プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

カレンダー

2023年6月
« 5月   7月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

最近投稿した写真

ホーム > 2023年06月



1週間前の女性セブンの美髪の条件でお渡しした私の元原稿です。

一部言葉足らずのところに修正と追加をしています。

 

 

見た目の印象で髪のあたえる割合は?

→顔(メイク含む)、体型(服装含む)、髪(髪型・髪の色など含む)が見た目の印象の主なところだと思います。

単純計算で3分の1となるが、他が自信のない場合、髪を素晴らしくすると、3割が5割にも8割にもできる。

髪だけで見た目の印象を変えることも可能かと。

 

 

老けて見える髪

・乾燥している。ぱさぱさ。ツヤがない。ゴワゴワしている

・ぼさぼさで何年も美容院に行っていないように思わせるような、見た目を全く気にしていない

ような感じ。枝毛だらけ

・セットしたように見えない。ブラシやくしもあてていない?と思わせる。

・不潔そうに見える

(ふけが多いとそう思ってしまう人が多いのも事実。そのため頭皮の湿疹皮膚炎の患者さんは

かなりこまっておられることも)

・白髪の染め方が中途半端。グレイヘアほど気を遣っているわけではなく、白髪を放置している

と思われるような見た目。

・毛染めの間隔が空いていて、根本の色が違いすぎる。

・逆に、顔はシワだらけでツヤもないのに、髪の毛は赤っぽい茶色でバブル時代のような髪型。

逆に真っ黒の髪の毛も印象は老けて見えることも。真っ黒や赤茶色にしたいなら、それに見合う

顔(肌)や髪型、服装などにも配慮が必要かも。

・薄毛。ボリュームがない。ところどころ地肌が見える。その地肌とのコントラストが悪目立ち

している。

 

若々しいきれいな髪

・ツヤがある。

・ボリュームがある(若い時ほどにはなくても同世代よりもあるだけでも)

・ちゃんとセットされている

・髪の色が自然にキレイに見える(服装や顔年齢とも合っている)。

プリン頭みたいに生え際が白髪で染めるのを放置している感じがしない。

・薄毛でも地肌が見えていても、髪の色がベージュなどで目立ちにくい工夫がされている。工夫が見てすぐにわかる。年相応でも少しでもキレイにみえるように、見た目に気を遣っている感じがわかる。

 

  • 髪の毛の日焼け

→髪の毛の日焼けも皮膚と同様、日焼けして、乾燥と脱色(黒から赤茶っぽく色が抜けていく)を起こします。

髪の毛のタンパク質が紫外線等でタンパク変性を起していく。

 

皮膚との最大の違いは、皮膚はダメージを受けても、新しく作り直して傷んだ皮膚を捨てて(日焼け後の皮むけ)生まれ変わることは可能だが、髪の毛は爪と同じく生きているタンパク質ではないため、傷んだらその部分は生まれ変わらない。切るしかない。次に生えてくる新しい毛を大事に育てていくしかない。

 

  • 近年、EMSによって頭皮を刺激する電気ブラシが流行しています。これの髪や頭皮への効果は期待できるといえますか。数千円台~数十万円台のものまでありますが、やはり効果に違いはあるのでしょうか。

→その機器で何をしたいのか、何ができるのか、目的と機器の性能によって違うと思います。

それが値段の差に出てくるのでしょうけど、中身の割に性能は実はそんなに良くないものもあるかと思います。

理論上、マッサージによって血流をアップさせて、毛根と頭皮に栄養を届けやすくするようなことは可能だとは思いますが、効果にそこまで期待や過信をしないこと。

そこまでの効果を実証して効能を約束までしている器械はホームケア用にはそうないかと。

 

私自身は機器をホームケアとして使うのはおすすめしていません。皆さん、どうしてもやりすぎるから。

クリニックなどで行う場合は、機器のマニュアルに沿って行われるはずですが、家庭用の機器となると、説明書を読まない、あるいは読んでも無視したり、長時間やればやるほど効く!強ければ強いほど効く!と勘違いされる人も多く、そのせいで頭皮に炎症を起こし、皮膚炎、皮膚びらん、抜け毛や脱毛の悪化などを招かないか心配です。

