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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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「ああ不妊治療 8年・1000万費やしたアラフォー漫画家の体当たり」

 

https://www.mangaz.com/book/detail/155961

 

このマンガ、前からあるのは知ってました。

今回読む機会があったので読んでみました。

前回のブログの不妊治療について、後編です。

 

この漫画家さんは、もうすでにお一人お子さんはいらっしゃって、二人目不妊で、不妊治療をされています。

 

マンガですから、前向きに、笑いも含めて書いていらっしゃるのと、苦労されても、マンガですから、軽く流して書いておられるところがあると思います。

基本は、不妊治療や体外受精・顕微授精・人工授精の流れと、費用について、細かく、わかりやすく書いてくださっているので、これからそういったことを考えておられる方、今まさにやっている方には参考になると思います。

 

医者から見て、私は産婦人科医ではないですが、勉強して知ったことや不妊治療されている患者さんは、いろんなクリニックで治療を受けておられるので、患者さんから聴いている実態や現状、持参していただく検査結果や説明書など全部診た上で、マンガ読んでいて、う~ん。。。やっぱり一つの局面からの見方だなというところもあります。

 

あくまでも、なんでもそうですが、この方の体験・取材された上で感じられたものの見方なので、そのまま真に受けないように。一つの意見として、参考にされてください。

 

 

マンガの表題にあるように、8年間で、1000万円以上費やされたわけですが、器質的な異常がないのであれば、というか、この方、お一人は出産されているので、そこは問題ないと普通考えます。

(でも、受診したら、一通りの検査はされると思いますけど。一人目の妊娠希望であっても、なんにも検査しないところもあり、ほんとに玉石混交です。。超有名なところでも、検査全然されていない方も結構おられます。。)

 

話を戻します。

 

8年間、結構な数の治療をトライされて、人工授精しようが、顕微受精しようが、生理が来てしまって終わり、ということを繰り返しておられます。。

 

 

かなり昔の話ですが、開業する前の話、何度も不妊治療されている患者さんがおられまして、休んでいる時に、レーザーされに来られてました。

金銭的には余裕のある方だったようで、ず~っと不妊治療されてました。

着床してもすぐに流れてしまって、せっかく育っても、いろいろトラブルが見つかり、あきらめざるを得ない。。ということがあり、最後はかなりショックな結果となり、そこで妊娠をあきらめられました。。

 

当時、私は、不妊治療についてなにも勉強はしていないので、本当の詳細はわかりません。

 

 

医者をずっとしていると、なんの病気でも病態でもそうですが、「こういうパターンは、うまくいかないことが多いよな。。」というのが、知識と経験から大体わかってきます。

でも、そこは人間の体ですから、そう割り切れるものではなく、嬉しい誤算=奇跡みたいに、劇的に良くなる・妊娠する、ということももちろんあります。

確率の問題。

 

なので、婦人科の医者なら、同じように、このパターンは。。みたいなことがわかる時も本当はあるのかと思います。

この患者さん、妊娠はあきらめたほうがいい、とまで言えるくらいの核心があるのかどうかはわかりません。

いろいろな詳細な検査結果から、そう伝えられることもあるのかもしれない。

 

でも、自分の予想に、科学的な根拠やエビデンスがなければ、それを口にすることははばかられるわけで、患者さんもそうですが、医者があきらめた時点で、終わるわけですから、不妊治療において、医者のほうから、「もう止めたら?あきらめたほうがいいんじゃないですか?」と言われることはまあないかと思います。

(根拠があれば別ですが)

 

奇跡ももちろんあるでしょうし、なにより断ったら、そのクリニックの売り上げにはならないわけで、患者さんがお金払ってやりたいと言っているんだから、希望はもちろんゼロではないので、止められることはありません。

年齢がいけばいくほど、ガンガンやるように、急ぐように言われると思います(営業もあるかもしれませんが、医学的見地から)。

 

なので、患者さん側に経済的に余裕があれば、この漫画家さんのように、かなりの金額を費やす方もおられます。

 

 

