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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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ボトックス治療

自分の美容医療をやっている時間がなかなか取れていない私ですが、年末31日に、なんとかボトックス注射だけやりました。

眉間とおでこです。

 

ボトックスというのは、アメリカのアラガン社という製薬会社が販売している、「ボツリヌストキシンA型」という成分の注射で、神経が働かないようにする薬です。

 

ボトックスは、アラガン社の商標登録なので、他社のもの(イギリス製や韓国製、まして中国製)は、「ボトックス」と呼んではいけません。

そう言って、患者さんに注射していたら、詐欺ってやつでしょう。

品質と値段が違いすぎるから。

 

ちなみに、厚労省が美容医療で認めているのは、ボトックスビスタ®という商品名です。

アラガンジャパンが発売している、医薬品です。

 

さて、このボトックス。(正式にはボトックスビスタですが)

 

一番わかりやすいのは、眉間やおでこ、目じりなどの笑いジワをなくす、というと語弊がありますが、シワを作らなくする、と思ってください。

 

眉間の縦ジワを、寄せようと思って眉毛を動かそうとしても眉毛が寄らない。

笑っても、目じりの、注射したところには、笑いジワは出ない。

眉毛を上げても、おでこに、おサルさんのようなシワは出ない。

 

いわゆる表情ジワ、っていうやつです。

 

ボトックスの効果は、だいたい3か月ほどです。

止めていた部位がだいたい完全復活してまた動きだすまでの期間。

個人差もありますし、部位によっても結構差が出るし、他のケアと併用していたら、効果がとっくに切れていても、シワが寄っても目立たなかったり、効果が持続しているように見えることもあります。

まあ、一つの目安はだいたい3か月。

 

元に戻るから、プチ整形とも言われるわけですが。

 

光やレーザーをあてて、自分のコラーゲンを増やして、一見老化を遅くしているような治療と比べると、ボトックスは、なんだ、戻るのか、と一定期間、特殊メイクをしてもらったような感じにとらえがちです。

まあ間違ってはいないんですけれど。。

 

 

表情ジワというのは、顔の筋肉と皮膚がぴたっと密着していて、筋肉が動いて折りたたまれると、皮膚も同じ一枚ですから、一緒の動いて折りたたまれます。

アコーディオンカーテンを想像していただくとわかりやすい。

 

顔の筋肉が動くとき、収縮されてシワができます。

目じりも眉間もおでこも。他もそうです。表情が動いてできるシワ全部そうです。

 

子供でも、顔をクシャっさせたり、目をギュッとつぶると、その瞬間シワができます。

でも、そのシワは、残らない。

 

子供にシワがないのは、皮膚のコラーゲンもまだまだたくさんあるし、コラーゲンの質もいい。

エラスチンという弾性繊維もしっかりしていて、量もあるし、おかるしなやかで柔軟だからです。

 

そして、折り畳んできている年数がまだまだ短いから。

 

何度も何度も折りたたんだら、シワのところは、どんどん溝になり、深くなります。

 

ひどいアトピーとか乾燥肌もひどいと、表面の角質自体も硬く、ひからびた鏡餅みたいな。

動かそうとすると、バキっとヒビが入るイメージです。

若い子でも、お肌の状態がそうだと、この乾燥ジワが出やすくなります。

なので、自分で保湿できない方は、シワのためにも保湿剤が必要なわけですが。

 

20代半ばも過ぎると、人によったら、乾燥ジワも固定しちゃうことがあります。

 

真皮のコラーゲンやエラスチンの状態は、今まで摂ってきた食事の栄養の質と量、紫外線にあたった量が関係してきますし、折りたたまれた回数も関係します。

 

なので、表情豊かな方は、シワが多い。

 

だから、顔筋体操や顔ヨガなんて、やればやるほど、シワが増えます。

折りたたむ回数を増やすからです。

 

 

で、ボトックスですが、

ボトックスをすると、効いている期間、折りたたむのを止めてくれるわけです。

 

折りたたまれればたたまれるほど、シワがひどくなるのを、短い期間であっても止めてくれるので、そういう意味では、シワの深さ=老化、とするなら、老化を一定期間、止めてくれてるわけです。

 

折りたたまれるのなんて、少ないにこしたことないわけです。

 

散々折りたたまれて、シワが深い溝になると、一体どうなるか・・?

 

眉間の縦ジワ、表変えていないのに、深い線が入ったみたいなシワが残っている人いるでしょう。

笑いジワも、笑っていなくても、シワが残っている。

おでこも、おサルさんのようなシワが、眉毛も動かしていないのに、横ジワが深い。

 

こうなると、ボトックス注射で今後これ以上折りたたませないようにすることも大切ですが、ジッとしている時にできている溝は、ボトックスでは効きません。

 

ヒアルロン酸注射するにも余分にお金もかかるし、もちろんシワ1本1本に入れていくため、痛いし、内出血も出るし。

 

レーザーしていくにしても、増えるコラーゲン量からしたら、そんな簡単に溝が埋まるわけではありません。

 

どんどん治療は大変になるし、お金をかければ(時間も)、多少薄くはなりますが、もともと折りたたませないようにしてきた人とはくらべものにならない。

 

