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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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感染者数が増えているからよけいかもしれませんが、病院にPCR検査をしてほしいという人がたくさん押し寄せてきたり、何軒も(断れるから)転々とされる方が増えたり、まさに医療崩壊を起こしたイタリアみたいなことになってきています。

 

 

もう新型コロナがはじまって、病院では3か月。。内科の先生方をはじめ、新型コロナを扱う病院のスタッフ全員、肉体的にも精神的にもボロボロかと思います。

 

いまだにマスコミが、「PCR検査を全然してくれない!!」という報道があり、悲しくなります。。

 

PCR検査はドクターやナースは命がけ

先日書いたブログです。

こういうことって、マスコミがあんまり報道しない。。。

PCR検査を断るドクターやクリ二ックや病院が、ものすごい悪者みたいになっていますが、検査しようと思ったら、防護衣などにかかるコストはすべて自腹で、しかも命にかかわる検査で、その防護衣すらない状態で誰も検査はしません。

厚労省や医師会からも、防護なしで検査をしてはいけない(やればものすごい濃厚接触者です)と通達が来ています。

 

 

そこをちゃんと知ってほしい。

 

 

また、陽性となれば、指定感染症ですから全員入院です。無症状で元気であっても。

(今は、宿泊所OKとなったので、宿泊所を用意し出した都道府県もありますが、全国ではない)

 

PCR検査すればするほど、指定病院のベッドは埋まり、コロナだらけになって、本当の重症者は入院すらできず、まさにイタリアと同じ医療崩壊です。

 

ほんとにベッドもスタッフも足りていないんですよ。

 

 

さいたま市でPCR検査をする適応をかなりきつくしていたとの報道がありました。

行政を扱っているトップであれば、自分のところの地区の病院の数、規模、受け入れ先などわかっているわけですから、PCR検査をすれば医療崩壊することは普通わかります。

収容するベッドの空きがないから。

なので、PCR検査せずに(適応でないと言うしかないと思いますが)自宅待機してください、という指示しか出せない。

 

それを誰が攻められるでしょうか。

 

私は、そうやって、さいたま市の医療が崩壊しないように市民とその地区の医療スタッフの命を守られたんだと思います。

地区の医療体制の限界を知っているからこそ、されたことだと思います。

 

 

PCR検査をしなくても、重症の方というのは、必ず出てきます。隠せません。

また、重症であれば、原因が何であろうとも入院です。ですが、新型コロナの場合、特効薬がないんです。

対症療法で、どなたであれ、その方の免疫力にかかっています。

今、いろいろ治験が進んではいますが、最後の最後は、その方の免疫力です。

(治験なので、条件があるため、参加しない方もおられると思います)

 

 

PCR検査をしていないからと言って、重症者を放置しているわけではありません。

(何度も言いますが、無症状・軽症者は、検査していない場合は、原則自宅安静と決まっています。息切れなど出てこない限り)

 

PCR検査をたくさんするのであれば、今朝のFacebookでも書きましたが、韓国のようなドライブスルー方式(新潟・鳥取ははじめています)で、無症状・軽症者は、すべて宿泊所で病院には入院させない、病院は中等度~重症の方のために空けておく、という風にしないと、ドクターとナースの二次感染を増やして医療崩壊させるだけです。

 

 

PCR検査してもらえなくて患者さんがとても不安だった、ということを報道されるのはかまいませんが、それと同時に、病院スタッフの大変さ、どうしてPCR検査を医者がしたがらないのか、検査できるところが限られているのか、その辺も一緒に報道しないと、国民の不安を煽るだけです。

 

 

政府への不満として報道されているつもりかもしれませんが、実際の患者さんの不満は、現場の病院スタッフに全部向きます。

不安と不満が溜まっていますから、説明しても全然わかってもらえず、その説明にまたドクターが時間を莫大に取られて(人数も多いため)、ますますドクターやナースを疲れさせている責任がマスコミにあるとは思いませんか?

 

どんな仕事でもそうですが、あまりに疲れすぎると、わかっていること、当たり前のこともできなくなり、ミスが増えます。

 

感染症の現場で働くスタッフは、ずーっと緊張状態で、本当に戦場にいるようなぎりぎりの精神状態で働いてくださっていて、そこに、疲れ果てて、防護衣などを脱ぐ時に、ミスって、ウィルスがついたりする場合もあると思います。

防護衣などは着けている間はよくても、脱ぐ時が一番危ないんです。最後まで気を抜いてはいけないんです。

 

 

ほんとにマスコミの報道で、これ以上現場のスタッフに負担をかけるようなことは止めてほしい。

 

 

PCR検査をしてくれと病院に殺到することで、イタリアなどはますます感染が拡大したと言われています。

陰性の方もたくさんいるのに陽性の方と病院で一生になるからです。

なので、PCR検査してほしいと自分から行っては、感染しに行くようなものなんです。

 

