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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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ちょっと前に、ニキビ跡の凹みに、剣山みたいな針をたくさん刺す治療のこと書いたのを、覚えておられますか?

 

シンプルな方法だけに、コストも安く、患者さんも、副作用合併症を理解しているなら、やってみようと思いやすい治療のひとつかと思います。

 

1回でもそこそこの結果が出るので、出血したりするような治療は、基本あまりやりたくない私も、これはメニューとして残しています。

 

ただ、この副作用合併症、かなりの個人差があります。

 

副作用合併症としては、針で顔の広範囲をブスブスとたくさん刺していくわけですから、出血→内出血に変わる、腫れる、やったところ全体が赤くなる、などがあります。

もちろん、やってる最中の痛み、終わってからもひりひりするような感じがあります。

(痛みはしばらくしたら消えますが)

 

普通だったら、その日だけ、です。

 

夕方遅い時間にやっても、翌朝はだいたい問題ありません。化粧で隠せる程度かと思いますし、患者さんからも、そんなに気にならなかった、といわれることがほとんどです。。

 

ところが、お一人、この副作用合併症が、2,3日続いた、といわれたことがあります。

翌日も赤く、腫れて?いて、化粧しても隠しづらく、困ったそうです。

 

ほとんどの方が困らない処置なのに、たまに、こちらがびっくりするような副作用合併症が出る方というのがおられます。

理論上は、確かにそういうこともありますが、確率の問題です。

 

レーザーなどの処置であれば、パワーを下げて次回やってみる、など、続けていく場合ですが、対処の方法はあります。

 

ところが、針で刺すだけのシンプルなものになると、数を減らす?くらいしか方法はなく、数を減らしたから大丈夫という問題でもおそらくないでしょう。

 

針で刺すのに関わらず、光・レーザー治療でも、ラジオ波でも超音波でも、手術でも注射でも、なんでも副作用合併症というのはありますが、よく起こる症状と、ええ?!というようなことと。。。

確率から言っても、重篤なことが頻繁に起こるようなことは、美容医療ではあまり使えません。

そのほとんどが、程度の差はありますし、かなりひどい副作用合併症のものは、診察カウンセ前に、ちゃんと説明があるはずで、説明もしないところでは(軽く言われただけとかも)やってはいけない、ということでもあります。

 

話を戻します。

 

針で刺してコラーゲンを増やす、みたいなシンプルな処置がどうして効くのか、というと、「創傷治癒」を利用しているだけです。

 

それは、レーザー・光治療でもそうですが、まず小さいキズを作ります。

キズの作り方は、使う光やレーザー、カミソリでも、擦った、ぶつかった、なんでも、小さいキズができれば、からだは、治そうとして、コラーゲンなどを増やしていきます。

 

そのキズの部分、顕微鏡でみれば、欠損しているわけですが、欠損を埋めるかのように、欠損した両端をつなぐかのように、縮みながらもコラーゲンも増やしていって、治すわけです。

 

大きいキズだと、キズ跡が残りやすいので、副作用合併症のほうが目立つので、小さいもので、キズつけることが大事です。

(顕微錠レベルの話ですよ)

 

その結果、凹んだところにも、コラーゲンが増えて、盛り上がってくるわけで(縮んだ場合も含めて)、何度か繰り返すうちに、結構浅くなって行く。

 

その結果、凹んでしまっていた部分が全く平らとは言いませんが、かなり浅くなることで目立たなくなります。

 

レーザーでやる場合は、フラクショナルレーザーが有名です。

 

フラクショナルレーザーは、ちゃんとやれば、そこそこの侵襲もあるし、そこそこの結果も出ますが、わからずやられれば(クリニック側もムチャクチャのことも多い)、取り返しのつかない副作用合併症が出ることもあります。

 

侵襲度を下げて照射すれば、それほど困ることはない分、効果も少ないため、時間と回数がかかります。

 

となると、これは機械がとても高いので、まともなところだと、そこそこお高めの価格になっていて、それを結構な数やっていくというのは。。。

 

私はもともと、侵襲度の強い治療はあまり好きではないので、うちでは置いていません。

患者さんが副作用合併症を理解した上でフラクショナルㇾ-ザーをやりたいといわれれば、一緒にクリニックを探します。

 

