プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

カレンダー

2012年8月
« 7月   9月 »
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

最近投稿した写真

ホーム > 2012年08月15日



日焼け止めの話の続きです。

 

これまた、患者さんから、よく聞かれるのが、「SPFの高い日焼け止めって、肌に悪いんでしょ?」「SPFの高いのは、肌に悪いって、販売員(か誰かに)に言われた」と言うものです。

 

都会に住んでいて、それほど外に出る機会が少ない方であれば、日焼け止めでも、SPF50ではなくても、SPF30を塗ってもいいと思うんですが、患者さんのいる環境によったら、30だと、50よりも、もっと塗り直しの回数が増えますよ。効果、持ちませんから。

また、私の知る限り、SPF30で、汗に強い、もしくはウォータープルーフの日焼け止めって、ほとんど売っていません。皆無ではないですが。。。

患者さんが使ってる日焼け止めのSPF30が、私の知っているそれではないですし、30を使っている方から、名前を聞いて確認しても、もちろん汗にも強くないです。

汗を全くかかない時に、それを使う分には、全く問題ありませんが、日本の夏、特に京都は、えげつない蒸し暑さで、5分も外にいたら、汗だくにはならなくても、最低でも、汗ばみます。

ちょっと移動して、立ち止まったら、汗、どんどん出てきませんか?

汗が出た瞬間に、そんな日焼け止めって、なんの役にも立っていませんよ。

汗も拭きますし、拭く時に、ハンカチでぬぐったら、これはさすがのウォータープルーフでも、取れますし、押さえ拭きしても、取れてるかもしれません。

汗に強くないものだったら、なおさらです。

 

みなさん、あまりご存知ないですが、SPF値の測定とかしている時は、メーカー側は、みなさんがびっくりするほどの量をつけて、実験がされています。

それくらいつけないと、その表示通りのSPF値なんて、出てないんです。

普通に塗っている、皆さんのされているような薄付きであれば、一体どこまで紫外線をカットしてくれているのかなんて、信じちゃいけません。

だから、塗り直しが必要なんですよ。そんなことは、日焼け止めの研究をしている研究者の方々であれば、皆さんわかっていることで、常識です。その常識を、多くの化粧品会社が、表で出していないだけで。。。

 

「紫外線吸収剤って、悪いんですよね?だから、SPF値の低いのをつけてるんですけど。。」というのも、時々聞かれます。

日焼け止めには、紫外線吸収剤という成分と、紫外線反射剤(散乱剤)という成分で、成り立っています。

この吸収剤が入っていないと、ほとんどの日焼け止めは、とても塗りにくく、また白くなり、ベタベタする、という、誰もがあまり使いたくない日焼け止めになるわけです。

で、この吸収剤なしで、SPTI値(PA値も)を高くするのは、かなり難しいようで、以前に、SPF40というのまでは見たことありますが、もう発売中止になりました。

この商品は、一般で売られていて、一応敏感肌用として、悪い商品でもなく、「アリ」な商品だと私は思っていたんですが、あまりの真っ白になるのと、硬くて、伸びず、ベタベタする、というので、全然売れなかったり、評判が悪かったせいで、製造中止となりました。

うちにも、SPF30(PA値 ++)の、紫外線吸収剤が入っていない日焼け止めは、2種類おいていますが、どちらも、汗をかいたら、流れます。

SPF50には、全部吸収剤が入っているし、汗に強いウォータープルーフのものにも全て、吸収剤が入っています。

 

吸収剤でかぶれる方がいらっしゃるんです。全員ではありません。

吸収剤がかぶれる方は、入っていないものを、もちろん使わないといけませんが、かぶれない方が使う分には、私は、使えばいいと思いますし、もちろん私も使っています。

でないと、汗をかく時に困りますし、SPF30では弱すぎる時、あるいは、塗り直しできない時(SPF50だったら、まだ塗りなおさなくても良かったのに、という時)に、困るのはジ自分ですからね。

 

そりゃ、紫外線吸収剤て、余分な添加物と言えば添加物でしょう。

でも、そんなこと言い出したら、化粧品すべてに、いろんな添加物が入っていて、どうして、吸収剤だけ、そんなに目の仇にされるのかが、わかりません。

完全にエコな生活をしていて、化学薬品一切排除、みたいな生活をされている方が、真っ白になるような日焼け止め(アフリカの方が、自然の材料を使って、塗っておられるような、白いやつ)を塗っていて、日焼け止めどころか、化粧品すべてが悪い!という生活をされているなら、理解できます。

