育毛話の続きです。
年末の学会誌にだったか、掲載されてましたが、厚労省から、海外からの個人輸入による育毛のための医薬品(ミノキシジルとフィナステリド)の内服薬で肝障害が起こったらしく、注意喚起が来てました。
海外からの個人輸入と言っても、皆さんが怪しい業者から買っている偽物ではなく、ちゃんとしたルートで買っている本物のようです。
(クリニックで処方されたからと言って、まっとうなルートかどうかはわかりませんよ)
細かい経緯は載ってなかったのでわかりませんが、肝障害を診察した医師からは、育毛のための内服薬と因果関係があるだろうとの意見だったそうです。
ミノキシジルもフィナステリドも、サプリではなくて医薬品ですから、もちろん副作用があります。
国内で承認されているプロペシア®も肝障害の副作用報告があります。
これを飲んでいる際には、定期的に肝機能検査を普通はやります。
自分のところでやらないなら、他院でした結果をチェックするかです。
でも、多くのAGAクリニックでは、そういったフォローはされていないのかもしれません。
自費診療なので、一度に大量に処方は可能であり、可能だからと大量処方をしているクリニックもあるでしょう。
どんな薬でも、肝障害は起こってもおかしくはないわけです。
肝臓で解毒しないといけませんから、肝臓が余分に働かないといけないわけです。
若いならまだしも、AGA治療の場合、男女ともだいたい40代以上が多いと思います。
(最近は、低年齢化してきてます。。。もっと肉を食え!と思います)
40歳で、パッと切り替わるわけではありませんが、やはり40歳も過ぎると、実は体のいろんなところにいろいろ問題があって、血栓傾向も上がるし、耐糖能は悪くなるし、女性だと女性ホルモンもどんどん減ります。男性もでしょうけど。
いろいろガタが来やすくなってくるので、メンテナンスが必要なわけです。
どこにガタがきているのか、ガタが来る前にメンテでなんとかなるのか。
こればっかりは検査しないと、わかりません。
外から見ただけでは、また自分の自覚症状だけではわからないことがたくさんあります。
なので、検診しかり、人間ドックしかり、定期的に受けておく必要があります。
市町村からくる特定機能検診のご案内、40歳過ぎたらくるでしょう?
そういうことです。
検診を全然受けてもいない、病院にも行かない、となると、勝手に、「健康」と思っている方、たくさんいます。
確かに、本当に、「健康」な方もおられると思いますが、それも検査しないとわかりません。
ほんとに病院に行くこともなく、毎日が元気で楽しく、ボケることもなく、足腰も頭もしっかりしたまま、やり残したこともなく、眠るように死ねたらいいですが、こんな理想的な「老衰」で死ぬなんて、どれだけ稀なことか!!
これこそ、本当に「健康」な方でないと、なかなか。。。
『不健康」の典型の一つに突然死があります。
一瞬で死ねたら、ご本人は楽かもしれませんが、予期せず突然って、いろいろやり残したこともあるでしょうし、なにも準備もできていないでしょうし、ものすごく心残りがあることと思います。
だから検診は受けておくことをお勧めしていますが、健康診断の血液検査なんて、微々たる項目です。
これで、「問題なし」「健康」と言われても、ほんとに??ということだらけ。
特に、肝障害は結構見逃されているのでは?と思います。ビタミンB6不足がすごいから。
なので、検診などでは、ぜひとも肝臓のエコー(腹部エコー)も一緒にしておくことがお勧めです。
検査していない、検査していても見逃されている、そういう状態のところに、医薬品が入ってくると、肝障害が一気にわかりやすくなることもあります。
その処方したクリニックがどれくらい処方して、フォローはどうしていたのかはわかりませんが。仮に1年に1回検査しても足りないのかもしれないし、かと言って、数か月で自費でやるのか、と言われたら、患者さんが嫌がるでしょう。。
それくらい、医薬品というのは、副作用合併症が出たら、やっかいです。
肝臓がやられているのに、しっかりした太い毛が生えてくるわけ、ないですよね。。
肝臓は、ほんとに労わらないと。
クリニックで処方されても、肝障害がなる時はなります。
どこまで解毒できるのか、肝臓の予備能力は、人それぞれ違うわけですから。
まして、海外からの個人輸入のやつを、「安いから」というだけの理由で、ず~っと飲んでる人。
もうあ~あ~という自己責任です。。。
ほんとに何が起こるかわかりませんよ。慢性の炎症は、小さいキズでも、繰り返し起こることで、そこからガンになっていくきっかけになってしまいます。
肝硬変まで進んでしまうと、結構な取り返しのつかないことに。。。