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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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Facebookで聞かれたので、こちらに書いておきます。

 

頭のマッサージ、結論から言うと、やってOKです。というか、むしろ、ヘアケアとして薦めています。顔は絶対に勧めていませんが。

 

ただし!!!

絶対に器械や器具は使わないこと!!!

 

そういう道具を使い出すと、人間、ろくなことはありません。

 

皆さんが思っている以上に、ああいう道具は、先端に思ってもいないほどの力がかかっているものです。

 

そして、それで、テレビを観ながらとか、観てなくても延々とやる。

 

顔のマッサージでダメ!!と言っているのと同じ理由で、こういうのをやる場合、やればやるほど、力を強くすればするほど、長くやればやるほどいいと思ってしまいがちになるところが、とても恐ろしいです。

 

家電でも出ていますよね。

器械を使うということは、力の調節が人間のようにはできません。

 

マッサージでもそうでしょう?

人間であっても、下手くそな人は下手くそでしょ?

力を入れたら、強くしたらいいと思っている。

なので、そういう人にしてもらうと、皮膚や筋肉は挫滅するわ、揉み返しがくるわ、で散々です。

 

目的は、血行促進なんですから、そんなに強い力は本来必要ありません。

 

頭はなかなか難しいですが、体や腕、脚の場合、リンパの集まるところを少し撫でであげて、あとは、リンパの流れにそって、体の中心に向かって、撫でてあげるだけで、本当は流れます。

 

ツボ押し、っていうのか、ポイントを少し押さえたら、確かに流れを良くするきっかけにはなることもあります。

 

でも、素人がやみくもに押しても、さーっとは流れません。

 

その結果、そこら中をぐいぐい、押すことになります。

 

痛気持ちいい、という感覚は、本人しかわかりませんからね。もうひどすぎて、痛みに鈍くなっていると、実は痛いだけで、本当に組織が挫滅して、後から内出血と痛みで気づいた、ということも多々あります。

 

 

自分の指を使って、頭皮のマッサージをする分には、力を入れすぎたら、すぐにわかるし、そんなに長い時間やっていたら、腕も指も疲れます。

なので、それほど長くも、無茶苦茶な力で押しまくるのも、顔ほどできません。

その程度で十分、ということです。

 

 

 

一つ、ぞっとする話を。

 

昔、まだ大学病院に勤めていた時、20年くらい前ですかね。

 

外来に、育毛ブラシ?をやり続けて、頭が血まみれのかさぶただらけになった男性が受診されたことがありました。

 

昔、男性の薄毛治療で、市販で、ブラシとセットになった育毛剤が流行りまして。。。紫電改、だったかな。

(今はもうないかと)

 

流行るというか、テレビコマーシャル結構されていたので、流行らせた、と言ったほうが正しい。

一応、医薬部外品だったかな。忘れました。

 

当時、リアップはまだない時代でした。

 

育毛剤だけなら、ここまで流行らなかったかもしれません。

ところが、メーカーは、専用ブラシをつけたんです。

 

このブラシ、髪の毛梳くんじゃないですよ。

育毛剤塗って、このブラシで、頭をとんとん叩くんです。

 

とんとん叩くことで、血行をさらに良くします、的なイメージのCMになっていたかと。

よく考えてあります。

 

その結果、多くの男性が、このブラシで、「とんとん」ではなく、「ドンドン!!」。

頭、傷だらけの血まみれです。

 

普通、そうなったら、やりすぎた!と思って止めるでしょ。

 

ところが、盲目的になっていると、それでもやらなきゃ!! とやり続ける。

 

むしろ、血が出てるのが、血流良くなった証拠とばかりに、どうも止めない。

 

キズだらけがもっとひどくなり、皮膚がびらんどころか、潰瘍というキズの深さに(かなり深いです)。

 

ちょうどその男性の薄毛は、頭頂部中心でした。

 

頭頂部全体が血まみれのかさぶたまみれ!!!

もうそれで頭頂部がおおわれています。

そのかさぶたに、わずかに残っていた毛がからみつき、しかもかさぶたが何重にも折り重なって(経過が長いこと、キズの程度がひどいことを物語っています)いるため、悪臭を放っていて、キズの深さを診るためにも、簡単に剥せそうなかさぶたは取らなきゃいけない。

(無理して剥しのは絶対にダメですが)

 

そのかさぶたと一緒に、毛も抜けます。

というか、もう抜けるようになっていて、かさぶたにへばりついていた感じです。

 

そこまでの深さに行くと、毛根にもたいがいのダメージですから、育毛どころではないのがおわかりいただけるかと。。。

 

育毛剤って、医薬品でもそうでなくても、大体アルコール入っていますからね。浸透良くするのに(頭皮はとてもぶ厚いので)

ちょっとしたキズでもあれば、アルコールが沁みるはずです。

沁みたら、普通は痛いので、やめます。

 

ところが、このしみたのを、「効いてるっ!!!」と勘違いして(というより、そう思いたいのだと思います)、ますます止めない。。

 

ここまで来ると、毛根にもかなりダメージですよね。。。

 

 

笑いごとじゃないですよ。

髪の毛で気にし過ぎている方、コンプレックスの強い方、思いこんだらなかなか止められないという方(全員、栄養欠損が強い)、

絶対に道具を使ってはいけない。

 

 

気を付けるから、やりたい、と思った方、

人間気を付けるのは、ほんとに最初だけです。

そのうち、ぐりんぐりん、ぐいぐい、力を入れてやり出すわけです。

 

顔のマッサージでもイオン導入でもいつも言っていますが、そんなに力を入れたら効く!と思っているなら、プロレスラーにやってもらえ!!力まかせに!!と思うで

でも、実際、「効いている」とは思わないわけですよ。

 

 

力は、かけるやり方や方法を間違えれば、諸刃の剣、です。

 

 

あと、指で力をそほれほど入れてない、という方の中に、せっかく新しく生えてきている産毛みたいな細い毛を、擦り潰しながらマッサージをしている方がいます。

 

せっかくの生えてきた毛がだいなしになっていることも。。。

 

あと、女性で髪の毛をくくる時に引っ張ると、皮膚も一緒の伸ばされますから、その結果、皮膚つがっていますから、場所によっては、皮膚にたるみがきます。

(重力で、それより下側の皮膚に)

キューっと髪の毛を結い上げるっていうのは、実はかなりのリスキーです。

1回でどうこうはなりませんからね。

 

 

 

なんでもやりすぎはほどほどに。

 

もちろんですが、頭皮のマッサージのスパとか、頭皮のサロンも勧めていません。顔と同じです。

何を塗られるのか、わかったもんじゃないですからね。

育毛とは逆のことも。。。

 

気持ちは良くても、痛いことはされないから大丈夫?と聞かれても、触り方だけではなくて、何を塗られるのか?

なにか塗られながらのマッサージですからね。

だいたい、またこれも皮脂取りすぎるようなもので洗浄しますしね。

ろくなことないです。

 

少々のことなら負けない、強い皮膚にしておいたら、たまにするくらいなら、問題ないこともあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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