(エコすぎるヤツって、SPFとかの表示が全くないのがあり、これは、実験すらしていないか、SPF値が低すぎて、表示したくないかのどちらかです。SPF値も書かないくせいに、「日焼け止め」として売るな!と言いたい。そんな日焼け止めでも必要、と言うなら、ちゃんとSPF値を測って、ちゃんと消費者が買う時に、見えるように、表示しろ!と思います。)

化粧品をバンバン使っているのに、どうして、日焼け止めだけ、悪モノにしますかね~。

はっきり言って、いわゆる基礎化粧品なんて、自分に合った保湿剤(なんでもいいです。自分の皮脂で間に合うというなら、塗る必要もありませんが)と日焼け止めさえあれば、それでいいんですよ。

(それ以上の効果を期待するなら、クリニック用の化粧品や一部の医薬部外品、医薬品を使わないと、いわゆる一般の方が思っている効果なんて、ありませんよ。だって、パッケージに、そんな表示はないでしょ?表示がない、ということは、効かない、ということです。販売員なんて、口からでまかせをいくらでも言いますからね。口から言ったことなんて、証拠が残りませんから、内部資料として、極秘に、「こう、お客様に言って、営業しなさい。」というのがあります。流出したら、エライことでしょうけど。。市販の化粧品で、シミを消すとも、シワを消すとも、どこにも、書いていないでしょ?書いていないんだから、効くわけないんですよ。効くんだったら、パッケージに書いています。(その時点で、化粧品ではないですけどね。医薬品しか、そんなことは書けないはずです。化粧品の限界を超えていますからね~。)

 

SPF30で、その方が、年中、自分のいる環境を乗り切れるなら、また環境に合わせて、30で、塗り直しをしていくなら、そこまでして30を使いたいなら(50を使わずに)、好きにされたらいいですよ。

でも、汗をかいたら、終わりだし、何回も何回も余分に塗り直して(50だったら、もう少し、塗り直しの回数が少なくても済んだかもしれないのに)、それこそ、お肌に負担にはなっていいないんですかね?

化粧品の科学が進歩して、以前のものに比べたら、SPF30の紫外線吸収剤が入っていないものも、かなり塗りやすくはなりましたが、吸収剤の入っているものに比べたら、、やっぱり負けてしまいます。特に、塗り直しの回数を増やした時に、その差がわかりやすいかも。。。

乾燥肌の方は、塗り直しを、マメにした時に、ぼてぼてになりやすいと思いますから、塗り直しをする前に、乳液を大目に塗って、肌に残っている化粧品になじませてやった後に、ティッシュオフ(こすったら、ダメですよ)してから、日焼け止めを重ねてあげると、塗りやすくなると思います。

乾燥肌の方は、しっとりタイプで、伸びがいいものを選ばないと、難しいことがありますよね。脂性の方は、脂さえ取ってしまえば、簡単なんですけど。

 

SPF30の、汗をかいたら、流れるヤツを、外にしょっちゅう出る方が、これまた真面目に、一生懸命何度も塗り直しをしたところで、それは、TPOを間違えていますから、選んだ日焼け止めが間違っているわけです。せっかくに努力が水の泡ですよ。

 

どういう環境で使うのか、TPOは合っているのか、その中から、自分の肌に合ったものを選ぶ、というのは、かなり大変なことです。

汗かいたら流れるものは、いくらでもデパートに行ったら、塗りやすいモノが売られています。

汗をかかないなら、そういう環境なら、その中から探せばいいと思いますよ。SPF50でも、かなり塗りやすい便利なものが出てきましたね。

肌にいいか悪いかは別として。。。

 

でも、汗に強い、とかウォータープルーフで、SPF50で、質のいいもの、あるいは、敏感肌の方でも、お試ししていいもの、乾燥肌の方でも安心して使えるものって、あまり売っていません。デパートにはまずないでしょう。

売っている商品の数自体も、とても少ないですからね。選ぶ種類すら、ないはずです。

そういう方は、やはりクリニック専用化粧品の日焼け止めから選ぶほうが、まだ無難だと思います。

→③へ続く