 

マッサージをしたい場合は、必ず自分の手指でするようにお願いしています。

その場合は、必ず疲れてくるのでそんなに長時間できないところが安心なのと、機器を使う場合、指と感覚が違うため、強くやりすぎても気づかない、むしろ良いと思ってやってしまっていることが本当に多い。指であまり強くやりすぎると、自分も疲れるし、こんなに強く押していいのかなと改める人も出てきやすい。

 

 

  • 一般的にあまり知られていない、やってはいけないヘアケア、間違っているヘアケア

→ヘアカラーのカラーリング剤は、ジアミンという成分が入っていて、日本で一番かぶれの被害者がダントツに多い物質です。

そのため、カラーリングをする前に必ずパッチテストが義務づけられていますが、パッチテストを言わずにやっている美容院がほとんど。

 

ジアミン入りのヘアカラーは私は一切勧めていません。

 

わかっている美容師さんは、お客さんの地肌をずっと見てきているので、自分はヘアカラーをせずにヘアマニキュアだったりします。

 

そのヘアカラーを3か月も待たずに白髪を生えてきたからと頻繁に染めるのは、頭皮にとってかなり危ない。

 

美容院やサロン専用のシャンプーやトリートメントが品質が良い、肌に優しいと思うのは大間違い。

 

オーガニックシャンプーや自然派シャンプーは頭皮のかゆみと炎症を起こす原因になりやすい。

最悪、そのせいで食物アレルギーになることも。

 

小麦粉で髪の毛を洗うとか卵やはちみつで髪の毛をパックするとか、皮膚科医からしたら、トンデモヘアケアです。

 

科学的に証明されていない育毛剤は使わない。

→医薬品、もしくは医薬部外品からまず選ぶこと。ネットではなく、どこのドラッグストアでも売っているものから選ぶほうが無難。

なにかあった時に大手メーカーは問い合わせ先や相談窓口がある。

大手だから絶対安心ではないが、ネットは魑魅魍魎のため、ちゃんとしたものを取捨選択して探してくるのはわかっていないと困難を極める。

誇大広告・薬事法違反・医師法違反のものもよく見かける。

 

  • 髪の状態をよくするのに役立つ食べもの、また食生活のポイントについて

→髪の毛はタンパク質でできているので、タンパク質を。特に栄養価の高くなる、動物性タンパク質、肉、魚介類、卵。

タンパク質だけでなく、毛を作る際に必要な亜鉛、ヘム鉄、ビタミンB群、Dなどが必ず必要。なのでプロテインを飲むのではなくて、必ず食材で。

 

具体的なおすすめは、

赤い肉(鶏肉以外)は、タンパク質だけでなく、ヘム鉄、亜鉛、ビタミン各種が含まれていて万能。

飽きないように、いろんな赤いお肉(ハツや砂肝、レバー含む)をローテーションして召し上がってほしい。

その中でもレバーは女性にダントツにおすすめ:タンパク質・ヘム鉄・ビタミンA・ビタミンDが豊富。

 

魚介類はそれぞれに得意分野があるため、いろんなものをローテーションして。

魚は全般に髪の毛の成長に欠かせないビタミンDが含まれています。

 

カツオはヘム鉄、ビタミンB群が豊富。

今の季節なら鮎の内臓にはヘム鉄、亜鉛が豊富。

ブリや鮭の血合いのところにもヘム鉄をはじめとしたミネラルが豊富。

小魚や貝類はまるごと食べるため、ヘム鉄、亜鉛などのミネラル類、ビタミン類が豊富。

 

肉ばかり食べないように。肉の量は魚の量を絶対超えないように、魚多めで。

一度にたくさんのタンパク質を食べるのではなく、少しずつ。小分けして回数でかせぐ。

 

