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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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排卵誘発剤

#不妊治療 #排卵誘発剤 #AMH #抗ミュラー管ホルモン #卵子 #栄養状態

不妊治療をされている患者さんって、実は結構多いです。

 

それでオーソモレキュラー療法希望で来られる方もおられるし、オーソ関係なく、スキンケアやレーザーなどの美容医療で来られている方もおられます。

 

不妊治療の内容は、皆さん(レーザーの方でも)お聴きします。

もちろん妊娠中はレーザーできないし、卵子を取る準備しているとか、もうすぐ受精卵戻すとか、そういう段階の方にはまずレーザーはしません。

不妊治療もタイミング療法とか検査中は普通にレーザーしますが、本格的な治療が始められる場合は、あまり勧めていません。

 

 

いろんなクリニックでされた検査も全て持ってきていただきますが、ほんとにクリニックによってピンキリで、女性ホルモンだけ測って、いきなり人工授精されている方もいるし、貧血の検査すらされていないこともあります。

そうかと思えば、ものすごくたくさん血液検査されていて(全部自費。もちろん、他の婦人科的な検査もフルコース)、アメリカのガイドラインにすら完全に引っかかっているのに放置されて、体外授精を勧められてやっている方もおられました。

(私の言っている項目に関して、日本にはまだガイドラインはありませんが、第一人者と言える病院の学会発表ではもっと厳しい数値が日本人で統計で出しておられます)

 

これで、今体外授精させるのか?!と思うこともしばしば。。。

 

私は産婦人科医ではないし、生殖医療の専門でもないのですが、オーソモレキュラー療法を勉強して、このデータで、卵子の状態や子宮内膜、女性ホルモンの質は大丈夫なの?

妊娠できたとしても、妊娠の継続、すごく危なくないのかな。。と思うこともしばしばあります。。

(思わないような方は、すでに妊娠出産されているわけで、そういう場合は相談もされないので、診ないわけです。)

 

でも、一人目の妊娠出産、産後育児があまりに大変だったから、二人目の妊娠中に来てくださる方も多く、検診結果や人間ドッグの結果をもってきていただくんですが、数年前のも載ってますから、それを診ると、よくこれで一人目妊娠出産無事できましたね、と言うと、全然できなくて、実は不妊治療して授かりました、と言われることも、実はよくあります。

若いと、不妊治療の一般的なもので、妊娠出産まではやはりいける確率がかなり高いようです。

 

 

うちで、婦人科的な検査はしません、というかできません。

エコーや内診もしませんし、女性ホルモンも測りません。

女性ホルモン自体は、オーソモレキュラー療法の栄養解析とは直接は関わらないから。

婦人科では普通検査されるので、そのデータを持ってきてもらって、婦人科の先生はなんとおっしゃっているんですか?とデータと照らし合わせ診ます。

 

栄養解析で診るのは、栄養状態です。

妊娠しやすい体にするのに、どんな栄養素を足せばいいのか、なにをどれくらい減らせばいいのか(糖質など)、妊娠が無事に母子ともに健康で過ごせるために、どれだけの栄養素がいるのか、授乳中の母体の健康、赤ちゃんの成長を聴いて、母体の栄養欠損の具合などを診ます。

 

基本、妊娠出産授乳していない方と大きく検査項目が変わることはありません。

健康の基本は同じなので。

 

 

ほんとに、不妊治療の検査は、玉石混交です。

で、同じ検査するなら、できればがっつりと自費治療もやっていて、検査項目が多いところに、ひとまず受診することをお勧めします。

 

ただし、ちゃんと1個ずつの検査の必要性を説明してくれるところで、検査するんですよ。

話を聴きにいくのは、構いませんが、検査はすべて自費治療です。

 

