さっき、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を観てました。
70代の女医さんが、女性専門外来の第一人者の方、日本で初めて女性専門外来をはじめて、広めた方だそうです。
女性外来というのは、婦人科系の病気だけではなく、いろんな病気があって、男性も女性も同じ人間ですから、本来は、1対1の割合で男女比がなるはずなのに、明らかに女性が多い病気も扱います。
東京大学医学部卒業で、循環器内科に入られたとのこと。
この先生の時代ですから、東大でもありますし、女性ということで、かなりの差別も感じられたことでしょう。。
こういう先輩方のおかげで、今の私たち女医が普通に医者として働けて、むしろ好き勝手休んだり、当直嫌がったり、男性医師にいやな仕事おしつけたりする女医が多数出てきて、女性の入学差別?が問題になったりといろいろです。
男性医師の助けがないと、はっきり言って、女性医師はなかなか一人前?にはなれない、と言いますか。。個人の開業でない限り、大勢の医師と一緒に働く場合は、必ず男性側に迷惑はかけていると思います。
昔では考えられないことかと思います。
さて、この先生、素晴らしかったです!!
私も女性外来というか、女性をメインに外来をしています。
とにかく経過を徹底して聴く。
この先生、保険診療ですよね。。?
番組ではそこは言われてませんでしたが、初診の方の場合、診察に来る前から、経過を先に提出してもらって、実際の外来も40分くらい経過を聴いておられるとか。
保険診療でこういうことをやる場合、経営が成り立ちません。
大きな病院で、目玉外来として、採算度外視で、広告宣伝の一環扱いと割り切って、設けているところはあります。
保険診療の場合は、基本どの科であっても、薄利多売です。
でないと、利益がなかなか出ないようになっています(昔は違ったそうですが)。
女性の原因不明というか、いわゆる保険診療では何の異常もないと、いくつもの病院で診断された胸痛。
これを、微小血管狭心症と見つけられて(循環器内科のドクターだから、というのもあるのかもしれません)、多くの病院で治療なし、異常なしといわれた女性が救われたとか。
(胸痛時に、心電図で異常はないと診断はつかないようです。劇的に効く薬はないのかな。。多剤併用とか。)
おそらく、保険診療内でできる治療の範囲内で(あるいは、手間がかかるけどコストはかからない治療。からだ温めていたりされたのとか。)されていると思います。
診断はつけてもらえても、保険診療の薬ですべての症状が改善できるわけではないでしょうけど、いろいろなアドバイスもされていて、患者さんの大勢が良くなっておられるんだろうなと思って観てました。
頭が下がりますね。
今、一番頭を悩ましておられるのが、
「慢性疲労症候群」。
女性に多いです。男女比は倍とも言われています(その時の統計の取り方で多少違うようです)。
必ず、これ!という診断基準があって、絶対に慢性疲労症候群だ!と言えるわけではなく、半年以上続くひどい疲労感(だけではなく、全身のいろいろなこにおよび、いろいろな症状が出てくる)があって、他の考えられる疾患はすべて鑑別していかないといけません。
当てはまる病気はないです、それでも疲労感がひどいなら、ずっと続いているなら、慢性疲労症候群と呼ばれるものかも、きっとそうでしょう、。。と診断はついても、
治療法が、保険診療ではありません。
保険診療でできるのは対症療法ですから、慢性疲労症候群の場合は、おそらくほんとにその場しのぎとか、対症療法と言えども、言うほど改善しなかったり(所詮、根本的な治療ではないから)、長期飲んでいくと飲んだ薬の副作用のこともありますからね、改善はなかなか保険診療ではできません。。。
できるようなら、慢性疲労症候群とまでの診断はつかないでしょうね。
それくらい、大変だと思います。
日本の保険診療の検査では、これと言った異常が見つけられないわけです。なので、病名がつきません。
病名がつかないから、使う薬もないわけです。
この先生がず~っと大勢の患者さんの経過の話や検査結果などを診てきて、脳血流に問題があることを見つけられました。
それを、診断基準として使っていけないか?というところが放送されていました。
治療法は、まだないので、この脳血流が低下していることから、なにかアプロ―チできないか、今研究中だそうです。
この原因や診断をつけるためになんとかならないのか、と探求されているところは、とても頭が下がります。
すごい先生です。
ただ、いろいろ本当に知らべておられると思うんですけど、オーソモレキュラー療法にはヒットしないんですよね。。。
