プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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今朝TVで、アロエをそのまま切って、お肌に塗る、というのを勧めているのを、チラッと見かけました。

昔から、よくアロエは化粧品にも使われていますし、民間療法でも保湿剤としてや火傷した時なんかに貼るように言われてきたりもしました。

ですが、はっきり言って、皮膚科医からしたら、アウト!です。アロエから抽出した化粧品であったりする分を使うのは問題ありませんが、生のアロエそのままというのがいけません。

アロエの中には、肉眼では見えない結晶物(針状になってます)などの刺激になるものが入っていて、大丈夫な方もいらっしゃいますが、もちろん赤くかぶれる方もいらっしゃいます。

皮膚科という現場では、アロエでかぶれた、という方がいらっしゃいます。あと、火傷した時に貼ってしまったという方で、軽い火傷ではなく、結構ひどい(水ぶくれがめくれたズルムケ)ところに、アロエを貼って、刺激物のせいでもかぶれて、ぐちゃぐちゃで、何がなんだかわからなくなってしまっていることもあります。かなり痛いと思います。

火傷の治療は、昔からの民間療法でロクなモノはありません。きゅうりをすりおろしたとか、洗濯糊を塗るだとか、現代版でも、冷えピタやキズを固めるヤツも、一切ダメです。昔は、アイスノンどころか氷もそんなになかったり、あっても、冷蔵庫を冷やす大きいのとかしかなかったりしたせいかも。ある程度の時間を冷やし続けてくれると思って、使われたのはきゅうりとか擦ったヤツや洗濯糊なのかもしれません。たいていが、おばあちゃんやお姑さんに言われてやったと言って、子供さんを連れてくる若いお母さんのことが多いですが。また、昔は、火傷で病院には行かずにj分で治す、という風潮もあったのかもしれません。

水で冷やして、さっさと病院に行く!というのがおススメです。氷で冷やしてもいいんですが、やり過ぎて凍傷にまでする方がいるので、注意が必要です。短時間ならいいんですが、火傷の程度や病院に行くまでの時間にもよりますから、いちがいに何分とは言えませんが、冷やしすぎて、そのせいで痛くなってきたというのに、まだ冷やし続けるというのは、やめたほうがいいです。ぬる~いタオルで冷やしてくる方もいらっしゃるので(時間が経って、ぬるいタオルをあてたたままとか)、氷やアイスノンを使えばいいのに、と思いますが、アイスノンを直接ずーっとあてる方もいらっしゃるので、どう説明したらいいのか困る時もあります。ほどほど、ができない方・いいと思ったら、一直線という方が増えたのかもしれませんね。

ちなみに、火傷をして、ちゃんと冷やした後、病院に行くほどじゃないな、と思われた場合、市販で使ったらいいと思うのは、昔からあるオロナイン軟膏です。最近出ているオロナインH軟膏(少~しだけステロイドホルモンが入っているはずです。そんな大した量じゃないので、箱に書いてある用法・用量を間違えなければ、そんな副作用は出ないと思います。)でもいいいと思います。

民間療法って、今に時代にもいいものも、もちろんあると思うし、化粧品や薬剤の成分として、使われているものもたくさんありますが、やはりその成分だけを抽出してくる、というのが一番大事なので、野山の草や花で、治すには限界もあるし、その方のかぶれにくさや病気の程度にもよります。

なんでも、うのみになさらず、調べてからでも遅くないと思いますよ。どうぞお気をつけください。