ほんとうの最低限の検査というのはあるでしょうけど、他のむこうが勧める検査を追加でやらなかった場合、どういうリスクや損があるのか。

お金もかかりますが、その検査をしなかったせいで、余計に時間がかかっては意味がないこともあります。

(説明せずに、いきなり、このセット全部やってください、みたいなところは、話だけ聴いて一旦帰ってきましょう。

かなりの高額になるでしょうし。もし無駄な検査や、他でしてかぶっている検査もあると、無断なお金です。

かぶっている検査があれば、この時のデータではだめなのか、必ず確認しましょう。

(ほんとは、向こうの医者が、それを聴かれなくても説明すべきでしょうけど。。)

 

 

保険診療しかしていない婦人科で、相談される患者さんもおられます。

月経トラブルや他の疾患で、ちょうど婦人科に通っていて、そのついでに聴いた、みたいな場合です。

 

これは皮膚科でもそうですが、例えば美容医療を全くやっていないクリニックで、シミの相談をしたところで、「そんなにひどくないから、様子をみたら?わざわざレーザーしなくても。リスクもあるし、必要ないんじゃない?」みたいなことを言われる方もおられます。

 

婦人科で、保険診療しかしていないところで、不妊治療のための検査をしてくれと言ったところで、してくれません。

専門外で何を検査すればいいのかわからないこともあるでしょうし、値段設定も検査会社にも見積もりも出していない状態で、しかもそこの医者が、生殖医療に興味がなければ勉強もしていないわけですから、そんな人に聴いても、「いりませんよ、やらなくていい。妊娠できなかったら、それから考えたら?そのうち妊娠するから」みたいなことを言われる方も、これまた多いです。

特に、20代、30代前半の方は、言われることが多い傾向かもしれません。

若いんだから、そのうち妊娠するよ、と本気で思っている場合もあるのかもしれません。

不妊治療をしていない医者だと、ここまで不妊の女性が多いのか?!という実感がなかったりもします。

 

 

不妊治療の検査の一つで、AMH(抗ミュラー管ホルモン)を測る検査があります。

すごく簡単に言うと、残っている卵子の数です。

オーソモレキュラー療法では、AMHを上げていく治療をやっていきます。

(卵子の数が増えるのではなく、卵子の質を良くするための治療です)

 

この検査、高いです。

しかも、どの検査機関でもやってくれるわけではないそうで、やっていない検査会社もあるそうです。

オーソモレキュラー療法に直接関係はしませんから、うちでは最初測っていませんでしたが、この数値が知りたいために、わざわざ2つほど離れた県まで行って検査された方も出てきたので、それだったら、うちの検査会社にできるかどうか聴きました。

やれるというので、普通に取り扱っています。

 

ただ高い。

うちでは、栄養解析のオプションですが、+1回 ¥10.800(税込み)です。

 

なので、20代や30代前半の方には、その分のお金を、食費やサプリに回すように言って、こちらからは勧めていませんでした。

患者さんが希望される分にはいくらでも測りますが。

 

若い方で、仮にAMHが悪くても、栄養状 態を上げていくのは同じですし、その結果で妊娠をあきらめる、とまで言うなら別ですが、そういう方は年齢に関係なく、今のところおられません。

 

アラフォーでAMHが悪いと、時間がないので、食事死ぬ気で頑張って!というハッパもっとかける、というのはあります。

言い訳して全然やらない、進まない、と言っている時間がほんとにないことを知ってもらうためにも、あったほうがいいかと思います。

 

 

ところが、若い方でも栄養状態が悪いと、いろいろな体調不良が出てくるわけですが、これはちょっと。。。と思った時に、若い方でも最近AMHを測るのを勧めています。

 

理由は、そういう方々のAMHが軒並み、私の予想を超えて、かなり悪かったので。。。

 

そうなると、栄養アプローチも多少変わります。

食事指導もちょっと変わります。

年齢がいけばいくほど、さらにもっとです。

 

婦人科でも、そんなたくさん検査するわけでもないけど、AMHは測っているところもあります。

(でも、患者さんに、結果説明は、皆さんあまり聴いてないことが多いです。)

 

むこうの医者だけで、勝手に話が進んでいくのか、もちろんAMH測っていないところもですが、こういうクリニックで、妊娠したいというと、排卵誘発剤をばんばん使うようです。

 

