新型コロナで、イタリアが医療崩壊を起こしてい大変なことになっていますね。。
日本で、あそこまで行くことはないと思っていますが、というか、思いたい。
このイラストは、経済などでよく使われているイラストです。
これを医療で当てはめると、
Access: 患者さんが病院などへの行きやすさ・かかりやすさ
Cost:患者さんが支払う費用
Quality: 患者さんが受ける医療の質
みたいな感じでしょうか。
この3つのバランスです。
足して100になる、くらいに思ってください。
どれかがすごく高かったら、その分、他が下がります。
どれも、100、100、100で、300にはなりません。と思ってください。
先進国と発展登場国では全然変わってくるので、先進国の話で。
ヨーロッパとアメリカと日本で簡単に比べてみましょう。
まず、日本。
国民皆保険で、全員国民健康保険か社会保険に入っているという前提で成り立っていて、普通は入っていますよね。
皆さんは、払っている保険料が高いと思ってしまうかと思いますが、世界的に見ると、これはとても安いほう。
皆さんが払っているのは、かかる医療費のの3割で、あとの7割は、払っている保険料だけではまかないきれず、実際は多くの税金が投入されています。
Access: 患者さんがいつでも好きな病院やクリニックにかかることが可能。大学病院の一部は紹介状がないと受診不可。大きな病院は、紹介状がないと初診料5400円(だったかな)追加。それでも自由にかかれる。
(全然自由違うよ!という方は、この説明を覚えておいてください)
Cost:患者さんが支払う費用は、安い。
Quality: あまり良くない。良くない、というのは、欧米に比べて、医療の技術や治療内容が決して遅れているわけでも劣っているわけでもありません。混みすぎなんです。。
AccessもCostも素晴らしいとなると、自然にQualityが下がることになります。
欧米と比べて質が悪いとは思いませんが、日本人は、病院も検査も薬も大好き!!
国民皆保険で安くで薬ももらえるので、今までは、風邪引きかけとか、いわゆるたかが風邪で病院を受診します。
そんな国は日本だけです。
風邪を治す薬もないことは、今回の新型コロナで初めて知った、という方もいるくらい、薬信仰の国です。
そして、医者の数はとても多く、人口一人当たりの医者の人数は先進国ダントツのはずです(昔のデータですが、今もおそらく)。
保険診療での薬や検査大好きな人が大勢いるのであれば、医者の数もたくさんいります。
医学部教育は、欧米とは違って(今は知りませんが)、アメリカは、普通の大学出てから、医学部入学ですよね。
私もそうですが、日本の偏差値社会の受験戦争に参加して、そのままよくわからないうちに医者になってしまった。。みたいな人もいるのが日本だったりします。
社会について学ぶこともなく、いきなり医者になるという、実は恐ろしい世界だったりします。
優秀なドクターももちろんたくさんいますが、日本の保険診療の精度では、年々厳しくなっていて、基本は薄利多売でなりたっているのが日本の保険診療です。
患者さんも大勢待っていて、あまり大きな生命に関わるような病気などでない限り、一人に時間をかけてゆっくり診る、あれこれ話を聴く、という時間がないです。
時間をかけても、「診察料」という料金が変わるわけでもなく、てきと~な診察も時間をかけていろいろ問題点を見つけても、診察料は同じです。
それで数もこなせ、となると。。。
なので、どんなに素晴らしいドクターでも、お一人の診察時間をたくさん割くということができません。
その辺も鑑みると、日本の医療のQalityは、診察時間をかけない、説明をあまりしない(する時間がない)ということで、欧米よりも劣るといわれても仕方ないところがあります。
それに対して、アメリカは、
Access: 患者さんは、受診できる病院が決まっています。ホームドクターというか、入っている保険で、かかりつけ医が決まっていて、基本は、そのドクターに全部相談して、ドクターの判断で、様子をまだ見るのか、どこかに紹介してもらうのか。
勝手に受診はできないはずです。
Cost:患者さんが支払う費用は、べらぼうに高いです。
というか、医療保険はすべて民間会社の利益優先のはず。
各保険会社で、保険料も保険料によって受けられる医療も、病院までも違います。
なにか緊急時、救急車呼びますよね、
