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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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先日、仕事で合う人が、結構な「ニオイ」を巻き散らかしてまして。。香水なのか、柔軟剤なのか、なんなのかわかりませんが、すれ違ってにおうとか、そばに寄ったらにおうとかいうレベルではなく、残り香がすごい!

どれだけつければ、あそこまでニオイ分子をばらまけるのか、想像もできません。

付ける時に、かなりの量をつけないといけないと思うんですよね。。

会う直前に、ふりかけてるとは思えないんですが(そうだったりして)、家で身支度してるときには、ニオイのスタンバイできてるってことですよね。

それが、ここまで移動してきても、まだ残り香残すか、というレベル。。

 

うちのクリニック、ど真ん中に廊下が南北ずど~んとあるじゃないですか。

そこを移動されると、ず~っと残るくらい。

待合室は全部そのニオイでつつまれるくらい。

 

いくらその人自身は好きなニオイだとしても、これは、鼻が悪い、嗅覚が悪いのかなと思いました。

 

 

オーソモレキュラー療法を始めて、嗅覚が戻った、という患者さんがおられました。

 

嗅覚がなかったそうです。

 

なので、香水とか香りのつくものは、自分で量の調整もできないので、一切つけてこなかったといわれてました。

もちろん、生まれつき嗅覚がないのではなくて。

 

嗅覚ないと、実は食事は全部味が変わってきます。

 

風邪引いたりして、鼻が詰まっていると、食べ物のニオイや香り、感じないでしょう?

あまり味がしないというか、美味しくないというか。。

 

それくらいに、口にするものの味が変わると思います。

 

それが、ニオイの濃いものだったら、わかるようになったんだったか。

耳鼻科で専門の検査をされたわけではないので、どこまで嗅覚が戻ったのかわかりませんが、とりあえず、ちょっとニオイがするようになったそうです。

 

そこまで熱心にオーソモレキュラー療法された方ではありませんが、ちょっとだけサプリ飲んで、ちょっと食事を変えられた結果です。

 

嗅覚は、脳から神経が来ています。

目の視力にしろ、耳の聴覚にしろ、全部神経がとても大事。

 

栄養状態が悪いと、脳も神経もうまく働きません。

 

逆に言えば、栄養状態が良くなってくると、嗅覚も聴覚も視力も良くなる?

 

どこまで良くなるのか、どこが良くなるのか、その辺は人それぞれですが、私はコンタクトレンズの度を緩めました。

老眼は、コンタクトをはめていると、小さい字は全然読めません。

化粧品のパッケージでも、ものすごく小さい字ありますよね。

裸眼で読めても、コンタクトだとダメ。

 

聴力は、そこまで意識してないからわからないな~。

 

嗅覚は、そんなに悪いとは思わないけど、前と比べてどうかといわれたら、わかりません。。

 

味覚は、神経だけの問題じゃないので。

味蕾という細胞に直接関わることも多いし、亜鉛を含めた栄養欠損がなにより重要。

 

「イヤな味」(食品添加物とかマーガリンとか)は、前よりも「イヤだな」と感じるようになったと思います。

一口や数口はいけても、1個丸々とか食べたくないと思ったり(美味しくないから)。

 

 

栄養欠損、特に鉄やビタミンB群、いや、やっぱり鉄かな、がひどくなってくると、気に入っているものはOKなんだけど、気に入らないものへの拒否反応がかなり強く出ることがあります。

 

 

女性で、よくあるのが、レバーや魚のニオイ、肉のニオイ、ダメ!全然ダメ!というもの。

栄養状態良くなってくると、ちょっと食べられるようになったり、平気になったりしてきます。

許容範囲が増えるんですね。

 

女性のほうがニオイや香りに敏感というのは、男女で脳が違うとか、女性のほうが感性に優れているとか言いますが、栄養状態も関係していると思います。

 

栄養状態が良くなると、感性も各段に良くなって、許容範囲が増えて、良いことづくめではないかしらん。

 

