今さらですが、肝斑治療の話です。
うちにも問い合わせがあったり、広告で見かけたりして、まだそんなことを勧めているクリニックがあるのかとあきれますが、肝斑治療=トーニング ではないですよ。
肝斑の場合は、まずスキンケアですよ。
それと同時に、一部のレーザーや光治療を使うことはありますが(当院もそうですが)、レーザートーニングのような強い治療は、いきなりやることは学会の方針としても勧められていません。
トラブルが多すぎです。
ごくごく一部に、ちゃんとやりながら信念を持って、いきなりレーザートーニングをされているクリニックはあるかもしれません。
悪徳クリニックとそういう信念をもったクリニックとを見極める方法ですが、
①スキンケアの話にどれだけ時間がかけられて、説明を受けましたか?
「日焼け止め塗ってくださいね」「こすらないように」って、一言で終わりとか。
それすらも言ってもらっていないとか。
「よく効きます。コースがお勧め。あとは、ナースから説明があります。」とかで終わりませんでしたか?
そもそもちゃんと洗顔して化粧落とした顔を診察してもらいましたか?
ひどいところは、その診察すらされていない。
そんなところに、ホイホイお金を払って、しかもそんな安い金額でキレイになれると思うほうも悪い。
(結局、その後のトラブルで全部背負い込むことになるのは、それを選んだその人なわけで、まさに自業自得ですが。。。
ちょっと気を付けていれば、欲をかかなければ、そこまでひどい被害は出なかったのに、と後から言っても仕方のないことですが。。。)
スキンケアの話に時間もかけずに、お金のかかるレーザーなどの話をするところは信用したらいけません。
もちろん、ホームページの肝斑治療 のところに、いきなり「レーザートーニング」とか、簡単にキレイになるとか、スキンケアの話が一切書いていないとか、論外です。
(でも、こういうところが非常に多い。)
今時、肝斑=トーニング なんてね。。 いつの話やねん。。。って。古すぎです。
レーザートーニング全盛期ならまだしも。
あの頃は、どこもかしかもメーカーの宣伝に踊らされたクリニックが非常に多く、レーザーを買ってしまった以上、回収しないといけません。
元が取れるまで、誇大広告は続けられました。飽きられるまで。
一斉に広告されたため、やる患者さんも増えて、爆発的に被害者が続出しました。
トーニング治療が始まって、5年ほど経って(実際は、もうちょっと前から)、日本人のデータ、ある程度の長期フォローのデータを学会で発表されるドクターが増え、被害が明るみになってきました。
そういうちゃんと真剣に取り組んでいるところであっても、副作用合併症が出て、前評判ほど、トーニングがいいものではない、扱うのはかなりやっかいで、油断していると足元をすくわれるということがわかってきました。
学会のシンポジウムなどでも、注意点や反対意見などがディスカッションされ、肝斑治療については、スキンケアと内服(通常飲むように勧められると思います)、そしてクリニック用の美白剤などの使用が勧められました。
それでもダメな場合は、トーニングもありか、という感じで、慎重に行うことは言うまでもありません。
でも、そんなことは無視して、というか、学会にすら来ていないし、もともと患者さんをキレイにしようなんて思っておらず、ただの金づるとしか思っていないわけですから、そういうクリニックは、学会の忠告も知らず(知っていても聞かない)、宣伝も施術もやり続けます。
今の時代でもまだそういうところはあります。見かけますから。
そういった広告がまだバンバン出ているせいで、今だに、「肝斑はトーニングでしょ?」というわけわからん電話がかかってきたりします。
「美容バカ」とはよく言ったもので、もうちょっと深く調べればいいのに、といつも思います。
浅いんですよね、すべてが。まんまと宣伝に踊らされているだけです。
スキンケアを徹底するだけで、肝斑は結構薄くなりますけどね~。
(自称「やっているつもり」は、薄くはなりません。擦り倒しですから~。)
そこに、医療用美白剤と内服を足すと、これまた結構良くなります。
時間のかかり方はひとそれぞれですが。(スキンケアができているかどうかによっても、この差が出ます。)
内服って言っても、うちでは、トラネキサム酸を飲ますのはかなり減りました。
オーソモレキュラー療法を始めて、併用して肝斑治療をしていくと、今まで以上に早く良くなります。
皮膚の代謝がいいから。
紫外線などの活性酸素対策もできてるし。
スキンケアがちゃんとできるようになるまで、それまでに食事やサプリで、肌にいい栄養素をがっつり摂ってて、とそうしていくだけで、自然と良くなります。
早くキレイになりたい方には、特殊な光やレーザーを使いますが、トーニングはうちでは使いません。
レーザートーニングを使うことはありますが、肝斑に使うことはめったにない。
肝斑が落ち着いている方で、トーニングしたほうがいい場合のみに使います。
情報格差がスゴイですよね~。
ちょっと裏を取れば済む話なんですけどね。。