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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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昨日発売の女性セブンで取材を受けました。

かゆみについて、です。

 

今回のかゆみは、「皮膚になにもないのに」という前提が一応きます。

題名を見ると、「死ぬかもしれない」と怖いことが書いてありますが、かゆい=死ぬ病気、というわけではなく、大病を患っている方は、皮膚がかゆくなることがある、そういう方が多い、ということです。

 

怖く感じられた病気に、かゆいからっていきなりなるわけではなく、かゆみもどの時点から出ていたのかは人それぞれですが、今までに感じたことがないくらい、だるくて、つらくて病院に行って検査をしてもらったら、病気が見つかり、病気の治療入院中などに、からだがかゆいと言って、皮膚科に受診される方を何人も診ました。

 

大学病院・一般病院にいたころの話ですから、今から20年くらい前。。

持病によっては、飲み薬も出せず、塗り薬を気休めに出すくらいしかなく、今なら、漢方とか使って、保険診療の範囲内で、もっとできることがあったのにな。。。と振り返ったりもします。

 

 

まあ、病院というのは、心配症ですぐにかかる方やとりあえず病院に行って診てもらおう、という方と、結構なレベルであっても放置される方と、ますます二極化が進んでいますかね?

 

皮膚のかゆみの場合、赤いとかぶつぶつがあるとか皮疹があると、なんでもアトピーだ、乾燥だ、と言われ、ステロイドまみれにされていることも多く、皮疹がなにもないのに(多少の乾燥はありますが)、こちらもステロイドまみれにされていることが多く、とにかくなんでもステロイド漬けにする皮膚科医が多いのも困りものです。

 

まあ、どこの科を受診されるにしても、ちゃんと説明してくれる医師に診てもらいましょう。

大きな病院だったり、忙しいところだと、一人に時間が取れなくて、1回目は、とりあえずこれで様子を診てください、と薬を出されることがほとんど。

 

それは仕方ないことです。

多くの方が、それで確かに落ち着くから。

 

でも、それで落ち着かなかった時、まだ何かがあるわけです。

 

そこで、別の医者に行くのではなく、とりあえず同じ医者にもう一度診てもらうこと。

 

保険診療での多くの医者が、1回目は流したとしても、2回目もまた来てくれたら、「自分の患者さん」という意識が芽生え、もう少し突っ込んだ話が出てくるかも。

 

ようは、普通の1回目の治療では良くならなかった、という事実を基に対処するわけです。

 

患者さんは気まぐれですから、せわしないところだと、1回目から、全力投球、というか、なんでもかんでもフルコースで(検査とかね)やることはできません。

コストの問題もあるし、保険適応もあります。

もちろん、明らかに疑った時は検査されますが、例えば普通にかゆいからと言って、全員初回から血液検査をされるわけではありません。

 

初回でも2回目でも、なんか普通じゃないな。。とか、一般的な治療が全然効かない(診断がはなから間違っていたらもちろん効きませんが)、そういう時にちょっとつっこんだ検査をします。

 

どの時点で検査をしようと思うのかは医者それぞれだし、検査をしたところで、結果をどうとらえるのかも、医者によって違います。

 

そこが医者のさじ加減ってやつです。

 

私が診られない病気や病態の場合、専門の科への受診を勧めるわけですが、紹介先を知らない場合、患者さんに、こうこう聴いてきてくださいね。みたいなことを言いますし、こうこう説明してくださいね、なども言います。

(紹介状は書きますが、そこにニュアンスなど全部が全部書けるわけではないので、やっぱりご本人の口からちゃんと経過など説明しないとね。

だって、自分のからだなんだから。)

 

紹介状にお願いしたことがいくつかあったら、あちらも忘れておられることもあるし、あるいは、あまり大したことないと検査をしてくれない時もあります。

単純に忙して時間がなかったのかもしれません。

 

なので、患者さんに、なんて言ってはりましたか?と必ず確認を取ります。(紹介状の返事があってもね。返事がないこともたまにある)

 

あちらの先生も説明したこと全部を返事に書かれるわけではありません。

 

出された薬やあちらのアドバイスがうまくいかなった時、もう1回行って診てもらうのか、それともまた別の先生に診てもらうほうがいいのか、ケースバイケースではあります。

 

1軒行って、あまり改善しなかったら、もう効かないんだ、と決めつける方もとても多く、特に漢方なんて、1回飲んでまずくて効かなかったら、もう二度と飲みたくないといわれます。

 

漢方は効かない!

と決めつける方も実はとても多いのですが、それは単に効かない、というか、合っていない漢方を出されただけの話で、何十種類もあるのに、どうして、十羽ひとからげにするかな?と思います。

 

西洋医学の薬だったら、たった1回飲んで効かなくても、「薬なんて効かない!」とはならないのにね。

 

漢方をサプリみたいに思っている人も多いし、味がするから、合っていなかった場合の、嫌な思いが引きずるのもあるのかもしれまえん。

 

ま、いつも言うことですが、医者は100人いたら100人とも考え方が違います。同じ病児に対しても。出す薬もやる検査も違います。

保険診療とは言え、医者のさじ加減です。

 

なので、1軒目でうまくいかなくても、懲りずにあなたに合う医者を探してほしい。

 

コロナのこともあるし、これからの時代は、信頼できるかかりつけ医を持っているほうがなにかと便利だし(特にPCR検査)、おかしな情報に振り回されることも減るかと。

(まあ、その先生と一蓮托生ではありますが)

とりあえず、なんでも相談できる医者を確保しておくことですね。科に関わらずね。

その先生の専門でなくても、一緒に考えてくれる医者、しかるべきところに紹介するなり、アドバイスをしてくれる医者を確保しましょう。

時間がとんでもなくかかることもあるから、今のうちから探しておくこと。

 

非常時にすぐに見つかればいいですけどね。

 

そう簡単にはね。。

 

 

ま、とにかくかゆかったら、皮膚科へ。

かゆみは結構なQOLを低下させます。

良くなれば、かなり日常生活が楽ちんです。

私も漢方が1発で効いた時は、すっごい嬉しいです。塗るのもメンドクサイですしね。塗るのが大変な方もいるし。

 

うちでは、保険診療でも、他院での検査結果は全部持ってきてもらっています。

治療の参考になるから、

保険診療でもいろいろなことがわかりますが、自費だともっとさらに奥までわかります。

 

 

ああ、記事の中のコレステロールのくだり、私の拙著「きれいな肌をつくるなら赤いお肉を食べなさい」(青春出版)に詳しく書いています。

 

今回、私がチェックしたコメント以外にも、取材の内容をたくさん載せてくださったようです。

ちょっとニュアンスが微妙に違うところもありますが、雑誌は文字数もあるから、その辺は、大きくとらえてください。

また、しばらくしたら、詳しく書きますが、今回の女性セブンも面白い記事が目白押しのようですので、どうぞ買ってください!!

(柴門ふみさんのマンガ、楽しみにしております)