まず確認されるのは、どこの保険に入っているか、です。
この時、保険会社がわからないと(社会保険番号とかもでしょうか?)、病院に連れていってもらえないし、入っている保険ではまかなえない病院に行ってしまったら、追い出されます。
貧困でどこの保険にも入れなかった場合、救急車で連れていかれる病院は、ベッドらしきものに寝かしておかれるだけで、なにも治療はしてもらえません。
ほんとに寝かしておくだけ。
お金持ちは、すごく高い保険料を払って、最先端の医療を好きな時に好きなだけ受けられると思いますが、そこまでしてもらおうと思ったら、どれだけの保険料を払うのか。。。
はいっている保険でまかなえない、手術や検査、薬をお願いしてしてもらった場合、莫大な借金が残るので(すべて自腹)、そのせいで自宅を売ったり、暮らしていけなくなったりなどもあるそうです。
(マイケルムーア監督の「シッコ」という映画が詳しい)
検査も薬も手術も、すべて莫大なお金がかるので、保険が使えるのかどうかもありますから、だから、インフォームドコンセントと言って、メリットデメリットを徹底的に説明して(もちろん金額も)、患者さんが選ぶわけです。(支払えないと病院も困るし、患者さんも下手すると莫大な借金を背負いますから)
なので、医療事情の違う日本で、そのまま、アメリカのインフォームドコンセントを持ってきても、日本流にアレンジしないと、アメリカのように、とはいきません。
全然事情が違うんです。
アメリカは、とにかく医療費が高いので、歯にしてもサプリにしても、予防医学が発達しているわけです。
少しでも病院にかからなくて済むように。
ドラッグストアで売っている医薬品もありますが、欧米の場合、すべて自己責任なので、薬の飲み方や適応を間違えてなにか起こっても、ちゃんと説明を読まずに使った人の個人の責任です。
欧米人は、日本みたいに、風邪なんかで病院には行かないし、ほんとに医者にかからないとどうしようもないことだけ、病院やクリニックに行きます。
なので、病院は大忙しではなく、一人にかける時間も日本よりも長いし、流れ作業ではないし(日本よりは)、もっとフランクというか、対人間、みたいな。。
病院スタッフが、日本ほどボロボロじゃないです。
(欧米人は、日本人みたいに残業はしません。時間が来たら帰ります。日本人は世界で一番働いているから)
アメリカの映画で病院のシーンとか見てるとよくわかりますかね。
なので、アメリカの場合、高い保険料を払っている方は、Accessはいいですが、Costがむちゃくちゃ高く、qualityは、Costと相関するかと。。(お金をかければ、最先端医療が受けられる)
オバマ前大統領が医療改革しようとして、無理でしたね。
アメリカは、貧富の差がむちゃくちゃ激しい国だから。人工もすごく多いし。(貧困層のレベルも人数も日本とケタが違うかも)
マイケル・ムーア監督の映画はかなり昔の映画ですが、アメリカにおられる患者さんは、日本みたいな健康診断も受けられないと仰ってました。
血液検査も項目はとても少なく、いきなりごそっと減ったそうです。保険会社の方針で、もう今年からこの項目は異常がない限り測りません。みたいな。
(最初、入った時と契約条件いきなり変えていいのか?と思いますが、アメリカだから、契約書のどこかに書いてあるのかもしれません)
検診の意味がないわけですが。。
その方の入っているアメリカの保険は、とても高いものだと思いますが、それなのに、その扱いです。
全部自費でいいから、日本の人間ドッグみたいにやってください、というのは、アメリカにないんですか?と聞いたら、「聴いたことがない。知らない」と仰ってました。
なので、日本に帰ってきた時に、日本の住民検診や人間ドッグを受けておられます。
好きに受けられる日本が羨ましいと仰ってました。
また、かかりつけ医も、その地区とかで保険会社指定のホームドクターが決まっているわけですが、そう簡単には変えられないと仰ってました。
そうい意味では、Accessも悪いということになります。
ヨーロッパは、EUと言っても、国によって多少の違いはあるでしょうけど、国民皆保険の国が多いような気がします。(気がするだけかも)。
昔、イギリスが、ゆりかごから墓場までと言ったように。
国にもよりますが、社会保障費、すべて国が出しているところも多いかと。育児、教育、介護とかも。
その代わりに税金むちゃくちゃ高いですけどね。