そう言えば、ちょっと前に、女性の芸人さんで、ニキビ跡の凹みが目立っていた方は、10年間フラクショナルレーザーをやって綺麗になった、とかテレビ番組でタイアップ的にやっているのをチラッと観ましたが、10年かけてそれ?!とちょっとびっくりしました。

あまり言わないほうがいいんじゃないのかな。。と思ったのは、私だけでしょうか。。。

 

すみません、話を戻します。

 

さて、コラーゲン。

 

コラーゲンを作るのに、タンパク質、ヘム鉄、ビタミンCが必要なのは、まず当たり前です。

 

コラーゲンには、ビタミンC!という部分だけが独り歩きしていますが、ビタミンCだけではコラーゲンは作れません。

だから、必ず、しっかりと肉、魚、卵を食べていないといけない。

 

で、よく見落とされますが、増殖させていく時に必ず亜鉛が必要です。

あと、さまざまな反応で、微量ミネラルが多数関わっていきます。

 

だから、例えば、プロテイン、鉄(しかも非ヘム鉄)、ビタミンCだけ安いサプリを飲んでも、コラーゲンは作れないわけです。

 

まずは、食事が基本。

 

メインで活躍する、タンパク質、鉄、亜鉛が特に足りないと、創傷治癒が遅れます。

(タンパク質や鉄が足りない時点で、亜鉛も含め、ビタミン・ミネラル、なんでも足りません。足りてるわけがないです。

動物性のものをあまり食べていない、というのは、そういうことです。あらゆる栄養素が足りない。足りてるものはないと思ったほうがいいです)

 

年齢がいくつであっても、たくさんそれらの栄養素があるなら、仮にお年寄りであっても、創傷治癒は早いんです。

逆に、若くても、全然肉・魚・卵を食べていない人は、キズの治りが遅い、遅い分、キズ跡も残る。キズ跡も、皮膚の代謝も悪く、材料も足りないから、ますます消えにくい。。と悪循環です。

 

同じような処置をしても(これは、一般の保険深慮の手術でも処置でもそうでしょうけど)、同じくらい、肉・魚・卵を食べていない女性がいたとしましょう。

 

20代と40代。

 

食べている内容は、同じように糖質中心で、糖質が食生活の8~9割以上。肉魚卵は、ほんの一口二口。

どちらもキズの治りは悪く、副作用合併症は出やすいと予想されますが、やはり40代のほうが出やすいし、トラブルが多いです、確率からいくと。

 

40代は、20代のだいたい倍生きていますから、自然老化が20年分来てますね、。

それだけ紫外線の影響も単純に倍。

20年間、月経がずっとあったとしたら、20年分の鉄欠乏です。

 

それから言っても、40代のほうが、コラーゲンは増やしにくいし、キズ跡も残りやすいし、処置で発生する活性酸素の害からも逃れにくい、酸化ストレスをもろにかぶりますから、副作用合併症が出やすい。

 

20代だと、何をしても回復が早いということはなく、20代でも、頭の育毛メソセyラピー(こちらも剣山みたいなのでたくさんキズを作って、育毛のための薬剤を塗る治療。今、当院では、直接注射針で刺す方がメインで、剣山のはあまりしてません。ケースバイケースですけど)で、前の話ですが、この時疑ったのは、薬剤のアレルギーなども含めての過剰反応と、感染症です。

もちろん、針で穴をたくさんあけていますから、単純に炎症反応もたくさん出るのも、理論ではそうです。

この時は仕方ないので、数日間、抗生物質を飲んでいただきました。

(かなりしてから、栄養解析を受けておられますが、ものすごい栄養欠損でした。。。さもありなん。。)

 

このメソセラピー、かなりしてますが、ここまでひどい副作用合併症で困った患者さんは、他に一人もいません。

 

確率が低かろうと、出た患者さんにとっては、100%の確率で出てしまったわけです。

 

今では、肌などを診ただけで、ある程度の栄養状態の予測はつきますから、針でたくさん刺す治療など、うちでは侵襲性が比較的あるものは、副作用合併症の話はきつめにしています、特に栄養欠損が通常の女性よりもひどいと予測される場合。

 

 

この10年の間にも、侵襲性の結構ある美容医療もいろいろ出てきました。もう何年も前からですが。

 