あまり今まで動物性タンパク質を食べたことのない方は、肉よりも魚介類をまず増やしてほしい。

 

タンパク質を摂る際、必ず良質の油でカロリーはしっかりと確保すること。

カロリーが足りないと、せっかく摂ったタンパク質がエネルギーとして燃やされて髪の毛になってくれません。

まずは内臓の大事な臓器から順番に回っていくので、髪の毛に至るまでは時間がかかります。また伸びるのも時間がかかるため、

 

 

 

  • ほか、50代以上の女性が美しい髪を保つために気をつけるべきこと、やってはいけないことがあればぜひお聞かせください。

→3か月以内にするヘアカラーはおすすめしない。やる前にヘアカラーは必ずパッチテストを。

頻繁に髪の毛を染めたい場合は、ヘアマニキュア→カラートリートメントなど落ちやすいものほどより低刺激、というのが一つの目安。

カラ―トリートメントでもかぶれる時はかぶれるが、すぐに染まる、しっかり染まるものほど危ないかも?といつも念頭に置いておいてほしい。

 

新聞広告や折り込み広告に入っているような、どこの企業かもわからないような、ドラッグストアではまず見かけないような育毛剤も勧めません。

 

そこまでお悩みの場合は、

王道は、まずドラッグストアで医薬品の育毛剤を買うこと。

医薬部外品でもそれほど悪くないものもあるが、大きくは期待しすぎないこと。

 

本格的にお悩みの方は保険診療の皮膚科もやっている美容皮膚科で相談を。

あまりに高額の場合は必ずその場で契約せずに一旦持ち帰ってゆっくり考えること。

コースやセットなどの高額でもお得感をうたったものには手を出さないこと。

副作用合併症も必ずしっかりと伝えてくれるクリニックで治療をしてほしい。

 

  • シャンプーやトリートメントなどの選び方はどのようなポイントに着目すべきですか。サロン専売品など、高級なものはドラッグストアにあるものと比べ、何が違うのでしょうか。髪の悩みがある人や年齢を重ねた女性はやはり、高価なものを使うべきでしょうか。

→一番のおすすめは湯シャン。毎日お湯のみ洗い。

いきなり湯シャンが難しい場合は、お湯のみの日を作る、からスタートして、間に使うシャンプーを、データが実証されている本当の敏感肌用シャンプーをおすすめします。

 

本当の敏感肌用シャンプーは、最低限の汚れしか取らないため、リンスやトリートメントは必要ありません。シャンプーで必要なものまで取り過ぎることがない。

 

敏感肌用と言っているのに、セットで売っている、セットで使わないと!!と宣伝しているものは使わないこと。

 

それでも髪の毛や頭皮が乾燥して困る場合は、椿油を少量つけることをおすすめします。

ベタベタになるのが嫌ならスプレータイプも売っています。

 

サロン専売品は値段が高いだけで何か効果を保証したものではないです。

値段と宣伝文句に騙されないように。

高い=品質が良いわけでもない。高い=良いと考える人が多いため、中身は安物でもわざと高くして売られているものもある。

 

ドラッグストアやスーパーでよく売られているものの中には、洗浄力がきつい成分がよく使われていることが多く、高いものであっても平気で入っているので、値段やブランドだけで買わないこと。

 

値段よりもちゃんと証明された敏感肌用シャンプーを(誰でも名前の知っている国産大手メーカーのものが無難。

ちゃんとしたメーカーのものは、子供や赤ちゃんも使えるし、むしろ子供や赤ちゃんのアトピーの子どもで使える検証実験がされているものなので、お値段も良心的です。検証もちゃんとホームページなどで証拠を確認しましょう。

自称「敏感肌用」、自称「アトピー用」とかいう詐欺みたいな商品は絶対に買わない!

