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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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くちびる荒れの対処方法

先日お手紙をくださった方が、くびちる荒れで悩んでおられます。

 

くちびるはね=、皮膚よりも時と場合により厄介です。

 

毎日、しかも何回も、飲んだり食べたりするでしょう?

皮膚以上に刺激のあるところなんです。

 

なので、本来は、強くできてるんですけどね。

 

くちびるって赤いでしょう?

 

赤いのは、これ、血管の塊で、とても血流が豊富で、傷んでも本来すぐに再生できるようになっています。

 

でも、なにかの理由で悪循環にはまっていたり、再生しようとしている時に、ちょっとした刺激で、再生が邪魔されてしまっているのかと思います。

 

再生する力や速さよりも刺激のほうが勝っているのかなと。

 

皆さんがよく使うリップクリームや口紅、オーガニックや自然派化粧品の口紅やリップクリームにも、と~ってもよく入っている「ミツロウ」。

実は、これ、結構刺激になる方はなります。

 

ミツロウが原因で、くちびるに色素沈着を起こすこともありますし、もちろんかぶれたり、ただれたりすることもあります。

 

皆がなるわけでもないのですが、なる時は、なんでもなったりします。

 

 

そうなると、なにか塗るなら、もうワセリン系が無難ということになりますが、ワセリンは保護しかしないので、再生を直接促すものではないのが残念なところ。

 

保護してあげることで、自分の再生治癒能力で治ればいいんですが、そちらが落ちていると、保護はしたけど、治らないままとなります。

 

粘膜というのは、皮膚にはある角質というのがありません。

そういう意味で言えば、皮膚よりも鎧がない分、弱い。

鎧がない分、臨機応変に対応できるし、口から入ってくるものに関しては、本来強いはず。。口は、消化管ですから。

 

唇の外側手前は、ヌルヌルせずにサラサラしてるでしょう?

ここには、薄い角層があります。

薄いので、皮膚ほど鎧が厚くない。

皮脂膜もないため(皮脂腺がないから、サラサラしてる)、よけいに鎧とていは、弱い。

 

どこかで、なんか変なスイッチ入ってしまったのかと。

 

あまりひどい時は、保険診療では、やはりすぐにステロイドの塗り薬が処方されます。

 

あまりひどい時は、炎症を落ち着かせるために使用する、というのは、ありはありだと思います。

 

ただ、原因が解決していなければ、ステロイド塗って落ち着いても、止めたらまた再発して繰り返すので、これは皮膚もそうですが、ずっとステロイドを塗り続けるのか?という問題になってきますし、もちろん、ずっとステロイドを塗る状況というのは、ステロイドの副作用合併症も出てくるし、できるだけ止めたいところです。

 

一時のかぶれで、ステロイド塗って、すぐに治るなら、いいんですが。。

 

なんにせよ、可能な限り、刺激を取り除く、刺激を与えない、ということです。

これも皮膚と同じ。

 

くちびるの場合は、

①舐めない!

気になるし、乾いてきてひび割れそうになると、つい舐めてしまいます。

これを極力止める!意識して。

舐めれば舐めるほど、症状は悪化します。

よけいに乾燥させます。

舐めたくなったら、とりあえずワセリンで保護する。

何度も塗る。

 

 

実は、ワセリンでも、接触性皮膚炎の報告はあるので、万能ではないです。

でも、塗るものの中で、かぶれにくいものの1つではあります。一番メジャーかと思います。

使うのは、必ず白色ワセリンで!!

精製度合が違います。

 

②口紅はしばらく止めておく。どんなに安全、安心、低刺激と書いてあっても。

本当に低刺激のものもありますが、もう塗る=触ること自体が刺激になっていることもある。

何が、からだのほうが刺激と思って、攻撃しているのかわからないから。

悪循環というのは、そういうものです。

 

③飲み物・食べ物の刺激物を避ける。

熱いもの・冷たいもの・辛いもの・スパイスなども。

温かいものくらいはいいんですが、熱いできたての、フーフー冷ましながら飲むような温度は、ちょっとNG。

 

ただれた粘膜には、ものすごい刺激です。

 

くちびるの角層がなくなってしまうと、びらん という状態で、これは生身むき出しですから、とても弱いです。

刺激は禁物。

熱すぎるお風呂って、皮膚でもびっくりするでしょう?

 

冷たいものもしかり。

今の季節、常温はいいですが、氷の入った、水滴が周りについているようなもの。

粘膜のつくと、血行も悪くなりますし、冷えは良くない。

 

辛いもの、スパイスも、刺激物ってわかりますよね。

唐辛子は、絶対ダメ~!!!

 

硬いものやチクチクする?ようなもの(パッと思いつきませんが、チクチク感じるもの)、ものも避ける。

食べたいなら、くちびるに当たらないように、一気に口の奥に入れてしまって食べるか。。

 

そういう意味では、なんでも唇に触れさせないように、スプーンなどで口の奥に入れてあげると、かなり刺激は減ります。どんな食べ物・飲みものであっても。

まあ、全部が全部やってられませんから、その辺は臨機応変に。

 

 

でも、くちびるが荒れているなら、奥の消化管粘膜も荒れている可能性もありますね。

 

なるべくやわらかいもののほうが無難だったりします。

 

 

ただれているところには、あまり食べ物や飲みものなどは、つかないほうが良いのはいいです。

特に、唇でも外側の

 

飲み物でストローというのは、くちびるに直接当たるのは避けてくれもしますが、ストローがあたるという刺激もあり、ストローが良いのか悪いのか、人によっても状況によっても違うかと。

 

刺激を減らして、ワセリンなどで保護しながら、再生する材料となる、肉魚卵を柔らかく調理したものを、たっぷりと消化できる範囲で食べる。

 

まさに皮膚と同じ。

 

攻撃を止めさせて、中から補修する。

 

ただの荒れではなく、実は、ヘルペスだった、とか、なにか他の病気が隠れていると良くないので、長期こじらせた場合は、一度皮膚科で診てもらうほうが良いです。

ほんとにただの悪循環や「かぶれ」なのか、なにかの病気なのか、鑑別ですね。

 

 

疲れたり、ストレスが多かったり、栄養がドン!と減ると、からだのどこかになにか支障が出ます。

もちろん病気の時も。

 

どこに支障が出るのか、どれくらい出るのかは、わかりません。

その時々でも違うこともあります。

 

でも、口内炎や口唇炎、口角炎など、刺激をよく受けるところは、再生が邪魔されるので、出やすいのは出やすいです。

と思ってると、病気が隠れていることもあるので、皮膚科の診察がいるわけです。

 

あまりに長期の場合は、一度診てもらいましょう。

 

 

病気であってもなくても、刺激をしない・減らすという、さっきの3つは、必須項目ですので、お試しください。

 

徹底して治れば一番いいんですけどね。なかなかね。。

 

 

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スキンケア, 化粧品, 医療, 栄養・食事