多くの美容医療をやりたい!と受診される女性が、栄養欠損がひどく、他力本願の方もわりとおられます。

副作用合併症の説明もなく、またされても、自分には関係ないと軽く考えておられる方も多いです。

 

そんな中で、かなりの侵襲性のある治療を、よくやるなー、大丈夫なのかな、、と思うこともしばしば。。

 

侵襲性がかなりあるから、副作用合併症はちゃんと聞いておられると思いますけどね。

 

わかった上でされているのであれば、大きなお世話というものですし。。

 

 

最後に、有名な話を一つ。

 

学会では、こんなレーザーを使ったら、良くなった、という講演がほとんどを占めます。

時々、副作用合併症の注意喚起も含めた講演もありますが、とても少ないです。

最近では、起業と組んでいる講演も多いので、宣伝のような講演も目立ちます(ほんとに欠点もないような素晴らしい機械なのかもしれませんが。。)。

 

これもかなり前の話ですが、ニキビ跡の凹みに対して、フラクショナルㇾ-ザーをやっても、元に戻るから、こんな美容医療は、イリュージョンだ!やってはいけない!意味がない!と講演された先生がおられました。

 

当時もそうでしたが、フラクショナルレーザー推進?の先生方と大バトルになります。

 

推進派?の先生方は、皮膚の組織も知らべて、コラーゲンがちゃんと増えていることも証明されて、実際に効果あり、と仰っているので、大バトルになるのも致し方ないです。

 

ただ、この異議を唱えた先生は、あまり勉強もしていない医者が、企業の宣伝に乗せられて、なんでもかんでも、侵襲性のあるものをバンバン患者さんにやっていく、というのが良くないということで、ご自身が悪者になって、一石を投じられたわけです。

 

この一石を投じられた先生の発表された症例が、フラクショナルレーザーで凹みがかなり良くなっていたのに、3年後だったか、5年後だったか、すっかり元に戻っていた、という発表でした。

それで、イリュージョンと言われたわけです。

(実際の症例写真は、全くも元通りまでではないものの、かなり戻っていて、また凹みが目立っていました)

 

 

侵襲が大きければ大きいほど、からだは、早く治さないと!とやっきになってコラーゲンを増やします。

皮膚のキズが治らずそのままというのは、キズの拡大、しいては炎症・感染、全身へ飛び火、となるから、それくらい、皮膚のバリアというのは本来早く治さないといけないものです。

 

だから、その分、コラーゲンが増えるのは当たり前です。

肉魚卵をあまり食べていなくても。

 

ただ、落ち着いたら。。

キズがすっかり治ったら。。

 

 

からだのタンパク質の3%が毎日壊されて、作りなおされています。

スクラップ&ビルドです。

コラーゲンもタンパク質なので、毎日3%壊されます。

壊して新しく作り変えるわけですが、壊した分の再利用だけで済めばいいですが、全身のどこかで全然タンパク質が足りない事態になっていたとしたら、再利用されることもかなわず、そちらの必要なところに回ってしまいます。

 

口から、動物性タンパク質を必要最低限の充分量を摂っていないと、結果減る一方ということになります。

(消費されてしまう分もあるわけで)

 

全体としては足りない、となると、真っ先に優先されるのは、脳や肝臓、血管、腎臓や心臓、肺、など、生命に直結するところが最優先です。

皮膚なんて、命に直結しません。

まして、ニキビ跡の凹みは、からだからしたら、「見た目?瘢痕治癒してるんだから、もういいやん」とばかりに、せっかく増やしたコラーゲンも、毎日3%壊され、他の大事な臓器に持っていかれてしまいます。

 

その結果、3年後、5年後、元に戻っていてもおかしくないと思います。

 

オーソモレキュラー療法を勉強して、そういうことを考えるようになりました。

 

でも、せっかくお金をかけて美容医療したわけで、見た目もなんとかしたいですよね。

副作用合併症も困るし、できれば出ないか、軽いほうがいい。元に戻るなんて、許せない。もったいない。。

 

それだったら、ちゃんと口から、皮膚の材料をたっぷりと入れてあげましょう。

 

それが、どんな美容医療をするにしても、うまくやるこつです。

 

良くなった!と安心していても、いつかは、破壊されて持っていかれます。

持っていかれないように、毎日補充をしてあげることが、美肌の秘訣です。

 

 

 

 

 

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