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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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アメリカに、親戚や友人もいて、仕事でアメリカに行き来されている患者さんが教えてくださったんですが、

新型肺炎の各国の対応の話になって、一番最初に武漢から自国民を引き上げるのに飛行機手配したのがアメリカでしたっけ。

日本政府が専用機で希望者は帰国させるとした対応も早かったと思います。

 

中国からの外国人入国拒否が他国よりも日本は遅れて対応して(WHOの件もいろいろあったわけですが)、

日本の場合、法律やらなんやからで、指定感染症にしてしまわないと拘束力がないため、武漢まで迎えに行って帰国させたのに検査拒否やら、政府が用意した宿泊所について不満が出たりなど、その辺が他国ともまた違ったりもするわけです。

 

 

まあ、検査拒否されたのも、担当者がどういう言い方をされたのか、拒否した方も、まるで犯罪者の烙印を押されるのかみたいに勘違いされて恐怖を覚えたのかもしれませんし(結局検査されましたが)、宿泊所に対する不満が報道されていますが、実際に隔離というか待機というかされていらっっしゃる方々も、感謝されたり、仕方ないと思っておられているのに、マスコミが、「不満がないですか?しいて言うなら、どこを改善してほしいですか?」みたいな聴き方をすれば、「しいて言うなら。。」と挙げられたのを、そこだけ切り取って報道されているのかもしれません。

 

その辺は、実際のところ、当事者でないとわかりません。

 

この報道の仕方を覚えておいてくださいね。

 

 

で、アメリカの話。

 

患者さんが、アメリカ人の友人から聞いた話と現地に行かれた話。

 

 

 

アメリカが政府専用機か種類までは知りませんが、武漢からアメリカ人皆連れ帰ってきて、早々に連れかったのはいいけど、どこに隔離されてるんですか?とお聴きすると、

サンディエゴの軍の基地だそうで、そこでキャンプみたいに過ごしてもらって隔離しているそうです。

 

軍の基地内ですから、世間から遮断されていますし、勝手に帰ることも脱走することもできません。

政府が検査が必要と言われれば、皆従って検査している。拒否する人も不満を言う人もいない。

 

「だって、そうするのが当たり前でしょ。日本は違うの?」とアメリカ人から言われたそうです。

 

隔離されている人も検査に関係ないアメリカ人も、それが皆当たり前で、政府がそうしてくれてむしろありがたいと思っている。

 

 

 

アメリカは広いし、軍備にかけてる予算も全然違います。

 

日本で同じことをやろうと思っても、場所の問題、それだけの人数を収容できる場所もない。

自衛隊の基地ですら、狭い日本の土地の中に建てられているわけですし、ベースキャンプと言ってもアメリカがどこまでほんとのキャンプなのかわかりませんが、日本でテントでキャンプさせて隔離って、非現実的でしょ。

 

それこそ不満続出でしょうし、マスコミも人権侵害と騒ぐかもしれない。

 

今回の件で、政府が早々に中国からの入国拒否していたら、それはそれでいろいろ言われたでしょうし、遅かったら遅いでまた言われたでしょう。

 

飛行機チャーターして連れ戻してきたのはいいですが、自宅待機にしたらそれはそれでまた言われて、そうしているうちに不顕性感染(症状は全くないけど、ウィルスは持っている)の人が何人も見つかって。。。

 

未知のウィルスというだけで、インフルエンザウィルスみたいな扱いに落ち着くのかなと思いますが、そこは様子を診ないと誰もわからないので、(気づいていないだけで、もう全国にほぼ広がっていると思いますが。。)今の対応としては、隔離や軽症の方は自宅待機となるわけです。

 

これは、インフルエンザも同じ。

致死率はインフルエンザのほうが(おそらく)高い。(新型コロナは不顕性感染が多すぎて調べることができない)

 

 

アメリカだと、軍が、有事に備えて病院船(一艘まるまる病院)を持っていますけど、日本にはありません。

海上自衛隊の船で、医療ができる施設がある船はあるみたいですけど、規模が全然違う。

 

だって、日本の防衛費とアメリカの軍事費用、比べたらいかんでしょ。

 

そこまでの設備って、有事の時用でしょうけど、普段の管理は防衛省ということになるでしょうから、防衛費に予算を回さないと、アメリカみたいなことはできないと思います。

 

 

患者さんもおっしゃってましたけど、ロシアは、中国からの入国拒否は早々にされたから、ロシア国内では感染者はほぼいない状態ですが、自国民を迎えにいくのは遅く、しばらく放置で、迎えに行ったのも軍用機だから、設備もなく(軍用機なので、横並びのただの腰掛みたいなベンチがあるのみ。トイレなし)、どこに連れていくとの説明もなく、それでシベリアまで行ったんですってね。

(防寒対策は、皆さんしてない)

で、ロシアも軍の施設だったかな。そこに全員収容。

 

 

他国よりも後手後手と言われている日本の政府と厚労省ですが、他国と軍(というか防衛省)の設備も違いすぎるのに、よくやっていると私は思います。

 

武漢から連れて帰ってきても、収容する場所がないから、関係者はそれを手配するだけでもてんてこ舞いですし、新型コロナか検査する試薬も限りがあるので、症状が出ていない人、軽症すぎて迷う人にもバンバン使っていいわけでもないし(万が一のことも考えないと)、チャーター機で帰ってくる人々、豪華客船の3600人超えの人数を一度になんとかしろと言われても、そんな何千人と受け入れる場所が日本にはないんです。