そこが非常に残念でした。。
オーソモレキュラー療法の場合、というか、うちでの場合、この先生みたいに、レントゲンやCT、MRI、心カテや心電図が測れるわけではないです。
(簡易心電図でよければ測れますが)
なので、保険診療の病気を疑った時、鑑別する場合は、それぞれ専門のクリニックを受診して検査をしてもらうように言っています。
その上で、異常(保険診療上の)が何もなくて、あっても軽度で、どこに行っても、薬はもらえないとか。)
なので、どんな訴えであっても、他の病気が隠れていないのかの鑑別(検査)は必要です。
うちでできない検査は、他院を受診して検査を受けていただきます。
病気が仮に見つかったからと言って、その患者さんのつらい症状がなくなるわけではないですけどね。
薬も対症療法ですし、多少マシになることもありますし、全然効かないこともある。
それでも、他になにもないか、を調べておかないと、今後の対策が変わってきます。
なので必ず必要です。
番組の中で、先生が脳血流が低下している患者さんから話を聴いておられると、患者さんの大勢が(全員かどうかはわかりませんけど)、文字が読めなくなった、と仰ってました。
ひどい方になると、文字が文字として見えない、認識もできなくなっている。。
皆さん、ほんとに本が読めなくなった。。と仰ってました。
本が読めない、
文字が読めない
集中力がない、
読解力が落ちた、
などなど、すべて栄養欠損の典型ですね。
番組に出ておられた患者さんの話を聴いていても、
とにかく、肉、食えっ!!!と思わず、ツッコみたくなりました。
(実際、ここまで弱っておられると、いきなり肉を食べても、消化吸収できないことも多いので、ひどい方には、肉よりも魚と卵と豆腐を勧めています。)
今回の取材の中で、食事の話は一切出てこず、もしかしたら診ておられるのかもしれませが、そこは放送されていませんでした。
厚労省の調査班がずっと研究されているはずですが、症状が多彩で、ひどさも多岐にわたるため、今だに治療対策が進んでいないはずです。
(まずは実態調査でいっぱいいっぱいかも)
食事と栄養だけですべてが解決するわけではありませんが、ツライ症状がマシになることはたくさんあると思います。
オーソモレキュラー療法の場合、しかも慢性疲労症候群と診断?がついている場合は、血液検査もかなりの項目必要ですから、基本、すべて自費です。
治療も、医療用の高品質のサプリを使いますから、これも自費です。
また、ここまでひどい場合は、サプリもおそらくたくさんいるかと思います。
少量で効けば、なにか実感が出れば、いいんですが。。。
慢性疲労症候群に限らず、栄養欠損がひどい方ほど、1週間や1か月で結果が出ないと、すぐにあきらめる傾向にあるというか。。そう言う方、結構多いです。
金額のこともあると思いますが、今まで何年も下手すると何十年も悩んできたことが、そんな短期間で治るわけがありません。
シンデレラじゃないんだから。
よくよく話を聴けば、ちょっと良い変化があったりするんですが、「ちょっと」くらいでは許してもらえない。
「全然聴いていない」と1か月やそこらで判断するのは、早合点すぎるでしょう。。
こういう方ほど、食事も変えるのがものすごく大変なので、サプリもプラマイゼロみたいになってしまて、なかなか追いつかないこともあります。
食事を変えていくのにも、ものすごい時間がかかりますし、体調が悪いと、自炊自体もままならないので、大変です。
そうなると、サプリに最初ある程度お金をかけたほうが、体調の底上げに役立ちますが、食事も全然変えない、サプリも少しだけ、となると、ほんとに1か月やそこらで効果が出るわけがありません。
そこは急がないで、ゆっくりでもいいから、あきらめずに根気よくなんとか続けてほしいと思います。
続けていたら、3か月、半年、1年と、確実に変わっていきますから。
食事も少しずつでもね。
すべてが保険診療でなんとかなるわけではないです。
根本的な治療は、保険診療では、そうありません。対症療法が中心です。
それでは困る、なんとかしたい、日常生活ができなくて困っている、という方は、お金はかかりますが、自費治療にも少し目を向けてみてください。
今までのつらくて仕事ができない、自分の世話も日常生活自体がやっていけない、というのがずっと続いたら、それこそ困りますよね。
人生、損しちゃいますよね。
少しでも、好きなことができるように、日常生活が楽しく暮らしていけるように、なっていただきたいです。
時間だけはお金で買えませんからね。
#慢性疲労症候群
#オーソモレキュラー療法