今日は、アラガン・ジャパン社の方とボトックスビスタ®について、少しお話をしました。
とっても勉強になりました。
ありがとうございます。
多分、3月のキャンペーンで、またボトックスのキャンペーンをすると思うんですが、(まだ内容は未定です)役立つお話をいくつか。
3月って、いろいろイベント事が多く、デビュー前だったりと、やらなきゃいけないことが多いですよね。
そういう季節は、やはりプチ整形が人気ですね。
4月にキャンペーンをしようかと思いましたが、4月では、イベントが終わってる可能性が高いのかな、と思い、3月にやると思います。
さて、ワキの多汗症のボトックス治療は、かなり以前から美容医療では当たり前のようにされてきましたが、去年の11月だったか、保険適応となりました。
ただし、「重度の原発性腋下多汗症」と診断された場合のみ、です。
最初、ワキのボトックスが厚生労働省が認可したと聞いたので、ボトックスを用いる治療が厚労省から承認されただけと思っていましたが、なんと保険適応とは!!
グラクソ、えげつな~、と思いました。厚労省に強いんですね。
(グラクソ・スミソクライン。ボトックス®を売っている製薬会社です。作っているのは、アラガン社です。ボトックスビスタ®を売っているのは、アラガン・ジャパンです。違うんですよね~。中身は、同じアラガン社のボトックスですが、保険適応の病気に使うのか、美容医療に使うのかで、国内では、流通経路が違うというか。。
ボトックスビスタ®が国内で承認された時、販売は、グラクソでしたが、しばらくして、アラガン・ジャパンに移りました。
私としては、グラクソの担当者がクリニックに来ても、話が全然噛み合わず、本社に電話して、同意書やら患者さん用のパンフやら送ってもうらうなど、めんどくさかったので、
(他社製品を売るから、よくわかっていないんでしょうか。。?)
アラガン・ジャパンに変更してくれて、とても助かりました。
重度の多汗症で悩んでいた患者さんからしたら、保険適応って、嬉しいですよね。
喜んでいるのは、グラクソと(アラガンもでしょうけど)、保険でやるつもりの、皮膚科・形成外科クリニックでしょう。
そりゃ、なんでも保険を使って、してもらえれば、患者さんは安く済んでいいでしょう。
でも、よくニュースで、医療費削減って、聞きませんか?
高齢者も増え、日本は国民皆保険制度ですから、みなさんが払っている保険料だけではもちろん医療費は、全然足りておらず、税金がかなり投入されていますが、財源がホントに確保できず、日本の医療費は、実は、エライことになっているんですが。。
2年毎に、健康保険の医療費の改定というのがあり、保険診療をされている医師会の先生方が、昔と違って大変だ、大変だ、とおっしゃいます。
大きな病院も、患者さんのことを思って、治療をすればするほど、入院させればさせるほど、病院が赤字になるように、どんどん保険点数は改定されていって、昔のように、病院だから、開業したから、とお金が入ってくる時代ではなく、もちろん、それは、病気で困っている患者さんにも跳ね返ってきていて、薬はまだ必要でももらえない、まだ入院させておいてほしいのに退院させられる、と、ホントに病気の方には、大変なことに年々なってきているんです。
ホントに病気で苦しんでいる方、治療を必要としている方、それが命に関わってくる方が、適切な医療が受けられない、しかも今まではしてもらえていたのに、医療費が国家規模として足りないから、そうなっているわけです。
ホントに、全部の予算が足りないなら、払う保険料の値上げてして、国民全員で我慢して負担するしかありませんし、いずれ誰でも何かしら病気になりますから、その時に、もっと我慢してください、というならわかります。
保険料値上げっていっても限界がありますから、医療費の予算がそうむちゃくちゃ増えているわけではありません。
まだそれでも足りないはずです。
それなのに、命に関わらない多汗症で、保険が、この時代に通るって、審査、おかしくないですか?
癌治療の、海外では当たり前に使っている薬が、承認を取って保険が通るとか、命に直接関わる薬なら、最もだ!と思いますが、なんで、多汗症。。?いくら重度とは言っても、生命の維持に関わりませんよね?