でも、栄養欠損がひどいと、嗅覚が低下していて、自分が好きな香りはつけすぎる人、出てくると思います。

つけた瞬間はいいですが、香水にしろ、消えていくものなので。

長時間すごく漂うものは、周りからしたら勘弁、となりますよね。

それがいいと思う人と、ダメと思う人と、分かれるところ。。

 

「香害」といわれる所以ですね。

 

 

ニオイや香りの正体というのは、ニオイをもったニオイ分子が、その人がつけているところから、分子として空気中を飛んでいます。

その人のつけた場所が基地局みたいな。

そこから飛んでくる。

 

そのニオイ分子が自分の鼻の中に入ってきて、「匂う」わけで

分子が入ってくるのは、鼻だけでなく、口からも、目などの粘膜からも、皮膚にもつきます。

 

天然の香料は、この自然界に存在するものなので、体も処理しやすいのでしょうけど、人工香料は、天然界に存在しませんから、分解できません。

全くできないわけではないでしょうけど、分解にてこづるでしょう。

 

体に入ってきた異物の処理がうまくできる人とできない人と。

侵入した異物の種類や量にもよるでしょうし。

 

「香り」や「ニオイ」で頭痛がしたり、吐き気がしたり、胃がムカムカしたり。

精神的に気持ちで嫌悪感などで、自分を追い込む場合もあるでしょうけど、本当にその人自身が処理できなくて、そういった症状が出ることもあります。

 

 

分子が皮膚について、皮膚のバリア機能が破綻していたとしたら、そこから入りこんで、炎症を起こします。

それがいわゆる「接触性皮膚炎」というやつです。

入りこんでも、炎症も大して起こさない時もあれば、少量でもひどく起こすこともあります。

刺激性がそこまで強くない分子でも、アレルギー反応が出ると、結構派手な炎症を起こします。

air

一つの例で言うと、アロマオイルでの接触性皮膚炎って、実は結構多いです。

アロマオイルを長時間触るエステティシャンとか。これは天然のオイルであっても起こします。

専用の精油だから大丈夫、とは実はなりません。

濃い分、反応が出やすいのもあるのかもしれませんし、アレルギーも起こしやすいこともある。

肌の弱い患者さんには、直接皮膚に塗らないようにと指導します。

 

何かを触ってかぶれる、荒れる、アレルギーになる、というのは、皮膚の場合、わかりますよね。

 

ところが、「airbome contact  dermatitis 」というかぶれがあり、これこそ、そのニオイ分子というか、空気中に漂っているその成分が、一番入ってくる、吸うところ、鼻周りなどの皮膚、顔に色素沈着を伴う炎症を起こす病気が知られています。

タバコの煙で、鼻から法令線、などあたりやすいところ。

 

アロマは、皮膚に直接つけずに、香りだけ楽しんでは?と言えない時代になってきたのかもしれません。

 

接触性皮膚炎もアレルギーもそうですが、その人個人の皮膚や粘膜のバリア能力と免疫力と分解して排泄できる処理能力などで差がかなり出ます。

 

それにさらされた全員がなるわけではないです。

 

多くの人になりやすいものもあれば、え?!それでなったの?!ということも出てきます。

 

わかりやすい、というか、マイナーな例の代表は、「化学物質過敏症」と呼ばれるものでしょうか。

保険診療では、対処できませんが。。おそらく検査も、もっと細かく調べないと出ない人もいるかも。

保険診療では、どこに行っても「異常なし」と言われ、「更年期障害」と言われたり、心療内科や精神科に行くように言われたりすることが多いかも。

これも一種の栄養欠損の顕著な例かと思います。

精神的な思いこみなどは排除した上での話ですが、栄養状態が足りていても「思いこみ」というのは時と場合において、結構な病気を連れてくるので。。。

その鑑別診断は、おそらく保険では無理かと思います。

 

ここまで来ると、おそらく都会の人の多いところでは生活できないため、山奥で、家族だけととか一人暮らしとか。ほとんどの化学物質から隔離した生活。。

不可能ではないでしょうけど、大変というものではないでしょう。。。

 

許容範囲が狭いと、どんどん生きづらくなるので、それで支障を来していたら、困りますよね。

(潔癖症なども同様)

 

そうならないためにも、栄養を補充できるような食事を普段から摂りたいものです。