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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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今日は、京大の二次試験の日だったんですね。 私は、人間ドッグに行っていたんですが、いつもよりもタクシーがつかまらなくて、おかしいな、と思っていたら、その時間帯、タクシーがかなり出払って、特に京大周りは、バスとタクシーと自家用車で、溢れかえっているそうな。。。受験でタクシーとは、今時の受験生は、リッチですね。確かに、京大は地下鉄だけではいけない場所なので、車が必要です。。

頑張れ、受験生!ラストスパート~っ!!

さて、赤ら顔の治療の本題です。

どうして、だらだらと赤ら顔の話をしているのかというと、今回のことを書きたかったからです。

肝斑の患者さんで、初診時は、擦り倒しの刺激しまくりの、おかしな化粧品を使いまくりの、挙句のはてに、大阪の悪徳で有名な美容クリニックで、肝斑にレーザートーニングを受け、しかま飲み薬も何もなし、もちろん、スキンケアの話なしで、お金を巻き上げられた挙句、肝斑の見事な悪化、体の色素沈着(昔、アトピーみたいになって、かなりの広範囲、色素沈着が起きってしまった)にも効くからと、体の広範囲に、そこでトーニングをされ、これまた見事に悪化、悪化したことを言ったら、続けたらよくなるからと、またまたお金を巻き上げられ、ますますひどくなって、さすがにこれはおかしいとうちに来られた方です。。。 安いからと、韓国で、ボツリヌストキシン(注:ボトックス®ではないでしょう)だったか、ヒアルロン酸(どこのメーカーなのかも詳細は一切不明)だったか、もわざわざやりに行ったことがある方です。。。

(雑誌に、美容医療は韓国が安くて、しかも素晴らしい!みたいなことが書いてあったから、そのまま信じちゃったパターン。。。)

次から次へと、あ~あ~という典型的な、おかしなことはおかしなことを呼んでくる、類友状態だったんですが、長時間に渡り、何度も何度も説明して、患者さんも頑張って実践されて、時々、またおかしなことにフラフラ~といきそうになるのを、行く前に、私に聞いてからにしようと、とりあえず「止まって考える、考えてもわからない時は聞く」ということができるようになった方です。

最初は、お肌はボロボロで、顔全体にドス黒い、まだらの色素沈着(顔中、肝斑と思ってください。)の中に、さらに濃い肝斑があり、そして全体を覆い尽くすように、顔も赤く、正確には、赤黒く。。。

そういう方の場合は、まずは、スキンケアとおかしな化粧品は使わないことと、早くよくするのに、うちではジェネシスを使います。

こういう方って、実はこの方だけでなく、とても多いんです。

使っている化粧品の名前が違うとか、やっていたおかしなスキンケアが違うとか、引っかかったクリニックが違うという、名前の違いくらいで、韓国に行って美容治療を受けていなくても、韓国製の化粧品を使っている方も多いですし、エステでの施術もそうですし、TVと雑誌の影響ですね

そのまま、視聴率・購買獲得のための戦略に、まんまとはまってしまった方々。。

みなさん、肌ボロボロです。。ええ、そりゃもう、ひどいんです。。パッと見ただけで、どれだけアカンことをやってきたのか、推測できるくらい。。。

一刻も早く治すコツは、さっさと、そういうおかしなことから、一刻も早く逃げ去ることです。もう、関わらないっ!!

それにつきます。

医療は、あくまで、その補助です。ちょっと助けてくれて、早くよくしてくれる手助けをしてくれるもので、優先順位が一番になるものではありません。

さて、その患者さんもかなり頑張って、赤みが落ち着いたところで、ジェネシスから肝斑セット(ライムライト使用)に変更になり、今ではまだら感もなく、色白ではないですが、均一の綺麗な肌になり、キメも整って見えているし、ほっぺたのトップの位置には赤みがあるものの、チークを引いているように見える、という、とてもお得な肌になっています。

日焼け止めを塗ったら、ファンデいらないんじゃない?というレベルになり、前回から、肝斑やくすみはそれほど目立たないので、肌が明るくなって、赤みが見えやすくなってきたから、ジェネシスに変えましょうか、と戻したところでした。

いろいろ気になることもある方で、

(おかしなことに引っかかりやすい方は、みなさん、欲張りな方が多いです。

欲張りは、悪いことじゃないんですが、欲張りの方向が、いい方向に向かっていないというか、他力本願というか、棚から牡丹餅というか、簡単に飛びつき過ぎというか、そんなうまい話、あるわけないやん、という欲張りです。