ドラッグストアの安いものよりは高いけど、サロンよりはかなり安い)。

 

サロンなどの高いシャンプーやトリートメントは一切いりません。

 

普段は湯シャンで、シャンプーを使いたい時だけ本物の敏感肌用シャンプーを使うのがおすすめです。

 

 

  • シャンプーする際のコツ

→必ず先にお湯で髪の毛全体、頭皮をしっかりと流す。

これだけで毛髪料などを付けていなければ、ほとんどの汚れ(皮脂や汗など)は取れています。

その後シャンプーをする場合、肌の弱い方は特に、まずシャンプーを先に手で泡立ててから、もしくは洗面器などにとって泡立ててから髪の毛にのせる。

原液をそのまま頭皮につけると負けやすい方がいます。

 

頭皮のマッサージをするイメージで頭皮を洗う。

髪の毛は泡で包むように。

どちらも強い力でゴシゴシ洗わない。押しすぎない。

頭皮の場合は、押すよりも、頭皮を動かすイメージで。

 

お湯の温度は季節によっても、個人にとっても快適に感じる温度は違うと思いますが、顔にかかっても気持ちいいくらいの温度がおすすめ。

 

夏なら低めの温度のほうが気持ち良いのであればそれもOK。

 

逆に寒いからと高めは、汚れも落ちやすいですが、皮脂や保湿成分も取れやすく、乾燥を悪化させます。

また43度以上になると活性酸素が発生して美肌・美髪とは逆効果に。

 

すすぎは特にシャンプーを使った場合、しっかりと。

家でカラーリングをした場合は、カラートリートメントであっても、普段以上にすすいでください。

頭皮に染料が残っていると炎症やかゆみの原因に。

またヘアカラーでない場合、染料が必要以上に残っていると、たくさん汗をかくと色落ちしやすい商品もあり、服を汚しかねないこともあります。

すすぎは必ずしっかりと。

 

  • 「シャンプー時に頭皮をマッサージすると血行がよくなり、髪の質が向上し、ほうれい線などの予防にもつながる」と言われます。シャンプー中に自分の手やシャンプーブラシなどを使用する際、ポイントがあればぜひご教示ください。

→シャンプー時に頭皮をマッサージするのは、シャンプーで摩擦が減り、マッサージによる摩擦のダメージを減らせるから。

あまり長時間シャンプー時にやっていると、逆に洗浄成分の合成界面活性剤や他の添加物をその分長時間おいていることにもなり、頭皮にも髪の毛にもダメージを与えることに。

 

マッサージ(頭皮を揉みこまなくても、頭皮を前後左右などに動かすだけでいいと思います。揉もうとしてつかもうとすると、結果頭皮の皮膚が伸ばされ、伸ばされた皮膚は顔のたるみの原因に。)

頭皮と顔の皮膚はつながっているので、頭皮の血行が良くなれば、顔の血流にも多少の影響は出ますが、それでほうれい線が改善するとか予防ができるとか、誇大広告も甚だしい。

 

顔の皮膚だけでなく、頭皮の皮膚も引っ張って伸ばさないように。

ひっつめ髪などで上にピン!と皮膚を引っ張るのをずっとやっていると、皮膚は伸ばされて、髪を下すと一気にブルドッグ顔へ。。。

そうなるともうフェイスリフトなどの切る手術でないとどうしようもなくなります。。。

 

 

シャンプーブラシなどの道具をもってするのは、やりすぎる・力が入りすぎるためにすすめません。

頭皮のマッサージも手指で十分。

 

ブラシのように先が細くなればなるほど、先に圧がかかるのでハイヒールで踏んでいるのと同じです。

手指みたいに先が丸くて鈍なほうが力が分散して優しくなるのと頭皮のマッサージはそれくらいの力で十分です。

髪の毛は手指と泡で包み込むような感じで汚れは十分に取れます。

 

 

 

  • タオルドライ、ドライヤーの際のポイント。

→髪の毛は濡れている時、髪のキューティクルというタンパク質も濡れていて、非常にもろい状態です。

なのでタオルドライする時は、タオルでしごくのではなく、やさしく挟んで軽く押さえる程度や接触させて水分を吸わせるくらいでいいのかもしれません。

とにかく摩擦を起こさないようにおすすめします。

 

