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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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部分痩身の医療機器はどうして効くのか?①

先日の部分痩身の続きの話です。

エステのわけわからん機械の話じゃないですよ。医療機器の話ですよ。

 

医療で使う部分痩身の機械は大きく分けて、2種類あります。

 

というか、その前に、部分痩身というのは、全体に痩せるというのではなく、例えば、二の腕とか、内股だけ、とか、腰のジーンズ履いた時にのっかる部分とか、下腹部だけとか、局所だけ皮下脂肪を減らしたい、そこだけ細くしたい、というための医療です。

 

従来は、脂肪吸引という手術しかありませんでした。

これは今でもされていますが、確かに効果が確実にあるでしょうけど、無理矢理皮下脂肪を引きちぎって吸いだすわけですから、副作用合併症も半端ないです。。。

一番怖いのは、脂肪塞栓で、これは上手いドクターがちゃんとやっても、このリスクはゼロにはできません。

格安大手チェーンクリニックで、一時脂肪吸引の事故死(?)が続きましたね。

原因ははっきりしないものもあるでしょうけど、いくらリスクはゼロではないと言っても、そう格安クリニックで続くと、医師側に問題はなかったのか?という話にもなるでしょう。

(美容外科手術は、形成外科認定医を持っている美容外科医の先生にしてもらいましょうね。

選ぶ基準の最低条件は、形成外科認定医かどうか。

これは前提条件です。そこからスタート。形成外科医ですらない、というのは、圏外です。そういうところで手術するから、トラブルが必然的に多くなる。

手術は、いくらリスクがゼロにならないとは言え、自分で上げてどうする?!って話ですから、術前に最低限のことは確認もでき、回避できるわけですから、それくらいは最低チェックしましょう。)

 

手術の一番多い副作用は、出血です。

血が出るのは当たり前ですが、ひどいと血圧低下などのトラブルも。。

 

まあ、痛みも半端なさそうだし、手術は覚悟がかなりいりますね。

 

その後に登場したのが、「脂肪溶解注射」です。

これは、学会の美容医療損害賠償保険から除外されてしましました。

トラブルが多いのでしょう。

もともと皮下脂肪内に注射する薬ではない、というのもあるのかもしれません。

これはね、やり方によったら、結構なトラブルがほんとに出ます。。

その割に、薬の内容によったら、全然効果出ないし、回数かかる(お金かかる)し、効く薬は手に入らなくなっていくし、とちと厄介です。

使う薬剤によって、効果がかなり差が出たりもします。

 

で、こういった後から登場してくるのが、部分痩身機器です。

2種類の内訳は、

①温める系

温めるとは言っても、結構熱い! ターゲット部位に熱源となるようなものをあてて、細胞の自殺をうながす。

これも機種ややり方や患者さんの感じ方もとても意見がわかれるでしょう。

 

中には、かなり破壊する機械もあります。

(副作用はそこそこ出ます)

 

②冷やす系

先日の機械です。

 

①にしろ、②にしろ、脂肪吸引みたい大量に破壊もできないし、吸いだすこともできません。

 

熱なり冷やすことで脂肪細胞が自殺(アポトーシス)して死んで、中の脂肪敵が出てくるのか、脂肪細胞を殺して、細胞膜を破ったことによって、出してくるのか。

 

一見似ているようで全然話が違って、やっぱり他殺(アポトーシスでないほう)は、それだけのダメージがなにかしら出ます。

その分効果も出やすく、回数も少なくても済む場合もあります。

そりゃあ刺激して自殺して死んでくれたほうが、周りの組織へのダメージは最低限で済むでしょう。

 

それぞれの機械が特徴が似ているようだけどなんか違う(実は全然違う)ので、何を選ぶにしても、メリットだけではなく、デメリットをちゃんと聞いてからえらびましょうね。

 

さて、中身が漏れてきてその後、脂肪滴はどうなるのかです。

 

 

マクロファージと言って、からだの中のお掃除細胞が出てきて、食べてしまってくるくれる分は多少あります。

でも、結構な量を分解したら(マクロファージの大きさから推し量る貪食能では到底無理な量)、その後は?

 

脂肪吸引みたいに吸いだしませんから、その行く先ですね。

 

体の中を覗いたわけではありませんが、おそらくリンパ管や血管の中に入って、肝臓で代謝されることに。

 

→続く

 

 

 

 

 

カテゴリ:

医療, 栄養・食事