以前に女性セブンで取材された時にお渡しした私の元原稿です。
お題が決まっていたり、おすすめ食材の数が決まっていたりとするので、5つに限定しているわけではないです。
この時は5つというお題だったから。
なので、子魚としていても、鮎なのかちりめんじゃこ(イワシ)なのか、わかさぎなのかとかの魚の種類まで書いている時もあるし、書いていない時もあります。
雑誌の記事はランキング形式なので具体的な食材の名前を出さないとカウントされないこともあるのでややこしいところです。
いつ掲載されるのかその時期で、おすすめ食材は変えたりしています。
魚介類や野菜は旬がありますからね。
例えば小魚。
ちりめんじゃこはいつでも年中買えるけど、旬の冷凍じゃない釜揚げシラスは年中ではないのかな?
今なら稚鮎がダントツにおすすめ。
寒い季節はワカサギだしね。
旬のものは安かったり、新鮮だったり、栄養価が高かったりといいことづくめ。
ただし、頻繁に食べていると飽きやすいですね。
魚介類の旬って頻繁に食べがちなのがたまにキズ。
ししゃもや丸干しを子魚に入れるのかですが、要はまるごと食べられるものです。
さて、以下が原文です。読み返して一部改変しています。
骨は、タンパク質、ヘム鉄、カルシウムでできています。
鉄筋コンクリートのセメント部分がカルシウムで、鉄骨部分がコラーゲンです。
骨密度検査は、このカルシウムのみを測っています。骨のコラーゲンを測る機械は現時点ではないのだとか。
骨密度も低すぎる女性も多いですが、骨密度はギリギリいけても、ヘム鉄、タンパク質が摂れていないために、骨粗しょう症、易骨折する閉経していない女性(普通はしません)、高齢者が増えていて、何年も前から整形外科学会で問題になっています。
最近は子供も男性も増えてきている。
特に、女性と高齢者にもっと動物性タンパク質を食べてもらいたい。
おすすめ食材
- だんとつ、レバー!!
レバー最強伝説。
骨のコラーゲン生成に欠かせないヘム鉄、タンパク質、亜鉛が含まれている。
ヘム鉄含有量トップクラス。タンパク質や亜鉛、ビタミンB群が含まれているだけでなく、カルシウムの吸収をアップさせるビタミンDも豊富に含まれている。
- 子魚(魚まるごと食べるもの)=わかさぎ ちりめんじゃこ 釜揚げシラス。稚鮎、たたみいわし、オイルサーディン、煮干し、どじょうなど。
まるごと食べる魚ならなんでもいいです。
旬でいうなら稚鮎。
どの季節でも、というなら、オイルサーディンや煮干し、釜揚げシラスや縮ちりめんじゃこなどのイワシ系。
骨を食べることでカルシウムがしっかり摂れる。
魚をまるごと食べることで、骨を作るのに必要なタンパク質、ヘム鉄、亜鉛、ビタミンDが摂れる。
牛乳のカルシウムのほうが小魚のカルシウムよりも吸収がいいから牛乳をすすめられることも多いかもしれないが、牛乳はカルシウム以外のミネラルが少なく、またカルシウムが多するために他のミネラルの吸収を邪魔して牛乳貧血になりやすい。
カルシウムだけ摂っても骨は作ることはできず、骨のための栄養素が豊富に含まれてる小魚のほうがおすすめです。
- カツオ
カツオじゃなくても、ブリや鮭の血合いのところはヘム鉄が豊富。
タンパク質、ヘム鉄、亜鉛、ビタミンD、カルシウム、ビタミンB群、とバランスよく含まれている。
青魚全般、ビタミンDは豊富。
- 鮭缶(中骨入り)
鮭は白身のため、カツオほどヘム鉄や亜鉛、ビタミンB群は含まれていないが、カルシウムの吸収を上げるビタミンDがダントツで、中骨も食べることでカルシウムも豊富。
直接骨とは関係ないが、オレンジ色のアスタキサンチンは、抗酸化力が強く、骨を酸化から守ってくれる。
- 桜エビ、干しアミ
丸ごと食べるものはなんでも栄養価が高い。
タンパク質と特にカルシウムが豊富。
丸ごとのものは、ヘム鉄や亜鉛、ビタミンなどもバランスよく含まれている。
・おすすめの生活習慣
- 毎日、直射日光を浴びる
1日10分、15分とかでいいので、直射日光を浴びる。外に出る。窓を開けて換気をする。
紫外線の中のUVBを素肌に浴びると、ビタミンDが皮膚で作られます。
UVBは、窓ガラスや服で遮断されてしまうので、素肌に直射日光を浴びる必要があります。
ただ、全裸でもなく、日本の緯度で、十分足りるだけのビタミンDは皮膚だけでは作れません。
なので食事(特に魚とレバー)で摂ることは必須ですが、適度な紫外線は脳や体内時計のためにも浴びてほしい。
シミなど気になる人は顔など気になるところはしっかりと塗って、それ以外のところは適度に紫外線に当ててほしい。
- 毎日歩くこと。
立って歩くだけで、全体重が足にかかります。
負荷をかけることで骨を作る細胞が増えやすくなり、骨は強くなる。どなたでもできる負担のない適度な運動です。
- かかと落とし
NHKの「ガッテン!」でも特集されたかかと落とし。