ドライヤーは、熱風ではなくて温風がおすすめ。温度が高めしかないなら、距離を取って温度を下げるしかない(ドライヤーを買いなおす検討はしたほうがいい)。

温度が高すぎると、皮膚も乾燥してダメージが出やすくなる。ひどい時は火傷の手前になる。

髪の毛は皮膚ほどに感じないが、同じことが起こります。

熱すぎると髪の毛が乾燥しやすくなり、タンパク変性が起こりやすくなる可能性も。

要は傷みやすくなる。

 

根本からしっかりと乾かすのがおすすめ。

頭皮まで指を入れて、根本にもドライヤーの風を送ってやること。

 

生乾きにしないように。

 

生乾きは雑菌が繁殖しやすくなりニオイの原因になったり、濡れている状態は髪の毛のキューティクルが非常にはがれて傷つきやすいので、濡れている時に道具(ブラシなど)でブラッシングするのもゴシゴシ擦っているのと同じなのでできればすすめません。

 

 

髪の毛は温風と冷風の交互ですると、熱くなりすぎるのを防いでくれやすい。

めんどくさければ、冷風は最後だけでもいいが、頭皮には冷風はあまり当たらないほうがおすすめ。

 

水分を蒸発させる時に気化熱で温度が奪われるため、頭皮の皮膚温はあまり下げないほうが血流にとっては良いと思います。

なので頭皮にはあまり冷風は直接あてないほうがおすすめです。分け目のところとかは直接あたりやすい。

 

ドライヤーの温風(60度以上)で髪の毛の水素結合がはずれるため、くせがつけやすくなります。

その後冷風(40度以下)で水素結合が再結合するため、温風でつけたくせが固定されます。

なので必ず最後の仕上げに冷風が必要。

 

  • 洗い流さないトリートメントはミルク、オイルなど複数のタイプがありますが、必要なものでしょうか。選び方や使い方にコツがあればぜひご教示ください。

→私は基本一切いらないと思っています。特に、洗い流さないタイプのトリートメント。

中には合成界面活性剤などが入っていることが多く、塗った時は一見ツヤが出たように見えますが、繰り返しているうちに髪の毛はボロボロに。。。

 

もし髪の毛が乾燥してしっとりさせたい、落ち着かせたいのであれば、古来から日本人に愛用されてきた椿油(無添加)がおすすめ。

髪の毛を油でコーティングしてくれるので保護してくれます。

タオルドライした後に、毛先を中心にごく少量つけるのがおすすめですが、

スプレータイプだと乾いた後も適量つけやすく、つけすぎてベタベタになりにくい。

 

また椿油はUVBをカットしてくれる働きもあるため、髪の毛の紫外線対策にも役立ちます。

 

写真を撮った場所が1年前と全く同じというとそうではないと思います。目印がないから。その時々で分け目の一番薄いところで何か所かそれぞれ撮って’います(分け目は基本変えておられません)。なので先日はあまり薄いところがなかったので分け目の気にされていたところのあえて言うなら薄いところ中心ではあります。