欲しいモノは、自分が一番頑張る!そういう欲張りだったら、すっごいいい方向に行くんですけどね=。)

お近くの方ではないので、そうしょっちゅう来れるわけでもないし、冷えのぼせもあり、漢方もいろいろ試していたところで、そこに花粉症も合わさって、真冬で湿度が下がって、お肌も乾燥してバリア機能が落ちていたところに、花粉のアレルギーもあって、ちょっとお肌がピリピリしちゃっていたところに、エビーゼの日焼け止めを塗って、さらにその上にナビジョンの日焼け止め(SPF50 PA++++)を塗って、さらにその上からビューティフルスキンの日焼け止めパウダーをはたくということをされていました。。。

一体、どの地域で、紫外線にさらされるというんでしょう。。。

真冬は、アウトドアや雪山登山、南の島への旅行時などを除いて、日焼け止めは、なるべく刺激にないものを最低限に、乾燥させないようにをメインに、塗るように、シミ・肝斑の方には申し上げています。

紫外線の強い季節であれば、日焼け止めはかなり重要ですが、肌が荒れている時、調子の悪い時には、順位が下がります。

調子の悪い時には、肌に触るのは最低限にしないと。触ることでの刺激というのもありますから。

どの程度まで触るのか、保湿はどこまでのモノなら塗っていいのか、化粧はどうするのか、洗顔は?と考えないといけないこともたくさんあって、冬であれば、ホントに後回しにしていることが多いです。

使われた日焼け止めは、どれもその方には合っていたものですし、商品自体も質のいいものですが、調子の悪い時に、なんで、日焼け止めだけのために3回も触るねん、って話で、直接の赤みも原因ではないですが、「触る」という刺激が、赤みを増強させた原因にはなっていると思います。

そのことは、患者さんもご存知のはずなんですが。。。

だって、そういう経過を一緒に歩いてきたから。。

花粉症が皮膚のほうにも出てきていたので、少し赤みが増えていましたが見た目は全然おかしくもないし、私は、その割にいい状態を保てているな、と思っていたんですが、患者さんからしたら、顔色が明るくなった分、余計に気になるようで。。。

気になるから、、また触る、触るから、また赤くなる、という、鶏が先か卵が先か、と同じですね。

やっと落ち着いてきたかな、と思うと、新しい刺激がなにか起こるんですね。

患者さんが意図してやったことでなくても。

花粉症の時期は気を付けないとね。

その新しい刺激を最初の一撃を受けてしまうのは、これは誰であったとしても、一生避けて過ごせるものではありませんが、その一撃を受けた後ですね、大事なのは。

おかしい、と思って、逃げ切れるか、そのまま、刺激の攻撃を受け続けるのか。。。

ご自身で、受診するまでの期間の間に、どこまで気付くかどうか、にかかっているわけですが。。。

おかしなことをまたやってしまうと、類友なので、またおかしなことを呼んでくるようで。。。

その方が、「赤ら顔に、ビタミンKが効くらしい」と言い出されました。。

また、エライところに飛んでいったな。。。

う~ん。。。。

医薬品で、ビタミンK剤というのは確かにありますが、赤ら顔で使うものではありませんし、もちろん、飲んでも効きません。

めったにない病気ですが、ビタミンK欠乏症という病気で使うものです。

他の病気でも使うこともありますが、かなり特殊な場合だし、そうめったに使う薬ではありません。

一般に飲むビタミン剤(BとかCとか)とは、全然違うものです。

市販で売っていたとしても、はあ?と思います、副作用をどう考えているつもりなのか、と思いましたが、市販のもので副作用が出るほどのモノが売れるわけがないので、ということは効果も出るわけありませんから、一体どういう目的で、市販で、「ビタミンK」を売っているのかは、知りませんし、わかりません。

で、患者さんがネットから得られた情報によると、ビタミンKのクリームを塗ったら、赤ら顔が治ると。。。。

私の勉強不足かもしれませんが、私は、そんな治療法は知りません。

ホントに勉強不足だったら、申し訳ありませんが、う~ん、聞いたことがありません。。すみません。。。

まず、ビタミンK配合の医薬品の塗り薬というものがありません。

(勉強不足だったら、すみません。。大学で皮膚科を勉強した間、一度も名前を聞いた記憶もないです。。。)

