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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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アトピーや敏感肌のスキンケア②

→①からの続きです。

 

大金持ちのセレブなら、もう湯水のように化粧品を買ってバンバン塗るにも一つの方法かもしれません。

 

それでも、私は、顔にたくさん、何個も何個も塗るのは勧めていません。

 

だって、たかが化粧品です。

(あえて、「たかが」と使いました。薬みたいに効くわけがないのに、という意味で。)

 

 

化粧品の役割は、いわゆる基礎化粧品として、肌の清浄(洗顔)と保湿と日焼け止めです。

その次に、メイクアップとして、ファンデーションや色物系を塗るかどうか。

 

 

たかが保湿に、シリーズがたくさんあったり、何個も何個も何個も何個も塗らせようとする化粧品会社って、私は信用できません。

せいぜい、保湿だけで言うなら、用意されていて、3個まででしょう。

 

化粧水、乳液、美容液もしくはクリーム。

 

 

メーカーがこの3種類を塗りましょう、と言ったところで、3種類とも塗る必要はありません。

 

要は保湿ができていればいいわけですから、いきなりクリームを塗ってもいいし、美容液でもいいそ、乳液のみでも化粧水のみでもいいんです。

 

アトピー体質で(でなくても)乾燥がひどいというなら、クリームっぽいものを塗ればいいだけです。

 

化粧水だけでは乾燥するんでしょう?

乳液でも乾燥するんでしょう?

クリームまで塗ったら落ち着くんでしょう?

 

だったら、最初から、クリームのみ塗ればいいのでは?

(詳しくは、私の拙著「きれいな肌をつくるなら赤いお肉を食べなさい」に書いてあります。ご参考に)

 

敏感肌用と言いながら、何個買わせたら気が済むんだ?!というくらい、勧めてくるメーカーやブランドは、私はおかしいと思います。

 

薬じゃないですからね。

 

薬でも、医薬品の保湿剤を、ローション基材、乳液基材、クリーム基材、と重ねて塗らせる皮膚科医はいません。

だって、保険が通りません。

 

どうして保険が通らないかというと、その保湿剤に入っている保湿成分「A」というものがあるとします。

その「A」の形状が、ローションなのか、乳液なのか、クリームなのか、基材の問題です。

 

患者さんが塗りやすいもの、実際塗ってみての実感、中に入っている添加物(医薬品でも入っています)の影響はどうか、などを診て、総合的に皮膚科医が判断する。

というか、それが本来の皮膚科医の仕事です。

 

 

「A」が効く成分であって、「A」の商品ばかり、何個重ねるねんっ?!っていう話です。

だって、それぞれの単独の含有量で、「効く」というデータが出て、承認されている薬なわけですから。

 

いくら同じものを重ねたところで、効かないものは効かない。

たくさん塗ったら効くというなら、同じ形状のものをたくさん塗ればいいだけの話です。

 

 

他院で、その「A」の医薬品を、ローション→乳液→クリーム、と重ねて塗るように指示されていた患者さんを診たことがあります。

 

化粧品の考え方を、医薬品に持ってきているわけです。

 

そんな医者がいることにかなりビックリしました。

その製薬会社がよほど好きなんでしょうか。。?

 

 

 

そもそも、本当に乾燥しているというなら、乳液やクリームでいいわけです。さらっとしたのが好みであれば、いわゆる美容液っぽいものでいいわです。

 

そこを、ローション、乳液、美容液、クリーム、と目的は保湿なのに、何個も重ねて塗らせて、買わせようとするのは、メーカーがたくさん売りたいからです。

 

だって、手には、ハンドクリームって1種類しか塗らないのにどうして顔は、何個も何個も塗るの?っていう話。

 

そんなことを真に受けて、顔に朝晩一生懸命塗っているのは日本人くらいで、欧米人は化粧水なんて塗らない。

 

本当に化粧水が必要なら、「ハンドローション」が販売されていないとおかしい。

 

 

水分を補給してその後、クリームで蓋をする、って、一体、いつの時代の話?って思います。

 

これだけ科学が発達しているんだから、たかが保湿です、なにか1種類塗ればいいわけです。

 

これ1本でいけます!という化粧品自体、もうかなり前からたくさん販売されているでしょう?