そういう意味では、ボトックスは、20代後半からやってもかまいません。

しょっちゅう、折りたたませている方は。

 

 

私は、子供もころから、右の眉毛だけオードリーヘップバーンみたいに、上げるクセがあったようで、中学か高校の時には、右の眉毛の上がポコッと盛り上がっていたのを覚えています。左右で眉毛の位置も違って、すごく嫌でした。

 

ようは、それだけ、そこの筋肉を使っているから、筋トレと同じで、筋肉肥大をしているから、ポコッと膨らむわけです。

 

ボトックス注射をマメにしていれば、筋トレを止めていけて、繰り返せば筋肉が萎えるところまでいけば、ポコッもなくなる。理論上は。

(実際、眉毛のポコっまで取るくらいボトックスをそこに注射すると、眉毛も瞼も下がりやすくなるので、見た目が変わりますから、そうそうちょうどうまくはできませんけどね)

 

おでこも、高校や大学の時には、おサルのような横ジワが出るのが嫌で前髪でずっと隠してました。

おでこは、さすがに、シワは残りませんでしたが、シワが寄るのをたまたま鏡で見ると、すごく嫌でした。

 

ヒルナンデス!出る前にも、もうおでこと眉間のボトックスはとっくに切れていて、やったほうがいい状態でしたが、出演前にやって、内出血のこともあるし、万が一にも効きが足らないとか微調整がいるようなことをテレビ出演直前にするものじゃないと思うので、やりませんでした。

 

出演終わって、気管支炎になってそれどころではなく、すっかり忘れていて、年末思い出したわけです。

 

他の美容医療は放置していても、折りたたみは止めておかないと、シワが深くなってからでは大変ですから、これだけは慌ててやりました。

 

今、ちょうど症状固定と言って、効果が落ち着いたところでいい感じです。

おでこはもうちょっと入れてもよかったかも。

 

 

たまに患者さんで、この表情ジワが結構ひどい方がいて、30代とか40代とか。40代後半のこともあります。

そういう方に、シワたるみ相談の話の時に、ボトックスの話をしますが、

「ボトックスは、50歳になったらやる。それまではやらないし、そこまでやらなくていいと思っている」

という一点張り。

 

その「50歳」というのが、一体どこから出てきている数字なのか、根拠が全くわかりませんし、「ボトックス」=もっと年をとってからするもの、と思いこんでおられて、これまでに書いた、20代後半でもしたほうが良い人もいるんですよ、のくだりも説明しますが、まあ聞きません。

 

思いこみというのは恐ろしいです。

「ボトックス自体、やりたくもないし、やるつもりもない。」という毛嫌いとか主義ではなく(こういう方も多いですが)、なぜか50歳になってから、と。

 

今でもう十分溝が形成しつつあるのに、です。

この数年、5年、10年ほどで、ますますコラーゲンもエラスチンも減って、光老化もしていくから、坂道転げ落ちるようにひどくなるというのに、拍車をかけますか。。。っていう話です。

 

まあ、思いこんでいる人にいくら言っても無駄ですからね~。

機会があるたびに説明したところで(毎回、このシワが気になると言われるから)、鬱陶しがられるだけで、下手したら、営業かけてるように思われますからねー。

 

 

 

ちなみに、ボトックスの日本国内、アラガン社の適応基準に、「65歳未満」というのがあります。

65歳以上でも、医師が必要と思えば、もちろんやっていいわけですが。。。

 

なぜ、65歳以上は普通はやらないかというと、もうジッとしていても、溝が深すぎて、ボトックス打とうが打ってなかろうが、結果が変わらないんです。

もう顔中、山あり谷あり。表情ジワが固定してるので。

ということ。

 

で、もちろんこれも個人差があり、65歳未満なら誰でも効果があるわけではないです。

何歳であろうと、溝が深くなってしまった時点で、ボトックスだけでは改善できません。

どこまで目指しているかにもよりますけど。

 

なので、数ある美容医療の中で、ボトックスは、わりと早め、気になった時がやり時、というわけです。

 

ちなみに、ボトックスビスタ®を使っているクリニックをお勧めします。

美容医療で、ボトックス®だったら、それは海外からの個人輸入ですから、輸送状態が心配(冷凍で運ばれてこないといけない。結構、海外からはトラブル多い。)

 

あと、格安のはダメ。

ケタが違うのは、ボトックスではないでしょう。原価から言っても。

 

ボトックスと書いていても、中身は韓国製で騙して、みたいなクリニックもあるので(値段高いところでもね)、これは患者さんは残念ながら見抜けませんよね。

目の前で、ボトックスの瓶から液を吸っているところを確認でもしない限り。

 

最初安い値段で釣っておいて、「ボトックスがいいんですけど」と言うと、どんどん値段が上がって、挙句の果て、あなたはひどいから倍いると、20万払わされた方がおられました。

 

これは、厚労省や消費者庁に通報しましょう。

そして、まず電話でちゃんと事前に種類と価格を聞いておくこと。

大手だから安心、とはなりません。

大手だからこそ危ないというのは、よくあるある話です。

事前に聞いた値段と違ったら、一旦帰ってきましょう。

 

 

カテゴリ:

エイジング, スキンケア, 医療