かかとの骨に刺激を与えると、ホルモン「オステオカルシン」が分泌。
オステオカルシンは血糖値を下げる働きが期待できる。
高血糖は骨を糖化させ、脆い骨にしてしまうので、高血糖予防は強い骨を作る上で大切。
- 食事で血糖値を上げ過ぎないように、糖質は最後に食べる、動物性タンパク質や良質の油、野菜を先にしっかり食べて消化吸収させることが大切。
- カルシウムや亜鉛などのミネラル(ヘム鉄以外)は、加工食品やインスタント、カフェインなどを摂ると排泄されやすくなるため、なるべく摂らないようにするのがおすすめです。
- カルシウムが豊富ということで牛乳が一番よく勧められると思いますが、牛乳は牛乳以外のミネラルが少なく(というかカルシウムが多すぎて)、吸収の際にカルシウム以外のミネラル(非ヘム鉄や亜鉛など)の吸収阻害を起して、貧血になりやすくなります。「牛乳貧血」という言葉があります。ご注意を。牛乳を飲むなら、他の動物性タンパク質も一緒に摂って、カルシウムばかりに栄養が偏らないようにする工夫が必要です。
お渡しした原稿には、牛乳はカゼインが入っていて腸で炎症を起こすから摂らないほうがいいという話は書いていません。
長くなりすぎるから。
で、ホルスタイン種の牛乳やチーズ、ヨーグルトは基本私は勧めていません。
(わかった上でたまには摂りますよ。旅行の時とか牛乳の入ったお菓子とか食べたい時とか。体調の良い時にね)
勧めているβカゼインA2ミルクのジャージー牛乳、ブラウンスイス牛乳、ヤギ乳などは摂りたい人は摂ったらいいですが、カルシウムが多いからA2ミルクでも牛乳貧血のリスクはあります。
なので、牛乳を摂るならちゃんと他の動物性タンパク質も食べましょう。
要はなんでも、これが良い!あれが良い!と聴いてきた食材をそればっかり摂らないことです。
必ずなんでもローテーションさせること。
それが食物アレルギーにもなりにくく、いろんな栄養素が過不足なく摂れる方法です。
いつもよく勧めるレバーにしても、
患者さんから、「どれだけとってもいいですか?」とよく聴かれます。
いくら食べてもいいですよ と返事はしますが、
必ず続けて、レバーばっかり食べたら飽きますよ、と言います。
ほとんどの人が月に1回もレバー食べてませんよね?
それならまず食べてみること。
食べるのがいけたら、あるいはもともと好きなら(それでも食べていない人はかなり多い)、
週1回食べてみる。
スーパーのお惣菜の焼鳥串やきも煮が簡単でおすすめです。
食べられるなら串も5本(生肉で換算すると500g超えるかも?)食べてもいいけど、冷静に考えてください。
レバ串5本も一度に食べたら、他のもの食べられます?
もうおなかいっぱいでは?
一度に5本も食べて飽きませんか?
まあ食べられたとしても(しかもおいしくね。むりやり嫌だけど食べた、というのは交感神経も緊張して消化吸収しにくいですよ。おいしく食べられる範囲で)、
他のものも食べないとね。
栄養バランスから言っても。
ほとんどの食材が、サプリではなく、食事として必ず口から食べる分には、多すぎて困る、過剰摂取になるというのもはありません(糖質はなります)。
その人の消化吸収能力が決まっているので、口からどんなに大量に放り込んでも、消化吸収できる量しか体内には入りません。
(あとは排泄されるからもったいないし、排泄するために食べるのは胃腸に負担がかかるだけです)
食事として食べると、からだが必要としている分しか本来入りません。
一つの栄養素だけを大量に摂ったとしても、その後の反応を進めていくのに多くの他の栄養素が必要です。
だからいろんな食材が必要なわけ。
1つのものだけを大量に摂ると、その食材の得意分野の栄養素は確かにたくさん摂れると思いますが、不得意分野の栄養素はあまり入ってこない。
そうなると、どこかで反応が止まり、余った栄養素がどこかに溜まって支障が出るかもしれない。
(実際は、支障が出るほど溜まるほどは普通の食事では無理だと思います。)
本末転倒ですよね。
1週間という単位でみた時に、一つの食材に偏りすぎていないか(特にタンパク質の種類)、そこをちゃんと考えてほしい。
そうすれば生体の機能から言っても支障は起こらないはずです。
サプリや薬になると、生体機能は無視して入ってきます。
特に合成のものや活性型のもの。
その後の反応も進まないのにいきなり大量に入ってくることがあるので、そりゃあ溜まるし、活性型だと材料ないのにむりやり反応させようとするから支障が出るでしょう。
栄養素の摂りすぎが問題になる場合は、その種類(合成かどうか、活性型なのかどうか、品質も含めて。添加物まみれというのは論外)、摂り方、摂る量、他の食事、胃腸機能(リーキーガット症候群も含めて)を生体機能を無視して摂った場合だと思います。
たくさん摂っても良い栄養素は個人によっても体調によっても変わります。
だから診察や検査が必要なわけです。