薄毛や円形脱毛症の患者さんて実はけっこうおられます。
写真はオーソモレキュラー療法をされている患者さんの1年前の頭皮です。
(許可をいただいて掲載しています)
オーソモレキュラー療法に来られたのはいろいろな体調不良があるからですが、気にされていたことの一つの薄毛がありました。
分け目の部分の。
ただそう言われてみれば薄いかなというレベルで、そこまで薄毛という感じではないです。
そこ以外はしっかりとされているから。
気になっていることの優先順位は薄毛はかなり下のほうで、薄毛や育毛の場合は食事と栄養の見直しだけでなく、ヘアケア相談に入ってヘアケアも見直すようにお願いしてましたが、最初はその診察にかかる費用を医療用サプリや食費に回されてました。
ちょっと体調が落ち着いたところでヘアケア相談に入られ、シャンプーやカラーリング剤、洗髪やドライヤーの仕方などの確認。
自費診察に入られた場合は、ダーマスコピーで50倍で頭皮を確認します。
ところどころ黒し色素が地肌に見えるのはマニキュアみたいに塗っておられる染料です。
これは皆さんそうですが、薄毛に見える部分をアップで見ると、毛と毛の間が広く空いていて、生えている毛も毛穴に1本の部分も多い。
数本出てても、細すぎておそらく肉眼ではあまり見えない。
また数本出ててもそれが白髪だと、黒く染めている場合、白は頭皮と一体化して毛として認識されないので余計に地肌が見えやすくなり、薄毛に見えるのを拍車をかける。
すごく急いで薄毛治療をされたい場合は、いろいろありますが(自費の医薬品の育毛剤や注射など)、シャンプーやヘアカラーの見直しで(敏感肌用シャンプーは買われましたが)、育毛のための医薬品などは購入されずにその予算は医療用サプリに回されました。
最初の3枚が1年前の写真です。
先日久しぶりに来られて、医療用サプリはそれなりに続けておられたのは知ってましたが、直接自費診療で受診されたのはお久しぶり。
後の3枚が先日の分です。
毛と毛の間が前よりも詰まって全体の本数が増えています。
まだ細い毛もありますが、太いしっかりした毛が増えました。
肉眼での見た目は全然薄毛には見えません。
患者さんが仰るには今年に入ってくらいから、どんどん気にならなくなったとのことです。
とても喜んでおられましたよ。
こうやって50倍で見ると、もっと細い毛をなくしたい!と一層頑張ると仰ってましたが、ここまで来たら、医薬品の育毛剤は今まで通りいらないと。
やっぱり食事とサプリを優先すると仰ってました。
約1年後の写真で、それだけ時間をかければ良くなるのは当たり前と思われる方もおられるかもしれませんが、患者さんは50歳を過ぎておられ、学会ではもう女性の50歳からは老化はものすごく早くなると言われています。
坂道を転がるように、あるいは崖から急降下するように。
皆さん、若い人もそうですが、「人間は毎日老化している」ということをお忘れで、現状維持というのも実は大変なんです。
老化のスピードを遅くするだけではなく、追い付き、追い越していくわけですから。
年が行けば行くほど、状態が悪ければ悪いほど、栄養欠損は大きいので(自分の年の分だけ、何十年分とお考えください)、補充も大変で、お金も時間もかかります。
この方はそこまで髪の毛のことは気にされていなかったので、薄毛治療自体を積極的にやっていないのに(最低限のヘアケアはされてますが)ここまで改善したことがうれしい。
体調不良なり、気になっている病態がいくつもあった場合、全身のいろんな臓器で栄養が足りないわけですが、栄養を摂ったからと言っていきなり髪の毛に行くわけじゃないです。
ある程度、からだの大事な臓器に届いて、他に回してもいいやとからだが思ってくれるぐらいにならないと、命に直接かかわらない髪の毛にはなかなかいきません。
(詳しくは、私の拙著「きれいな肌をつくるなら赤いお肉を食べなさい」に詳しく書いています)
体調不良の優先順位の高かったものはけっこう改善されたようで、1年年をとっても前よりもお元気そうでした。
育毛のための自費治療を併用したら、もっと早くには良くなりました。
今まで最短で2週間後にぶわ~っ!!と髪の毛が生えてきた方がいて、伸びるの早すぎっ!!と私自身がびっくりしたことも。
ただ、自費の育毛治療で毛根を刺激して発毛させたからと言って、その毛が丈夫にまっとうに一生を終えてくれるかというとまた別の話。
一旦は刺激されて一気に伸びても、そこで止まることもあり、そうしている間にまた別の毛が休止期に入って抜けていく。。と繰り返すこともあります。
なので自費の育毛治療をしても継続させていくためには、食事と栄養の見直し(他に病気がないか、胃腸が元気かどうかなども含めて)が絶対に必要です。
治療の優先順位、何にお金をかけるのかの優先順位も大切です。