プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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今日は、「見た目のアンチエイジング研究会」に参加してきました。

 

いろいろと為になる話がたくさん聴けて、とても良かったです。

オーソモレキュラー療法をはじめて、今までの美容皮膚科美容外科のレーザーやおプチ整形や手術三昧の話も大切ですが、どちらかというと、体の中からとか、皮膚の仕組みの解明とか、そちらの抗加齢学の中身のほうが勉強していて楽しいです。

 

特に最近の、というか先日の美容皮膚科学会は、企業主体のような気がして、ますますなんかきなくさいと思ったのは私だけでしょうか。。。

 

さて、今日の講演の中で一番聴きたかったのが、市橋正光先生の「経口摂取での紫外線対策」。

いわゆる、今流行っている「飲む日焼け止め」です。

 

先に、結論から言いますと、やっぱり要らないかな~と。

 

市橋先生は、太陽光線の研究においては第一人者の先生です。

市橋先生の紫外線だけではなく、光についてのご講演はいつも楽しみにしています。

 

で、今回もいろいろ実際調べられたそうで、今発売されているもの、どれを飲んでも、せいぜいSPF1~2程度。

傘を差しているのと変わらない、とおっしゃてました。

 

ようは、どれも抗酸化作用のあるもので、紫外線による活性酸素による害を減らそうというものではありますが、いかんせん、効果なさすぎ。。

 

昔、「ヘリオケア」という「飲む日焼け止め」の元祖というか、最初ので始めのサプリがありまして、うちでも取り扱ってましたが、患者さんに、これで日焼けは防げませんよ、あくまで日焼け止めをちゃんと塗っている上での足しですよ、お守りみたいなものですよ、と説明して納得された方に売っていました。

 

塗る日焼け止めでは限界があるため、特に南の島に行くとかなると、やはり活性酸素の害が心配です。

どこまで効くかわからないけど、少しでも抗酸化作用があれば、飲まないよりはましかなと思ってました。

 

そのうち、アメリカで、これは効かないという論文が出たとか出なかったとか。。

 

で、うちも取り扱いを止めました。

 

そうこうしているうちに、クリニック用でも市販でも「飲む日焼け止め」が各社からあやしいものがたくさん出て、クリニックでも売ってたりします。

 

先日来られた患者さんも、クリニック専売品の、トマトが主成分の「飲む日焼け止め」を購入されて飲んでました。

 

お値段、一箱、1万3000円ほどか。

 

私の本も読んでおられたというのに。。。ああ。。無駄なお金だ。。。

 

抗酸化剤として、高かったから飲み切るのはいいですが、大きな期待はしないようにと説明しました。

(肝斑もシミもあって、治療をしてもらおうと美容クリニックに行ったら、肝斑のところは全部避けますと言われ、フォト(光治療)をコースで買ってされていた方でした。

でも、肝斑のところが気になっていっているのに、そこ避けられたら、何しに行ったのかわかりませんよね。。。

 

それで、トラネキサム酸だけ、ずっと飲んどけと言われて処方されていたそうです。

うちに受診されるちょっと前に、そのトマトの「飲む日焼け止め」を勧められ買ったそうな。。。

 

ろくでもないクリニックは、ろくでもないものを売る、というのはよくある話で、人の弱みにつけ込んでなにしてんだか。。。って話ですが。。

お高い社会勉強代となりました。

 

信用できないと判断したら(コース残っているけど、おかしいなと思って、行かなくなったそうです)、薬やサプリであっても関わったらいけませんね。

金儲けのことしか考えてないから。

もちろん、シミ治療するのに、スキンケアの話は一切されていません。日焼け止めの話も。)

 

 

で、市橋先生のお話は、どういった成分が紫外線によるDNAダメージ(活性酸素によって傷つけられるわけです)を修復してくれるのに役立つのか、という論文を元に講演されてました。

 

ただの抗酸化剤と割り切って、こういったサプリを飲むのは構いませんが、ほんとに南の島行く時に、日焼け止め塗るのをいい加減にして、これ飲んでるあkら大丈夫!みたいに思っていたら、大変なことになるのは自分です。

 

今後の商品の開発に期待する、とおっしゃってました。

 

確かにそうです。

 

でも、オーソモレキュラー療法をやっていると、同じ抗酸化剤を飲むなら、もっと体全体に役立つものを摂ったほうが絶対に役に立ちます。

 

だって、活性酸素なんて、紫外線以外にもいろんなことで増えるわけですから、1個1個の原因に対応していたら、キリがありません。

 

どんなことが原因であろうと、「活性酸素」から守ってくれればいいわけです。

 

抗酸化作用のあるものは、いろんな種類がありますから、同じお金を使うなら、抗酸化作用もあって、体もお肌も元気に綺麗になるものがいいですね。

 

トマトの成分に、結構な大金。。。う~ん。。。

そのお金でどれだけのオーソのサプリが買えることか!!

 

クリニック専売サプリと言っても、ピンキリです。

怪しいものから、良いものまでさまざまで、クリニックだから安心、とはなりません。

 

ましてシミを気にしていっているのに、スキンケアの話どころか日焼け止めの重要性も説明しないクリニックが売っているサプリって、それほんとに患者さんのこと考えて売ってる?と思います。

 

栄養欠損がひどいと、心の隙がどんどん大きくなって、こういうのにつけこまれます。

そして、皮膚はどんどんひどくなる。。。

すべてが悪循環です。

 

うまい話、夢のような話は今の医学ではまだまだ存在しません。

わらをもすがる、っていうのは、やっぱりわらだから。

楽にキレイになる、っていいうのは、やっぱないです。

ご自身の努力の賜物です。

レーザーやクリニック用サプリでもあっても、そのご自身の努力を後押ししてくれるだけで、ベースがないと押せません。