 

PCR検査が進まないと、無症状・軽症の人が街中に溢れていますよね。

どこでクラスターが発生するのかわからないし(会食や飲み会などの飲食をしなれば、かなりマシかとは思いますが)、クラスターじゃなくてもうつされているのかもしれません。

それもわからないくらい、街中はウィルスがいると思っておかないといけません。

 

 

緊急事態宣言が出ても、遊びに行くのはかなり減っても、結局毎日仕事には行っていますよね。

食料品や物流、医療、銀行関係、ライフライン関係、などの職種でなくても、同じように出勤している方、すごく多いですよね。

海外のようにはならない。

 

通勤で街中歩いているだけでは感染はしにくいでしょうけど(条件はありますが)、先日、お昼に四条通り歩いていたら、結構な人でした。

皆さん、お昼のランチに出ている方々で、観光客ではないんですが、通勤が空いているとは言っても、結局、すごい人が毎日移動しているんだなと実感しました。

 

 

厚労省の専門家会議でお願いされた「8割」人との接触を減らさないと、今の状態の「自粛」程度で行ったとしたら、ニューヨークの時みたいに、ある一点から急激に感染者数が爆発していくことになるかもしれません。

 

そうはならないために、今、自粛をしているわけですが、爆発しない程度に感染者数をゆるやかに増やしながらの「自粛」であれば、すぐに(というか、もう今も)ベッドは満床で、宿泊所もすぐにいっぱいになり、自宅待機もかなり増えます。

 

宿泊所をどんどん増やしていくかですが、重症者も相関して増えてくるので、ベッドはどう考えても足りなくなり、人工呼吸器ももちろん足りない。

命の選別が始まります。

 

 

ゆるやかに感染を拡大させ、経済も完全に止めることなくいくと、感染は押さえ込んではいないので、今のような自粛がずーっと続きます。

そのうち、国民全員、新型コロナにかかってほぼ全員が抗体を持つところまで今のまま行く。

皆が抗体を持てば、経済は元通り活動できるでしょうけど、そこまで全国にウィルスが蔓延すると、重症者は一定の数出ますから、ご高齢の方、50代以上の喫煙者、持病を持っている人(内容や薬にもよる)から亡くなる方が出てきます。

健康的弱者からどんどん襲われていく。。

 

昔の結核みたいなものでしょうか。。

隔離されて静養されてました。昔はまだ治療法が滋養くらいしかなかったから。

一定の数、亡くなっていきます。

 

 

それでいい!、それを目指すというなら、今程度の自粛はいいのかもしれませんが、そうではないんですよね?

 

そして、専門家会議にも出ておられる北海道大学の西浦先生に試算によると、8割人との接触を減らさない限り、今の自粛は、ずーっと続きます。。。

5月6日までに終わらない。。。

もう2か月、3か月必要となります。。

 

犠牲者をたくさん出しながら、皆が抗体をもつところまでやり続けるのか、

ロックダウンみたいなところまでやって、短期間で経済復活させるほうがいいのか。。

 

それはやっぱり、短期間で終わらせたいと思うんですが、どうですか?

 

私も、もう飲み会どこから外食すらしていません。

仕事の行き帰りと、食材などの買い物に行くくらいです。

早く経済活動が解除になって、焼き肉食べに行きたいし、温泉にも行きたい。景色のいいところにドライブにも行きたいし、旅行にも行きたい。

好きな時に好きなお店で、外食したいです。

でも、今は我慢です。

 

早く落ち着いてほしいし、その邪魔を自分もしていてはいけないし、自分がうつされるかもしれないし、うつすかもしれないから。

おうちでのんびり、ゆっくり寝て起きて、マンガや本読んだり、映画や録画してあるバラエティなどを観て過ごす時間をもらえた、と考えるようにしています。

 

 

今の経済優先?のやり方を見ていると(飲食店をはじめクラスターが発生しやすいところはほぼ自粛や同等の影響を受けていますが)、ゆるやかに国民に抗体つけさせたいのかな、と勘繰ってしまうこともあります。

 

 

政治家のみなさんのほうが蔓延したら、ハイリスク群でかなりやばいと思いますが、本当に今のままでいいんですかね。。。

イギリスの首相と厚生大臣がコロナかかったみたいに、ウィルスは見えませんから、ほんとに誰でもかかるんですけど。。。

 

って、国民全員がかかるまで蔓延したら、医療崩壊が必ず先に起こるので、なんとしてでも、医療現場の負担を軽くしてほしい。

 

一刻も早く、ドライブスルー方式のPCR検査(これは、病院の勤務医にさせるのではなく、開業医に応援を頼まないと、かかっている負担が違い過ぎます)と、宿泊所と自宅待機システムの導入を全国ではじめてほしいです。