普段東京におられるんですかね、この漫画家さん。

わざわざ大阪まで来られてました。

セカンドオピニオンはとても大事なので、別の医者の意見も聞いてみる、別のクリニックのやり方を見てみる、というのはとてもいいです。

どれくらい前の話かわかりませんが、今の時代、わざわざそこまで遠いところに行かなくても、ガンガンやっている不妊治療は、だいたい日本中のメジャーな都市部では、いくつか不妊専門クリニックがあると思います。

 

どういった情報で、クリニックを選んでいるのか、というのは、疑問に思うところもありましたが、受診してみないとわかりませんから、いろいろ行ってみるのはありかと思います。

ほんとうに、やり方(説明も含めて)というか、方針というか、検査内容ですら、全然違うので。。

 

 

この漫画家さん、民間療法にもかなり手を出されたらしく、うちの患者さんでも多いですが、漢方薬局で、バカ高い漢方、買って飲んでる方、わりとおられます。

う~ん。。。というものが多いのと、値段と内容があってない、というか、自費だから仕方ないというか、値段はあちらのいいなりになりますが、こんな漢方に、何万円も出さなくても。。と医者の目から診て、いつも思います。

 

「妊娠に効く漢方」というのでなく、本当はその方の体調(特にバランス)を整えることが漢方の役割科と思いますが、その結果、妊娠しやすくなる、妊娠希望の方に試してもらう漢方というのは、他にも症状があることが多いので、保険診療で出すこともあります。

保険で漢方もらった場合、とても安いものです。

自費でもらう場合は、クリニックでいくらの値段にするのかは、そこの自由ですが、漢方薬局ほどの値段で処方されているのはあまりないかと思います。

それくらい、漢方薬局のが高い。

そして、不妊専門クリニックで、漢方を処方されている患者さんは、圧倒的に少ない。

排卵誘発剤やホルモン剤はバカバカ使っても、また使うようにガンガン勧められても、漢方飲んでみる?と医師から提案されることは、ほとんどなかったです(うちに来られた、不妊治療されている患者さん方の経過から)。

 

漢方がそこまで劇的にもちろん効くわけではないですが、それほど高額でないなら、漢方くらい出してあげたらいいのに、と思います。

人工的な処置をしていく上で、他に追加でなにかするなら、漢方は一つの手段としてありでしょう。

そういうことをフォローしないから、漢方薬局に走る患者さんも多いのかなと思います。

 

 

うちも昔、それならうちで漢方出しましょうかと出していた時期もありました。

(婦人科が出してくれないから)

オーソモレキュラー療法始める前の話。

 

オーソモレキュラー療法始めてから漢方薬を使うことはめっきり減りました。使う時は使いますが、不妊治療に関しては、ほんとのほとんど出しません。

患者さんが希望されたら出しますが、その予算で、サプリ1粒でも増やしたら?と提案することのほうがほとんどです。

 

 

この漫画家さんも、体外受精をする予算1回分でも、オーソレモキュラー療法に回しておられれば、人生変わったのかもと思います。

 

漫画家として、かなりハードな生活をしておられ、昼夜逆転は当たり前、過酷な締め切り、創作しますから、脳は無茶苦茶栄養使います。。。

マンガ好きのオーソモレキュラー療法実践医師の私からすると、漫画家さんの体調がいつも心配です。

二人目を妊娠できるほどの栄養は、一人目と普段の仕事などで使い果たしてしまったのかもしれません。

 

その予算で、栄養ガンガンちゃんと足してあげて、食事も変えていれば。。。と表題見た時に一番に思いました。

 

まだまだオーソモレキュラー療法の認知度が低いので、不妊治療で悩んでおられる方にまで情報がなかなかいきませんね。

知っている方は知っているし、実践される方は実践されるし。

情報格差と、あきらめずにやる!という理解度と行動力も大事ですね

 

こういう方もおられるから、栄養ほったらかしにして、体外受精しても勧めないというわけです。

栄養ないがしろにして、妊娠もでき、妊娠の維持もでき、赤ちゃん・母体ともに健康、無事出産、授乳育児も全く問題ない、となるなら、いいんですけど。。

 

 

 

 

 

 

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エイジング, サプリメント, 医療, 栄養・食事