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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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肌断食

肌荒れ相談で来られる患者さんの中には、いわゆる「肌断食」をされていた方・されている方が、時々いらっしゃいます。

私もブログで「いらんことはしない!」「必要以上に触らない!」「必要ないものは塗らない!」など何度も言っていますが、肌断食(?)を勧めることって、まあありません。

今、顔中に赤くて炎症真っ只中の皮膚炎になっていて、ひりひりする・かゆい・痛いなどの症状があった場合は、何も塗らないようにということはたまにあります。

薬ですら、ダメな場合も。(まあ、ちょっとは使うことも多いですけど)

化粧品はもってのほかで、化粧品を塗らないので、せっけんで顔を洗う必要もないので、ぬるま湯洗顔のみで、嵐が過ぎ去るのを待つ、みたいな。。とにかく、今は刺激しないことを最優先で、一切禁止することが、たま=にです。

 

以前にもブログで紹介した、宇津木先生のご本(肌断食という書名ではありませんが)、覚えていらっしゃいますか?

あまりにも、みなさんがテレビや雑誌やネットのわけわからん化粧品などを、とてもいいと思っていたり、やればやるほどいい!みたいに思って(騙されて)いるので、ま反対の意見も知ろう!ということで、とてもわかりやすく書いてくださっているので、ご紹介しました。

化粧品会社の言い分、それを否という側の言い分、両方聞いた上で、自分の頭で判断する、というのが正解だと思うわけですが。

 

例えば、皮膚科医であっても、美容皮膚科医・形成外科医・美容外科医であっても、スキンケアに対する考え方が、100人いれば100人とも違います。

大体、摩擦をなくす・保湿・日焼け止め、というこの3本柱の根幹は同じかと思いますが、細かいところで意見が分かれてきます。

そして、もちろん、個々の患者さんも、肌質も環境も、まして今の状態も目標も違うので、細かくわかれます。

そういう意味では、正解はなく、患者さんの肌が良くなれば正解でしょうし、時間がかかることもありますから、ちょっと時間がたたないと、何が正解だったのか、わからない(気づかない)こともあるでしょう。

一緒に肌の経過を診て、スキンケアを変えていかないといけなこともあります。

肌は生き物ですから、刻一刻と状況が変わることもあります。

 

よくみなさんがされている「肌断食」は、洗顔は純せっけんのみ、もしくは水(ぬるま湯)のみ、保湿はワセリン、あるいは、ほんとに何もつけない。(もちろん、日焼け止めも)

 

でも、私は、日焼け止めも塗りたいし、簡単な化粧(っていっても、BBで肌に色をつけるくらいですが)くらいは、したい。

 

シミの治療でも、あまり積極的に治療もしないし、シワやたるみもそれほど気にしないし、最低限のスキンケアでいいという方の場合、日焼け止めを塗るのかどうかは、お好きにされたらいいですが(うちでは、シミや肝斑に、光・レーザー治療はしませんが)、そういうのが気になる方の場合、私は、日焼け止めは必要だと思っています。

ワセリンだけでは、日焼け止めもファンデーションも作れないので、なにかしらの薬剤がいるわけですが。。

 

肌断食をして、いらんことを全部止めるわけですから、そのうち、肌の機嫌も良くなって、調子が良くなることが考えれます。

もちろん、肌の調子の悪い時に、肌断食で乗り切れる方は、そして、肌断食をやってみたい方・我慢できる方は、されたらいいと思います。

 

ただ、乗り切るのがいつか、というのは、神様しかわかりません。。

1週間後なのか、1か月後なのか、3か月後なのか、半年後?1年後?3年後?

それは、わかりません。

 

日本は四季があるので、肌の状態はまだ戻っていないところに、季節の変わり目が来て、それについていけない方がものすごく多いです。

 

散々過保護で甘やかされて、薬漬けになっていた人に、いきなり、無人島で生活しろ!と無人島に放り込んだところで、やっていける人といけない人がいるのと同じで、スパルタについてける肌とついていけない肌があります。

 

なので、よほどのことがない限り、私は勧めてはいません。

 

いらんスキンケア(そうなると、スキンケアではないですが)は全部止めないといけませんが、保湿は必要なわけで、しかも自分の肌が乾燥しているわけですから、自分で自分の保湿剤を作れていないので、そういう時こそ、化粧品の出番です。というか、それが本来の化粧品の役割だと思います。

 

最低限のものだけ使って、お肌が落ち着いたら、いろいろチャレンジしたい方はされたらいいですし、もっと添加物を減らしていきたい方は、ここまで来たら、引き算をする。足すことでは一生やっていけません(、いけないこともないですけど)。

でも、最初から無理して飛ばして、引き算!引き算!ってやらなくてもいいと思います。

個人の肌の状態によっても違うので、そこは診察しないとわかりませんけど。

 

唯一無二のスキンケアや化粧品があるわけではないんです。

 

以前、来られた患者さんで、ほんとに肌断食をされている方で(患者さんのいうことを信じるのであれば)、肌断食は、もう2年以上されているそうです。

 

ところが、顔は真っ赤っかで、キメも全然なく、もちろんツヤもなく、なので若さが全く足りません。。。

そんなことを言って、ほんとはいらんことを一杯していることも多いですが、この方は、ほんとに何もしていないと言われます。

2年以上やっていたら、多少は良くなるものですが。。

 

。。。?

 

と思っていましたが、その方、洗顔はこすりまくるわ、普段あら顔はしょっちゅう触っているし、何かを塗る時も、刷り込んでこすり倒し。。。

ここまでやってしまっていたら、顔も真っ赤っかで、ツヤもキメもなくなるんだな。。とわかりました。

どんなものを使うのか、肌に何を塗るのか、も大事ですが、それ以上に大事なのが、肌の触り方かもしれません。。

 

 

なんでもやってみる・やってみて試してみる、ということは、やってみないとわかりませんけど、とりあえず、チャレンジするのはいいことです。

どこまで様子をみたらいい?と聞かれたら、診ていないので、わかりません。。

ただ、とりあえず、ちゃんとやってみて、ダメだったら、すぐに引き返すなり、立ち止まるなどをされてください。被害が少なくて済みますからね。

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スキンケア, 化粧品, 医療