消費税20%超え当たり前とかね。
ただ、ヨーロッパも、ホームドクターが決まっていて、勝手に大きな病院行っても、ホームドクターから連絡や紹介状がないと、中に入れてももらえません。
Access: 患者さんが病院などへの行きやすさ・かかりやすさ
Cost:普段の税金で払っているから(高い)医療費としてはそんなに払っていないので、安い
Quality: 患者さんが受ける医療の質は高い。アメリカ同様、日本みたいに薬頂戴、検査して頂戴とはなりません。
病院に行かずに済むなら、そのほうがいいと思っていると思います。大きな病院でも日本みたいな混雑はないはずです。
イギリスの患者さんだったか、その方も日本で検診受けておられ(日本の住民票あり)、イギリスにはないんですか?と聞くと、ほんとは年に1回、検診が受けられるようになっているんだけど、先日主治医に言ったら、「あなたはやらなくていい、受けなくていい」と検診させてもらえなかったそうです。
ヨーロッパに関わらず日本もですが、国民皆保険みたいなことをすると、税金を莫大に投入することになるので、どこも財政難ですから、皆に検診している余裕はないのでしょう。。
その方も、日本jは羨ましい、日本で検診を受けていると仰ってました。
海外で暮らしている方皆さん仰いますが、日本人の、特に女性の検診受診率がとても低く、信じられない!!もったいない!!とのことです。
日本の医療のありがたみが、海外に出てみないとわからない。
ヨーロッパは、国によって差はありますが、
Cost,
Quality
は良くても、
Accessが良くない。簡単にかかれない。
大きな病院は、本当に必要な人だけ。
なので、大きな病院が混んでる、すごく待たされるということはなく、ゆったりと検査や治療が薦められているはずで、こちらもアメリカ同様、余裕があると思います。平常時であれば。
この大まかな基本をまず知っておいてください。
で、これらは、今回の新型コロナのことが起こるまでのおおざっぱな話。
イタリアがひどいことになっているのは、財政難で、医療費をガンガン減らしてしまったからです。
明らかに減らし過ぎ。。
でも、国にお金がないんだったら、医療費もかけられないのは、当たり前になってしまいます。。。
イタリアの現状の記事がこちら↓
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200320-00168727/
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200308-00166642/
イタリアは、日本と違って、大家族で、子供からお年寄りまで、皆大勢で暮らしていますから、お年寄りが若い人と接触する機会がとても多い。
外国人特有の挨拶、キスやハグも多い。
特にイタリアは多いですか? 挨拶で男性同士もしますよね。
非常~に皆さん、フレンドリーで家族ぐるみ。
政府が医療費を削りまくっているところに、「コロナの検査をしてくれ!!」とあの武漢の時みたいに、大勢が病院に殺到して、待合室から人であふれかえり、これでさらに、待合にいた人に二次感染、ドクターやナースにも二次感染。
しかも医療費削りすぎて、もう全然、マスクも防護衣もグローブなども足りず、使いまわしすらできないくらいないそうで。。
まさに野戦病院状態。。
完全な医療崩壊になっています。
日本の医者は、世界的に見ても、残業が当たり前で、日本人全体働きすぎですが、欧米人は医者もナースも時間が来たら帰りますから、残業は普通しないそうです。
ほんとに野戦病院に応援に行ったら覚悟の上でしょうけど、いきなりの医療パニックですから、その分のギャップも大きいし、今回の精神的ストレスだけでも半端ないと思います。
パニックですから、食事どころか休憩もできないし、使命感だけで皆さんやっておられるのかと。。
各国に医師の応援を頼んでおられるのを観ましたが、マスクや防護衣もないところにわざわざ感染しに向かう医者はいないかと。。。
どちらにしろ、今、どの国も医者が足りない。
なので、イタリアでは、医学生を投入させるそうで、まさに特攻隊扱い。。
国家試験もしている場合ではないので、そのまま全員資格を与えて、治療にあたらせるそうです。
イタリアは、まさに危機的状況で、ドクターとナースの二次感染もひどく(あまりにも感染防護の準備がなさすぎだから)医者やナースの卵もいなくなるのでは。。?