もし、あるとすれば、医師が自分で、クリーム基剤などに、ビタミンKの薬物を混ぜて作るか、どこかの専門の会社に個人的に作らせるか、になると思うんですが。。。

昔は、いい化粧品も医薬品の塗り薬もなかったですから、飲み薬や注射薬を、なにかに混ぜて、皮膚に塗るようなことがありました。ないものは仕方ないから、自分で作るしかなく、患者さんをなんとかよくしようと考えた、昔のドクターたちの努力であり、苦悩です。それが効いたかどうかが別として、悪化がなければ、使っておられたと思いますよ。

でも、これだけ化粧品の科学が進歩して、いろんなことがわかってくると、ただ混ぜただけでは、肝心の効かせたい深さまで(場所まで)全然届いていなかった、ということも、薬の種類によっては、わかってきました。

製薬会社や大学などの研究施設などがちゃんと実験で確認して、データーを提出して、厚労省が認可した薬とは別物で、医師が勝手に作った自家調剤の薬は、その作った医師の全責任として、患者さんに処方はしてもいいのはいいんですが、だからと言って、それが効いているのかどうかは別問題です。

どこかのドクターが、ご自分なりの理論で効くと考えて、自家調合して、実際、自分の患者さんに試してもらったら、大勢の方が効いて、やっぱり効くんだ!と思ってやっている分には、学会発表なり、医学論文なりにならないと、表には出てきません。

で、その治療法も、ある程度メジャーにならないと(多くの医師に受け入れられないと)、知っている医師は全然いない、ということにもなります。

まあ、知らしめるのが目的ではなく、患者さんさえ満足してくれたらいいや、という場合は、大体的にされているわけでもなく、目立たずに、処方されているわけですが。

ビタミンK剤のクリームを塗って、赤ら顔に効くとは、私はちょっと考えにくいです。

理論上、やりたいことはわかりますが、果たして、毛細血管の深さまで、入っていって(皮膚から)、しかも毛細血管を破壊するところまで血栓を形成するとは、ちょっと考えにくい。。。

もし、ホントに、これが効いたら、大量に、広範囲に塗ったら、血栓だらけになる可能性があるわけで、効く=副作用がある、ということですから、大変なことになりますよ。効くような薬は危なくて、処方は、ようしません。

ビタミンK剤の塗り薬の使い道がなければ、製薬会社も儲かりませんし、需要もなければ、売りもしないし、開発もしません。

医学的な使い道が、果たして外用にあるのか。副作用の問題もあるのに。

今後、もしデーターを取って、発売までこぎつければ、使う機会もあるのかもしれませんが。。

美容医療では、レーザー等を使います。

うちでは、毛細血管拡張には、ジェネシスの設定を変えて、ロングパルスヤグレーザーを、血管1本1本に照射して、血管を潰していきます。

うまくいけば、1回で血管は消失しますし、回数や時間のかかることもありますが、効果はいいです。

どの大きさの血管までやっつけられるのかは、レーザーの設定によります。

大きい血管を破壊できればできるほど、副作用(血栓の形成・血管の破綻による内出血・内出血による紫斑)などのリスクも増えます。

あと、強いレーザーなので(1回で血管が消えることも多いですから)、痛いです。

(麻酔はしませんが、うちでは、たくさんあてるのは、勧めていません。最初は、2~3発で様子をみたら?と言っています。慣れてきたら、患者さん次第ではありますが、大量にあてるものでは、私はないとおもっています。)

うちのは、1発が直径3ミリですから、届く深さも、範囲も、限定できるわけです。

塗り薬(がもしあったとして)で、広範囲に塗った時に出るだろうと予想される副作用とは違います。

治療範囲が小さいということは、安全性をより高くしている、ということです。

(あくまで、塗り薬が本当に効くと仮定した場合の話で、そんなものは多分ないので、あくまで架空の話です)

さあ、その架空の話だと思っていたら、なんと!ネットで売っているらしい。。。医薬品でもないと思いますが。。。

医薬品でないなら、どうして効くんでしょう。血栓ができるものをネットで売るんですか?血栓ができなかったら、なんで毛細血管が減るんですか?どういう機序で赤ら顔に効くんですか?誰でも買えるんですか?

恐ろしいですね~。厚労省や警察は知っているんでしょうか。。。効くなら、医師法違反では?薬事法違反では?製薬会社だったらいいの?薬なの、それ?

本物だったら、そりゃ大変ですよ!すぐに通報しないと!(笑)危ないんじゃない?

→続く