本当に排卵誘発剤が必要な方もおられると思います。

卵子がばんばん出たら、受精しやすのはしやすいでしょう。

 

でもね、この方のAMH,わかって本当にやってる。。?と思うことも。。

 

ただでさえ、残っている卵子少ないのに、薬で一度にばんばん卵子出されたら、その1回で妊娠したらいいですが、妊娠しなかった場合、また排卵誘発剤、ず~っと使っていかれてた方、ものすごく多いです。。

 

そうしたら、もう卵子の数、短期間で一気に減少すると思うのは、私だけでしょうか。。。

(後日調べました。排卵誘発剤を使ったからと言って、卵子の数が減るわけではない、というのが、この薬を使用しているドクターの意見として、いくつか見つけました。

毎月1000個(というか毎日少しずつ)の卵子が自然に消えていっていて、そのうちの1個が排卵されているだけで、残りは放っておいても消えている。

排卵誘発剤を使うことで、消えていく卵子が排卵できるようにしてくれているのが排卵誘発剤というわけだそうで、この薬のせいで、卵子が余計に減っているわけではない、ということでした。

ただ、卵子の数が減ってくると、効果が悪いという意見もありました。

そして、排卵誘発剤にはいろいろ副作用があります。。。)

 

 

いろいろな事情で、もう時間がなくて、今回誘発剤を使わないといけないという場合、あると思います。

 

でも、そこまでお金と卵子を減らすリスクを冒すなら、他の準備はOKですか?

貧血妊娠前からないですよね?

子宮内膜の厚さ、十分に作れてますよね?

(排卵誘発剤で、子宮内膜が薄くなり、妊娠しづらくなることもあるので、使い方が実は難しいと書いておられたドクターもおられました)

糖質食べすぎで、このまま妊娠したら糖尿病まっしぐらじゃないですよね?

などなど

もちろん、胃腸の状態もある程度元気である必要があります。

下痢軟便がずっと続いていて、妊娠中の栄養摂取はどうするつもり。。?ということも。

 

リスクをかけるなら、せめてその前に、一気に栄養状態あげるか、同時進行で栄養上げていかないと、うまくいくものもいかないとなると、大変では済まないかと。。

 

貴重な卵子です。

大事に使ってほしいです。

 

うまくいっていない方ばかりを診ているせいもあると思いますが、どうも不妊治療というと、真っ先に排卵誘発剤をばんばん、なんの躊躇もなく、婦人科から煽られるかのように、早くやるよう言われるようで。。

(もちろん、貧血の検査すらされていない状態で)

 

いや、ちょっと待った=っ!!といつも思います。

他の準備は、万全ですか?!

 

アラフォーの方が焦るのはよくわかります。

どうしても使うなら、リスクを理解した上でされる分には止めません。

ただ、栄養状態は、多少無理してでも上げて!とお願いします。

 

まだ若ければ、今すぐ、そんなに急いで誘発剤使わなくても(栄養状態がすごく悪いので)と止める形になります。

婦人科でお金をかけるので、オーソモレキュラー療法にたくさんのサプリを買う余裕はありません。

栄養状態はそれほど上がっていないのに、婦人科でせかされるのか、本人がやりたかったのかわかりませんが、しばらく受診されていないなと思っていると、久しぶりに来られると、誘発剤ばんばん使われていたり、いろいろやったけどうまく妊娠しなかった。。というエピソードが出てきます。。

 

誘発剤使った?!

卵子、減らした?!

この状態で?!

 

ということもあります。。。

 

妊娠したら、とりあえず良かった、で済みますが、リスクマネージメントとしたら、そんな一か八かを、今、卵子使ってやらなくても。。。と思います。。

 

情報が増えると、それ、おかしくないのかな? 本当にやっていいのかな。と違う一面が見えてきます。

減ってしまった卵子は、増やすことができません。。

どこまで検査されての判断なのか、ちゃんと説明聴いて納得してから、選んでほしいと思います。

 

 

 

 

カテゴリ:

エイジング, 医療, 栄養・食事