 

化粧水、乳液、美容液、クリーム、とたくさん塗れば塗るほど、そのたびに、それぞれの添加物が何個も何個も入っていきます。

3個塗ったら3個分、4個塗ったら4個分の添加物が入るわけです。

その中で保湿として「効く」のは、「A」なのに、「A」を入れるために、一体どれだけの添加物を重ねればいいわけ?と思います。

 

その入っている保湿成分が、「A」なのか、「B」なのか、「C」なのか、各社メーカーで違い、いくつか組み合わせていることもあるでしょうし、各個人によっても、好みも保湿される程度も違うわけです。

 

 

いくら同じものをたくさん塗っても、化粧水状、クリーム状と形状を変えて重ねて塗って、それでも乾燥する、ということは、その「A」ではダメだ、ということ。

もしくは、「A」だけでは足りないか。

 

「A」もいるし、「B」もいるのかもしれない。

もしくは、ステロイドや全く他のものがいるのかもしれません。あるいは、というか、必ず、塗り薬だけでどうこうなる話ではそもそもない。

(塗り方の指導、飲み薬などの必要性、他の日常生活、食事や睡眠などの確認が総合的に必要。)

 

違う成分(メインの効果を担う)のものを重ねて塗るのは、ありです。

 

それは医薬品でも化粧品であっても、ありだと思います。

 

 

わかりやすく言えば、

医薬品なら、保湿剤とステロイドとか。

(いいか悪いかは別にして。ステロイドと言っても、違うクラスのステロイドを同じ場所に混ぜたり重ねても意味がない。副作用ばかり出るだけです。)

 

化粧品なら、

保湿と美白とアンチエジング用とかね。

それぞれ違う成分や目的のものを重ねる。

 

 

 

同じ目的や成分のものであっても、重ねることに意味があることは場合によりあります。

 

例えば、保湿剤で、

顔の場合、Tゾーンは脂っぽいから、さらっとしたローションタイプがいいとか、目の周りや口回りはしっかりと保湿したいとか、頬っぺたは乳液程度にしておきたいとかね。

 

女性の場合、日によって、脂っぽさも違うでしょう。

過ごす環境によっても。

 

なので、化粧水や乳液や美容液、クリームと持っていて、自分で足し算、引き算をする、と言うのはありですが、化粧品のカウンターのオネーサンがそう言って勧めたから、何も考えずに全部塗っています、というのは止めましょう。

 

皮膚科を受診して、医者から言われた場合は、多くの方がそのまま信じて塗ってしまうと思いますが、医者だから絶対に正しいというわけではありません。

 

なんでも自分で、本当にこれが必要がなのか?ということを考えてほしい。

 

化粧品な、一度、それを止めてみる。

止めても大丈夫か様子を診てみる。

止めても、問題なければいらない、ということ。

 

 

ただし、薬の場合は、逆に調子が悪いとか、指示がない限りは勝手には止めないこと。

勝手に中断して悪化する場合があるからです。主

治医に相談するなり声をかけてから止めましょう。

 

疑問に思ったことは、ちゃんと聴くこと。

 

聴いたら、その必要性なりをちゃんと説明してくれる医者を選びましょう。

(ちゃんとメモしておくなり、聴いたなら役立てるとか、なにか行動にはうつしてくださいね。

聴けと言われたから、聴くよう小耳にはさんだから聴いてみただけ、私が興味があるわけではない、というなら何の意味もないです。

 

患者さんの熱心さというのは、相手=医者には伝わります。

それをめんどくさがる(あるいは説明できないから)医者はおすすめしません。

 

めんどくさがらない医者でも、聴くタイミングはちょっと見てくださいね。

ただ、何度説明しても同じことばかり毎回聴いてこられる場合もあります。

忘れておられる場合もあるんでしょうけど、不安で不安で仕方ないという場合。この場合は、さすがに忙しい時には、またか、となるでしょう。。他のアプロ―チをしてあげる必要があるんでしょうけど、忙しい時ほど、医者側にも余裕がないかと。。

 

 

聴きたいことは、最初に聴くこと。

 

もう体調や肌の状態を聴いて確認して薬も決めて、今後の検査や次回の受診など決めて診察おしまい、という最後の時に言っても、もうまた一からやり直している時間は、普通はありません。

そんなときに言い出しても、それは無理難題というものです。。。時間は無限にあるわけではないし、その質問で、話が全く変わって、処方する薬から検査から次回の予約から全部ひっくり返ることもあります。

 

あなたは、その聴いたことは、「はい」か「いいえ」の一言くらいで済む話と思っているかもしれませんが、そんな単純な話じゃないでしょう?

 

普通の3倍4倍の時間を取られるのに、それを最後にするのは止めてあげましょう。それは一番嫌がられますよ。めんどくさいのではなくて、忙しい外来のさなか、診察が終わった後から言ってももうこれ以上は時間がかけられないということです。

保険診療でも自費診療でも、時間には限りがあるんです。次の患者さんも待っていたり、次の準備があったり。

 

聴きたいことは最初に聴くこと。

忘れてしまう、というなら、ちゃんとメモして持っていきましょう。

 

 

 

 

カテゴリ:

スキンケア, 化粧品, 医療, 栄養・食事