脱ステロイドへの道第2弾です。
まずは
ステロイドをどうして使うの?
その必要性の話をしましょう。
例えば、皮膚が赤くなる、かゆくなる、ヒリヒリする、赤くなってその後皮がめくれてくることもあります。
そういう場合、湿疹皮膚炎になっていることが多い(違うこともあります)。
皮膚が赤い=皮膚に炎症がある、ということがほとんど。
特にかゆみや痛みなどの自覚症状があるとだいたい皮膚炎=皮膚の炎症があります。
(そうでない場合もあります)
では、炎症とは?
例えるなら、火事の炎と同じ。
今、メラメラと燃え上がっています。
火事を見つけたら水をかけるとか消火剤使うとかして鎮火させますよね。
火を消さないと、どんどん炎を広がるし、周りに飛び火して小さいボヤだったのが周りも巻き込んで大火事になることもあります。
山火事を思い出すとわかりやすい、
一旦燃え上がると火を消すのはほんとに大変。
水では追い付かないから消火剤を巻いてなんとか鎮火させたい。
消火剤を巻くヘリコプターまで出動しても簡単に鎮火できない時はできない。。
皮膚炎にステロイドを使うのは、火事にとっての水や消火剤の役割です。
ステロイドを使わないとどうなるか?
火事で水や消火剤を使わないとどうなるか?
火事の大きさに限らず、自然に鎮火することもあるでしょう。
火事ほど炎が大きくなく、ちょっとしたボヤ程度なら水や消火剤を使わなくても自然に消えることもあります。
ただ、火の上がったところは黒焦げになったり、火は消えていても炎が上がっ跡がすぐにわかる。
全く何事もなかったようにはならない。
小さなボヤでも早く水をかけて火を消していたら、その部分のダメージももっと小さくて軽くて済んだかもしれない。
ボヤ、火事と一言で言っても、大きさや勢いは違うし、その場所がとても乾燥していて燃えやすいものがあった、周りにも燃えやすいものがある。
火は最初それほど大きくなかったのに強い風が吹いて火が燃え移ることもある。
誰かが火に油を注いだり、周りにガソリン撒いていたり、燃えやすいものをくべているのかもしれない。
昔、江戸時代の火消しというのは、消防車なんてないから、水をかけると言っても人力です。
建物はすべて木造で燃えやすいものばかり。
火消しの人たちがしたのは、周りの建物を壊して、周りに火がうつっていかないように、大火にならないように、そこだけで済むようにされていたとか。
周りを破壊して燃え移りにくくして自然に鎮火を待つのは消防車などがなかった時代にはこれしか方法はなかったでしょう。
でも火事の後の被害は甚大です。
(だから江戸時代、火つけは死刑でしたかね)
例えば、火傷した、ブヨやハチ、ムカデに刺された、漆や金属にかぶれたなどなど。
通常はステロイドを使う状況です。
場合によってはけっこう強いものを使うこともある。
勘違いしないでほしいのは、ステロイドが治してくれてるわけじゃないってこと。
ステロイド=炎症を抑える なので見た目でいうと赤みが緩和します。
まさに火を無理やり消しただけです。
火事に水や消火剤を巻いて火は消えても、焦げたのはごく一部でも家の中は水浸し、消火剤の泡まみれで片づけるのも大変です。
燃えていなくても捨てなきゃいけないものもあるでしょう。
それでも火を消すことがなにより先決ですよねえ。
まずは水かけて!消火剤お願い!と思うでしょう。
ステロイドで無理矢理炎症を抑えても、
その場所が元通りの皮膚になるように再生修復してくれるのは自分のからだの細胞たちです。
創傷治癒を起こせるのは自分のからだのみ。
創傷治癒を促す薬や助ける薬はあっても、メインはその人の創傷治癒能力です。
火傷もムカデに噛まれても、大昔は薬なんて(ましてステロイドなんて)なかったわけですから、放っておくというか、治るのをじっと待つしかありません。
免疫力なり創傷治癒能力が通常であれば、いつかは治ります。
ただ、治るまでものすごく痛いとか、噛まれたところだけじゃなくて全身高熱出てきたとか、かゆくてたまらなくて掻きむしってしまってキズだらけになった、そこからさらに別のバイキンが入ってさらにはれまくった、治ったけど傷跡がひどく残ったり、色素沈着がかなり残った、ケロイドのようにひどいキズ跡になった、キズ跡がかゆくてたまらない、ピリピリしてなんとかしてほしい、などなど被害が大きければ大きいほど、その後のダメージも大きい。
それをただジーっと触らずに耐えて待つ、ってほとんどの人はできないでしょう。
あまりにも被害が大きければ末梢神経損傷もあったり、治った後も違和感などが残ることも。
そう考えるとステロイドを使ってさっさと火を消すことが決して悪いわけじゃないですよ。
火を消さないと再生も修復も始まらない、というか、始まっても火でまた燃えちゃうわけですから。
火傷やムカデなどと違って、アトピー含めた慢性の皮膚の炎症性の病気の場合、この火がなかなか鎮火せずに被害が拡大したり、焼け焦げた中にもまだ火がくすぶっていたり、火も全身に及ぶとか範囲も広かったり、ぼやどころではなく、大火のこともある。
大火の大火事となると全身炎で包まれる=紅皮症の例えになるでしょう。
紅皮症は入院になることもあるし、重症の場合は生命にかかわることも出てくる。
紅皮症までなってしまうと、ステロイドの内服や注射、点滴は必須でしょう。もう塗り薬だけでは間に合わない。
またアトピーなどの全身の炎症性疾患の場合、患者さんが知らずに悪化させていることも多く、火事をなんとかしようと油やガソリンを撒いているのと同じ結果になってしまっていることも多々あります。。。
それだけ思いこみや勘違いというのは恐ろしく、またそれらの情報源が周りの医療関係者でもない知り合いからだったり、ステマだらけのネットだったり、ひどい場合は受診した先の皮膚科医だったりすることもあるから、患者さんからしたらもう何をどうしたらいいのかほんとにわからないだろうし、そんなことばかりあると皮膚科に受診するのもイヤになるし、ステロイドを使っても使っても同じことの繰り返しでもうすべてが嫌になってくるのもお気持ちよくわかります。
ステロイドを使いたくないという方の場合、じゃあ、その火をどうやって鎮火させますか?
って話です。
→続く