 

感染症対策のできる病院のベッドがそれほど空いているわけではないし、普段の日常外来・入院患者さんもおられる中で、受け入れていくわけですから、横浜周辺、関東の病院は今、ほんとに大変だと思います。

横浜から何時間もかけて遠い病院しか空いていないのも、そうなるだろうと思います。

 

 

本当の国民皆保険で、誰でも勝手に大きな病院に受診できるような医療システムになってしまっている日本。

大きな病院はパンク寸前です。

ベッドが、ばんばん空いているわけがない。

 

アメリカやヨーロッパとその辺の事情からして全然違う。

欧米では、かかりつけ医の紹介状も許可もないのに、勝手に大きな病院にかかれません。

そういう意味では、ほんとの重症の方のみです。

ほとんどは、かかりつけ医で対応しないといけないわけです。だから、欧米で大きな病院に行っても、日本ほど待たされません。

日本の病院事情は先進国でも特殊です。

病院大好き!薬大好き!な日本人ですから、いつでも病院はぱんぱんです。

 

 

何千人って規模は、大きな検診センターでも1日で診る人数じゃないんだから、それだけの人数、診察と検査をする人手は全くほんとに足りているわけがないです。

対応してくださっている関係者の方々、皆さん、普段の業務もやっている中でのかけもちです。

ほんとに不眠不休だと思います。

 

厚労省や政府も、好きで閉じ込めたくて船に閉じ込めているわけではなく、出して収容する場所がないから、困っているわけだと思います。

 

アメリカや他国みたいに、大統領の一声で、軍の基地内で全部管理(監視)、とは日本では無理だと思います。

 

まして、他国は、武漢や中国からの受け入れ云々の問題だけですが、そこに日本は豪華客船の感染者混在の3600人超え問題がありますから、両方の対応を同時にしろ、って、無理な話です。

 

ただでさえ、日本の医療は疲弊して崩壊寸前なのに、そこに追加で大変なことが起こったわけですから、医療関係者含め、関係者の方々の体調も心配です。

免疫力が下がると、気を付けていても二次感染しやすくなりますし。。

 

 

 

今日、テレビ観ていたら、船の80歳以上の人は外に出すと政府が決めたのを、80歳以上の方の中に、友達が残るから残る、ここは居心地もいいから、みたいなことをおっしゃってました。

 

友達が一緒じゃないから寂しいし、一人で行くのはいや、みたいなこともおっしゃってましたが、さすがに80歳も超えてくると、いつどんな体調不良が起こるかわかりません。

それだけ、若い人よりも予備の体力というか、免疫力が弱いんです。

特に、持病をお持ちの方、薬などを飲ん出いる方は、なにかあっても、船の中では、連絡も遅れがちでしょうし、外の施設とは違います。

やはり特殊な環境でしょうから。

遊びの旅行で短期間は、元気な時、気力体力も十分な時はいいでしょうけど。

 

 

 

船のスタッフの方々も皆さん親切で、みたいなことをおっしゃってました。

 

豪華客船ですから、スタッフみなさん、とても礼儀正しく、こんな誰しもが不安な時に、明るく優しくお客さんを不安がらせないためにふるまっておられることと思います。

でも、もともとの船のスタッフの方々も不眠不休じゃないですかね。

お客さんは、部屋で軟禁状態でたまらないかもしれませんが、スタッフの方々は、仕事もずっとしていないといけないわけで。。。。

ちゃんと休んでおられるのかなと思います。

 

毎食、全員の部屋にスタッフの方々が運んでおられるわけでしょう。

 

医療関係者じゃなく、一般の方が、あの状況で、一部屋ずつ食事を持っていって、手渡す、というのは、とても不安でたまらないのでは?と思います。

かなりの緊張状態を強いられておられないかなと。

 

人数が少しでも減れば、スタッフの方々の負担も少しは減るかと思うので、他の方への負担を減らす、という意味でも、政府や厚労省が外に出すと言っているなら、外の用意された施設に行かれたほうがいいと思います。

 

各自でどこまで部屋の喚起をされているのかもわかりませんし、窓のない部屋もあるそうで、空気も入れ買えないと。ほんとに身体に悪いです。

 

窓のない喚起のできない部屋に、何日もひどいストレス抱えているのはおススメしません。。

 

 

ちなみに、船にいる方が、家族に差し入れの要望を出して、欲しいものを送ってもらった、という映像が報道されてましたが、たまたまかもしれませんが、差し入れがお菓子や糖質だらけで。。。

 

今、免疫力を少しでも上げよう、最低下げたくない、という時に、お菓子はほんとに止めたほうがいい。。。

ストレスあると、お菓子とか食べたくなるんでしょうけど。。。

 

私なら、医療用サプリといろいろ気軽に食べられるタンパク質かな~と思って観てました。。。

 

 

海外と比較するのも大事ですが、それぞれ背景や諸事情が全然違うので、他国の良いところばっかり言うってのは、ちょっと良くないと思います。

次回や今でも、変更できるところ、対応できそうなところはなんとかしようとされているわけですから、マスコミの不安を煽ることになっている報道はちょっと抑えてほしい。

 

批判ばかりしているのではなく、早く普通の生活に戻れるように、なにか提案するとか、宿泊所の提供呼びかけるとか、そういう役立つことに報道を使ってほしい。

 

あんまり不安を煽ると、感染した方が治って普通の生活に戻った時に差別などにもなりかねないと思います。