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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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医療用ビタミンA化粧品

今日は、クリニック専用化粧品の中でも、ビタミンAで有名な化粧品の企業主催セミナーでした。

 

「ビタミンA」と一口で言っても、細かい種類があって、クリニックで使うとなると、「トレチノイン」というのが一番有名だと思います。

 

「トレチノイン」というのは、ビタミンAの種類の中でも、「レチノイン酸」と呼ばれるもので、最終段階の一番強いものです。

どうして強いかと言うと、細胞の核に直接働きかけるからです。

(詳しくは、こちらも参考に。

https://www.orthomolecular.jp/nutrition/vitamin_a/)

 

細胞の核に直接働きかけるとなると、すごい効果ももちろん期待できますし、実際出ますが、それだけ急激な反応を起こさせるので、その分の反動というか、副作用合併症が出てきます。

 

もうこうなったら、薬と同じですね。

 

レバーやニンジンのビタミンAとは、全然ものが違います。

 

レチノイン酸の医薬品の飲み薬は、とても危ないというか、効果も副作用合併症も、まさに、「薬」です。

昔、20年くらい前、大学病院にいた時は、こういう薬も飲まないといけない患者さんも結構おられました。

 

実際、「トレチノイン」は、塗り薬ですが、日本では認可されておらず、トレチノインを使う医者は、海外から個人輸入などして患者さんに処方します。

完全に医薬品です。

 

 

ビタミンAに限らず、細胞の核に直接働きかけるのは、実はとても避けたいことでもあります。

 

だって、やってることは、「薬」と同じだから。

 

恩恵を受ける分、我慢しないといけない。副作用合併症を。

 

なので、本来、とても慎重に扱うものです。

(だから、「医薬品」なわけですが)

 

うちでは、トレチノインは、取り扱いしていません。したこともありませんし、今のところ、取り扱う予定もありません。

 

必要と思っていないからです。

 

トレチノイン療法は、美容医療の1つの選択肢です。

 

これを扱うかどうかは、そのドクターの好みですね。

 

オーソモレキュラー療法を学ぶ前からも、トレチノイン療法は、あまり好きではなく、確かにそれはそれで効きますが、うちの場合だったら、スキンケアと他の化粧品、光・レーザー治療でいいやん?と思います。

 

トレチノイン療法は、顔が真っ赤っかになるので、赤みが引くのがとても時間がかかる。。。

 

私は、あの真っ赤っかの状態を、あまり作りたくない。

できるだけ、ダウンタイムのない治療が好みだから、というのもあります。

 

 

オーソモレキュラー療法の考え方は、ビタミンAにしてもそうですが、細胞の核に直接働く成分は使いません。

 

プレカーサーと言って、前駆体を使います。

 

ビタミンAであれば、レチノールを入れてあげて、からだが必要な分だけ、レチノイン酸に変えてくれます。

必要な分だけ、細胞の核に働きかける。

そこをコントロールしているのは、からだです。ヒトがどうこうできるものではありません。

それをどうこうするのが、「薬」なので、だから、いろいろ弊害が出る。

もちろん、天然のものではないし、合成のものであることがほとんどです。

そこも、生体の防御機構も働きにくい。

(もう十分だったら、吸収させないなどの防御機能が備わっています)

 

前駆体で摂り入れるのが、一番らくちんで、安全安心です。

あとは、からだのほうにすべておまかせ。

 

 

で、今日のセミナーは、トレチノインありきのセミナーであり、トレチノインありきの化粧品なので、私には関係のない話ですが、そこのメーカーは、トレチノインは医薬品なの販売できませんが、クリニック専売のレチノールの化粧品を出していて、新作の発表もかねてだったので、行ってきました。

→続く

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