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    柴 亜伊子
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先々週の「ホンマでっか?!TV」の続き

「ホンマでっか?!TV」の紫外線の話、言い忘れていたことがあったので、付けたしです。

 

途中で、日焼けサロンの話が出たと思いますが、皮膚科医・アンチエイジングをしているドクターで、日サロを、「大丈夫」というものは、誰ひとりいません。

日サロには、絶対行ってはいけません!!

 

番組の中で、池田先生でしたか、日サロのライトは、有害な紫外線をカットしてあるから大丈夫、とおっしゃってましたが、これは、紫外線C波のことです。

このC波というのは、殺菌ランプとかに使われている紫外線のことです。

これは、皮膚ガンを引き起こします。

殺菌するわけですからね、ばい菌だけを殺すなんて、そんな器用はことはできません。

なんでも破壊していくわけです。そりゃ、皮膚ガンにもなるわな~。

 

まともな日サロであれば、当たり前ですが、C波をカットしている紫外線ランプを使っているはずですが、これまた、そんなまともなことをしている日サロばかりではないんですよね~。

私が大学にいた頃、ちょっと紫外線の研究をしていたましたが、研究するのに、紫外線ランプが絶対必要です。

また、大学には、紫外線ランプがあり、一部の治療で、紫外線を使う治療があります。

 

研究に使うランプはA波とB波です。

もちろん、実験用のちゃんとしたメーカーのランプですが、それでも、わずかにながら、C波が混ざってきます。絶対C波のみカットするというのは、もっと高い装置ならできるのかもしれませんが、その時、研究室にはありませんでした。

治療で使われるのは、もちろんA波です。これは、A波だけだったと思いますが。

 

全部の日サロが、ちゃんとしたメーカーを使っているなんて、保障はどこにもありません。

だって、そういうちゃんとした機器は、お金がかかりますからね~。

どんな紫外線が出ているのかなんて、まあ、ムチャクチャです。

質の悪い日サロだと、目の保護もさせずに、注意もせずに、そのまま顔を焼かすサロンもあり、ホントにムチャクチャでした(この当時ですら、目の保護は、A波であっても、絶対保護でした。)。

当時、ニュースとかにもなっていたと思いますが、日サロで、この一番有害なC波が混ざっているので、注意喚起されていたこともあったし、皮膚科医は、患者さんが日サロに行っていると言われれば、普通は、止めておけ、と言います。

A波だけ、という保障が何もないですからね。

 

私の記憶では、大学で、研究していた時も、A波もガンになる可能性がある、ともうデーターが出ていたはず、と思うんですが、違ったかな。。?

ずっと全ての紫外線は、当たった量が増えるにつれ、A波であっても、ガンになると私は認識していました。そう習ったはず。。

 

大学で研究していた時、微量の放射線もガンになるから、微量でもダメ、というデーターを勉強会とかで見せられて、ラドン温泉とか行ってはいけない、というふうに習いましたが、この15年以上の間に、微量な放射線被曝は、かえって健康にいい、というデーターが出てきて、だから、昔からあるラドン温泉とかいいんだろう、という風に変わってきました。もちろん、微量と言っても、年齢とか妊娠とか被曝量によっても全然違いますけどね。

医学も進歩したら、全く逆のことが出てくるわけです。

 

でも、紫外線に関しては、悪いことだらけ、という印象です。

今でも、といういうか、前からずっとA波もダメです。

(治療で使われる場合は、ちゃんと主治医が計算して、メリットデメリットをわかった上で、治療に使っていますから、それは安心されてください。

一定の期間やっても、全然効果がない場合は、紫外線治療は中断されるはずですので、その辺は、しっかり説明を聞いてくださいね。)

だから、C波を混ぜていない質のいい日サロだったとしても、日サロはダメなわけです。皮膚ガンを考えておかないと、見た目と命と、どっちが大事か、ということです。

 

先日のセミナーだか学会でも、どなたかおっしゃってましたが、白人というのは、褐色の肌に憧れるらしく、特に、アメリカの若い方は、日サロに行くのが流行っているそうで、でも、日サロに行かないように、と注意喚起していても、若者は行きたがるので、問題になっているとかいないとかの話をされていました。

白人は、皮膚の色がないので、紫外線の害が、皮膚の奥に、バンバン行っちゃうから、我々有色人種であるアジア人よりも、もっと紫外線に注意しないと、ホントはいけないんです。

アジア人でも、白人のように、色白(オークル系の色白の方はまだマシかもしれませんが、ピンク系の方は特に注意です。)の方は、紫外線に注意です。

 

私の肌は、化粧品会社のカウンターで色をみてもらうと、黄色くて、明るい(オークル系の色白目、というヤツです。)です。

そこまで色白でもないですけどね、昔に比べたら。

10代の時は、日焼けすると、赤くなることが多かったので、それで18~19歳頃より、自主的に日焼け止めを塗っていました。塗り直しは、今ほどはしてなかったかと思いますが、まだ日焼け止めを塗ろうと言われていた時代ではなかったので、同世代の子から比べたら、日焼け止めを塗っていたほうでした。

それが幸いしたと思います。

日焼け止めを塗り続けて20年以上ですか、そのおかげで、、同世代の方よりも、肌年齢は若いと思います。

そりゃ、ライムライトやジェネシスやタイタンを定期的にしていますが、日焼け止めを塗らずにやっても、ホントの効果が出ませんからね、ちゃんとした効果が出てくれるのは、日焼け止めを塗っているおかげだと思うし、そういう治療を、ちょっとお休みしても、効果が、ある程度、「持つ」のも、日焼け止めを塗っているおかげだと思います。

 

紫外線に当たったから、すぐにガンになるわけではないですが、要は蓄積した結果なので、どこで、ガンになるかなんて、ずっと測っているわけではないので、誰にもわかりません。

街中で、暮らしていく分くらいなら(紫外線に積極的にあたる機会がなければ)、ガンになる方は、かなり確率としたら、少ないとは思いますが、ガンにならなかったとしても、皮膚障害は、遅かれ早かれ来るわけです。

老化のスピードが変わりますからね。

 

時々、患者さんで、もうすでに、テニスやゴルフで、真っ黒に日焼けしている50代前後~もっと年上の患者さんにお会いすることがあります。

紫外線の害を説明して、心を入れ替えて、美容・美肌治療に頑張る、と言う方が大半ですが、(私は、70代の方にも、今からでも遅くないから、日焼け止めを塗るように申し上げます。手遅れ、なんて、ないわけです。気づいた時から、やり直せばいいわけで、そこから人生は変わってきますよ。)

 

そういう方の肌をワントーン明るくするくらいであれば、患者さんも日焼け止めを塗るのを頑張ってくだされば、時間と回数をかければ、そんな難しいことではありません。

でも、色黒の中に、いろんなトーンのシミがたくさんあって、そのシミを取ってほしい、あるいは、かなり目立たなくしてほしい、というのは、至難の業で、患者さんが日焼け止めを頑張っても、時間とお金がかかりすぎて、患者さん側があきらめることもあります。

そういう肌って、ちょっとでも強い治療をすると、地肌の色が火傷してしまいますからね。下手すると、水玉みたいに、色が抜けてしまいます。

日焼け止めを塗らずに治療するというのは、理論上、できるわけないんですよ。→続く

 

 

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医療