ニキビのディフェリンゲル®が保険を通った時もビックリしました。
だって、もうとっくに、美容医療では当たり前に、ケミカルピーリングがされていて、皮膚科学会では、ケミカルピーリングのガイドラインもとっくに出ていたような気がしますが。。。
確かに、ニキビにディフェリンゲル®が合えば、その患者さんは嬉しいでしょう。
(副作用の話は置いておいて。)
でも、その分、またなにか、ホントに大事な、命に関わる病気で苦しんでいる患者さんの治療が削られているわけです。
でないと、その予算、出てきませんからね。
なにかを得る、ということは、必ずなにかを犠牲にしているわけで。。。
まあ、どうしてそういうことが起こるのかは、製薬会社と厚労省しかわからないんでしょうけど。
厚労省に強い製薬会社は、ガンガン行きますね~。
厚労省も保険通すくらいなら、規制を緩くするとか、承認はして、美容医療で国内で安心して、ちゃんと使えるようにしたらいいだけ、と思うんですけど。
保険適応となったら、莫大なお金が動きますからね。
美容医療で使われる金額とは全然違うんでしょう。しかも、保険適応の薬が、1社しか出していなかったら、もう独占ですからね~。スゴイ儲けです。
まあ、厚労省が通した以上、どうしようもないので、恩恵に預かれる患者さんには、良かったですね。
(ちなみに、先日気づきましたが、プラセンタ注射のラエンネック®、以前まで、「更年期障害」で保険適応がありましたが(保険でしているクリニックであれば、ですよ。)、保険、はずれましたかね?
ラエンネック®の添付文書(薬に付いてくる使用説明書のようなものです。)の適応病名のところから、無くなっていました。
(昔は、載っていました。)
まあ、うちには関係ないので、わかりませんが。)
さて、ワキの多汗症の、ボトックスの話に戻しますね。
保険と通すには、まず、診断をして、「重度の原発性腋下多汗症」と判明しないといけません。
治療をするドクターは、講習をうけないと、薬も売ってもらえないわけですが、ちゃんと診断されているんでしょうか。ヨード・でんぷん反応までして?ホントに?
まあ、その辺は、どうされているのかは、ドクターによって、さまざまでしょう。
じゃあ、適当に、診断をつけるドクターも出てくるでしょうね。
ホントに、この治療が保険適応になって、喜んでいるドクターがいるのか、私にははなはだ疑問です。
何故かというと、これ、すっごい手間暇かかる処置なんです。
しかも、薬代が結構高い!
(仕入れ値が高いんです。だって、ボツリヌストキシン製剤としては、一番高いアラガン社が作っているわけだし、グラクソが売るわけで、仲介料がいるでしょ?間に誰かが挟む、ということは、原価を上げる原因ですね。)
で、もひとつ、言うと、保険の場合、美容医療でしているように、麻酔はできません。
混合診療は禁止されていますから、ボトックスだけ保険で、麻酔の分は、自費で、なんて、そんな都合よく保険(税金で負担されるわけですからね)使っちゃ、ダメなんです。
だから、保険でされる場合、麻酔はなしです。
痛いのは、我慢するしかないです。
麻酔代を患者さんが自費で払うって言っても、ダメですよ。混合診療になりますから。
しかも、この手技代といいますか、この処置をした場合の利益は、そんななくて、労力に全然見合いません。
苦労して時間かけて(結構、処置大変というか時間喰いますからね~。)
だから、保険でするのはイヤだという声をチラホラ。。
一体、どなたが保険でされているのか。。
あと、美容医療で一般的にされている注射方法と、ちょっと違うというか。。
(注射する回数、というか、数は、もっと多くないと、効きが悪かったり、早く切れたりするような気がしますが。。)
そして、こういう注射の処置って、どんな注射器を使おうが、どんな針を使おうが、お金(保険点数)は同じです。
美容医療では、最低でも30G(針の太さを表す数値です)です。
うちであれば、別途料金が発生しますが、33G,34G、とさらに細い針もあります。
(痛みに弱い方用です。)
一般保険診療をされてきた皮膚科・形成外科に、まあ、30Gを置いていることもとても珍しく、ましてそれ以上の細い針なんて!
針代は、持ち出しですから、クリニック持ちです。
もらえる保険点数が同じなら、針にお金をかけるドクターは、普通いないでしょう。
そういことを全部ひっくるめて、保険で治療することで、そうそう儲かりません。
それだったら、もうボトックスには関わらず、今まで通り、保険診療やってるほうが、より儲かって、簡単なわけです。
ホントに、どなたがされているんでしょうね。こんな割の合わない処置。。
もう趣味の世界というか。。
ちなみに、うちでは、もちろん自費です。
麻酔薬も混ぜています。普通30Gです。
自費だから、痛みが全くないわけではなく、治療に選択肢がある点がいいかな、と思います。
3月となると、少し暖かい日も増えてきますから、汗ばむ日もありますよね。
ワキ汗がきになる方は、そろそろ考えだすころですよね。
多分、キャンペーンは、顔のボトックス以外(ワキボトも)も入れると思いますから、よかったらどうぞお使いください。