、急激な変化に、体がどう対応するのかはわかりません。

それが、腫れや違和感、鈍痛、神経痛などのいわゆる副作用合併症につながりやすいこともあるのかもしれません。

 

光・RF・超音波で、もしかなりの侵襲性のあることをするのであれば、もう手術でいいんじゃない?と思うこともあります。

きっとそれだったら、手術のほうが侵襲性低いよ、ということも。

 

ただし、手術はキズ跡は残るし、うまい先生にやってもらわないと、目も当てられません。

うまい先生だとそれなりのお値段しますし、うまい先生だからといって、手術の場合も、手術なりの副作用合併症はあるわけです。

 

だって、切りますからね。

 

世の中にはいろんな治療があるので、自分の顔に合わせて、いろいろ提案してくれるクリニックがいいと思いますよ。

その場合のメリットデメリットも含めての説明です。

最後は、やはり治療によって値段も効果が出るまでの時間が違いますから、その方の好みでかなり分かれます。

これ!っていう一つの提案だけよりも、比較も大切です。

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エイジング, スキンケア, 医療, 栄養・食事