少し前の情報で、イタリアで亡くなっている方の平均年齢が79,4歳だったか、79.7歳だったか、高齢者がほとんどです。
イタリアも日本と同じく長寿の国のため、高齢者が多く、犠牲となっています。
イタリアから、高齢者がいなくなってしまうのでは。。という勢いです。。
日本は、人口密度当たりの医者の数もダントツ1位ですから、医者も病院も多いです。だからナースも多いですが、病院大好きな患者さんで、病院はいつもパンパンです。
待たされるのは当たり前。
長寿国とは言え、イタリアみたいに高齢者はそこまで元気ではなく、欧米よりも健康寿命は長くない。。そこが、欧米の高齢者と日本の高齢者の大きな違い。
元気なお年寄りも目立ちますが、寝たきりの方がものすごく多いのが日本です。
ドクターやナースの残業は当たり前で、大きな病院はどこもピリピリしていて、誰も余裕がない。皆ぎりぎりの状態で普段の仕事をこなしている日本の医療の現状。
そこに今回のコロナですから、余裕のないところに爆弾落ちてきたようなものです。
軽症者をホテルなどの施設に隔離ならまだしも、今は全部入院させていますから、新型コロナにしても、普段の他の医療にしても支障が出るのは当たり前。
医療関係者は、いつ医療崩壊が起こってもおかしくない、と皆心の中で思っています。
イタリアみたいなことにならないのは、PCR検査がそう簡単にできないことになっていることは大きい。
日本で、PCR検査やって!!と患者さんが大勢押し寄せたら、ほんとに日本は終わりです。
医療関係者がまさに日本は危ないと思っている意識と、一般の方とのギャップがありすぎて、いつも困るところです。
若者が呑気に海外旅行に行くわ、合コンしてるわ、大勢でカラオケ行くわ、飲み会しまくるわ、キャバクラとか行ってそこで感染した可能性があるのに、どこの店に行ったのかも言わないとか。保健所の調査をますます難航させて、とあまりの日本人の一部の平和ボケに呆れます。
そういう人が増えれば増えるほど、医療崩壊へのカウントダウンです。
医師会の会長が、首都封鎖してほしいと言ったのは、医者とナースがぎりぎりなのを知っているから。
(おそらく保健所の職員の方も。保健所は、今24時間体制ですから。ほぼ寝てないかと。。)
仕事とか、生活にいる活動(遊びではなくて)などしているうちに感染したかもとか、どうしても仕方ないような感染とか、本当にどこでうつったのかわからないような感染が、ゆるやかに起きている分には、ごまかしながら対応できるぎりぎりなんだと思います。
東京は、大きな病院がいくつもありますが、人口も多いし、感染者数も多い。
なんとか、早くピークが来て終わることを祈るばかり。
ヨーロッパの一部の国では、人工呼吸器が足りないから、命の選別が始まっています。
非常事態には、トリアージとして、こういうことが起こります。出ないと、助かるはずの人が助からないから。。
もし、日本でトリアージをするなら、まじめに感染症対策を頑張っている人を、日本では優先にしてほしいです。
ベッドの数は限られていますから、
今は、早いもの勝ちみたいになっていますけど、東京の感染者数が増えれば、なんらかのトリアージは始まります。
若者で持病もないのに死者が各国で増えてきました。知った上で、行動してください。